JP5346048B2 - 複合感圧接着性微小球 - Google Patents
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Description
従って、本発明は、有利に、ユニークな感圧接着性微小球組成物を提供するとともに、ポリマ微小球の境界内に全体が存在するポリマの混合物に由来するユニークな化学的および物理的性質を提供する。
特に有用な溶剤モノマとしては、(メタ)アクリレートおよびビニルエステルが挙げられる。スチレン、アクリロニトリル、それらの混合物などの他のビニルモノマ、ならびにこのような溶剤モノマの様々な組合せを使用してもよい。
本質的に水不溶性である溶質ポリマは、重合すると以下に記載の溶剤モノマまたは溶剤モノマの混合物に溶解可能なポリマとなる任意のモノマまたはモノマの混合物から形成されていてもよい。典型的には、溶質ポリマは少なくとも2000の分子量(Mw)を有する。
〔式中、Xは-CH2-、-C(O)O- -O-C(O)-、-C(O)-NH-などであり、nは、室温において結晶性ドメインまたは領域を含有するポリマを形成するのに十分な側鎖長および配座を提供できるように十分に大きい〕
で表されるコポリマが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な結晶性ポリマ材料としては、ポリ(ドデシルアクリレート)、ポリ(イソトリデシルアクリレート)、ポリ(n-テトラデシルアクリレート)、ポリ(n-ヘキサデシルアクリレート)、ポリ(n-ヘキサデシルメタクリレート)、ポリ(n-オクタデシルアクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリレート)、ポリ(ベヘニルアクリレート)、ポリ(エイコサミルアクリレート)、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中で、ポリ(n-オクタデシルアクリレート)、ポリ(ベヘニルアクリレート)、およびこれらの混合物またはコポリマが好ましい。
複合微小球の第2の成分はマトリックスポリマであり、これは溶剤モノマの重合生成物である。主溶剤モノマは、本質的に水不溶性であり、1つ以上のモノマを含んでいてもよい。
複合微小球または複合微粒子に対して、懸濁ラジカル重合法、例えば、米国特許第3,691,140号、同第4,166,152号、同第4,786,696号、同第5,045,569号、および同第5,508,313号、ならびにPCT特許出願第WO 96/01280号に記載の方法、に変更を加えて利用することができる。
(a)溶質ポリマを調製するステップと、
(b)溶質ポリマを少なくとも1つの溶剤モノマ中に溶解して溶質ポリマ/溶剤モノマ混合物を提供するステップと、
(c)溶質/ポリマ/溶剤モノマ混合物中に開始剤を溶解するステップと、
(d)反応容器に、水、界面活性剤、場合に応じて安定剤、および溶質ポリマ/溶剤モノマ混合物を仕込んで反応混合物を提供するステップと、
(e)反応混合物を攪拌してエマルションを形成するとともに攪拌を持続しながらエマルションを加熱するステップと、
を含めることができる。
有用な界面活性剤(乳化剤とも呼ばれる)には、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、またはノニオン界面活性剤が含まれ、具体的には、ナトリウムアルキルアリールエーテルスルフェートなどのアルキルアリールスルフェートおよびスルホネート、例えば、Rohm and Haasから入手可能なTritonTMX200;アルキルアリールポリ(エチレンオキシド)スルフェートおよびスルホネートなどのアルキルアリールポリエーテルスルフェートおよびスルホネート、好ましくは約4個までのエチレンオキシ繰返し単位を有するもの;ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、ナトリウムヘキサデシルスルフェートなどのアルキルスルフェートおよびスルホネート;アンモニウムラウリルエーテルスルフェートなどのアルキルエーテルスルフェートおよびスルホネート;アルキルポリ(エチレンオキシド)スルフェートおよびスルホネートなどのアルキルポリエーテルスルフェートおよびスルホネート、好ましくは約4個までのエチレンオキシ単位を有するもの、のようなアニオン界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、およびアルキルアリールエーテルスルフェートが好ましい。