JPH0684491B2 - 再剥離性粘着剤組成物 - Google Patents

再剥離性粘着剤組成物

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JPH0684491B2
JPH0684491B2 JP60101549A JP10154985A JPH0684491B2 JP H0684491 B2 JPH0684491 B2 JP H0684491B2 JP 60101549 A JP60101549 A JP 60101549A JP 10154985 A JP10154985 A JP 10154985A JP H0684491 B2 JPH0684491 B2 JP H0684491B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の属する技術分野] 本発明は、再剥離性粘着剤組成物に関し、更に詳しくは
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主粘着剤と
し、これに弾性微小球を配合してなる、常温にて感圧性
接着機能を有する再剥離可能な粘着剤組成物に関する。
[本発明の技術的背景] 粘着テープ又は粘着シートに用いられる常温・常態で感
圧的に接着し得る粘着剤が持つべき重要な特性として
は、初期タック、接着力及び凝集力が挙げられる。しか
も、これらのバランスが良好に保たれていなければ優れ
た粘着剤が得られないことも知られている。
ここで、初期タックとは、接着剤が被着体に接触すると
同時に発現される初期粘着力を意味する。このタックの
値が高いほど、粘着剤としては好ましい。初期粘着力を
好ましく高く発現させるためには、粘着剤はより短時間
のうちにより軽い圧力でより広く被着体と接する面積を
増大させる必要がある。
接着力とは、接着剤が被着体に接触してから少なくとも
数秒後に粘着剤を塗布した粘着テープ、粘着シートを引
き剥す時点で観測される特性である。一般的に接着力
は、粘着剤の被着体に対する接触面積が大きい程大き
く、また粘着剤の粘弾性的性質によってもその大小は変
化する。
凝集力とは、粘着剤を被着体から引き剥す際に、糸を引
いて被着体に粘着剤の残留が生じないようにするために
要求される、粘着剤自体の凝集性を意味する。多くの場
合は、粘着剤の粘度を測定することにより、その粘着剤
の凝集力を知ることができる。糸引きを起こさない粘度
として、通常の引き剥し速度では常温で1×106ポイズ
以上であれば、この条件を満足することが知られてい
る。
一方、被着体に粘着剤が残留しないためには、粘着剤の
基材に対する接着力が、被着体に対する接着力よりも常
に大でなければならない。このため、粘着剤が基材中に
根をおろした状態、所謂、アンカー効果を粘着剤に発現
せしめる工夫がしばしば行なわれている。また化学結合
により、基材分子と粘着剤分子を結合させる場合もあ
る。
以上のように、より強固に粘着し、粘着剤を被着体に残
留させずに引き剥すことが可能な再剥離性粘着剤に必要
な特質としては、高い初期タック(初期粘着性)、粘着
シートを必要に応じて被着体に接着維持するための接着
力、引き剥す際に粘着剤が糸引きを起こしたり被着体に
残留しないための凝集力及び粘着剤の基材に対する接着
力が被着体に対する接着力より充分に大きいことの4点
が挙げられる。
[従来の技術とその問題点] 初期粘着性、接着性及び再剥離性なる特性を粘着剤に同
時に保有させるようにするためには、先に述べた要件を
バランス良く満たす必要がある。
特開昭50-2736号公報には水乳化性のアルキルアクリレ
ートエステル類とナトリウムアクリレート等の水可溶性
のイオン性ビニルモノマーを用いた共重合体よりなる粘
着性微小球を、該微小球の一部が表面に露出するように
結合剤で基材上に結合した構造体が開示されている。該
公報では粘着性微小球の使用により、粘着・接着・再剥
離の一連の良好な機能が実現されると開示されており、
結合剤と粘着性微小球とを化学結合させる必要は全くな
いと述べられている。即ち、その理由については、物理
的ソケット効果により、粘着剤の被着体への転移が有効
に防止されるからであると説明されている。
更に、こうした粘着性微小球については、1972年9月12
日発行の米国特許第3,691,140号にも開示されており、
粘着剤組成物の基本的考え方は同じであって、水可溶性
のイオン性モノマーが使用されている。このイオン性モ
ノマーは共重合体中に取り込まれて、水中での懸濁重合
中に粒子どうしが付着結合することを防止する役目をは
たすが、一方では生成した粘着性微小球の接着性に対し
悪影響を及ぼす成分となる。したがって、水可溶性のイ
オン性モノマーを用いた場合には、良好な初期粘着性を
有する粘着剤は得られにくい。
[発明の目的] 本発明の目的は、初期粘着性、接着性及び再剥離性が優
れ、特に被着体への残留が生じることなく容易に剥離す
ることができ、かつ接着性にも優れている再剥離性粘着
剤組成物を提供することにある。
[発明の概要] 本発明者らは、前述した粘着・接着・再剥離の一連の過
程における基本的な原理を鋭意研究した結果、本発明を
完成するに至った。
即ち、本発明の再剥離性粘着剤組成物は、 (A)炭素数2〜12個のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸エステルを主体とする非官能性ビニル系モノマ
ー(a)90〜99.9重量%、及び分子中に、カルボキシル
基、水酸基、アミノ基又はエポキシ基を1個以上有する
