JPS6348586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、複写機などの本体装置の原稿セツ
ト面に原稿を供給し搬送する原稿給送装置に関す
る。

〔従来の技術〕

一般にこの種の装置は、複写機の原稿セツト面
上に搬送ベルトや搬送ローラ等の搬送手段を配設
し、原稿セツト面の一端から他端の複写基準位置
に原稿を自動的に給送セツトするものとして広く
使用されている。

そして搬送手段の入口端から使用者が原稿を一
枚ずつ挿入するもの、了め原稿をストツクしこれ
を一枚ずつ自動的に分離給送するもの、あるいは
一旦複写した原稿を原稿セツト面から排出し表裏
反転して再び原稿セツト面に給送するもの、更に
一連の原稿を予定枚数だけ循環して給送セツトと
複写を繰返すもの等種々のものが提案されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところがいずれのものにあつても、原稿セツト
面の基準位置に原稿が曲がつてセツトされ所謂ス
キユー状態であれば正常な複写が得られないこと
は勿論、搬送経路で曲がつた原稿の縁部が引掛か
つて原稿の棄損を招く等の不都合が生ずる。特に
表裏反転した原稿を再び原稿セツト面に給送する
際、あるいは原稿を循環させて複数回原稿セツト
面に給送する際などに原稿がスキユーし易い。

これは、原稿セツト面に原稿を送り出す送り出
し手段と、原稿を原稿セツト面に沿つて搬送する
搬送手段例えば搬送ベルトとの間に、原稿を搬送
する手段が設けられていないためで、送り出し手
段により送り出された原稿を搬送ベルトに受け渡
す際、原稿が斜め送りされたり、原稿詰まりを起
こしたりする。

このため、原稿の端部が搬送経路に引つ掛かつ
て曲がり原稿詰まりや原稿棄損が生じたり、不良
コピーが発生したりする。

〔考案の目的〕

この考案は、送り出し手段から搬送ベルトに原
稿を受け渡す際の原稿の斜め送りや搬送ベルトの
搬送過程でスキユー発生状態または原稿詰まりを
検出して原稿の棄損、不良コピーなどの不具合を
未然に防止することの可能な原稿給送装置を得る
ことを目的とする。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例について、図面を参
照して説明する。

＜構成＞ 第１図のように複写機本体１（本体装置）には
原稿セツト面２が設けられている。尚、複写機本
体１には通常の複写光学系が内蔵されている。

原稿セツト面２上には無端ベルトや搬送コロ等
の搬送手段３が配設され、原稿セツト面２上に沿
つて複写原稿４を給送するようになつている。

搬送手段３は前後一対のプーリ６Ａ，６Ｂ間に
第２図のように広幅の搬送ベルト７を張設し、一
方のプーリ６Ａを駆動モータに連結して搬送ベル
ト７と原稿セツト面２との間に原稿経路５を形成
するように構成してある。

そして搬送手段３には、その入口側に原稿の供
給スタツカ８と出口側に排紙スタツカ９がそれぞ
れ延設してある。

供給スタツカ８は、紙載台１０と、分離手段例
えば送りローラ１１及び分離ローラ１２と、フイ
ードローラ１３（送り出し手段）とで構成され、
紙載台１０上の複写原稿４を送りローラ１１で順
次繰出し、分離ローラ１２で一枚ずつ分離した
後、フイードローラ１３で原稿セツト面２上に送
り出すようになつている。

排紙スタツカ９はセツト面２上で複写が終了
し、搬送ベルト７及び排紙ローラ１５により搬出
される原稿４を収納するようになつている。

また原稿セツト面２の複写基準位置に原稿規制
ストツパ１４が配設され、原稿経路５からの原稿
先端を受け止めて停止するようになつている。そ
してこのストツパ１４は、複写原稿４の給排送タ
イミングに合わせて原稿経路５に出没自在となつ
ている。

更にフイードローラ１３と搬送ベルト７との間
の原稿経路５に、搬送幅方向即ち搬送される原稿
の幅方向に少なくとも２つの原稿検知センサＳ
１，Ｓ２を配設し、これらの原稿検知センサＳ
１，Ｓ２を原稿先端が通過する時の両センサＳ
１，Ｓ２の検出時間差、あるいは原稿後端が通過
する時の検出時間差によつて搬送中の原稿の斜め
送り即ちスキユーを検知するようになつている。