このほかのアニオン界面活性剤としては、例えば、ナトリウムドデシルベンゼンスルフェート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートなどのアルキルアリールスルフェートおよびスルホネート;ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェートなどのアルキルスルフェートのナトリウム塩およびアンモニウム塩が挙げられ、ノニオン界面活性剤としては、エトキシル化オレイルアルコール、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられ、更に、カチオン界面活性剤としては、アルキル鎖が10〜18個の炭素原子を含有するアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドの混合物などが挙げられる。両性界面活性剤もまた本発明に有用であり、例えば、スルホベタイン、N-アルキルアミノプロピオン酸、およびN-アルキルベタインが挙げられる。
少なくとも1つの溶質ポリマと少なくとも1つの溶剤モノマとの組合せを選択する場合、溶質ポリマが溶剤モノマに溶解できるようにする。更に、溶剤モノマと溶質ポリマとの組合せにより、本質的に感圧接着性の溶質ポリマ/マトリックスポリマ複合ポリマ微小球が得られるようにする。溶質ポリマとマトリックスポリマとの混合物は様々な形態をとることができるが、その形態は微小球中の2つ以上のポリマの相容性に依存する。このような形態としては、ポリマの均質混合物、および異なるポリマまたはポリマの混合物が独自の相として存在する相分離した組成物が挙げられる。結晶性溶質ポリマを使用する場合、好ましい形態は、結晶性溶質ポリマがマトリックスポリマ中に分散された形態である。
場合に応じて、流動性調節剤、着色剤、充填剤、安定剤、粘着付与剤、可塑剤、ラテックスバインダ、様々な他のポリマ添加剤などの補助剤を利用することができる。このような補助剤を使用する場合、接着性混合物中での使用量は、このような補助剤の周知の用途に対して有効な量である。
接着性製品用の基材として使用されるバッキングは、従来からテープバッキングとして使用されている材料であってもよいし、または他の可撓性材料であってもよい。このようなバッキングとしては、ポリ(プロピレン)、ポリ(エチレン)、ポリ(塩化ビニル)、ポリエステル(例えば、3Mから「Scotch」フィルム8050の商品名で市販されているようなポリ(エチレンテレフタレート))、デラウェア州WilmingtonのDuPont Co.から商品名「KAPTON」として市販されているようなポリアミドフィルム、セルロースアセテート、およびエチルセルロースから成る群より選ばれた材料から製造されたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バッキングは、綿、ナイロン、レーヨン、ガラス、もしくはセラミック材料などの合成もしくは天然の材料の糸から形成された織布であってもよいし、天然もしくは合成の繊維またはこれらのブレンドのエアレイドウェブなどの不織布であってもよい。更に、バッキングは、金属、金属化ポリマフィルム、およびセラミックシート材料から成る群より選ばれた材料から形成してもよい。
試験方法
接着剤移行量
接着剤移行量は、接着剤被覆シートを基材から剥離または除去したときに、接合された基材に移行した接着剤の量として定義される。この試験は、TLMI剥離および接着試験機を用いて、KromekoteTMとして市販されているクレー被覆紙の清浄な領域に接着剤被覆シートの幅3/4インチ(1.9cm)のストリップを接着させることにより行われる。接着剤をKromekoteTMと30秒間接着させた状態に保ち、続いて90°の角度および90インチ/分の一定速度で引き離す。次に、ビデオカメラを介してイメージプロセッサによりクレー被覆ストリップを解析し、観測領域の接着剤被覆パーセントを記録する。各試験サンプルに対して10ヶ所の観測領域を解析し、続いて平均を求める。この試験を繰り返し、結果は平均値として報告する。
