JPH0354485Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、バルコニー、窓用手摺、あるいは
出窓ユニツト等（構築物構成体という）を支持用
ブラケツトを介して建物に取付ける場合の支持用
ブラケツトの取付装置に関するものである。

〔従来技術〕

バルコニー、その他窓用手摺あるいは出窓ユニ
ツト等を支持用ブラケツトを介して建物に取付け
る構築物の取付装置として実開昭59−138601号公
報に記載されたような考案が知られている。その
考案は建物の躯体に金属基板を固定し、この金属
基板に複数の螺子筒を溶接により固着し、躯体表
面に螺子筒の先端と面一となるまで外装壁を塗布
し、ブラケツトに設けた透孔にボルトを挿通して
螺子筒に螺合してブラケツトを外装壁に締付けて
固定するものである。

〔この考案が解決すべき問題点〕

上記のような構成であると、螺子筒は短く、ブ
ラケツトを仮止めすることができず、重量のある
ブラケツトを支えながらボルト締めしなければな
らないため、作業者が複数必要であるとともに、
ブラケツトの取付作業が極めて面倒となるもので
ある。

また壁厚が異なると螺子筒を交換しなければな
らず、予め長さの異なる複数種類の螺子筒を用意
しておき、現場にて外装壁の厚さに応じて適当な
螺子筒を選択して溶接固定するという面倒な作業
が必要となる。

この考案はブラケツトの取付作業が容易な支持
用ブラケツトの取付装置を提供することを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案にかかる支持用ブラケツトの取付装置
は、基板に上下に適宜間隔離れた複数の雌螺子部
を設けた取付板を建物の主構造材に固着し、各雌
螺子部に複数のボルトを螺子込みかつ最上部のボ
ルトの長さは他のボルトよりも充分長くしてあ
り、複数の取付孔を形成した支持ブラケツトの取
付孔に前記ボルトを挿通して最上部のボルトに支
持ブラケツトを支持し、ナツトをボルトに螺合し
て支持ブラケツトを固定するとともに支持ブラケ
ツト上に構築物構成体の枠材を取付け、この枠材
の中空部内に最上部のボルトを位置させたもので
ある。

〔実施例〕

以下、図示するバルコニーにおける一実施例に
基づきこの考案を詳細に説明する。

図において１は金属製の取付板であつて、基板
２の長手方向に適宜間隔離れて、内周面に雌螺子
が螺設された雌螺子部３が複数設けてある。基板
２にはその他適宜位置に透孔４が複数穿設されて
いる。取付板１は、透孔４を挿通したボルト５
を、胴差や柱等の建物の主構造材６の室内外方向
に貫通した孔７に挿通し、室内側でナツト８によ
つて固定するものである。またボルト９を主構造
材６に螺合して固定してもよい。

取付板１の各雌螺子部３にはボルト１０を螺合
し室外側に水平に突出させる。ボルト１０の両端
には雄螺子部１１，１１が形成されており、一方
の雄螺子部１１を雌螺子部３に螺合して取付ける
ものである。複数のボルト１０のうち最上部に位
置するボルト１０は下方のボルト１０よりも充分
長く形成されている。雌螺子部３に螺合する雄螺
子部１１には回り止め用のナツト１２とワツシヤ
ー１２ａが予め取付けられ、雄螺子部１１に螺合
した後ナツト１２を回転して締付ける。ボルト１
０は回転が阻止されて、取付板１との連結は強固
となる。

取付板１は竪枠１３により固定されている。竪
枠１３は、第３図に示すように、平板状の基片１
４と、その両側から一方向へ突設した一対の側片
１５，１５とからなり、側片１５，１５の先端は
互いの方向に若干屈曲されたアルミニウム形材製
の部材である。側片１５，１５の先端には水密性
を有するクツシヨン材１６，１６が各々装着して
ある。竪枠１３の基片１４の幅方向中間部には、
長手方向に適宜間隔離れて複数の孔１４ａが穿設
されている。竪枠１３の基片１４の側片１５，１
５が突設された側の面には、断面コ字状のスペー
サー部材１７が長手方向に適宜間隔離れて複数
個、適宜固定手段により固定されている。以上の
ような竪枠１３の基片１４の孔１４ａにボルト１
０を通し、クツシヨン材１６，１６を外装壁１８
の表面に当接する。

