JPS6346581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カーテンウオール壁の取付構造に係
り、更に詳しくはカーテンウオールの取付におい
て、建物躯体の表面にアンカーボルトを植設し、
このアンカーボルトのネジ部に取付ブラケツトを
螺合し、この取付ブラケツトを介して継材及び長
尺物の横枠材を面調整および水平方向の調整を可
能にして取付けるようにしたカーテンウオール壁
の取付構造に関する。

従来、建物躯体の正面に、ガラス板、パネル、
磁器板等からなるカーテンウオール壁を取付ける
取付構造として、例えば、建物躯体の正面にフア
スナー等を取付け、このフアスナーを介して長尺
物のカーテンウオールの枠材を固定し、その後こ
の枠材でカーテンウオールを直接支持固定する構
造のものが知られている。

ところが、このようなフアスナー等で直接固定
する構造では、フアスナーの面出し、および水平
方向の位置決め（１次位置決め）と、このフアス
ナーに固定するカーテンウオールの枠材の面出し
および水平方向の位置決め（２次位置決め）とを
正確に行なわなければ前記枠材でカーテンウオー
ルを支持固定した際に、カーテンウオールが無理
な面内応力をうけ、カーテンウオールの外面が波
打したり、歪みをおこしたりする。

しかし、前記の取付構造では、１次および２次
位置決めに手数を要しカーテンウオールの取付作
業能率が悪く、さらにカーテンウオール取付枠を
フアスナーに取付けた後は、水平方向等の調整が
できないという欠点があつた。

この考案は、以上のような従来技術の欠点を除
去するためになされたものであつて、１次および
２次位置決めが容易に行え、簡易的確にカーテン
ウオールを建物躯体の表面に支持固定できるカー
テンウオールの取付構造を提供することを目的と
する。

この目的を達成するために、本考案では、建物
躯体表面の所定位置にアンカーボルトを植設し、
このアンカーボルトのネジ部に取付ブラケツトを
螺合して面出し調整を可能とし、この取付ブラケ
ツトを回動させることによつて継材及び長尺の横
枠材を正確に水平方向に固定し、この横枠材によ
りカーテンウオールを支持固定するものである。

以下、添付図面を参照しつつ本考案の一実施例
を説明する。

第１図は、この実施例に係る建物の外観図であ
る。この建造物では、建物躯体１の正面に長尺の
横枠材２を水平方向に複数本配設し、一対の横枠
材２，２でカーテンウオール壁Ｃを支持固定して
いる。

第２図は、第１図中のＡ−Ａ線断面図、 第３図は、第１図中のＢ−Ｂ線断面図である。

図において、４はアンカーボルトであり、この
アンカーボルト４は建物躯体正面の所定の水平線
上に多数植設され、各アンカーボルト４のネジ部
４１が躯体１の表面上に突出している。

そして各アンカーボルトのネジ部４１には、前
記横枠材２を固定するための取付ブラケツトが螺
着される。この取付ブラケツト５は、第４図に示
すように、筒状部材の一端に開口部５１を、他端
に鍔板５２をそれぞれ有する形状をなし、前記開
口部５１の内側にはナツト５３が溶接等で固着さ
れ、さらに前記鍔板５２には複数個のビス取付孔
５４が穿設されている。

そして取付ブラケツト５のナツト５３を前記ア
ンカーボルト４のネジ部４１に螺合させて、取付
ブラケツト５を所定位置まで回動させて面出しの
調整を行う。

さらに取付ブラケツト５の鍔板５２には継材３
がビス６を介して固定され、又この継材３に長尺
の横枠材２が嵌着される。

この横枠材２には、前面板２１とこの背面に嵌
着された継材３とで、上方溝部３１および下方溝
部３２が形成され、さらに継材３の上下位置には
ビス取付孔３３が穿設されている。

そして、このビス取付孔３３と前記取付ブラケ
ツト５の鍔板５２に設けられた何れかのビス取付
孔５４とを整合し、両取付孔３３，５４にビス等
のネジ６を挿入し、横枠材２の高さおよび回転角
度調整、すなわち水平位置の調整を行つてビス６
をナツト７等で締付ける。これにより横枠材２は
継材３を介して前記取付ブラケツト５に固定され
る。

なお、横枠材２の高さおよび回転角度調整を行
うために、取付ブラケツト５のビス取付孔５４の
径、あるいは継材３のビス取付孔３３の径を、ビ
ス６の直径よりも大きくしておき、このビス取付
孔５４あるいは３３の径の範囲内で横枠材２の高
さおよび回転角度調整を行う。