剥離接着力は、接着剤被覆可撓性シート材料を試験パネルから引き離すのに要する力を、特定の角度および引き離し速度で測定したときの値である。実施例において、この力は接着剤被覆シートの幅あたりのグラムで表現されている。
ポリエステルに対する接着力は、水平試験プレート上に固定された接着剤被覆サンプルの表面にポリエステルフィルムの幅1.25インチ(3.2cm)のストリップを接着することにより測定される。4.5lb(2kg)の硬質ゴムローラを使用してストリップを接合させる。引き剥がし角度が水平試験プレートに対して90°になるようにポリエステルフィルムの自由端を接着試験機のロードセルに取り付ける。毎分12インチ(31cm)の一定速度で接着剤からポリエステルストリップを剥離する。ロードセルの読みを1.25インチ(3.2cm)あたりのグラムで記録する。試験を繰り返し、実験回数の平均としてデータを報告する。
剥離接着力は、特定の角度および引き離し速度で被覆シートをボンド紙基材から引き離すのに要する力である。実施例において、この力は被覆シートの幅1インチあたりのグラムで表現されている。手順は次の通りである。
静的剪断試験では、試験パネルの表面に平行な方向に応力がかかるように一定の標準荷重の応力を加えて平らな試験パネルから接着剤被覆シート材料の標準領域を牽引するのに必要な時間を分単位で測定する。実施例ではステンレス鋼の試験パネルを使用する。
調製された微小球の溶剤可溶物含量を測定するために、次の方法を利用する。
乾燥させた濾液の重量を乾燥させた懸濁微小球の重量で割った値が溶剤可溶性ポリマ含有%である。試験を繰り返し、実験回数の平均としてデータを報告する。
IOA イソオクチルアクリレート
AA アクリル酸
ODA オクタデシルアクリレート
1,4-BDA 1,4-ブタンジオールジアクリレート
mv 平均体積
sd 標準偏差
μm マイクロメートル
VDM 2-ビニル-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン-5-オン
NVP N-ビニルピロリドン
PEO-750 分子量750のアクリレート末端ポリ(エチレンオキシド)マクロモノマ
Mg ミリグラム
「再位置決め可能な」 接着能力の実質的な損失を伴うことなく基材に対 して接着
および剥離を繰返すことができることを意味する。
Mw 重量平均分子量
AIBN 2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)
実施例1〜7で使用する80/20 IOA/AA溶質コポリマの調製
36グラム分のIOA、9グラムのAA、180グラムの2-ブタノン、および10mlの2-ブタノン中に0.585グラムのAIBNを溶解させた溶液1mlを3つの500ml褐色瓶に添加した。窒素を用いて溶液を5〜10分間パージングし、キャップで瓶をシールした。Atlas Launder-o-meterTM水浴中に瓶を入れ、65℃まで加熱し、一晩振盪した。次に、瓶を冷却し、最初に室温のテフロン(登録商標)ライニングパン中で、続いて55℃の強制通風オーブン中で蒸発乾固させ、透明でわずかに黄色の80/20 IOA/AAコポリマを得た。
この実施例では、25%の80/20 IOA/AA溶質コポリマと75%のポリ(IOA)マトリックスコポリマとを含有する複合MSAの調製について記載する。機械的攪拌機、温度調節器、ヒートランプ、窒素送入口、およびバッフルを備えた2Lスプリット反応フラスコに、600グラムのDI水および4グラムのSiponate DS-10(Alcolac,Incから市販されているナトリウムドデシルベンゼンスルホネートに対する商品名)を充填し、65℃まで加熱し、流動窒素を用いてパージングした。別の容器中で、0.929グラムのLucidol 70(Pennwalt Corporationから入手可能な70%活性ベンゾイルペルオキシドに対する商品名)および50グラムの80/20 IOA/AA溶質コポリマを、150グラムのIOA中に溶解した。水溶液を65℃で平衡状態にした後、攪拌速度を450rpmに設定し、IOA/コポリマ/ベンゾイルペルオキシド溶液を添加した。流動窒素を用いて溶液を更に5分間パージングし、バブラを用いて大気を遮断し、65℃で8時間反応させた。反応による発熱が観測され、モノマ溶液の添加24分後に68℃の温度ピークに達した。8時間後、溶液を室温まで冷却し、チーズクロスに通して濾過した。顕微鏡観察により中実の微小球の存在が示唆された。粒子サイズ分析により、平均体積径が68ミクロンであることが示された。微小球の溶剤可溶分を測定したところ38%であった。