官能性ビニル系モノマー(b)0.1〜10重量%から合成
される、常温で粘着性の共重合体(A):100重量部; (B)ガラス転移点が10℃以下でかつ平均粒径が0.3〜3
00μmの重合体(B):20〜1000重量部;及び (C)前記(b)成分の官能基と反応し得る多官能性架
橋剤(C):0.01〜5.0重量部 からなり、前記重合体(B)の全表面が共重合体(A)
により被覆されている再剥離性粘着剤組成物であって、 1)前記重合体(B)が、少なとくも両末端にカルボキ
シル基、水酸基又はエポキシ基を有し、分子中の1,4−
結合の割合が60%以上である平均分子量500〜5000のポ
リブタジエンであって、かつ該ポリブタジエンが前記官
能基を介して多官能性架橋剤により架橋されてなる架橋
重合体; 2)前記重合体(B)が、分子中にカルボキシル基を1
個以上有する平均分子量10,000〜80,000のポリイソプレ
ンであって、かつ該ポリイソプレンが前記官能基を介し
て多官能性架橋剤により架橋されてなる架橋重合体;及
び 3)前記重合体(B)が、両末端にアルコキシシリル基
を有する平均分子量500〜30,000のポリエーテル化合物
であって、かつ該ポリエーテル化合物が前記官能基を介
して架橋剤により架橋されてなる架橋重合体であること
を特徴とする。
更に詳しくは、粘着剤である共重合体(A)弾性微小球
である重合体(B)及び多官能性架橋剤(C)の配合に
より、これらの成分間で架橋反応せしめ、更にはこれら
の成分と基材とを化学的結合ないしはアンカー効果によ
り結合せしめることが可能な、被着体への残留が有効に
防止し得る粘着剤組成物に関する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物は、再剥離性粘着シートもしくは
テープ用の粘着剤として有用であり、かかる用途に使用
した場合は、該シート類を容易に軽い圧力で被着体に接
着することができ、また被着体表面を破損したり、ある
いは粘着剤の残留を生じたりすることなく被着体から剥
離することができる。
通常、感圧性粘着シートまたはテープはいろいろな物品
の表面に容易に軽い圧力で貼着することができ、場合に
よっては再度引き剥して再貼着することもできるが、従
来技術では再剥離、再貼着を繰り返すと被着体の一部を
破損したり、粘着剤表面を汚してしまうため、再貼着の
能力が低下してしまうテープ類しか製造することができ
なかった。そのような事態は、新聞紙に粘着テープを貼
着した後これを引き剥す場合、あるいは織布に粘着テー
プを貼着した後これを引き剥す場合等に顕著である。従
来の粘着テープ又は粘着シートでは、新聞紙の紙繊維を
むしり取ることなく引き剥すことはまず不可能であり、
仮に引き剥した粘着シートを再度新聞紙に貼着したとし
てもすでに粘着剤表面には紙の繊維が一面に付着してい
るため、該シート類の感圧性接着機能はほとんど失われ
ている。
本発明の粘着剤組成物は、このような従来の問題点を全
て解消したものであり、その構成は下記のとおりであ
る。
本発明における粘着剤成分(A)は、再剥離機能を保有
していなければならないため、初期粘着性及び凝集性に
は富む必要があるが、接着力は必要以上に強くなくてよ
い。
粘着剤成分(A)の主構成成分である重合性モノマー
(a)としては、炭素数2〜12個のアルキル基を有する
アクリル酸もしくはメタクリル酸のエステルが使用され
る。具体的には、アクリル酸エステルの系統としてエチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、ノニルアクリレート、イソノニル
アクレート及びラウリルアクリレート等が例示され、メ
タクリル酸エステルの系統として、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、イソノニルメタクリレート及びラウリルメタクリ
レート等が例示される。
非官能性ビニル系モノマー(a)としては、上記(メ
タ)アクリル酸エステルのみを用いてもよいが、該エス
テルの0.5〜10重量%を他の非官能性ビニル系モノマー
で代用することも可能である。これらのモノマーは主と
して接着性の調整のために使用されるため、多量には使
用されない。かかる他のビニル系モノマーには、例えば
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、アクリロ
ニトリル等が挙げられる。
これらの非官能性ビニル系モノマーは一種又は二種以上
で用いられ、粘着剤である共重合体(A)を構成するモ
ノマー中、90〜99.9重量%、好ましくは95〜99.5重量%
の割合で配合される。配合量が90重量%未満では初期粘
着力に富む粘着剤が得られなくなり、一方99.9重量%を
超えると粘着剤が弾性微小球及び基材との架橋の度合が
低下するため、充分な凝集力が得られない。
粘着剤成分(A)の他の構成成分である官能性ビニル系
モノマー(b)としては、カルボキシル基、水酸基、ア
ミノ基又はエポキシ基を分子中に1個以上有するビニル
系モノマーが使用される。
カルボキシル基を有するモノマーの具体例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸及び
マレイン酸等が挙げられる。水酸基を有するモノマーの
具体例としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリー
ト、N−メチロールアクリルアミド及びN−メチロール
メタクリルアミド等が挙げられる。アミノ基を有するモ