さらに、この横枠材２と継材３の上方溝部３１
に、上方カーテンウオールＣを緩衝材１０を介し
て載置しシール材１１で密着すると共に、横枠材
２の下方溝部３２に、下方カーテンウオールＣを
シール材１１で密着することにより、カーテンウ
オールＣを支持固定する構造となつている。

而して、カーテンウオールＣを建物躯体１の正
面に取付けるには、前記第２図および第３図に示
すように、建物躯体表面の所定の水平線上に多数
のアンカーボルト４を植設し、この各アンカーボ
ルト４のネジ部４１にそれぞれ取付ブラケツト５
のナツト５３をねじ込み、取付ブラケツト５を所
定の面位置に螺着する。

次いで、この取付ブラケツト５の鍔板５２に継
材３を当てがい、横枠材２の高さおよび回転角度
の調整（即ち、水平方向の調整）を行つてビス６
で横枠材２を継材３を介して取付ブラケツト５に
固定する。なお、横枠材固定後の再調整はネジ６
を弛めて行う。

このようにして建物躯体１の正面に、複数段水
平方向に横枠材２を配設した後、上下一対の横枠
材２でカーテンウオールＣの上下端部を挾持すれ
ば、カーテンウオールＣは躯体１の正面に支持固
定される。

このように、アンカーボルト４に螺着した取付
ブラケツト５を回動して面出し調整し、該取付ブ
ラケツト５の鍔板５２に設けられたビス取付孔５
４と継材３のビス取付孔３３を整合させて水平位
置の調整を行うのでこの横枠材２でカーテンウオ
ールＣを正確に支持固定することができる。

上記実施例では、既に説明した様に、取付ブラ
ケツト５を筒状部材の一端開口部５１にナツト５
３を固着し他端にビス取付孔５４を有する鍔板５
２で構成したが、本考案はこれに限定されるもの
ではなく、要はナツト５３に相当するネジ孔と、
このネジ孔を中心に回動させるので円周方向に複
数個のビス取付孔５４が配置されていればよいの
で、その全体の形状が円板状でなくてもよい。

第５図で示すように、板金を断面略〓型に折り
曲げてそのウエツブ部８１に開口部８２を設け、
この開口部８２にはナツト８３を溶着させて鍔板
８４には複数個のビス取付孔８５，８５……を穿
設した取付ブラケツト８によつても、同様な効果
が得られる。

以上説明したように、本考案では、カーテンウ
オールを、アンカーボルトに螺着した取付ブラケ
ツトと、継材を介してこのブラケツトに固定され
る横枠材とをようして支持固定するようにしたの
で、取付ブラケツトを回動させることにより面出
し調整を行いしかも横枠材を取付ブラケツトに固
定する際に水平位置の調整を行うので所謂１次及
び２次位置決めが簡易かつ的確に行われ、しかも
躯体正面に対してカーテンウオールを面一に取付
けることが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の好適な実施例を示すものであつ
て、第１図は、外壁にカーテンウオールが取付け
られている建物の外観図、第２図は、第１図にお
けるＡ−Ａ線断面図、第３図は、第１図における
Ｂ−Ｂ線断面図、第４図は、第２図および第３図
中の取付ブラケツトの斜視図、第５図は、他の取
付ブラケツトの斜視図である。 尚図中１は建物躯体、２は横枠材、３は継材、
４はアンカーボルト、５は取付ブラケツト、５２
は鍔板、５３はナツト（ネジ孔）、５４はビス取
付孔、６はビス、Ｃはカーテンウオールである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 建物躯体の表面上にネジ部を突出したアンカー
   ボルトと、 開口部と鍔板とから成り、該開口部の内側に固
   着したナツトを前記ネジ部に螺合させて所定の面
   位置で螺着される取付ブラケツトと、 継材の上下に設けたビス取付孔を、前記取付ブ
   ラケツトの鍔板に穿設した複数のビス取付孔のう
   ち何れかに整合させ、ビスを介して所定の高さ位
   置に固定される継材と、 該継材に嵌着し、且つそれと上方溝部及び下方
   溝部を形成する横枠材と、 該上方溝部と下方溝部内に下端と上端とが夫々
   支持固定されるカーテンウオールとから成るカー
   テンウオールの取付構造。