実施例2〜C7は、実施例1に記載の手順に従って調製したが、ただし、15、5、3、1.5、0.5、および0%の80/20 IOA/AAコポリマを含有する複合感圧接着性微小球組成物を作製するために80/20 IOA/AA溶質コポリマの量を変化させた。粒子サイズおよび溶剤可溶分%に対する結果は、表1にまとめられている。
(A)溶剤系コーティング
実施例1〜C7に記載の接着剤の接着性能を評価した。懸濁液にイソプロピルアルコールを添加して塊状の凝結を起こさせることにより、各感圧接着性微小球を水から単離した。凝結したポリマを約80%まで乾燥させ、十分なヘプタン中に分散して固形分8%の分散体を得た。サンプルを一晩振盪し、次いで、微小球の均一な分散体が確実に得られるように機械的攪拌機で数分間混合した。紙とコータナイフとのギャップを4ミル(0.1mm)に設定してヘプタン分散体を下地処理紙上にコーティングした。ポリエステルに対する接着力(g/1.25"すなわちg/3.175cm)、ボンド紙に対する接着力(g/インチすなわちg/2.54cm)、接着剤移行量、およびステンレス鋼に対する静的剪断力(1.5"×1.0"×1kgまたは3.81×3.8lcm×1kg)に関してコーティングを試験した。結果は表2にまとめられている。
溶剤系コーティングと比較した場合に同じように性能を改良しうることを提示するために、実施例1〜C7を水からコーティングした。各接着剤を放置させてから微小球に富んだ相と微小球に乏しい相に分離させた。微小球に富んだ相の一部分に脱イオン水を添加して固形分50%まで希釈し、攪拌して分散し、1ミルのギャップを介して3Mポリエステルフィルム製品「Scotch 8050」上にコーティングした。コーティングの施されたサンプルに対して接着性能の試験を行った。結果は表3にまとめられている。
この実施例では、20%の80/20 IOA/NVP溶質コポリマ(Mw=133,000)と80%のポリ(IOA)マトリックスポリマとを含有する微小球の調製について記載する。実施例1〜4で用いたIOA/AAコポリマの調製に利用したものと類似の方法で溶液重合によりIOA/NVPコポリマを最初に調製した。
この実施例では、10%のIOA/PEO-750溶質コポリマと90%のポリ(IOA)マトリックスポリマとを含有する微小球の調製について記載する。PEO-750は、750の平均分子量を有するアクリレート末端ポリ(エチレンオキシド)マクロモノマである。14グラムのIOA、6グラムのPEO-750、0.06グラムのVazo 64(DuPont Co.から市販されている2,2'-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル)に対する商品名)、0.3%のCBr4、および58グラムのエチルアセテートを瓶に添加することにより最初にIOA/PEO-750コポリマを調製した。窒素を用いて溶液を脱ガスし、瓶にキャップをし、Launder-o-meterTM中に60℃で22時間保存した。反応を行ってから、エバポレーションによりエチルアセテートを瓶から除去した。
この実施例では、25%の75/25 IOA/PEO-750溶質コポリマと75%のポリ(IOA)マトリックスポリマとを含有する微小球の調製について記載する。最初に、264グラムのIOA、88グラムのPEO-750、720グラムの2-ブタノン、および0.35グラムのAIBNを大型ビーカ中で混合することにより75/25 IOA/PEO-750コポリマを調製した。開始剤が溶解するまで溶液を攪拌し、4つの16オンスの細口褐色瓶に分配し、窒素を用いてパージングした。直ちに各瓶にキャップをし、続いて65℃のLaunder-o-meterTM中に入れ、一晩反応させた。エバポレーションにより溶剤を除去することによってポリマを単離した。
