JP3664644B2 - 磁気ヘッドの支持構造および磁気カードリーダ - Google Patents
磁気ヘッドの支持構造および磁気カードリーダ Download PDFInfo
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- G11B5/48—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
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- Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
- Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
- Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気カードの磁気記録媒体に対して磁気情報を読取り、または書込み処理するような磁気ヘッドの支持構造および磁気カードリーダに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、磁気カードリーダの内部に配置される磁気ヘッドの支持構造としては、例えば図１２に示すようなものがある。
すなわち、カードリーダの装置本体側に設けられた固定プレート９１にガイドピン９２，９２を設ける一方、該ガイドピン９２，９２に沿って上下動可能な下動プレート９３を設け、この可動プレート９３にネジ９４等の締結部材およびヘッド保持ブラケット９５を介して磁気ヘッド９６を取付け、スプリング等の付勢手段９７により可動プレート９３を介して磁気ヘッド９６を磁気カード９８側へ付勢したものである。
【０００３】
この従来構造によれば、上記磁気ヘッド９６は磁気カード９８に追従して可動プレート９３と共に上下動し、かつガイドピン９２が挿入される孔部９９を遊嵌孔に設定すると、磁気カード９８の反りに対応して磁気ヘッド９６を変位させることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来構造の磁気ヘッドの支持構造においては、磁気ヘッド９６がネジ９４等の締結部材を用いて取付けられているため、磁気ヘッド９６それ自体を容易に脱着することができず、また揺動式の磁気ヘッド構造体のユニット化が困難な問題があった。
【０００５】
この発明は、磁気カードの反り等に追従し得る機能を備えた磁気ヘッドを、ネジ等の締結部材を用いることなく、容易に着脱することができる磁気ヘッドの支持構造の提供を目的とする。
この発明はまた、着脱性に優れた磁気ヘッドの支持構造を有する磁気カードリーダの提供を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明は、磁気ヘッドを揺動可能に支持する磁気ヘッドの支持構造であって、上記磁気ヘッドの前後に支軸を突設し、固定部に固定する固定部材に上記磁気ヘッドの各支軸を支持するための一対の側板部を設け、上記磁気ヘッドの各支軸を支持するための一対のアーム部を備えた可動部材を上記固定部材に回動可能に支持すると共に、定位置に付勢し、上記固定部材の一対の側板部と、上記可動部材の一対のアーム部との上記磁気ヘッドの支軸を支持対応する支持部を、一方には縦方向で下端が開放する溝形状に、他方には上記溝形状に支持された支軸を抜け止め状態で枢支すると共に溝方向に可動可能に支持する支持形状に形成したものである。
上記支持形状を横方向で一端が開放する溝形状に形成することができる。
【０００７】
上記磁気ヘッドの揺動方向は磁気カードの搬送方向と直交するカード幅方向に設定することができる。
【０００８】
この発明によると、固定部材に対して可動可能に支持された可動部材を、付勢力に抗して定位置と反対の方向に回動させると、その支持部に磁気ヘッド側の支軸を着脱することができるので、ネジ等の締結部材を一切用いることなく、磁気ヘッドを容易に着脱することができる。
【０００９】
また、磁気ヘッドの装着後において、該磁気ヘッドはその前後に突設された支軸を支点として回動可能に支持されるので、磁気カードの幅方向に対応して回動可能となり、磁気カードの反りに対応することができる。
