JPH0117159Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、選別部からの２番処理物を処理室に
送るスロワーを設けた脱穀装置に関する。

従来、上記脱穀機を構成するに、処理室の下方
にクリンプ網を張設すると共に、その処理室内部
での処理物移送終端側に位置させてクリンプ網に
排出口を形成し、処理室内での処理物移送に伴な
い処理物中の穀粒はクリンプ網を介して下方の選
別部に落下供給するように、かつ、処理物中のワ
ラ屑は前記排出口から選別部におけるワラ処理部
分へ落下供給するように構成していたのである
が、スロワーにより選別部から処理室に還元供給
する２番処理物の量が多量となつた時には、処理
室内での処理物移送中において処理物中に混在し
た穀粒とワラ屑とをクリンプ網により分離し切れ
ず、移送終端側排出口からワラ屑と共に放出され
る穀粒量が多量となり、脱穀装置全体としての選
別機能が低下する問題があつた。

本考案の目的は、上述従来の実情に鑑みて、ス
ロワーの処理物移送力を利用した合理的かつ簡単
な改良により、処理室での２番処理物選別能力及
び処理能力を向上し、脱穀装置全体としての選別
機能を向上する点にある。

本考案の特徴構成は、冒記脱穀装置において、
前記処理室にその内部での処理物移送方向とは逆
向きに自由運動させるべく２番処理物を放てきす
るように前記スロワーを配置し、前記処理室に、
その内部での処理物移送始端側に位置させて、前
記選別部に処理物全部を落下供給させる排出口を
形成し、さらに、その排出口に、排出口の開口面
積を変更可能な蓋を設け、その蓋を、処理物の設
定量以上の還元量を検出するセンサーの検出結果
に基いて開放可能に構成してある事にある。

つまり、スロワーにより処理室にその内部での
処理物移送方向とは逆向きに自由運動させるよう
に２番処理物を放てきすることにより、穀粒とワ
ラ屑との比重差に起因した両者の放てき慣性力の
違いを利用して、その自由運動中に慣性力が小な
るワラ屑を前記処理物移送方向終端寄り部分に落
下させ、かつ、慣性力が大なる穀粒をその移送始
端部にまで到達させ、両者を分離することがで
き、更に、その移送始端側に位置させて排出口を
形成することにより始端部まで到達した穀粒のみ
を下方の選別部に直接的に落下供給することがで
きるので、処理室内での処理物移送中におけるク
リンプ網による処理物選別負荷を軽減し、処理室
での２番処理物選別能力及び処理能力を向上する
ことができ、ひいては、脱穀装置全体としての選
別機能を向上し得るに至つた。しかも、スロワー
からの還元量が多くなると、排出口の開口面積を
自動的に大きくして、選別部への還元量を多くし
てあるから、処理室での詰まりを抑制し得る。し
かも、予め設定量以上の還元量を見込んでその排
出口を大きく形成しておく場合に比して、通常の
設定量以下の処理物が還元されたときの処理効率
を向上し得る。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図及び第２図に示すように、機体の横一側
において前後方向に延設されたフイードチエーン
装置１により横倒れ姿勢で挾持後方搬送される脱
穀穀桿に対して回転脱穀作用する扱胴２ａを内装
した扱室２、及び後述する２番処理物に対して再
脱穀処理する処理胴３ａを内装した処理室３を、
機体横方向に並設し、扱室２及び処理室３の下方
に張設したクリンプ網４を介してそれら両室２，
３から落下供給される脱穀処理物に対して揺動選
別板５による比重選別及び唐箕６からの供給風に
よる風選別を行なう選別部７を、扱室２・処理室
３の下方に配設すると共に、選別処理された１番
処理物及び２番処理物を各別に回収する夫々処理
物横移送用スクリユウ装置８ａ，９ａを備えた１
番及び２番処理物回収部８，９を、選別部７の下
方で機体前後方向に並設し、更に、２番処理物横
移送用スクリユウ装置９ａから供給される２番処
理物を処理室３に還元移送するスロワー装置１０
を設けると共に、機体の後端部に排ワラ処理部１
１を設け、もつて脱穀装置を構成してある。

前記スロワー装置１０による２番処理物の処理
室３への還元構造について更に詳述すると、第１
図乃至第３図に示すように、スロワー装置１０か
らの２番処理物を処理室３内部における処理物移
送方向とは逆向きとなる処理室３前端部に向つて
処理胴３ａ上方空間で自由運動させるようにスロ
ワー装置１０の移送力により処理室３内部に放て
き供給する供給口１２を、処理室３の後壁の上部
に開口形成すると共に、処理室３下方に張設する
クリンプ網４のうち、処理室３前端側部分と後端
側部分とに、処理物を下方の選別部７に直接落下
供給する排出口１３，１４を形成し、２番処理物
中の穀粒とワラ屑との比重差に起因した両者の放
てき慣性力の違いを利用して、処理胴３ａ上方空
間での自由運動中に、慣性力が小なるワラ屑は前
記処理室３内部の処理物移送方向終端側寄り部分
に落下させ、かつ、慣性力が大なる穀粒はその移
送始端部つまり処理室３前端部にまで到達させ、
両者を分離選別し、移送始端部に到達した穀粒は
前記前端部側排出口１３から直接的に下方の選別
部７に落下供給するように、かつ、途中で落下し
たワラ屑は、クリンプ網４で選別しながら後方移
送し後端側排出口１４から下方の選別部７のワラ
屑処理部分へ、供給するように構成してあり、処
理室３内での処理物移送中におけるクリンプ網４
による処理物選別負荷を軽減し処理室３での選別
能力及び処理能力を向上するように構成してあ
る。

更に、前記前端側排出口１３に、その開口面積
を変更するための揺動蓋１３ａを設けると共に、
その近くのクリンプ網４上面に、クリンプ網４上
に設定量以上の処理物が堆積した際にその堆積処
理物の重量により入り揺動操作され前記揺動蓋１
３ａを可逆的に開き操作するリミツトスイツチ式
処理物詰り検出センサー１５を設け、もつて、処
理物量に応じて前端側排出口１３の開口面積を自
動的に変更し、処理室３での処理物の詰まりを防
止するように構成してある。

尚、前端側排出口１３の形状及び開口面積は適
宜構成変更が可能であり、また、スロワー装置１
０による２番処理物の放てき速度も適宜構成変更
が可能である。

本考案は、コンバイン等に搭載される型式のも
のや定置式のもの等、各種型式の脱穀装置を対象
とするものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀装置の実施例を例示
し、第１図は脱穀装置の全体縦断側面図、第２図
は脱穀装置の全体横断平面図、第３図は処理室部
分を示す縦断側面図である。 ３……処理室、７……選別部、１０……スロワ
ー装置、１３……排出口、１３ａ……蓋、１５…
…センサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 選別部７からの２番処理物を処理室３に送るス
   ロワー１０を設けた脱穀装置であつて、前記処理
   室３にその内部での処理物移送方向とは逆向きに
   自由運動させるべく２番処理物を放てきするよう
   に前記スロワー１０を配置し、前記処理室３に、
   その内部での処理物移送始端側に位置させて、前
   記選別部７に処理物全部を落下供給させる排出口
   １３を形成し、さらに、その排出口１３に、排出
   口１３の開口面積を変更可能な蓋１３ａを設け、
   その蓋１３ａを、処理物の設定量以上の還元量を
   検出するセンサー１５の検出結果に基いて開放可
   能に構成してある事を特徴とする脱穀装置。