この実施例では、13%の80/20 IOA/VDM(VDM=2-ビニル-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン-5-オン)溶質コポリマと87%のポリ(IOA)マトリックスポリマとを含有する微小球の調製について記載する。240グラムのIOA、60グラムのVDM、600グラムの2-ブタノン、および0.6グラムのAIBNを大型ビーカ中で混合することにより80/20 IOA/VDMを最初に調製した。開始剤が溶解するまで溶液を攪拌し、4つの16オンスの細口褐色瓶に分配し、窒素を用いてパージングした。直ちに各瓶にキャップをし、続いて65℃のLaunder-o-meterTM中に入れ、一晩反応させた。エバポレーションにより溶剤を除去することによってポリマを単離した。
この実施例では、10%のポリヘキセン溶質ポリマと90%のポリ(IOA)マトリックスポリマとを含有する微小球の調製について記載する。2Lスプリット反応フラスコに、730グラムのDI水、4.4グラムのSiponate DS.10、9.6グラムのAcumer 1530(Rohm and Haasから市販されている重量平均分子量190,000を有するポリ(アクリル酸)の固形分25%の水溶液に対する商品名)、および溶液を中和してpH7とするのに十分な濃水酸化アンモニウムを充填した。520rpmで溶液を攪拌し、65℃まで加熱し、窒素を用いてパージングした。この溶液に、24グラムのポリ(ヘキセン)(Eastman Kodakから入手;Mw=96,000)と800mgのLucidol 70とが215グラムのIOA中に溶解された溶液を添加した。流動窒素を用いて溶液を更に4分間パージングし、次いで反応器をバブラに固定した。この混合物を、65℃で1時間、次いで80℃で2時間反応させた。混合物を室温まで冷却し、チーズクロスに通して濾過した。
実施例C13は、実施例12と類似の方法で調製したが、ただし、ポリマ安定剤(中和されたAcumer 1530)を使用しなかった。実施例12とは対照的に、実施例C13では、主に、チーズクロスを通して濾過できない凝集した微小球を生じた。
実施例C14は、実施例C13と類似の方法で調製したが、ただし、ポリヘキセンを添加しなかった。チーズクロスを通して容易に濾過できる微小球の懸濁液が得られた。
この実施例では、3%のポリオクテン溶質ポリマと97%のポリ(IOA)マトリックスポリマとを含有する微小球の調製について記載する。2Lスプリット反応フラスコに、739グラムのDI水、9.6グラムのAcrysol A-3(Rohm and Haasから市販されている150,000未満のMwを有するポリ(アクリル酸)の固形分25%の水溶液に対する商品名)、4.5グラムのSiponate DS-10、および溶液を中和してpH7とするのに十分な濃水酸化アンモニウムを充填した。500rpmで溶液を攪拌した。800mgのLucidol 70と7.2グラムのポリオクテン(Eastman Kodakから入手;Mw=1,100,000)とがIOA中に溶解された溶液を添加した。混合物を70℃まで加熱し、窒素を用いてパージングした。約15分後に、反応による発熱で76℃のピーク温度に到達するのが観測された。次に、反応物を80℃で2時間攪拌し、室温まで冷却し、チーズクロスに通して濾過した。凝塊は観測されなかった。粒子サイズ分析により、平均体積径が52マイクロメートルであることが示された。
この実施例では、溶質ポリマとして20%のポリ(IOA)、および80%のポリ(IOA)マトリックスポリマを含有する微小球の調製について記載する。
この実施例では、溶質ポリマとして5%のKraton 1111ゴムおよびマトリックスポリマとして95%のポリ(IOA)を含有する微小球の調製について記載する。Kratonは、一晩振盪することにより固形分10%でIOA中に溶解させた。75グラム分のこの溶液を、680mgのLucidol-75が75グラムのIOA中に溶解した溶液に添加し、均一になるまで混合した。次に、1Lスプリット反応フラスコに、407グラムのDI水、アンモニウムラウリルスルフェートの10%溶液(Stepanol AM-VをDI水で希釈したもの)30グラム、および11.5%のポリ(アンモニウムアクリレート)(Goodrite K-702をDI水で希釈し、濃水酸化アンモニウムで中和したもの)13グラムを充填した。IOA溶液を添加した。450rpmで溶液を攪拌し、65℃まで加熱し、窒素を用いて脱ガスした。30〜45分後に67℃のピーク温度を有する発熱反応が検出された。65℃で5時間経過させた後、溶液を室温まで冷却し、チーズクロスに通して濾過した。凝塊は観測されなかった。顕微鏡観察による解析の結果、少量のボイドを有する微小球の存在が示唆された。粒子サイズ分析により、平均体積径が72マイクロメートルであることが示された。