【００１０】
この発明の一実施態様においては、上記可動部材はコ字状に形成されたものである。
上記構成によれば、可動部材のコ字状構造により磁気ヘッドがカード搬送前後方向に変動するのを防止することができる。
【００１１】
この発明による磁気カードリーダは、上記構成の磁気ヘッドの支持構造を備えたものである。
上記構成によれば、磁気カードに対する追従性と磁気ヘッドの着脱性に優れた磁気カードリーダを構成することができる。
【００１２】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は磁気ヘッドの支持構造を備えた磁気カードリーダを示し、図１において、この磁気カードリーダ１１はカードリーダ本体１２に形成されたカード搬送ライン１３の上下対向位置に搬送ローラ１４，１４、１５，１５、１６，１６を設けて、磁気カードＡを磁気カードリーダ１１の出入口部１７からカード搬送ライン１３に沿って可逆搬送すべく構成している。
【００１３】
また上述の搬送ローラ１５，１６間には押圧ローラ１８と搬送ローラ１９とを上下に対設し、搬送ローラ１９側つまりカード搬送ライン１３の下側には磁気ヘッドユニット２０を設けている。
【００１４】
上述の磁気ヘッドユニット２０は磁気ヘッド２１を有し、この磁気ヘッド２１で磁気カードＡの磁気記録媒体に対する磁気情報の読取り、書込み、消去を実行するように構成している。
【００１５】
上述の磁気ヘッドユニット２０は図２に正面図で、図３に平面図で、図４に側面図でそれぞれ示すように構成されるが、まず、図５、図６、図７を参照して磁気ヘッド２１が取外された状態下における磁気ヘッドの支持構造体について説明する。
【００１６】
この磁気ヘッドの支持構造体は、固定部としてのカードリーダ本体１２に固定される固定部材２２と、支軸２３を用いて固定部材２２に回動可能に支持された可動部材２４とを備えている。
【００１７】
上述の固定部材２２は略平板状の基部２２ａと、この基部２２ａから直角に前方へ延びる逆Ｌ字状の側板部２２ｂ，２２ｂとを有し、逆Ｌ字状の側板部２２ｂ，２２ｂのコーナ部相互間には上述の支軸２３を張架している。
【００１８】
上述の逆Ｌ字状の側板部２２ｂは図７に示す如く上側の水平部と下側の垂直部とを有し、この水平部の前端部分には縦方向の溝部２５が形成されてている。この溝部２５は上下方向に指向し、その下部が開放された溝部である。
【００１９】
また上記側板部２２ｂにおける水平部の前後方向中間部上側には相対向する円柱状のストッパ２６，２６が一体形成されているが、このストッパ２６は角柱状であってもよい。
【００２０】
一方、上述の支軸２３にその基端部が枢着された可動部材２４は一対のアーム部２４ａ，２４ａを連結部２４ｂで一体連結して、平面から見てコ字状に形成されている。
【００２１】
ここで、上記アーム部２４ａ，２４ａの遊端側には横方向に延びる溝部２７，２７が形成されている。この溝部２７はその先端が開放された溝部であり、この実施例では溝部２７先端にテーパ部を連設して、磁気ヘッド２１の挿入操作性の向上を図っている。
【００２２】
また上述のアーム部２４ａ，２４ａにおいて固定部材２４側のストッパ２６と対応する部分には凹状の係止部２８が形成されている。
さらに上述の支軸２３には可動部材２４を定位置(係止部２８がストッパ２６に当接する位置)にバネ付勢するスプリング２９を設けている。
【００２３】
このスプリング２９で可動部材２４が図５、図６、図７に示すように定位置に付勢された条件下においては、上述の各溝部２５，２６が交差するように構成されている。
【００２４】
上述の可動部材２４は支軸２３を支点として回動可能に構成されているので、付勢手段としてのスプリング２９のバネ力に抗して図７の定位置から図８の磁気ヘッド着脱位置へ回動操作させることができる。
【００２５】
ところで、前述の磁気ヘッド２１の下部には図１、図９に示すようにヘッド本体保持ブラケット３０(以下単にブラケットと略記する)を固定し、磁気ヘッド２１のリード端子３１を該ブラケット３０の開口部３０ａから下方へ突出させている。
【００２６】
しかも、上述の磁気ヘッド２１の前後方向(磁気カードＡの搬送方向に沿う方向)と対応するようにブラケット３０の前後には一対の支軸３２を突設固定している。
