JPS643344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンバインの籾袋充填装置に関するも
のである。ホツパー下部の機幅方向の内外に複数
の樋口を並設してなるコンバインの籾袋充填装置
における従来の籾充填順序には、内側の袋が先で
外側の袋を後に行なうように構成されたものがあ
る。

しかし、このような内側先行型はオペレータの
みのワンマン作業では全袋が満杯になつた後袋交
換作業を行なうため問題はないが、オペレータと
補助者のツーマン作業の場合では、折角補助者を
つけておきながら、内外全部の袋が満杯にならな
いと袋を外すことが実際上困難で、みすみす余分
な籾重量を積載したまま走行することになる等の
問題がある。かかる点を考えれば外側の袋を先に
充填するようにした方が理想的である。しかし、
外側先行型は、袋セツト位置が限られた狭い空間
であることと相俟つて、外側袋の充填により袋が
膨張すると内側袋を圧迫するため内側袋の充填量
が不足し均一量の袋詰めができないという欠点が
あり、実施化に困難をきたしていた。

本考案は上記の如き問題点及び欠点を解消する
ためなされたものであつて、ホツパー下部の機幅
方向内外に複数の樋口を並設してなるコンバイン
の籾袋充填装置において、上記樋口の下端を袋内
に入り込ませると共に夫々の樋口上部にはシヤツ
ター並びに上記内外両樋口上方には籾の流出方向
を規制する仕切体を設け、該仕切体を介して籾の
袋充填順序を内側の袋より外側の袋が先行すべく
構成し、内側の樋口の径を外側の樋口の径よりも
大に設定して内外袋の充填量を略同一するよう構
成したことにより、袋が一つでも満杯になつた
際、適宜場所で機体から取外し得て籾袋を所定場
所にまとめて集袋することができ、後作業の能率
化を図ると共に満杯籾袋の無駄な運搬という不合
理を解消し得るものでありながら、機体構造上限
られた籾収納空間において内側の袋が外側の袋と
略同等の籾充填量を確保することができるコンバ
インの籾袋充填装置を提供しようとするものであ
る。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、第１図において、１は前処理部、
２は刈刃部、３は搬送部であつて、前処理部１で
分草され引起された立毛穀稈は刈刃部２で刈取ら
れた後、搬送部３で揚上搬送されて脱穀部４に継
送され、該脱穀部４で脱粒された穀粒（籾）は選
別作用を受けた後、一番口（図示せず）から順次
脱穀部４の一側上部に配設されたホツパー５内に
揚穀されるようになつていて、脱粒後の排稈は図
示外の非稈移送装置により機体後方へ移送された
後、カツター等の後処理装置Ｃで細断等の処理が
施されて機外へ放出されるようになつており、こ
れらにより直列型のコンバインＡが形成されてい
る。６は運転席である。

第２図はホツパー５及び籾収納部Ｂの構造を示
すものであつて、７はホツパー５内に籾を揚穀す
るための揚穀筒である。７′は揚穀筒７に内装さ
れたスクリユーコンベアでありその頂部には跳出
し羽根７′ａが一体的に固定されている。そして、
ホツパー５の下部には機幅方向内側に位置して機
体進行方向前後に２個の内側樋口８，８と外側に
位置して前後に２個の外側樋口８ａ，８ａが並設
されており、これら４個の樋口８，８，８ａ，８
ａの下端は後述する袋内に入り込ませるようにな
つていると共に該樋口８，８，８ａ，８ａの上方
に位置してホツパー５内には流穀底板５′の稜線
から籾跳出口９方向に向け傾斜状に立設せしめた
仕切体１０を有しており、この仕切体１０により
ホツパー５内は外側室イと内側室ロとに仕切られ
ると共に揚穀筒７内を上昇してくる籾は仕切体１
０でその流出方向が規制され、籾跳出口９からホ
ツパー５内へ排出される籾は外側室イ内に誘導さ
れるようになつている。１１は樋口８，８，８
ａ，８ａ上部を開閉するシヤツターである。とこ
ろで上記内側樋口８，８と外側樋口８ａ，８ａは
第１図及び第２図に示す如く、内側樋口８，８の
径が外側樋口８ａ，８ａの径よりも大となつてい
るので、内側樋口８，８の容積は外側樋口８ａ，
８ａの容積よりも大となり、作業時に内外袋１
５，１４の充填量が略同一となるよう構成されて
いる。１２，１２′及び１３，１３′は樋口８，８
ａの前後両側に設けられた夫々一対の袋吊下用ハ
ンガーであつて、これら各一対のハンガー１２，
１２′及び１３，１３′には多数の予備空袋Ｐが係
止されていて、この予備空袋Ｐは順次外側袋１４
及び内側袋１５として夫々の樋口８ａ，８ａ，
８，８対応位置に繰出されるようになつている。
１６は籾受台であつて、該籾受台１６の上方空間
部が上記袋等の配置スペースとなる籾収納部Ｂと
なつている。１７はホツパー５の満杯状態を感知
するセンサーで、該センサー１７で満杯状態を感
知し、ブザー又はランプによりオペレータに知ら
せるようになつている。