この実施例では、溶質ポリマとして4%のポリ(スチレン)を含有する微小球の調製について記載する。3.0グラム分のポリスチレン(Mw=5000)および0.25グラムのVAZO52を70.25グラムのIOA中に溶解させた。1Lスプリット反応フラスコに、450グラムのDI水、3.0グラムのアクリル酸、および5.0グラムのStandapol Aを充填した。この水溶液を水酸化アンモニウムで中和してpH7とした。IOA/ポリスチレン溶液を水溶液に添加した。400rpmで混合物を攪拌し、55℃まで加熱し、窒素を用いて脱ガスした。55℃で5時間経過させた後、反応器から取り出し、懸濁液をチーズクロスに通して濾過した。凝塊は観測されなかった。光学顕微鏡観察による解析の結果、直径約2マイクロメートルの多数の小さな混在物を含有した平均直径10〜20マイクロメートルの微小球の存在が示唆された。
この実施例では、溶質ポリマとして5%の-CH2CH2-OH末端ポリ(スチレン)を含有する微小球の調製について記載する。1Lメスフラスコに、880mlの脱イオン水および3.60グラムのアクリル酸を仕込み、濃水酸化アンモニウムで中和してpH7とした。この溶液に、10,000のMwを有するの-CH2CH2-OH末端ポリ(スチレン)6.0グラムと0.30グラムのVazo52とが110.4グラムのIOA中に溶解した溶液を添加した。350rpmで混合物を攪拌し、アルゴンを用いて脱ガスした。2.0グラム分のSiponate DS-10を添加した。アルゴンを用いて溶液を更に10分間脱ガスし55〜65℃まで加熱した。45分後に採取したサンプルから、直径約2マイクロメートルの多数の小さな混在物を含有した直径10〜20マイクロメートルの微小球が存在することが分かった。
実施例20は、19と類似した方法を繰り返したが、ただし、CH2CH2-OH末端ポリ(スチレン)の代わりに120,000のMwを有する3鎖分枝ポリスチレン4.4グラムを使用した。直径約2マイクロメートルの多数の小さな混在物を含有した直径10〜20マイクロメートルの微小球が生成した。
この実施例では、溶質ポリマとして5%のポリ(ビニルエチルエーテル)を含有する微小球の調製について記載する。ポリ(ビニルエチルエーテル)(Scientific Polymer Products,Inc.からカタログNo.638として入手した)は、固形分10%でIOA中に溶解させた。75グラム分のこの溶液を、680mgのLucidol 75が75グラムのIOA中に溶解した溶液に添加した。得られた溶液を、406グラムのDI水、アンモニウムラウリルスルフェートの10%溶液(Stepanol AM-VをDI水で希釈したもの)30グラム、およびポリ(アンモニウムアクリレート)の11.5%溶液(Goodrite K-702をDI水で希釈し、濃水酸化アンモニウムで中和したもの)13グラムが充填された1Lスプリット反応フラスコに添加した。この混合物を65℃まで加熱し、窒素を用いて脱ガスし、6時間反応させた。溶液を室温まで冷却し、チーズクロスに通して濾過した。凝塊は観測されなかった。顕微鏡観察による解析の結果、小さなボイドまたは混在物を含有した微小球の存在が示唆された。粒子サイズ分析により、平均体積径が55μmであることが示された。少量の懸濁液にイソプロピルアルコールを添加したところ凝集を起こし、粘着性のポリマ塊が得られた。