【００２７】
上述の磁気ヘッド２１を図５、図６、図７で示した支持構造体に取付けるには、まず図７に示す定位置の可動部材２４を支軸２３を支点としてスプリング２９のバネ力(付勢力)に抗して図８の磁気ヘッド着脱位置へ押下げ操作により回動させる。
【００２８】
次にブラケット３０および支軸３２を備えた磁気ヘッド２１を図９に示すように可動部材２４の先端に近接させた後に、図１０に示す如く一対の支軸３２，３２を可動部材２４の一対のアーム部２４ａ，２４ａにおける横方向の溝部２７，２７に挿入する。
【００２９】
次に、可動部材２４に対する押下げ力を解除すると、磁気ヘッド２１側の一対の支軸３２，３２は横方向の溝部２７，２７に挿入された状態を維持しつつ、その両端部は固定部材２２の一対の側板部２２ｂ，２２ｂにおける縦方向の溝部２５，２５に挿入され、また、可動部材２４は凹状の係止部２８が固定部材２２側のストッパ２６に当接する定位置に付勢されて、図１１および図２、図３、図４に示す磁気ヘッドユニット２０となる。
【００３０】
図２〜図４に示す状態の磁気ヘッドユニット２０において、上述の磁気ヘッド２１は前後一対の支軸３２，３２を支点として磁気カードＡの幅方向に揺動可能であり、しかも、一対の支軸３２，３２は交差する両溝部２５，２７で抜止め状態に枢支されている。さらに磁気ヘッド２１は可動部材２４を介して上下可能に保持されており、該磁気ヘッド２１の下動時にはスプリング２９による付勢荷重が該磁気ヘッド２１に付加される。
【００３１】
ところで、上述の固定部材２２における基部２２ａには磁気ヘッドユニット２０をカードリーダ本体１２の所定部に固定するための孔部３３が形成されており、磁気ヘッドユニット２０はこの孔部３３に挿入される取付け部材(図示せず)を用いて、カードリーダ本体１２の所定部に取付けられる。
【００３２】
なお、上述の磁気ヘッドユニット２０から磁気ヘッド２１を取外すには、磁気ヘッド２１の取付け時の操作と逆の操作を行なうとよい。
すなわち、図１１に示す定位置から磁気ヘッド２１およびブラケット３０を押下げて、図１０に示すように各溝部２５，２７の交差がなくなった磁気ヘッド着脱位置において、磁気ヘッド２１およびブラケット３０を介して一対の支軸３２，３２を可動部材２４の横方向の溝部２７から引き抜くと、図９に示す如く磁気ヘッド２１を取外すことができる。
【００３３】
このように上記実施例の磁気ヘッドの支持構造は、磁気ヘッド２１を揺動可能(図４の矢印ａ方向、矢印ｂ方向参照)に支持する磁気ヘッド２１の支持構造であって、装置本体としてのカードリーダ本体１２に固定される非可動の固定部材２２と、この固定部材２２に回動可能に支持され、かつ付勢手段にて定位置(図２〜図４参照)に付勢された可動部材２４と、磁気ヘッド２１の前後に突設された支軸３２，３２とを備え、上記固定部材２２と可動部材２４との対応部には上記支軸３２を着脱可能に支持する溝部２５，２７が一方(部材２２，２４の一方のことで、この実施例では固定部材２２)には縦方向に他方(部材２２，２４の他方のことで、この実施例では可動部材２４)には横方向に形成されたものである。
【００３４】
この構成により、固定部材２２に対して可動可能に支持された可動部材２４を、付勢力に抗して定位置と反対の方向(図８、図９に示す磁気ヘッド着脱位置の方向)に回動させると、その溝部２７に対して磁気ヘッド２１側の支軸３２を着脱することができるので、ネジ等の締結部材を一切用いることなく、磁気ヘッド２１を容易に着脱することができる。
【００３５】
また、磁気ヘッド２１の装着後において、該磁気ヘッド２１はその前後に突設された支軸３２を支点として回動可能に支持されるので、磁気カードＡの幅方向に対応して回動可能(図４に示す矢印ｂ方向へ回動可能)となり、磁気カードＡの反りに対応することができる。
【００３６】
さらに、上記可動部材２４は図３、図６に示す如く平面視でコ字状に形成されたものである。この可動部材２４のコ字状構造により磁気ヘッド２１がカード搬送前後方向に変動するのを防止することができる。
【００３７】
一方、上記実施例の磁気カードリーダ１１(図１参照)は、上記構成の磁気ヘッド２１の支持構造を備えたものであるから、磁気カードＡに対する追従性と磁気ヘッド２１の着脱性に優れた磁気カードリーダを構成することができ、例えば磁気カードＡに対する磁気情報の読取および／または書込みが必要な現金自動支払機いわゆるＡＴＭ等の各種装置に内臓させて用いることができる。