ノマーの具体例としては、アクリルアミド等が、エポキ
シ基を有するモノマーの具体例としては、グリシジルメ
タクリレート及びアクリルグリシジルエーテル等が挙げ
られる。
これらの官能性ビニル系モノマーは一種又は二種以上で
用いられ、粘着剤である共重合体(A)を構成するモノ
マー中、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の割
合で配合される。該モノマーは粘着剤の接着性及び凝集
性の調整と架橋剤との架橋点とすることを目的として配
合される成分であるため、多量に共重合させると初期粘
着性を低下させてしまう。
共重合体(A)は、乳化重合又は溶液重合のいずれの方
法によってもよいが、後の混合操作により共重合体
(A)及び(B)を混合し、引き続いて架橋剤を混合す
ることを考慮すると、水媒体から溶媒置換を行って、有
機溶媒溶液とする手間が省ける等の点から溶液重合法に
より製造することが好ましい。
乳化重合による場合は、例えば、水性分散媒(好ましく
は、イオン交換水)にミセル濃度以上の乳化剤(例え
ば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノニルナ
フタリンスルホン酸ナトリウム)を加え、しかる後、該
分散媒を攪拌しながらモノマー成分(a)及び(b)を
徐々に加え、次いで重合開始剤(例えば、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム)を添加し
た後、通常60〜95℃にて3〜24時間攪拌し続けることに
より、共重合体(A)のエマルジョン溶液が得られる。
他方、溶液重合による場合は、トルエン、n−エキサ
ン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ベンゼン、アセト
ン、メチルエチルケトン等の有機溶媒中にモノマー成分
(a)及び(b)を加え、しかる後重合開始剤(例え
ば、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド)を加えて、通常60〜95℃に
て3〜24時間攪拌し続けることにより、共重合体(A)
の含有溶液が得られる。
次に、重合体(B)を構成する成分について説明する。
一般的に、(B)を構成する成分には、架橋反応前にお
いて比較的分子量が低い、所謂オリゴマーと称される分
子量のものも含まれる。
重合体(B)としては、第一に平均分子量が500〜5000
の両末端に水酸基、カルボキシル基又はグリシジル基を
有するポリブタジエンゴムが利用される。通常、これに
は液状のものを用いる。但し、該ポリブタジエンゴムに
おける分子中の1,4−結合の割合は、60%以上であるこ
とが必要である。60%未満の場合は、微細粒子を形成し
ても本発明にて必要な柔軟な粘弾性体とはならず、また
粘着剤により被覆して基材上に塗布し凸部を形成して
も、適度なクッション性を発揮せず、結果的に接着性及
び再剥離性のバランスを効果的に発現できない。また、
両末端の官能基は必ず必要であるが、それ以外に更にも
う1個の官能基を含有してもよい。即ち、両末端を除く
ブタジエン鎖中に、1個程度の上記官能基を含有しても
よい。
上記ポリブタジエンの具体例としては、商品名にて記載
すると、R45-HT(水酸基末端液状ポリブタジエン,数平
均分子量2800,水酸基価0.83mgKOH/g,出光石油化学
(株)製)、R-45M(水酸基末端液状ポリブタジエン,
数平均分子量2800,水酸基価0.75mgKOH/g,出光石油化学
(株)製)などが挙げられる。
カルボキシル基を有するポリブタジエンの具体例として
は、ビー・エフ・グッドリッチ・ケミカル(B.F.Goodri
ch Chemical)社製、商品名Hycar-CTB(数平均分子量4,
000 1分子内平均カルボキシル基数2.0),Hycar-CTBN
(数平均分子量3,300,1分子内平均カルボキシル基数1.
8)などが挙げられる。
グリシジル基を有するポリブタジエンの具体例として
は、出光石油化学(株)製、商品名Poly bd R-45 EPT,P
oly bd R-45 EPI等が挙げられる。
両末端官能のポリブタジエンゴムの架橋剤としては、両
末端官能基が水酸基である場合は、通常ポリイソシアネ
ート系化合物が使用される。ポリイソシアネート系化合
物の具体例としては、プロピレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシア
ネート類;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアノート、キシリレンジイソシアネート、ナ
フチレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネー
ト類;1−メチル−2,4−ジイソシアネートシクロヘキサ
ン,4,4′−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネ
ート)等の脂環族ポリイソシアネート類が挙げられる。
両末端官能基がカルボキシル基である場合は、上記ポリ
イソシアネート系化合物も使用可能であるが、この他に
も多官能エポキシ系化合物及び多官能アジリジン系化合
物等が挙げられる。多官能エポキシ系化合物の具体例と
しては、エチレングリコール、ジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられ、多
官能アジリジン系化合物の具体例としては、下記構造式
のものが挙げられる。