次に本考案の作用について説明する。いさ脱穀
部４で脱粒された後選別作用を受けた籾は一番口
から揚穀筒７のスクリユーコンベア７′で揚穀さ
れ跳出羽根７′ａにより跳出口９からホツパー５
内の外側室イ方向に放出されるが、ホツパー５内
へ放出された籾は仕切体１０により内側室ロ方向
への流入が阻止されるため略全部の籾が外側室イ
に流入し更に外側樋口８ａ，８ａを流下して外側
袋１４に充填される。そして外側袋１４が満杯に
なるにつれて内圧が増大するためその袋の形状が
第２図実線図示の状態から仮想線図示の膨張状態
に変化し、該膨張した外側袋１４の内側面が内側
袋１５を圧迫した状態となる。上記の如くして外
側袋１４が満杯となると後続の籾は外側樋８ａ，
８ａ及び外側室イ内に順次積層され、外側室イが
満杯になると今度は仕切体１０の上端縁から籾は
内側室ロに溢流し内側樋８，８を経由して内側袋
１５に充填される。この際、内側袋１５は上記の
如く膨張形状にある外側袋１４により圧迫された
状態にあるので、内側袋１５の外側方への膨張が
阻止され、従つて内側袋１５に対し定量より少な
めに入りながら籾は更に内側樋８，８上に充填積
層され、ついには内側室ロも満杯となる。このよ
うにして内外の袋１４，１５及びホツパー５内全
体が籾で満杯になつた時センサー１７がそれを感
知しオペレータに知らせるので、この時点でシヤ
ツター１１を押して両樋口８，８，８ａ，８ａを
閉めた後、外側袋１４から先に取外し、次いで内
側袋１５を取外すものである。この場合、外側袋
１４を取外すことにより内側袋１５に対する圧迫
作用がなくなるため、今度は内側袋１５が自由に
膨張し得て内側樋口８，８に貯留していた籾が追
加充填されるが、本考案では内側樋口８，８の径
が外側樋口８ａ，８ａの径より大に設定され、し
かも樋口８，８ａ下端が袋内に入り込ませてある
ので、外側袋１４が膨張しても、大径の内側樋口
８で内側袋１５の開口部が狭くならないように保
持して内側袋１５は規定の満杯度を確保し得て外
側袋１４と略同等の充填量とすることができる。
上記の如くして満杯の袋を取外した後、予備空袋
Ｐを繰出して内外の樋口８，８，８ａ，８ａにセ
ツトし、シヤツター１１を開けて袋詰めを続行す
る。上記一連の作業をその都度繰返し行なうもの
である。

上記したように本考案は、ホツパー下部の機幅
方向内外に複数の樋口を並設してなるコンバイン
の籾袋充填装置において、上記樋口の下端を袋内
に入り込ませると共に夫々の樋口上部にはシヤツ
ター並びに上記内外両樋口上方には籾の流出方向
を規制する仕切体を設け、該仕切体を介して籾の
袋充填順序を内側の袋より外側の袋が先行すべく
構成し、内側の樋口の径を外側の樋口の径よりも
大に設定して内外袋の充填量を略同一するよう構
成したから圃場作業中、袋が一つでも満杯になつ
た際、適宜場所で満杯の袋を機体から容易に取外
し得て、従来の内側袋先行充填方式の場合の如
く、機体に余分な重量の籾を積載したまま走行す
るという無駄を解消することができると共に、圃
場の一定場所にまとめて籾袋を集袋し得て、運搬
等の後作業の能率化を図ることができるものであ
りながら、機体構造上限られた狭い籾収納空間に
おいて、内側の袋も外側の袋と略同等の籾充填量
を確保することができる。しかも、大径の内側樋
口で常に内側袋の開口部が狭くならないように保
持するのでシヤツター下方の樋口容積の変更だけ
という簡単な対応のみで十分不足分を補充でき
る。従つて、充填量が均等な袋を数えることによ
り、収穫量を容易に算出できる効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は本考案を装備したコンバインの全体側面
図、第２図は要部の縦断面図である。 図中、８，８は内側の樋口、８ａ，８ａは外側
の樋口、１０は仕切体、１４は外側の袋、１５は
内側の袋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホツパー下部の機幅方向内外に複数の樋口を並
   設してなるコンバインの籾袋充填装置において、
   上記樋口の下端を袋内に入り込ませると共に夫々
   の樋口上部にはシヤツター並びに上記内外両樋口
   上方には籾の流出方向を規制する仕切体を設け、
   該仕切体を介して籾の袋充填順序を内側の袋より
   外側の袋が先行すべく構成し、内側の樋口の径を
   外側の樋口の径よりも大に設定して内外袋の充填
   量を略同一とするよう構成したことを特徴とする
   コンバインの籾袋充填装置。