【００３８】
また上記実施例で示したように支軸２３、可動部材２４、磁気ヘッド２１、ブラケット３０および支軸３２の各要素を垂直ガイド部品としての固定部材２２に組付けるので、これら各要素を小スペースで、かつ小型コンパクトにユニット化することができる。
【００３９】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の磁気ヘッドの支軸を支持する支持部は、実施例の固定部材２２(ヘッド固定ブラケット部材)側の溝部２５Ｕ、および、下動部材２４(ヘッド保持用の回転アーム部材)側の溝部２７に対応するもの、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【００４０】
【発明の効果】
この発明によれば、磁気カードの反り等に追従し得る機能を備えた磁気ヘッドを、ネジ等の締結部材を用いることなく、容易に着脱することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の磁気ヘッドの支持構造を備えた磁気カードリーダの内部側面図。
【図２】 磁気ヘッドの支持構造を示す正面図。
【図３】 図２の平面図。
【図４】 図２の右側面図。
【図５】 磁気ヘッドを取外して示す支持構造体の正面図。
【図６】 図５の平面図。
【図７】 図５のＢ−Ｂ線矢視断面図。
【図８】 可動部材の押下げ状態を示す断面図。
【図９】 磁気ヘッドの着脱状態を示す断面図。
【図１０】 磁気ヘッドの着脱状態を示す断面図。
【図１１】 磁気ヘッドを定位置に付勢した状態で示す断面図。
【図１２】 従来の磁気ヘッドの支持構造を示す説明図。
【符号の説明】
１１…磁気カードリーダ
２１…磁気ヘッド
２２…固定部材
２４…可動部材
２５，２７…溝部
３２…支軸
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気カードの磁気記録媒体に対して磁気情報を読取り、または書込み処理するような磁気ヘッドの支持構造および磁気カードリーダに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、磁気カードリーダの内部に配置される磁気ヘッドの支持構造としては、例えば図１２に示すようなものがある。
すなわち、カードリーダの装置本体側に設けられた固定プレート９１にガイドピン９２，９２を設ける一方、該ガイドピン９２，９２に沿って上下動可能な下動プレート９３を設け、この可動プレート９３にネジ９４等の締結部材およびヘッド保持ブラケット９５を介して磁気ヘッド９６を取付け、スプリング等の付勢手段９７により可動プレート９３を介して磁気ヘッド９６を磁気カード９８側へ付勢したものである。
【０００３】
この従来構造によれば、上記磁気ヘッド９６は磁気カード９８に追従して可動プレート９３と共に上下動し、かつガイドピン９２が挿入される孔部９９を遊嵌孔に設定すると、磁気カード９８の反りに対応して磁気ヘッド９６を変位させることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来構造の磁気ヘッドの支持構造においては、磁気ヘッド９６がネジ９４等の締結部材を用いて取付けられているため、磁気ヘッド９６それ自体を容易に脱着することができず、また揺動式の磁気ヘッド構造体のユニット化が困難な問題があった。
【０００５】
この発明は、磁気カードの反り等に追従し得る機能を備えた磁気ヘッドを、ネジ等の締結部材を用いることなく、容易に着脱することができる磁気ヘッドの支持構造の提供を目的とする。
この発明はまた、着脱性に優れた磁気ヘッドの支持構造を有する磁気カードリーダの提供を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明は、磁気ヘッドを揺動可能に支持する磁気ヘッドの支持構造であって、上記磁気ヘッドの前後に支軸を突設し、固定部に固定する固定部材に上記磁気ヘッドの各支軸を支持するための一対の側板部を設け、上記磁気ヘッドの各支軸を支持するための一対のアーム部を備えた可動部材を上記固定部材に回動可能に支持すると共に、定位置に付勢し、上記固定部材の一対の側板部と、上記可動部材の一対のアーム部との上記磁気ヘッドの支軸を支持対応する支持部を、一方には縦方向で下端が開放する溝形状に、他方には上記溝形状に支持された支軸を抜け止め状態で枢支すると共に溝方向に可動可能に支持する支持形状に形成したものである。