図示のものは反射光学式の原稿検知センサＳ
１，Ｓ２を搬送手段３の入口端に第１図、第２図
の如く配設してあり、原稿検知センサＳ１，Ｓ２
の検出時間差は例えば第４図に示すように両セン
サＳ１，Ｓ２の出力をバツフア１６，１７を介し
てエクスクルーシブオア回路１５に供給し、検出
時間差が生じたときの出力Ｘの時間を計測して、
所定時間（タイマでセツトする）より長いときは
原稿スキユーとして処理する。また、出力X1と
X2を比較し両者の出力時間差が所定より大きい
ときは原稿の異常搬送として処理する。

これらの処理手段は、搬送ベルト７を停止する
とともに複写機本体１の複写動作を停止し異常搬
送の表示を行う等の異常搬送処置を行う。

尚、図示のセンサＳ１，Ｓ２は原稿のジヤムセ
ンサを兼ね、例えば前述の分離ローラ１２が起動
してからタイマで一定時間原稿検知センサＳ１，
Ｓ２が作動しなければジヤムとして装置を停止
し、この原稿検知センサＳ１，Ｓ２が所定時間以
上作動し続ければ（原稿検知センサＳ１，Ｓ２が
原稿先端を検出してから所定時間内に原稿後端を
検出しない時）、同じくジヤムとして装置を停止
するようになつている。

＜動作＞ このような構成において、この装置は次のよう
に動作する。

第１図のように紙載台１０上にセツトされた原
稿４の最下紙が送りローラ１１により給紙され、
この最下紙に追従する原稿が分離ローラ１２によ
り退けられ、一枚に分離された原稿がフイードロ
ーラ１３で原稿経路５に送り出される。

その際、例えば第３図のように原稿４がスキユ
ーすると、第５図のように、まずセンサＳ２が原
稿４の先端を検出する。このため、エクスクルー
シブオア回路１５の出力Ｘがハイレベルとなる。
そして、センサＳ１が原稿４を検出すると、出力
Ｘはローレベルとなる。この出力Ｘがハイレベル
となつている時間がセンサＳ１，Ｓ２の検出時間
差となり、この時間が所定時間より長い場合には
原稿４がスキユーしたとして例えば搬送手段３が
停止する。

また、原稿先端がセンサＳ１，Ｓ２を通過する
際、両センサＳ１，Ｓ２の検出時間差が所定時間
内であつた場合にはそのまま搬送される。しか
し、原稿がフイードローラ１３から搬送ベルト７
に受け渡された時にスキユーが生じると、原稿後
端をセンサＳ２が検出してからセンサＳ１が検出
するまでの検出時間差が所定時間より長くなり、
例えば搬送手段３を停止すると共に、複写機本体
１の複写動作を禁止する。

更に、フイードローラ１３により送り出された
原稿が原稿検知センサＳ１，Ｓ２により所定時間
以上検出され続けると、ジヤムとして搬送ベルト
を停止して原稿搬送動作を停止する。

＜実施例の効果＞ 上記した実施例によれば、原稿の受け渡しの難
しいフイードローラ１３と搬送ベルト７との間の
原稿経路５に、搬送原稿の幅方向に複数の原稿検
知センサＳ１，Ｓ２を配置し、これらの原稿検知
センサＳ１，Ｓ２の検出時間差によつてフイード
ローラ１３と搬送ベルト７との間を通過する原稿
の斜め送りを検出すると、搬送ベルト７及び複写
機本体１の動作を停止させる異常搬送処置を施す
ようにしたので、フイードローラ１３により送り
出された原稿を搬送ベルト７に受け渡す際、原稿
が斜め送りされても原稿がそのまま搬送されず。
原稿の端部が原稿経路５に引つ掛かつて原稿詰ま
りや原稿の棄損などの不具合を招くのを未然に防
止することができる。

また、搬送ベルト７の手前で原稿の斜め送りを
検出しているので、搬送ベルト７が広幅の搬送ベ
ルト７であつても、センサＳ１，Ｓ２を設けるに
当たつての問題が少なく、また搬送ベルト７に原
稿が完全に渡つてしまう前に原稿の斜め送りを検
出でき、複写機本体１の動作が開始される前にそ
の動作を禁止することもできる。

