JPS6352678B2

JPS6352678B2 -

Info

Publication number: JPS6352678B2
Application number: JP55089849A
Authority: JP
Inventors: Yoshio Iio; Yoichi Nomura
Original assignee: Nitto Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Nitto Denko Corp
Priority date: 1980-06-30
Filing date: 1980-06-30
Publication date: 1988-10-19
Also published as: JPS5714673A

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は金属板、化粧板、ガラス板、木板な
どの物体表面を一時的に保護するための表面保護
シートの製造に用いられる感圧性接着剤組成物に
関する。表面保護シートは金属板の打ち抜き、曲げ、絞
りなどのプレス加工およびロール加工する際に、
その加工前に金属板の表面を被覆して加工性を改
善すると共に、金属板表面に傷がつくのを防止す
る必要がある。また、いわゆる養生用に表面保護
シートを使用する際には、輸送、保管の場合に、
砂塵、鉄粉、塩類、媒煙、昆虫の体液や死がい、
鳥虫などのフン、太陽光線、風雨およびその他の
影響により表面に、傷、シミ、変色、汚染などが
発生するのを防止する必要がある。アクリル酸アルキルエステルを主成分とする共
重合体は、光、空気に対する抵抗性が大きく、ま
た透明性にすぐているので上記の用途に最適であ
るが、前記の表面保護を目的とするには、さらに
いくつかの性能を具備する必要がある。表面保護
シートとして必要な接着成分の特性は、各種の材
質の物体の被保護面に対して、夫々の用途に適し
た接着力を有しかつその接着力が経済的に変化せ
ず、再剥離する時容易に剥離され、剥離後の被保
護面に対して汚染または残留が全くない点が要求
され、さらに自己支持性シートとの投錨性の良好
なことが要求される。従来、ポリアクリル系の表面保護シートとして
は、官能基含有のアクリル系共重合体に多官能性
イソシアネート化合物、メラミン化合物などの外
部架橋剤を配合してなるものを接着剤成分とし
て、これをポリエチレンフイルム、紙などの基材
の片面に塗工することによりつくられている。と
ころが上記アクリル系共重合体の合成に当たつて
官能性モノマーとして２―ヒドロキシエチレン
（メタ）アクリレートの如き水酸基含有モノマー
や（メタ）アクリル酸の如きカルボキシル基含有
モノマーなどが用いられていたことから、前記要
求を必らずしも満足させることができなかつた。すなわち、水酸基含有モノマーを用いたもので
は、低温での接着力に難点がありこのシートで被
覆された金属板を冷間加工する際などにシート端
縁から浮き（剥がれ）が生じたり、またポリエチ
レンフイルムの如き基材に対する投錨性に欠ける
ため上記加工後剥がすときに糊残りが生じる問題
があつた。また（メタ）アクリル酸の如き従来公
知のカルボキシル基含有モノマーを用いたもので
は、これと多官能性イソシアネート化合物やメラ
ミン化合物などの外部架橋剤との反応性に問題が
あつて、シート製造時に完全に反応させにくい一
方、経時的に反応が進行してくることから接着力
が徐々に変化し、ために使用後剥離する際に剥離
困難となつたり糊残りが著るしくなるなどの欠点
を有していた。この発明者らは、上記欠点を解消するために鋭
意検討した結果、アクリル系共重合体に官能基を
附与するための官能性モノマーとして前記従来の
ものとは本質的に異なる特定のモノマーを使用
し、このモノマーを特定量用いてなるアクリル系
共重合体とさらに特定の外部架橋剤とを組み合わ
せれば、上記目的に対して非常に好適結果が得ら
れることを知り、この発明を完成するに至つたも
のである。すなわちこの発明は共重合モノマーとして次の
一般式（）または（）；（ただし、両式中、R₁は水素原子またはメチ
ル基、R₂は水素原子またはアルキル基、フエニ