この実施例では、溶質ポリマとして5%のポリ(イソボルニルアクリレート)および95%の96/4 IOA/AAマトリックスコポリマを含有する微小球の調製について記載する。1Lスプリット反応フラスコ中において、ポリ(イソボノレニノレアクリレート)(Scientific Polymer Products,Inc.から入手)がIOA中に溶解された10%溶液1.05グラム分を添加し、溶液をよく混合した。次に、407グラム分のDI水、アンモニウムラウリルスルフェートの10%水溶液(StepanolTM AM-VをDI水で希釈したもの)30グラム、およびポリ(アンモニウムアクリレート)の11.5%溶液(Goodrite K-702をDI水で希釈し、濃水酸化アンモニウムで中和したもの)13グラムを添加した。この混合物を450rpmで攪拌し、65℃で加熱し、窒素を用いてパージングし、65℃で約9時間反応させた。72℃のピーク温度の発熱が観測された。反応液を室温まで冷却し、チーズクロスに通して濾過した。凝塊は観測されなかった。顕微鏡観察による解析の結果、直径約1〜5マイクロメートルの少量の混在物を含有した微小球の存在が示唆された。粒子サイズ分析により、平均体積径が30マイクロメートルであることが示された。
実施例22を繰り返したが、ただし、実施例C23ではアクリル酸を使用しなかった。反応液は凝集し、チーズクロスに通して濾過することができなかった。
この実施例では、溶質コポリマとして2%の98/2 IOA/AAコポリマを含有する微小球の調製について記載する。1Lメスフラスコに、880mlの脱イオン水、3.60グラムのアクリル酸、および溶液を中和してpH7とするのに十分な濃水酸化アンモニウムを仕込んた。この溶液に、12.0グラムのStandapolTM Aと、4.3グラムの98/2IOA/AAコポリマおよび0.86グラムのLucidolTM 70が220グラムのIOA中に溶解された溶液とを添加した。混合物をアルゴンで脱ガスし、激しく攪拌し、55〜65℃まで加熱し、一晩反応させた。比較的大きなサイズの単一混在物を有する中空微小球の懸濁液が得られた。
この実施例は、実施例24と類似の方法で調製したが、ただし、92/2 IOA/コポリマを添加しなかった。中実微小球の懸濁液が得られた。
この実施例では、溶質ポリマとして5%のポリ(ODA)およびマトリックスポリマとして95%のポリ(IOA)を含有する微小球の調製について記載する。1リットルガラス反応器に、固形分20重量%のポリアクリル酸の水溶液7.5グラム、脱イオン水450グラム、溶液を中和してpH7とするのに十分な濃水酸化アンモニウム、および6.0グラムのStandapol Aを充填した。600rpmで攪拌しながら、反応器を65℃まで加熱した。ガラスジャー中において、7.5グラムのポリ(ODA)を、142.5グラムのIOAおよび0.04グラムの1,4-BDAの中に加熱しながら溶解させた。ポリ(ODA)を溶解させた後、このモノマ‐ポリマ溶液中に0.67グラムのLucidol 70を溶解させた。反応器の内容物が65℃に達したときに、攪拌速度を600rpmに保ちながら、開始剤を含有したポリ(ODA)のモノマ溶液を添加した。65℃で15時間経過させた後、反応器の内容物を室温まで冷却させた。
以下の実施例は、表4に示されているモノマおよび開始剤の量を用いて実施例26に記載の手順に従って調製した。
以下に、本願発明に関連する発明の実施形態について列挙します。
[実施形態1]
ポリマ微小球の境界内に存在する2つ以上の水不溶性ポリマを含んでなる複合感圧接着性微小球。
[実施形態2]
前記微小球が(1)少なくとも1つの溶質ポリマと(2)少なくとも1つの溶剤モノマとの反応生成物であり、しかも該溶質ポリマが該溶剤モノマ中に溶解可能であり、かつ重合された該溶剤モノマがマトリックスポリマである実施形態1記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態3]
前記溶質ポリマが、(1)水不溶性もしくは水非反応性のモノマ、(2)水溶性もしくは水反応性のモノマと、水不溶性もしくは水非反応性のモノマとの組合せ、ただし、この溶質ポリマは本質的に水不溶性である、(3)ラジカル重合により重合できないモノマ、または(4)これらの混合物、から調製される実施形態2記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態4]
前記溶質ポリマおよび前記マトリックスポリマを調製するために使用される前記モノマが同じモノマであり、かつ前記溶質ポリマおよび前記マトリックスポリマが異なる分子量または架橋密度を有する実施形態3記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態5]