上記支持形状を横方向で一端が開放する溝形状に形成することができる。
【０００７】
上記磁気ヘッドの揺動方向は磁気カードの搬送方向と直交するカード幅方向に設定することができる。
【０００８】
この発明によると、固定部材に対して可動可能に支持された可動部材を、付勢力に抗して定位置と反対の方向に回動させると、その支持部に磁気ヘッド側の支軸を着脱することができるので、ネジ等の締結部材を一切用いることなく、磁気ヘッドを容易に着脱することができる。
【０００９】
また、磁気ヘッドの装着後において、該磁気ヘッドはその前後に突設された支軸を支点として回動可能に支持されるので、磁気カードの幅方向に対応して回動可能となり、磁気カードの反りに対応することができる。
【００１０】
この発明の一実施態様においては、上記可動部材はコ字状に形成されたものである。
上記構成によれば、可動部材のコ字状構造により磁気ヘッドがカード搬送前後方向に変動するのを防止することができる。
【００１１】
この発明による磁気カードリーダは、上記構成の磁気ヘッドの支持構造を備えたものである。
上記構成によれば、磁気カードに対する追従性と磁気ヘッドの着脱性に優れた磁気カードリーダを構成することができる。
【００１２】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は磁気ヘッドの支持構造を備えた磁気カードリーダを示し、図１において、この磁気カードリーダ１１はカードリーダ本体１２に形成されたカード搬送ライン１３の上下対向位置に搬送ローラ１４，１４、１５，１５、１６，１６を設けて、磁気カードＡを磁気カードリーダ１１の出入口部１７からカード搬送ライン１３に沿って可逆搬送すべく構成している。
【００１３】
また上述の搬送ローラ１５，１６間には押圧ローラ１８と搬送ローラ１９とを上下に対設し、搬送ローラ１９側つまりカード搬送ライン１３の下側には磁気ヘッドユニット２０を設けている。
【００１４】
上述の磁気ヘッドユニット２０は磁気ヘッド２１を有し、この磁気ヘッド２１で磁気カードＡの磁気記録媒体に対する磁気情報の読取り、書込み、消去を実行するように構成している。
【００１５】
上述の磁気ヘッドユニット２０は図２に正面図で、図３に平面図で、図４に側面図でそれぞれ示すように構成されるが、まず、図５、図６、図７を参照して磁気ヘッド２１が取外された状態下における磁気ヘッドの支持構造体について説明する。
【００１６】
この磁気ヘッドの支持構造体は、固定部としてのカードリーダ本体１２に固定される固定部材２２と、支軸２３を用いて固定部材２２に回動可能に支持された可動部材２４とを備えている。
【００１７】
上述の固定部材２２は略平板状の基部２２ａと、この基部２２ａから直角に前方へ延びる逆Ｌ字状の側板部２２ｂ，２２ｂとを有し、逆Ｌ字状の側板部２２ｂ，２２ｂのコーナ部相互間には上述の支軸２３を張架している。
【００１８】
上述の逆Ｌ字状の側板部２２ｂは図７に示す如く上側の水平部と下側の垂直部とを有し、この水平部の前端部分には縦方向の溝部２５が形成されてている。この溝部２５は上下方向に指向し、その下部が開放された溝部である。
【００１９】
また上記側板部２２ｂにおける水平部の前後方向中間部上側には相対向する円柱状のストッパ２６，２６が一体形成されているが、このストッパ２６は角柱状であってもよい。
【００２０】
一方、上述の支軸２３にその基端部が枢着された可動部材２４は一対のアーム部２４ａ，２４ａを連結部２４ｂで一体連結して、平面から見てコ字状に形成されている。
【００２１】
ここで、上記アーム部２４ａ，２４ａの遊端側には横方向に延びる溝部２７，２７が形成されている。この溝部２７はその先端が開放された溝部であり、この実施例では溝部２７先端にテーパ部を連設して、磁気ヘッド２１の挿入操作性の向上を図っている。
【００２２】