ル基およびアルキルフエニル基から選ばれた基、
ｎは０または１の整数）で表わされる官能性モノマーを、（メタ）アクリ
ル酸アルキルエステルを主体とする上記官能性モ
ノマー以外の全モノマー100重量部に対して、0.5
〜20重量部用いてなるアクリル系共重合体を主成
分とし、これに多官能性イソシアネート化合物か
らなる外部架橋剤を上記のアクリル系共重合体
100重量部に対して0.1〜20重量部配合したことを
特徴とする表面保護シート用感圧性接着剤組成物
に係るものである。このようにこの発明においては官能性モノマー
として上記一般式（），（）で表わされるＮ―
アクリルロイルアミノ酸を使用したものであつ
て、このモノマーの官能基（カルボキシル基）は
多官能性イソシアネート化合物からなる外部架橋
剤との反応性が高く、従来の（メタ）アクリル酸
の如きカルボキシル基含有モノマーとは異なつて
表面保護シートとしたときの経時的な接着力の変
化を低くする。またこれより得られるアクリル系
共重合体はそれ自体内部凝集力の大きいものとな
り、ために凝集力改善のための外部架橋剤の使用
量が少なくてすみ、結果として粗面接着性や低温
接着性などの接着力に好結果を与える。しかもか
かる接着成分はポリエチレンフイルムの如き基材
に対してもすぐれた投錨性を示し、表面保護シー
ト用として要求される諸種の特性をいずれも満足
する。よつてこの発明の組成物によれば、従来品の如
き金属板加工時の端縁浮きや加工後剥離する際の
糊残りの問題を生じる心配がなく、また経時的に
剥離不能となるといつた問題も生じない。この発明におけるアクリル系共重合体は、（メ
タ）アクリル酸アルキルエステルを主体とし要す
ればこれと共重合可能な他のビニル系モノマーを
併用し、これらモノマーにさらに前記一般式
（），（）で表わされる官能性モノマーを加え
て、常法により共重合させることにより合成され
る。上記（メタ）アクリル酸アルキルエステルとし
ては、アルコール成分の炭素数が１〜12個のもの
が好ましく、とくに有利なものはアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸２―エチルヘキシル、メタクリル酸メチル
などである。これらのモノマーは必要に応じて二
種以上を混合して使用できる。またこれらモノマ
ーと共重合可能なビニル系モノマーとしては、た
とえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、マレイン酸ジ
ブチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジメチ
ル、イタコン酸ジブチル、スチレン、ビニルエー
テルなどが挙げられる。なお共重合可能なモノマ
ーの他の例として、（メタ）アクリル酸、（メタ）
アクリル酸２―ヒドロキシエチル、（メタ）アク
リル酸２―ヒドロキシプロピル、Ｎ―メチロール
アクリルアミドなどの前記一般式（），（）と
は異なる官能性モノマーを使用することもでき
る。ただしこれら官能性モノマーの使用量はこの
発明の効果を妨げない範囲に設定される必要があ
る。上記各モノマーとともに用いられる前記一般式
（），（）で表わされる官能性モノマーとして
は、たとえばＮ―アクリロイルグリシン、Ｎ―メ
タクリロイルグリシン、Ｎ―アクリロイルアラニ
ン、Ｎ―アクリロイルロイシン、Ｎ―アクリロイ
ルフエニルアラニン、Ｎ―アクリロイルアスパラ
ギン酸、Ｎ―アクリロイルアスパラギン酸モノメ
チルなどが挙げられる。これら官能性モノマーの使用割合は、（メタ）
アクリル酸アルキルエステルを主体とする前記モ
ノマー（一般式（），（）で表わされるモノマ
ーを除く全モノマー）100重量部に対して、一般
に0.5〜20重量部とするのがよい。この割合があ
まりに少ないと外部架橋剤の使用によつても充分
な凝集力が得られず、また接着力の経時変化が大
きくなつて剥離不能となるおそれがあり、逆に多
くなりすぎると表面保護シート用として必要な接
着力が得られなくなる。この発明においては上記アクリル系共重合体に
さらに外部架橋剤を配合して、上記共重合体の凝
集力、耐油性などを向上させるとともに、コロナ
処理したポリエチレンフイルムの如き基材に対す