更に、原稿検知センサＳ１，Ｓ２が原稿先端を
検出してから所定時間内に原稿後端を検出しない
と、搬送ベルト７と複写機本体１の動作を停止さ
せる異常搬送処置を施すようにしたので、原稿先
端が原稿検知センサＳ１，Ｓ２を通過してから原
稿セツト面２と搬送ベルト７との間に進入するま
での原稿詰まりを検出できるのは勿論、原稿セツ
ト面２と搬送ベルト７との間で生じた原稿詰まり
も検出でき、原稿がフイードローラ１３から搬送
ベルト７に受け渡されてしまうまでの原稿詰まり
を検出して搬送ベルトを停止させることにより、
原稿の棄損を防止できる。

また、原稿詰まりが生じた場合には、複写機本
体の停止も可能で、本体装置の無駄な動作（例え
ば複写機のコピー動作）を防止できる。

また、原稿検知センサＳ１，Ｓ２は通過する原
稿の後端の検出時間差を求め先端の検出時間差と
後端の検出時間とを比較し後端の時間差が大きい
場合も複写動作を禁止している。従つて、原稿の
先端はスキユーの無い状態で送り込まれた後搬送
ベルトでの原稿搬送過程で斜め送りが生じ傾斜し
てセツトされた場合も複写動作を禁止するので不
良コピーを防止できる。

〔考案の効果〕

以上要するにこの考案は、原稿の受け渡しの難
しい送り出し手段と搬送ベルトとの間の原稿経路
に、搬送原稿の幅方向に複数の原稿検知センサを
配置しこれらの原稿検知センサにより前記送り出
し手段で送り込まれる原稿先端の検出時間差に許
容値以上の時間を検出した時、原稿の先端を検出
してから所定時間内に原稿の後端を検出しない
時、さらに、原稿の先端の検出時間差に比べ原稿
の後端の検出時間差に許容値以上の時間を検出し
た時、前記搬送ベルト及び本体装置の動作を停止
させるようにしたので、原稿が送り出し手段から
搬送ベルトに完全に渡つてしまう前に原稿の斜め
送り及び原稿詰まりを検出でき、送り出し手段に
より送り出された原稿を搬送ベルトに受け渡す
際、原稿が斜め送りされても原稿がそのまま搬送
されず、原稿の端部が原稿経路に引つ掛かつて原
稿詰まりや原稿の棄損などの不具合を招くのを未
然に防止することができる。そして、搬送手段よ
る搬送過程で斜め送りが生じた際にも本体装置を
停止させるので無駄なコピーを防止できる。

また、原稿詰まりが生じた場合には、搬送手段
及び本体装置の停止も可能となつているので本体
装置の無駄な動作を防止できる。

従つて、例えば紙載台にセツトされた原稿を原
稿セツト面に送り出す際、あるいは表裏反転した
原稿を再び原稿セツト面に給送する際や、原稿を
循環させて複数回原稿セツト面に給送する際など
にも、原稿の斜め送りや原稿詰まりが生じても、
原稿の棄損などの不具合を未然に防止することが
可能で、かつ原稿が傾斜した状態でセツト面にセ
ツトされた場合にも不良の複写を行うことのない
原稿給送装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図はこの考案の一実施例を示した
もので、第１図は原稿給送装置の全体構成を示す
図、第２図は原稿検知センサの取り付け位置を示
す図、第３図は動作説明図、第４図は処理手段の
一部を示す図、第５図は動作を説明するためのタ
イミングチヤートである。 １……複写機本体、２……原稿セツト面、３…
…搬送手段、４……原稿、５……原稿経路、７…
…搬送ベルト、１３……フイードローラ、Ｓ１，
Ｓ２……原稿検知センサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 本体装置の原稿セツト面に原稿を供給し搬送す
   る原稿給送装置において、 原稿を前記原稿セツト面に送り出す送り出し手
   段と、 この送り出し手段により送り出された原稿を前
   記原稿セツト面に沿つて搬送する搬送ベルトと、 前記送り出し手段と前記搬送ベルトとの間の原
   稿経路に、搬送原稿の幅方向に配置した複数の原
   稿検知センサと、 これらの原稿検知センサにより 前記送り出し手段で送り込まれる原稿先端の検
   出時間差に許容値以上の時間を検出した時、原稿
   の先端を検出してから所定時間内に原稿の後端を
   検出しない時、さらに、原稿の先端の検出時間差
   に比べ原稿の後端の検出時間差に許容値以上の時
   間を検出した時、前記搬送ベルト及び本体装置の
   動作を停止させる処理手段とを備えたことを特徴
   とする原稿給送装置。