前記溶質ポリマおよび前記マトリックスポリマが異なるガラス転移温度を有する実施形態3記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態6]
前記溶剤モノマが、本質的に水不溶性であり、かつ1つ以上のモノマを含み、かつ前記溶質ポリマを溶解する実施形態2記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態7]
前記溶剤モノマが、溶質ポリマを溶解できない1つ以上のモノマを更に含んでいてもよい実施形態6記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態8]
前記溶質ポリマが、チーグラー・ナッタ重合、アニオン重合、グループ移動重合、開環重合、ラジカル縮合重合、および段階成長重合、またはこれらに類する重合により調製されたポリマを含む実施形態2記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態9]
前記溶質ポリマが、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(スチレン)、エラストマ、スチレン-ブタジエンブロックコポリマ、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、結晶性および非晶性のポリマ、これらの混合物および組合せを含む実施形態8記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態10]
前記溶剤モノマが、(メタ)アクリレート、ビニルエステル、スチレン、アクリロニトリル、これらの混合物、およびこれらの類似物を含む実施形態2記栽の複合感圧接着性微小球。
[実施形態11]
微小球が、中空体、中実体、またはこれらの混合物である複合感圧接着性微小球。
[実施形態12]
前記微小球が、少なくとも1つの溶剤モノマ中に溶解された少なくとも1つの溶質ポリマの溶液を懸濁重合することにより調製される実施形態2記載の複合感圧接着性微小球。
[実施形態13]
(a)溶質ポリマを調製するステップと、 (b)該溶質ポリマを少なくとも1つの溶剤モノマ中に溶解して溶質ポリマ/溶剤モノマ混合物を提供するステップと、 (c)この溶質/ポリマ/溶剤モノマ混合物中に開始剤を溶解するステップと、 (d)反応容器に、水、界面活性剤、場合に応じて安定剤、および該溶質ポリマ/溶剤モノマ混合物を仕込んで反応混合物を提供するステップと、 (e)該反応混合物を攪拌してエマルションを形成するとともに該攪拌を持続しながら該エマルションを加熱するステップと、を含む、複合感圧接着性微小球を調製するための懸濁重合法。
Claims (4)
- ポリマ微小球の境界内に存在する2つ以上の水不溶性ポリマを含んでなる複合感圧接着性微小球であって、前記微小球が(1)少なくとも1つの溶質ポリマと(2)その溶質ポリマの溶剤である少なくとも1つの溶剤モノマとの反応生成物であり、しかも該溶質ポリマを溶解した状態で重合された該溶剤モノマがマトリックスポリマを形成すると共に、一方の水不溶性ポリマを形成し、また、前記溶質ポリマーが他方の水不溶性ポリマを形成し、ここで、前記溶剤モノマが、(メタ)アクリレート、ビニルエステル、スチレン、アクリロニトリル、およびこれらの混合物のいずれかであり、また、前記溶質ポリマが、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(スチレン)、スチレン-ブタジエンブロックコポリマ、および、これらの混合物のいずれかである、複合感圧接着性微小球。
- 前記溶質ポリマおよび前記マトリックスポリマを調製するために使用される前記モノマが同じモノマであり、かつ前記溶質ポリマおよび前記マトリックスポリマが異なる分子量または架橋密度を有する請求項1記載の複合感圧接着性微小球。
- 前記溶質ポリマおよび前記マトリックスポリマが異なるガラス転移温度を有する請求項1記載の複合感圧接着性微小球。
- 微小球が、中空体、中実体、またはこれらの混合物である請求項1記載の複合感圧接着性微小球。
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