る投錨性を改善する。このような架橋剤としては
多官能性イソシアネート化合物が選択使用され
る。使用量は共重合体100重量部に対して一般に
0.1〜20重量部、とくに好適には１〜５重量部と
すればよい。このようにして得られるこの発明の感圧性接着
剤組成物には必要に応じて粘着附与剤、顔料など
の各種添加剤を配合しても差し支えない。またこ
の組成物を用いて表面保護シートを製造するに当
たつては、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレ
ンフイルム、軟質ポリ塩化ビニルフイルム、紙な
どの各種基材に塗布し、加熱乾燥すると同時に共
重合体と架橋剤との反応を行なわせるようにすれ
ばよい。上記加熱乾燥に際して官能性モノマーの
すぐれた反応性によつて従来に較べよりおだやか
な条件を選定できる。以下に、この発明の実施例を記載してより具体
的に説明する。なお以下において部とあるは重量
部を意味するものとする。実施例アクリル酸２―エチルヘキシル75部、アクリル
酸エチル25部、Ｎ―アクリロイルグリシン（グリ
シンのナトリウム塩の５重量％水溶液に等モルの
塩化アクリロイルを滴下して得られる沈殿物を純
水にて洗浄し真空乾燥したもの）５部、過酸化ベ
ンゾイル0.4部およびトルエン158部を、反応容器
中に仕込み、窒素気流中で撹拌しながら70〜75℃
で４時間反応させた。その後さらに重合率を上げ
るために80〜85℃に昇温し３時間反応を続けた。
このときの重合率は98％、得られた共重合体溶液
の粘度は15000cpsであつた。この共重合体溶液に共重合体固形分100部に対
してポリイソシアネート（日本ポリウレタン社製
コロネートＬ）２部を配して、この発明の表面保
護シート用感圧性接着剤溶液とした。比較例１Ｎ―アクリロイルグリシン５部の代りに、アク
リル酸β―ヒドロキシエチル５部を使用した以外
は、実施例と全く同様にして表面保護シート用感
圧接着剤溶液をつくつた。比較例２Ｎ―アクリロイルグリシン５部の代りに、アク
リル酸５部を使用した以外は、実施例と全く同様
にして表面保護シート用感圧性接着剤溶液をつく
つた。上記実施例および比較例１，２の各接着剤溶液
を、片面コロナ処理した60μ厚の低密度ポリエチ
レンフイルムの上記処理面に、乾燥厚みが5μと
なるように均一に塗布し、100℃で３分間加熱し
て、表面保護シートをつくつた。各シートの特性
につき次のテストを行なつた結果は、後記の表に
示されるとおりであつた。＜接着力テスト＞ BA仕上げステンレス板に各シートを貼り付
け、常態および70℃で７日間加熱した後の180℃
剥離接着力（ｇ／20mm）を調べた。＜加工性テスト１＞直径100mmの0.4mm厚BA仕上げステンレ板に各
シートを貼り付け、ポンチ径50mmの絞りポンチに
て絞り深さ20mmとなるように絞り、このときのシ
ートの端縁浮きの有無を調べるとともに、この絞
り加工後シートを剥がしたときに糊残りが生じる
かどうかを調べた。＜加工性テスト２＞ BA仕上げステンレス板に各シートを貼り付
け、これをロール間に通してロールフオーミング
した後、上記シートを剥がしたときに糊残りが生
じるかどうかを調べた。

【表】上表から明らかなように、従来の比較例１，２
では常態での接着力が小さすぎるかあるいは接着
力の経時変化が大きく、また加工時に端縁浮きが
生じたり剥離時糊残りが大となるなどの欠点があ
るのに対し、この発明のシートによればこれらの
欠点をいずれも解消できるものであることが判
る。

Claims

【特許請求の範囲】１共重合モノマーとして次の一般式（）また
は（）；（ただし、両式中、R₁は水素原子またはメチ
ル基、R₂は水素原子またはアルキル基、フエニ
ル基およびアルキルフエニル基から選ばれた基、
ｎは０または１の整数）で表される官能性モノマーを、（メタ）アクリル
酸アルキルエステルを主体とする上記官能性モノ
マー以外の全モノマー100重量部に対して、0.5〜
20重量部用いてなるアクリル系共重合体を主成分
とし、これに多官能性イソシアネート化合物から
なる外部架橋剤を上記のアクリル系共重合体100
重量部に対して0.1〜20重量部配合したことを特
徴とする表面保護シート用感圧性接着剤組成物。