両末端官能基がグリシジル基である場合は、架橋剤とし
て、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
ジエチルアミノプロピルアミン等のポリアミン類;ゼネ
ラル・ミルズ(General Mills)社製、商品名バーサミ
ド(Versamid)110,バーサミド(Versamid)115,バーサ
ミド(Versamid)125,バーサミド(Versamid)140等ま
たはチバ・ガイギー(Ciba-Geigy)社製、商品名ランキ
ャスト(Lancast)A等のポリアミド類;無水フタル
酸、ドデシルコハク酸無水物、メチルナジック酢無水
物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物等のポリカルボ
ン酸無水物類;このほかポリスルフィド類、ポリメルカ
プタン類、ジシアンジアミド類、レゾール型またはノボ
ラック型のフェノール樹脂、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2−ウンデミルイミダゾール
等のイミダゾール化合物などが挙げられるがこれらのう
ち油溶性の化合物が特に望ましい。
重合体(B)として、第二に平均分子量が10,000〜80,0
00のカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムが利
用される。カルボキシル基の含量は、1分子中に1個以
上は必要であり、イソプレン100単位に対して通常1〜
5個のカルボキシル基を有するものが使用される。架橋
剤としては前述したカルボキシル基に使用される架橋剤
が使用される。
重合体(B)として、第三に、平均分子量が500〜30,00
0の両末端にアルコキシシリル基を有するポリエーテル
化合物が利用される。ここで、アルコキシシリル基と
は、次式: (上記式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を表す) で示される基をいう。このポリエーテル化合物は、両末
端にアルコキシシリル基を有しているため、水及び触媒
の存在下で脱アルコール縮合反応を起こして三次元架橋
構造を形成することができる。
また主鎖がポリエーテル構造を有しているために、その
分子鎖は柔軟性に富み、その結果ポリエーテル化合物は
望ましい粘弾性を有する微小球を提供することができ
る。この化合物の一般式は次式で示される。
上式中、nは1以上の整数を表し、R2は炭素数1〜4の
炭化水素基であり、具体的にR2を示せば などが挙げられ、1種類だけの繰り返し単位からなって
もよいし、2種類以上の繰り返し単位よりなるポリエー
テルも有効であるが、特に が好ましい。ポリエーテルの分子量は500〜30,000のも
のが有効に使用されうるが好ましくは1,000〜15,000の
分子量を有するものがよい。
両末端にアルコキシシリル基を有するポリエーテル化合
物は水分子の存在下で架橋反応を容易に起こすが、通
常、ジエチルチンジアセテート、ジブチルチンジアセテ
ート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラ
ウレート等のシラノール縮合触媒を併用して使用され
る。
以上に示した化合物から合成される重合体(B)は、前
記架橋剤を所定量添加した後に、架橋せしめる化合物を
球状に近い液泡又は液滴として分散し、その状態で架橋
せしめて安定した微小球として成形してもよく、あるい
は架橋反応により大きな塊状物として得た後、凍結粉砕
等の物理的又は機械的手段で一定の粒径を有する微小球
としてもよい。
前者の方法による場合、重合体(B)は、基材上に塗布
して適度の凹凸を形成させる目的から、平均粒径が0.5
〜300μm、好ましくは1〜100μmの粒状物として得な
ければならないため、水性媒体(好ましくはイオン交換
水)を用いて懸濁重合・架橋により製造される。また、
粒状物は粘弾性に富んだクッション作用を有していなけ
ればならないため、そのガラス転移点を10℃以下、好ま
しくは5℃以下とする。反応に際し、前記架橋剤はその
種類にもよるが、通常、架橋させるべき化合物の官能基
に対して当量もしくは若干少なめに反応系中に配合され
る。重合体(B)を共重合体(A)及び基材とも架橋せ
しめるためには、架橋剤を当量よりも若干少なめに配合
して官能基を残しておき、後の架橋反応に供し得るよう
にすることが好ましい。なお架橋反応に供し得るように
することが好ましい。なお架橋反応においては、反応速
度を促進するために適宜の触媒を加えてもよい。
さて、重合体(B)からなる弾性微小球は、界面活性剤
(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ノニルナフタリンスルホン酸
ナトリウム)を臨界ミセル濃度以上に加えた水性媒体中
に、前記オリゴマー成分及びそれぞれの官能基と反応す
る架橋剤成分を所定量混合しておき、その混合物を徐々
に添加し、反応系を攪拌しながら通常50〜95℃にて3〜
24時間重合・架橋せしめることにより製造される。
なお、重合体(B)の耐候性及び酸化劣化を防止する目
的で、必要量の老化防止剤、紫外線吸収剤等を添加する
こともできる。
次いで、前記(b)成分の官能基と反応する多官能性架
橋剤(C)について説明する。該架橋剤は(b)成分の
官能基の種類に応じて選択される。官能基がカルボキシ
ル基、水酸基及びグリシジル基である場合は、前記と同
様の架橋剤が使用される。また、官能基がアミノ基であ
