JPS6350Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバイン等において、穀粒を籾袋
等に排出するための第１排出口，第２排出口を並
設した穀粒排出ホツパーに係るものである。

一般に、この種の穀粒排出ホツパーにおいて
は、ホツパー内に穀粒の滞溜を感知する感知装置
を設けホツパー内に所定量以上の穀粒が滞溜する
と警報を発して揚穀筒に穀粒が詰まる等の事故を
防いでいた。従来、この感知装置の取付位置が適
切でないために、感知装置作動後すぐに揚穀筒が
詰まり、あるいは１方の排出口使用中に感知装置
が作動して警報が鳴りぱなしになる等の欠点があ
つた。

本考案は、第１排出口と第２排出口とを仕切る
仕切壁の頂点を含む第１排出口上の穀粒の安息角
線の上方部に接近して、感知装置を設けることに
より、第１排出口，第２排出口のいずれの排出口
のみで排出作業を行なう場合，あるいは両方の排
出口で排出作業を行なう場合でも、感知装置が作
動して警報が鳴りぱなしになることがなく、また
感知装置作動後すぐに揚穀筒が詰まることがな
く、適切な時期に警報を発する穀粒排出ホツパー
を提供しようとするものである。以下、図面を用
いて本考案の１実施例について詳細な説明を行な
う。

図において、１はコンバインを示すものであ
る。すなわち、３は走行装置５上に架装された脱
穀部で、前方に設けた刈取部７において刈り取ら
れた穀稈を脱穀するものである。９は脱穀された
後の排藁を切断して地上に放出するための切断装
置、１１は排藁を一括して地上に放出するための
集束装置である。１３は操縦席、１５は操作装置
である。１７は脱穀された穀粒を脱穀部３の底部
から上方位置に設けたホツパー１９に搬送するた
めの揚穀筒である。２１は揚穀筒１７内に回転自
在に設けられた螺旋翼、２３は螺旋翼２１と１体
的に回転する掻出し板で、螺旋翼２１によつて搬
送された穀粒を開口部２５からホツパー１９の内
部に放出する。２７，２９はホツパー１９の底部
の内側，外側に側方向に並設された第１排出口，
第２排出口である。３１，３３は第１排出口２
７，第２排出口２９の下方にそれぞれ連通して設
けた第１排出筒，第２排出筒、３５，３７はそれ
ぞれ第１排出口２７，第２排出口２９に設けた第
１シヤツター，第２シヤツターである。３９はホ
ツパー１９の下方に水平に設けた袋ホルダーで籾
袋４１を懸吊して、第１排出口２７，第２排出口
２９から穀粒を籾袋４１に排出せしめるものであ
る。４３は籾袋４１の底部を支持する台部であ
る。４５は第１排出口２７と第２排出口２９とを
仕切る仕切壁、４７はホツパー１９の第１排出口
２７側の内壁面に、長孔４９を介してボルト５
１，５１により上下調節自在に固定して設けた感
知装置で、ホツパー１９内の穀粒の滞溜を感知し
て警報を発するもので、その構成作用については
通常用いられるものと同じであるのでここに詳細
な説明を省略する。感知装置４７は仕切壁４５の
頂点を含む安息角線５３上方部に近接して設けら
れている。また仕切壁４５の頂点より第２排出口
２９側の傾斜面は、安息角線５３の延長面上ある
いはこの延長面より下側に急勾配に設けられてい
る。安息角線とは、その穀粒を盛り上げたとき、
表面の穀粒が重力により流下して、その表面が自
然に形成される傾斜角線をいうものである。

以上の構成において、刈取部７によつて刈り取
られた穀稈は、脱穀部３によつて脱穀され、脱穀
された穀粒は、揚穀筒１７からホツパー１９内に
送られる。外側の第２排出口２９のみで排出を行
なう場合には、第１シヤツター３５を閉鎖して、
第２シヤツター３７を開放すると、ホツパー１９
内の穀粒は第２排出筒３３から籾袋４１内に排出
される。籾袋４１に穀粒が充填されると、第２シ
ヤツター３７を閉鎖して籾袋４１を空袋と交換し
再び第２シヤツター３７を開放して排出作業を行
なう。穀粒の排出が遅れてホツパー１９内に穀粒
が滞溜し、滞溜穀粒が第４図のＡ線に示すごとく
盛り上がると感知装置４７が作動して警報を発す
る。したがつて作業者は揚穀筒１７の搬送を停止
して揚穀筒１７に穀粒が詰まることを防ぐもので
ある。この場合、第１排出口２７側に滞溜する穀
粒は、第２排出口２９で排出作業を順調に行なつ
ている間は、安息角線５３を超えることがないの
で感知装置４７が作動することがない。また第１
排出口２７，第２排出口２９を同時に使用して排
出する場合にも、滞溜した穀粒が第４図のＡ線に
示す位置に至ると感知装置４７が作動して警報を
発するものである。

以上のように本考案は、底部に穀粒を排出する
ための第１排出口と第２排出口とを並設し、前記
第１排出口と前記第２排出口とを仕切る仕切壁の
頂点を含む第１排出口上の穀粒の安息角線の上方
部に接近して、穀粒の滞溜を感知するための感知
装置を設けた穀粒排出ホツパーであるから、１個
の排出口を使用して排出を行なうときも、また２
個の排出口を使用して排出を行なうときも、いず
れの場合にも、ホツパー内の一定位置に設けられ
感知装置で滞溜穀粒が適切な量に達したときに警
報を発することができ、構成を簡単とし、揚穀筒
の詰まりを防ぐとともに、警報の鳴りぱなしにな
ることを防ぐことができるものである。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施しうるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るホツパーを備えたコンバ
インの側面図、第２図，第３図，第４図はそれぞ
れ本考案の１実施例の平面図，側断面図，正断面
図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、２７…
…第１排出口、２９……第２排出口、４５……仕
切壁、４７……感知装置、５３……安息角線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部に穀粒を排出するための第１シヤツター３
   ５を有する第１排出口２７と第２シヤツター３７
   を有する第２排出口２９とを並設し、前記第１排
   出口２７と前記第２排出口２９とを仕切る仕切壁
   ４５の頂点を含む第１排出口２７上の穀粒の安息
   角線５３の上方部に近接して、穀粒の滞留を感知
   して警報を発するための感知装置４７を設けたこ
   とを特徴とする穀粒排出ホツパー。