竪枠１３に添わせて支持ブラケツト１９を固定
する。支持ブラケツト１９は、アルミニウム、鉄
等の鋳造成形したものであり、台形状の側面板２
０と、その側面板２０の周囲端縁から立上り形成
した水平壁２１、垂直壁２２とで一方向に開口す
る箱状に形成され、水平壁２１と垂直壁２２には
取付孔２３が形成されている。ボルト１０を垂直
壁２２に形成した取付孔２３に挿通して垂直壁２
２を竪枠１３の基片１４に当接する。

このとき最上部に位置するボルト１０は充分長
く突出しているため、このボルト１０に支持ブラ
ケツト１９を引掛けて仮支持する。従つて重量の
大きい支持ブラケツト１９を入力にて支えずとも
よく作業が容易となる。

ボルト１０にナツト２４を螺合して締付け、支
持ブラケツト１９を固定する。竪枠１３の裏面に
はスペーサー部材１７が固定されているため、ナ
ツト２４を締付けても竪枠１３が変形しない。

支持ブラケツト１９の水平壁２１上にはバルコ
ニーの妻梁となる中空部を有する枠材２５を載置
し、取付孔を挿通したボルト２６を螺合して固定
する。

枠材２５，２５の室外側端間には前桁３４を掛
け渡し、枠材２５，２５と前桁３４上には複数本
の支柱２７を立設し、支柱２上には笠木２８を掛
け渡す。２９はデツキ材である。

第７図に示すのはその他の実施例であつて、取
付板１として、基板２に内周面に雌螺子が螺設さ
れた螺子筒３０を溶接によつて固着して雌螺子部
３としてもよい。

その他第８図に示すのは螺子筒３０外周に雄ね
じ３１を螺設し、取付板１に内周面に雌ねじ３２
が螺設された孔３３に螺合し、溶接を不要とした
場合である。

またこの考案はバルコニーのみならず、窓用手
摺、出窓ユニツト等の構築物構成体に広く実施で
きる。

〔考案の効果〕

この考案は以上のような構成を有し、以下のよ
うな効果を得ることができる。

○イ 取付板の雌螺子部に螺子込む複数のボルトの
うち最上部に位置するボルトを他のボルトより
も充分長くしたため、このボルトを支持ブラケ
ツトの取付孔に通して仮支持して固定でき、重
量の大きい支持ブラケツトを支える必要がな
く、支持ブラケツトの固定作業が極めて容易に
なる。

○ロ 最上部の長いボルトは構築物構成体の枠材の
中空部内に収納するため、外部から視認されな
い。したがつて長いボルトを使用するにも拘わ
らず、意匠的外観が悪くなることがない。

○ハ 取付板の基板に雌螺子部を一体形成した場
合、建物の壁厚が異なつてもボルトを交換する
のみで良いので容易に対処できる。従つて作業
性が良好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案をバルコニーに実施した場合
を示すもので第４図の−線断面図、第２図は
第１図の−線断面図、第３図は第５図の−
線断面図、第４図はバルコニーの正面図、第５
図はその側面図、第６図は取付板の一実施例であ
つてａは正面図、ｂは側面図、第７図は取付板の
他の実施例であつてａは正面図、ｂは側面図、第
８図は取付板の他の実施例の縦断面図である。 １……取付板、２……基板、３……雌螺子部、
５……ボルト、６……主構造材、９……ボルト、
１０……ボルト、１１……雄螺子部、１２……ナ
ツト、１３……竪枠、１４……基片、１５……側
片、１６……クツシヨン材、１７……スペーサー
部材、１９……支持ブラケツト、２３……取付
孔、２４……ナツト、２５……枠材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板２に上下に適宜間隔離れて複数の雌螺子部
   ３を設けた取付板１を建物の主構造材６に固着
   し、各雌螺子部３に複数のボルト１０を螺子込み
   かつ最上部のボルト１０の長さは他のボルトより
   も充分長くしてあり、支持ブラケツト１９の取付
   孔２３に前記ボルト１０を挿通し、かつ最上部の
   ボルト１０に支持ブラケツト１９を支持させ、ナ
   ツト２４をボルト１０に螺合して支持ブラケツト
   １９を固定するとともに支持ブラケツト１９上に
   構築物構成体の枠材２５を取付け、この枠材２５
   の中空部内に最上部のボルト１０を位置させてあ
   ることを特徴とする支持用ブラケツトの取付装
   置。