る場合も同様の架橋剤を用いることができる。これらの
架橋剤の具体例は前述のとおりである。
本発明の粘着剤組成物においては、共重合体(A)100
重量部に対し、重合体(B)が20〜1000重量部、好まし
くは20〜500重量部配合され、架橋剤(C)が0.01〜5.0
重量部、好ましくは0.05〜3.0重量部配合される。共重
合体(B)の配合量が20重量部未満の場合は、粘着層が
ほぼ平滑になるため粘着シートの剥離が困難化し再剥離
性が低下してしまうからであり、1000重量部を超えると
粘着剤層表面の凹凸を形成している微小球の表面が粘着
剤で完全に被覆されにくくなり被着体に粘着シートを確
実に貼付することが困難になる。また、架橋剤(C)の
配合量が0.01重量部未満の場合は架橋効果が発揮され
ず、再剥離性が低下するからであり、5.0重量部を超え
ると架橋が進みすぎて粘着性が低下してしまうから不適
当である。
さて、上記組成からなる本発明組成物は、共重合体
(A)の製造方法により異なる操作によって調製され
る。
共重合体(A)が乳化重合で製造された場合は、重合体
成分自体の換算量で、(A)100重量部に対し重合体
(B)が20〜1000重量部になるように、まず(A)のエ
マルジョン溶液及び(B)の懸濁重合液を混合する。こ
の際、両者のpHをほぼ等しく調節しておくことが好まし
い。しかる後、メタノール、アセトン又は両者の混合液
等の有機溶媒を(A)及び(B)の混合液に対し等容量
以上用意し、これを急速に攪拌しながら該有機溶媒に
(A)及び(B)の混合液を注ぎ込み、重合体成分
(A)及び(B)の混合体を水中より置換分離する。
(A)及び(B)の混合体の置換分離は、アルコール
類、ケトン類の過剰量に投入し攪拌することにより行な
われる。
次いでこの分離した重合体混合物を更に布で分離し、
水、メタノール、アセトン等の溶媒成分および乳化剤、
重合開始剤、未反応モノマー成分等を除去する。布に
残った(A)及び(B)成分は直ちにトルエン、n−ヘ
キサン又はn−ヘプタン等の有機溶媒中に一定濃度とな
るように攪拌分散させる。更に(C)の架橋剤を所定量
添加して攪拌することにより、必要な再剥離性粘着剤組
成物の均一な分散溶液が得られる。この分散された溶液
は、調整後時間が経ても濃度差などを生じない均一な分
散溶液である。
一方、共重合体(A)が溶液重合により製造された場合
は、まず予めメタノール、アセトン又は両者の混合液等
の有機溶媒を共重合体(B)の懸濁重合液に対し等容量
以上用意し、これを急速に攪拌しながら該有機溶媒に
(B)の懸濁重合液を注ぎ込み(B)成分を置換分離す
る。しかる後、この分離した重合体を布で分離し、
水、メタノール、アセトン等の溶媒成分及び乳化剤、重
合開始剤、未反応モノマー成分等を除去する。布に残
った重合体成分(B)は直ちにトルエン、n−ヘキサン
又はn−ヘプタン等の有機溶媒に一定濃度となるように
攪拌分散させる。次いで、溶液重合により製造された
(A)含有液の所定量をこの中に注ぎ込んで攪拌混合
し、均一な分散液を得る。最後に、架橋剤(C)の所定
量を添加することにより、再剥離性粘着剤組成物の均一
な分散液が得られる。この分散液は調整後時間を経ても
均一な分散状態を維持し沈降したり、分散したりするこ
とがない。但し、この際、(A)含有液の重合溶媒はト
ルエン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の(B)成分の
球状粒子を破壊しないような有機溶媒に極力限定し、球
状粒子を破壊するような有機溶媒は全溶媒中、通常20重
量%以下、好ましくは10重量%以下とする。
以上に説明した組成物は再剥離性粘着シートもしくはテ
ープ用の粘着剤として特に有効である。本発明の粘着剤
組成物を使用し得るシートもしくはテープの基材として
は、例えば、紙、布、不織布等の繊維状基材に加えて、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩
化ビニル、酢酸セルロース、ポリカーボネート、セロハ
ン、ポリフッ化ビニリデンのシートもしくはフィルム等
の滑沢なフィルムやシート又はそれら相互の複合基材が
用いられる。
本発明組成物はこれらの基材上の粘着剤塗布面上に通常
0.1〜100g/m2、好ましくは1〜30g/m2の範囲内で塗布さ
れる。塗布後、シート又はテープを通常50〜140℃にて
0.1〜30分間加熱することにより、粘着剤組成物中にお
いて架橋剤(C)と共重合体(A)の官能基とが反応し
て結合する。この際、基材成分自体が架橋剤と反応し得
る反応基を有していれば、共重合体(A)からなる粘着
剤と基材も化学的に結合する。また、粘着剤組成物はア
ンカー効果により一層強固に基材と結合することができ
る。また、重合体(B)に架橋剤(C)と反応し得る官
能基が残存している場合は、該重合体自体も共重合体
(A)及び基材と結合できるため、本発明組成物を用い
て得られる粘着剤はより凝集力が高まる。なお、本発明
組成物中には、上記架橋反応を促進させるために、例え
ばイミダゾール化合物、有機スズ化合物等の有機金属化
合物等の触媒を共重合体(A)100重量部に対して5.0重
量部以下の量で配合してもよい。
このように、本発明の粘着剤組成物をシートもしくはテ
ープの粘着剤として使用した場合は、該組成物中の各成
分が互いに化学的に結合し、しかも各成分と基材ともア
ンカー効果により、場合によっては化学的結合が加わっ
て強固に結合し得るため、極めて高い凝集力を有し、被
着体への粘着剤の残留が生じない。更に、触覚的に非常