また上述のアーム部２４ａ，２４ａにおいて固定部材２４側のストッパ２６と対応する部分には凹状の係止部２８が形成されている。
さらに上述の支軸２３には可動部材２４を定位置(係止部２８がストッパ２６に当接する位置)にバネ付勢するスプリング２９を設けている。
【００２３】
このスプリング２９で可動部材２４が図５、図６、図７に示すように定位置に付勢された条件下においては、上述の各溝部２５，２６が交差するように構成されている。
【００２４】
上述の可動部材２４は支軸２３を支点として回動可能に構成されているので、付勢手段としてのスプリング２９のバネ力に抗して図７の定位置から図８の磁気ヘッド着脱位置へ回動操作させることができる。
【００２５】
ところで、前述の磁気ヘッド２１の下部には図１、図９に示すようにヘッド本体保持ブラケット３０(以下単にブラケットと略記する)を固定し、磁気ヘッド２１のリード端子３１を該ブラケット３０の開口部３０ａから下方へ突出させている。
【００２６】
しかも、上述の磁気ヘッド２１の前後方向(磁気カードＡの搬送方向に沿う方向)と対応するようにブラケット３０の前後には一対の支軸３２を突設固定している。
【００２７】
上述の磁気ヘッド２１を図５、図６、図７で示した支持構造体に取付けるには、まず図７に示す定位置の可動部材２４を支軸２３を支点としてスプリング２９のバネ力(付勢力)に抗して図８の磁気ヘッド着脱位置へ押下げ操作により回動させる。
【００２８】
次にブラケット３０および支軸３２を備えた磁気ヘッド２１を図９に示すように可動部材２４の先端に近接させた後に、図１０に示す如く一対の支軸３２，３２を可動部材２４の一対のアーム部２４ａ，２４ａにおける横方向の溝部２７，２７に挿入する。
【００２９】
次に、可動部材２４に対する押下げ力を解除すると、磁気ヘッド２１側の一対の支軸３２，３２は横方向の溝部２７，２７に挿入された状態を維持しつつ、その両端部は固定部材２２の一対の側板部２２ｂ，２２ｂにおける縦方向の溝部２５，２５に挿入され、また、可動部材２４は凹状の係止部２８が固定部材２２側のストッパ２６に当接する定位置に付勢されて、図１１および図２、図３、図４に示す磁気ヘッドユニット２０となる。
【００３０】
図２〜図４に示す状態の磁気ヘッドユニット２０において、上述の磁気ヘッド２１は前後一対の支軸３２，３２を支点として磁気カードＡの幅方向に揺動可能であり、しかも、一対の支軸３２，３２は交差する両溝部２５，２７で抜止め状態に枢支されている。さらに磁気ヘッド２１は可動部材２４を介して上下可能に保持されており、該磁気ヘッド２１の下動時にはスプリング２９による付勢荷重が該磁気ヘッド２１に付加される。
【００３１】
ところで、上述の固定部材２２における基部２２ａには磁気ヘッドユニット２０をカードリーダ本体１２の所定部に固定するための孔部３３が形成されており、磁気ヘッドユニット２０はこの孔部３３に挿入される取付け部材(図示せず)を用いて、カードリーダ本体１２の所定部に取付けられる。
【００３２】
なお、上述の磁気ヘッドユニット２０から磁気ヘッド２１を取外すには、磁気ヘッド２１の取付け時の操作と逆の操作を行なうとよい。
すなわち、図１１に示す定位置から磁気ヘッド２１およびブラケット３０を押下げて、図１０に示すように各溝部２５，２７の交差がなくなった磁気ヘッド着脱位置において、磁気ヘッド２１およびブラケット３０を介して一対の支軸３２，３２を可動部材２４の横方向の溝部２７から引き抜くと、図９に示す如く磁気ヘッド２１を取外すことができる。
【００３３】
このように上記実施例の磁気ヘッドの支持構造は、磁気ヘッド２１を揺動可能(図４の矢印ａ方向、矢印ｂ方向参照)に支持する磁気ヘッド２１の支持構造であって、装置本体としてのカードリーダ本体１２に固定される非可動の固定部材２２と、この固定部材２２に回動可能に支持され、かつ付勢手段にて定位置(図２〜図４参照)に付勢された可動部材２４と、磁気ヘッド２１の前後に突設された支軸３２，３２とを備え、上記固定部材２２と可動部材２４との対応部には上記支軸３２を着脱可能に支持する溝部２５，２７が一方(部材２２，２４の一方のことで、この実施例では固定部材２２)には縦方向に他方(部材２２，２４の他方のことで、この実施例では可動部材２４)には横方向に形成されたものである。
【００３４】