に柔らかく粘弾性挙動を示す弾性微小球が粘着剤層の凸
部を形成し、被着体と所謂点接着するため該シート類は
初期粘着力に富み、かつ粘着剤面は全面で被着体と接触
していないため容易に該シート類を剥離することができ
る。しかも弾性微小球の表面は粘着剤により完全に被覆
されているため接着力も強固である。
[発明の効果] 本発明の粘着剤組成物は、多官能性架橋剤とそれと反応
し得る重合体を含有しているため、高い凝集力を発揮す
ることができる。しかも粘弾性に富む弾性微小球が配合
され、かつ該微小球の表面は粘着剤で被覆されているた
め初期粘着性のみならず、接着性及び際剥離性にも優れ
ている。
したがって、本発明組成物は、シート又はテープ等に塗
布される再剥離性粘着剤として極めて有用である。
[発明の実施例] 実施例1 温度計、変速機付攪拌器、窒素導入管及び還流冷却管を
備えた1反応容器を準備し、蒸留水120g及びドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム2gを該容器内に入れ、そ
の内部を窒素ガス置換した後、一定量の窒素気流を通じ
毎分300回転で攪拌した。次に、2−エチルヘキシルア
クリレート44g、ブチルアクリレート54g及びアクリル酸
2gを別に秤取し、均一に混合した。これを前記容器内に
滴下し乳化状態とする。滴下終了後加温を行い、65℃に
なった時点で1%過硫酸アンモニウム液を30ml滴下し、
重合反応を開始した。液温を80〜85℃に保ち、5時間反
応を続けて共重合体(A)のエマルジョン溶液を得た。
次いで、別の温度計、変速機付攪拌装置及び還流冷却管
を備えた1反応容器を準備し、蒸留水250g、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム5gポリアクリル酸ナトリ
ウム0.5gを該容器内に入れ毎分100回転で攪拌しながら4
0℃に昇温した。次に、別の500ml容器中に、メチルエチ
ルケトン10g、ポリブタジエン(出光石油化学(株)
製,商品名R45-HT、水酸基末端液状ポリブタジエン、数
平均分子量2800、水酸基含量0.83ミリ当量/g)100g、ト
リレンジイソシアナート6g、老化防止剤として2,6−ジ
−ターシャリー−ブチル−p−クレゾール1g及び架橋触
媒としてジオクチル酸ジn−ブチル錫0.1gを秤取し、10
分間攪拌して均一な混合物とした。この混合物を、先に
準備した、水と界面活性剤の混合液中に毎分500回転で
攪拌しながら滴下し、水中に分散させた。しかる後、液
温を80〜85℃に昇温し、5時間反応を続けて、重合体
(B)の懸濁液を得た。
次いで、共重合体(A)のエマルジョン溶液50gと重合
体(B)の懸濁液100gを500mlビーカーに秤取し、60分
間攪拌混合を行った後、1ビーカーに秤取したアセト
ン300ml中にこれを強く攪拌しながら投入した。この結
果、重合体(B)の微小球を共重合体(A)(粘着剤成
分)が包含した状態の粘稠固体が析出した。これを布
でこし取り、別に準備した1ビーカー中に投入し、更
にこの中に400gのトルエンを加え、30分間攪拌混合して
共重合体(A)及び重合体(B)の均一な分散液を得
た。この分散液20gを秤取して絶乾法により固形分濃度
を測定したら、その濃度は10.1%であった。更に残りの
分散液400gに対し、多官能イソシアネート系化合物とし
て、コロネートL(商品名,日本ポリウレタン(株)
製)を0.4秤取し、添加して30分間攪拌し、均一な架橋
剤を含む分散液を得た。
この混合溶液を乾燥後の粘着剤塗布量が10g/m2となるよ
うにアプリケーターで上質紙70kg上に塗布し、更に、12
0℃に設定した空気恒温槽中で5分間加熱乾燥して粘着
シートを得た。この試料を23℃ 65%RHの恒温槽室内に
1日放置した後、粘着力と再剥離性を試験した。粘着力
の測定はJIS-Z-0237に準じ、ステンレススチール板に対
する180°ピール接着力で評価した。その結果、先着力
は280g/25mmであった。また新聞紙に粘着シート片を貼
付し、30分後にゆっくりと引き剥したところ、新聞紙の
繊維をむしり取ることなく容易に該シート片を引きすこ
とができた。
また、別に、25mm巾、15cm長の粘着シート片を切り出
し、上質紙への貼付・剥離操作を同一試料片で50回繰り
返した後、対ステンレス板との粘着力を測定すると、そ
の粘着力は220g/25mmであった。しかし、粘着剤表面は
非常に粘着性に富んでおり、そこでこの試料片を更に壁
に貼り付けた新聞紙上に貼付してみたが、1日経た後も
脱落することはなかった。
比較例1 実施例1で得た共重合体(A)の溶液を、アプリケータ
ーで、上質紙70kg上に乾燥後粘着剤塗布量が10g/m2とな
るように塗布し、120℃で5分間熱風乾燥した後、23℃
−65%RHの恒温恒湿槽内に1日放置し、実施例1と同様
に粘着力と再剥離性を試験した。
試験片の粘着力は510g/25mmであった。新聞紙に試料片
を貼付し、ゆっくりと引き剥したが、新聞紙の紙繊維を
多量にむしり取り、新聞紙を破らずに引き剥すのがやっ
とであった。また上質紙に対する貼付・剥離試験を繰返
したところ、15回目位から粘着剤面の粘着性が感じられ
なくなった。20回繰返したところで壁に貼った新聞紙上
に試料を貼付してみたが、ほとんど粘着性がなくなって
おり、1分もたたないうちに該試料は脱落してしまっ
た。
実施例1及び比較例1の粘着シート片を光学顕微鏡で観
察したところ、実施例1の試料はほぼ一層の微小球が紙
の表面上に並んでおり、これを粘着剤の被膜が覆ってい
る構造が観察された。一方、比較例1の場合は、一様に