この構成により、固定部材２２に対して可動可能に支持された可動部材２４を、付勢力に抗して定位置と反対の方向(図８、図９に示す磁気ヘッド着脱位置の方向)に回動させると、その溝部２７に対して磁気ヘッド２１側の支軸３２を着脱することができるので、ネジ等の締結部材を一切用いることなく、磁気ヘッド２１を容易に着脱することができる。
【００３５】
また、磁気ヘッド２１の装着後において、該磁気ヘッド２１はその前後に突設された支軸３２を支点として回動可能に支持されるので、磁気カードＡの幅方向に対応して回動可能(図４に示す矢印ｂ方向へ回動可能)となり、磁気カードＡの反りに対応することができる。
【００３６】
さらに、上記可動部材２４は図３、図６に示す如く平面視でコ字状に形成されたものである。この可動部材２４のコ字状構造により磁気ヘッド２１がカード搬送前後方向に変動するのを防止することができる。
【００３７】
一方、上記実施例の磁気カードリーダ１１(図１参照)は、上記構成の磁気ヘッド２１の支持構造を備えたものであるから、磁気カードＡに対する追従性と磁気ヘッド２１の着脱性に優れた磁気カードリーダを構成することができ、例えば磁気カードＡに対する磁気情報の読取および／または書込みが必要な現金自動支払機いわゆるＡＴＭ等の各種装置に内臓させて用いることができる。
【００３８】
また上記実施例で示したように支軸２３、可動部材２４、磁気ヘッド２１、ブラケット３０および支軸３２の各要素を垂直ガイド部品としての固定部材２２に組付けるので、これら各要素を小スペースで、かつ小型コンパクトにユニット化することができる。
【００３９】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の磁気ヘッドの支軸を支持する支持部は、実施例の固定部材２２(ヘッド固定ブラケット部材)側の溝部２５Ｕ、および、下動部材２４(ヘッド保持用の回転アーム部材)側の溝部２７に対応するもの、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【００４０】
【発明の効果】
この発明によれば、磁気カードの反り等に追従し得る機能を備えた磁気ヘッドを、ネジ等の締結部材を用いることなく、容易に着脱することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の磁気ヘッドの支持構造を備えた磁気カードリーダの内部側面図。
【図２】 磁気ヘッドの支持構造を示す正面図。
【図３】 図２の平面図。
【図４】 図２の右側面図。
【図５】 磁気ヘッドを取外して示す支持構造体の正面図。
【図６】 図５の平面図。
【図７】 図５のＢ−Ｂ線矢視断面図。
【図８】 可動部材の押下げ状態を示す断面図。
【図９】 磁気ヘッドの着脱状態を示す断面図。
【図１０】 磁気ヘッドの着脱状態を示す断面図。
【図１１】 磁気ヘッドを定位置に付勢した状態で示す断面図。
【図１２】 従来の磁気ヘッドの支持構造を示す説明図。
【符号の説明】
１１…磁気カードリーダ
２１…磁気ヘッド
２２…固定部材
２４…可動部材
２５，２７…溝部
３２…支軸
Claims (4)
- 磁気ヘッドを揺動可能に支持する磁気ヘッドの支持構造であって、
上記磁気ヘッドの前後に支軸を突設し、
固定部に固定する固定部材に上記磁気ヘッドの各支軸を支持するための一対の側板部を設け、
上記磁気ヘッドの各支軸を支持するための一対のアーム部を備えた可動部材を上記固定部材に回動可能に支持すると共に、定位置に付勢し、
上記固定部材の一対の側板部と、上記可動部材の一対のアーム部との上記磁気ヘッドの支軸を支持対応する支持部を、一方には縦方向で下端が開放する溝形状に、他方には上記溝形状に支持された支軸を抜け止め状態で枢支すると共に溝方向に可動可能に支持する支持形状に形成した
磁気ヘッドの支持構造。 - 前記支持形状を、横方向で一端が開放する溝形状に形成した
請求項１記載の磁気ヘッドの支持構造。 - 上記可動部材はコ字状に形成された
請求項１又は２記載の磁気ヘッドの支持構造。 - 上記請求項１、２又は３に記載の磁気ヘッドの支持構造を備えた
磁気カードリーダ。
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