平坦な粘着剤面が観察された。
その結果、発明者らは、本発明にかかる粘弾性に富む微
小球を粘着剤で被覆してなる構造が粘着性と再剥離性を
同時に向上させることができるため非常に有効であるこ
とを確認した。更に、架橋剤(C)の添加により、粘着
剤−基材、微小球−基材及び粘着剤−微小球間が化学結
合により架橋され得るため、理想的な再剥離性粘着シー
トが得られることを確信した。同時に、本発明組成物が
粘着剤付きメモ用紙として理想的であることを見い出し
た。
実施例2 クラプレンLIR-403(商品名,クラレイソプレンケミカ
ル(株)製,カルボキシ変性液状ポリイソプレンゴム,
粘度平均分子量25,000,カルボキシル基含量2ミリ当量/
g)100g、トルエン30g、エピコート812(商品名,油化
シェルエポキシ(株)製,ポリエポキシ化合物、エポキ
シ当量150〜170)0.3g、1,8−ジアザ−シクロ[5.4.0]
ウンデセン−70.3g及び老化防止剤として、2,6−ジ−タ
ーシャリー−ブチル−p−クレゾール1gを500mlビーカ
ー中で60分間攪拌混合し、均一な混合液とした。次い
で、温度計、変速機付き攪拌装置及び還流冷却管を備え
た1反応容器を準備し、蒸留水250g、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム5g及びポリアクリル酸ナトリウ
ム0.5gを秤取し、毎分100回転で攪拌し、均一な界面活
性剤溶液を準備した。回転数を毎分500回転に上げ、先
に準備した混合溶液を徐々に滴下し、水中に懸濁分散さ
せた。しかる後、80〜90℃に昇温し、20時間攪拌を続け
て架橋反応を終了し、重合体(B)の懸濁液を得た。
実施例1で得た粘着剤(A)のエマルジョン溶液50gと
上記重合体(B)の懸濁溶液100gを秤取し、1ビーカ
ー中で30分間攪拌混合した後、アセトン400gを加え、約
毎分500回転で10分間攪拌したところ、粘稠な重合体
(B)が粘着剤(A)中に包含された混合物が析出し
た。この析出物を布でこし取り、500mlビーカーに移
し、トルエン400gを加えて攪拌し、均一な粘着剤成分
(A)と重合体(B)の分散液を得た。この液を20g秤
取し絶乾法で固形分濃度を測定したところ、その濃度は
10.1%であった。
この分散液400gに、ポリイソシアネート系化合物とし
て、コロネート(商品名,日本ポリウレタン(株)製)
0.4gを添加し、30分間攪拌して均一な架橋剤を含む分散
液を得た。
この分散液を用いて実施例1と同様に塗布量10g/m2の粘
着シートを作製し、粘着力及び再剥離性を試験した。そ
の結果、粘着力は300g/25mmであった。また、上質紙に
対する50回の粘着・剥離繰り返し試験後の粘着力は210g
/25mmであった。しかる後、壁に貼った新聞紙に貼付し
ても1日後に脱落することはなく、しかも新聞紙に貼付
して、ゆっくりと引き剥しても紙の繊維をむしり取るこ
ともなかった。粘着シート面を光学顕微鏡にて観察した
ところ、実施例1と同様に、ほぼ一層の微小球が紙の表
面に並んでおり、それを粘着剤の被膜が覆っている構造
が観察された。
実施例3 カネカMSポリマー300(商品名,鐘淵化学工業(株)
製,両末端にアルコキシシリル基を有するポリエーテル
化合物,数平均分子量約8000)100g、トルエン20g及び
ジオクチル酸ジn−ブチル錫0.5gを秤取し、500mlビー
カー中で均一に攪拌混合した。次いで、実施例1と同様
の温度計、変速機付攪拌装置および還流冷却管を備えた
1反応容器に蒸留水250g、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム5g及びポリアクリル酸ナトリウム0.5gを秤
取し、攪拌混合して均一な界面活性剤溶液を調製した。
しかる後、該溶液に先に混合した溶液を徐々に滴下し、
回転数を500回転に上げて懸濁させた。次に液温を80〜9
0℃に上昇させて24時間攪拌を続けて架橋反応を終了さ
せ、重合体(B)の懸濁溶液を得た。
実施例1で得た粘着剤(A)エマルジョン溶液50gと重
合体(B)の懸濁溶液100gを秤取し、1ビーカー中で
30分間攪拌混合した後アセトン400gを加え、回転数約50
0回転で10分間攪拌したところ、粘稠な重合体(B)及
び粘着剤(A)の混合物が析出した。この析出物を布
でこし取り、これを更に別のビーカーに秤取した400gの
アセトン中に布ごと浸漬して2時間放置し、界面活性
剤及び水分その他の不純物を除去した。過物を1000ml
ビーカーに移し、トルエン400gを加えて30分間攪拌し、
均一な重合体(B)と粘着剤(A)の分散溶液を得た。
この分散溶液の固形分濃度を絶乾法で測定したところ、
その濃度は9.9%であった。
この分散溶液400gを1ビーカー中に秤取し、ポリイソ
シアネート系化合物としてコロネートL(商品名,日本
ポリウレタン(株)製)0.3gを加え、30分間攪拌して均
一な架橋剤を含んだ重合体(B)及び粘着剤(A)の混
合液を得た。
この溶液を実施例1と同様に、上質紙70kg上にアプリケ
ーターにて、乾燥後の重量が10g/m2となるよう塗布し、
120℃で5分間加熱乾燥し、再剥離性粘着シートを得
た。この試料を1日間恒温恒湿槽内(23℃,65%RH)に
放置した後、粘着特性を評価したところ、その粘着力は
330g/25mmであった。また、上質紙上で50回貼付・剥離
を繰返した後の粘着力は、240g/25mmであった。その
後、壁に貼った新聞紙に再貼付したが24時間後にも脱落
はしなかった。この粘着シートを光学顕微鏡で観察した
ところ、実施例1と同様に上質紙上にほぼ一層の微小球
が並んでおり、その表面を粘着剤が被覆する構造が観察
された。
比較例2 実施例1で得た粘着剤(A)のエマルジョン溶液200gを
秤取し、これを1ビーカー中に入れたアセトン300g中
に毎分約500回転で攪拌しながら注ぎ込んだところ、粘
稠な共重合体(A)の固体が析出した。これを布で分
離し、400gアセトン中に布ごと浸漬して2時間放置
し、界面活性剤、水分その他の不純物を抽出分離した。
得られた共重合体(A)を1ビーカーに移した後、こ
の中にトルエン200g及びポリイソシアネート系化合物と
してコロネートL(商品名,日本ポリウレタン(株)
製)1.6gを加え30分間攪拌混合して架橋剤を含んだ粘着
剤(A)の均一な溶液を得た。
この溶液を実施例1と同様にアプリケーターにて上質紙
70kg上に、乾燥後の重量が10g/m2の塗布量となるように
塗布し、120℃で5分間加熱乾燥して、粘着シートを得
た。
この粘着シートについて実施例1と同様に粘着特性を評
価したところ、その粘着力は580g/25mmであった。ま
た、該シートを新聞紙に貼付しゆっくりと引き剥したが
新聞紙が破れてしまい、再剥離は不可能であった。
以上の結果から、本発明者らは、重合体(B)からなる
弾性微小球が粘着性及び再剥離性を向上せしめる上で多
大な効果を有していることを確認することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭素数2〜12個のアルキル基を有す
    る(メタ)アクリル酸エステルを主体とする非官能性ビ
    ニル系モノマー(a)90〜99.9重量%、及び分子中に、
    カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はエポキシ基を1
    個以上有する官能性ビニル系モノマー(b)0.1〜10重
    量%から合成される、常温で粘着性の共重合体(A):1
    00重量部; (B)ガラス転移点が10℃以下でかつ平均粒径が0.3〜3
    00μmの重合体(B):20〜1000重量部;及び (C)前記(b)成分の官能基と反応し得る多官能性架
    橋剤(C):0.01〜5.0重量部 からなり、前記重合体(B)の全表面が共重合体(A)
    により被覆されている再剥離性粘着剤組成物であって、 前記重合体(B)が、少なとくも両末端にカルボキシル
    基、水酸基又はエポキシ基を有し、分子中の1,4−結合
    の割合が60%以上である平均分子量500〜5000のポリブ
    タジエンであって、かつ該ポリブタジエンが前記官能基
    を介して多官能性架橋剤により架橋されてなる架橋重合
    体であることを特徴とする再剥離性粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】(A)炭素数2〜12個のアルキル基を有す
    る(メタ)アクリル酸エステルを主体とする非官能性ビ
    ニル系モノマー(a)90〜99.9重量%、及び分子中に、
    カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はエポキシ基を1
    個以上有する官能性ビニル系モノマー(b)0.1〜10重
    量%から合成される、常温で粘着性の共重合体(A):1
    00重量部; (B)ガラス転移点が10℃以下でかつ平均粒径が0.3〜3
    00μmの重合体(B):20〜1000重量部;及び (C)前記(b)成分の官能基と反応し得る多官能性架
    橋剤(C):0.01〜5.0重量部 からなり、前記重合体(B)の全表面が共重合体(A)
    により被覆されている再剥離性粘着剤組成物であって、 前記重合体(B)が、分子中にカルボキシル基を1個以
    上有する平均分子量10,000〜80,000のポリイソプレンで
    あって、かつ該ポリイソプレンが前記官能基を介して多
    官能性架橋剤により架橋されてなる架橋重合体であるこ
    とを特徴とする再剥離性粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】(A)炭素数2〜12個のアルキル基を有す
    る(メタ)アクリル酸エステルを主体とする非官能性ビ
    ニル系モノマー(a)90〜99.9重量%、及び分子中に、
    カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はエポキシ基を1
    個以上有する官能性ビニル系モノマー(b)0.1〜10重
    量%から合成される、常温で粘着性の共重合体(A):1
    00重量部; (B)ガラス転移点が10℃以下でかつ平均粒径が0.3〜3
    00μmの重合体(B):20〜1000重量部;及び (C)前記(b)成分の官能基と反応し得る多官能性架
    橋剤(C):0.01〜5.0重量部 からなり、前記重合体(B)の全表面が共重合体(A)
    により被覆されている再剥離性粘着剤組成物であって、
    前記重合体(B)が、両末端にアルコキシシリル基を有
    する平均分子量500〜30,000のポリエーテル化合物であ
    って、かつ該ポリエーテル化合物が前記官能基を介して
    架橋剤により架橋されてなる架橋重合体であることを特
    徴とする再剥離性粘着剤組成物。
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