JPH0334408Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建物の帳壁を構成するコンクリー
ト系壁パネルの取付構造に関するもので、施工現
場において取付金物類を用いた取付方法が重要と
なる特に高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンク
リート（ALC）壁の取付に好適であり、その目
的は、取付金物類をパネル表面に露出させず、乾
式で免震性、施工性に優れた壁パネルの取付装置
を提供することにある。

従来、この種の壁パネルの乾式取付け装置の一
つに本出願人の先の考案（実開昭58−85008号公
報）第３図，があるが、これは、パネル小口
面穴に挿入された取付金物８を補強鋼材のフラン
ジ面９に固着しパネルを支持する装置で、地震時
の層間変位に対し配慮されていなく、これを一般
部の壁用に用いた場合、水平地震力を受けると、
第４図に示す様な壁パネル５に亀裂１０の発生
の恐れがある。また、取付金物を補強鋼材に溶接
する作業が難かしく、溶接部をパネル建込後外部
から検査することができず一般部の壁用としては
汎用されず、開口部上下パネル等の小規模なパネ
ルの取付けに限られている。

そこで考案者は、前述した問題を解決すべく乾
式で、意匠性、免震性、経済性、施工性に優れた
パネル取付装置を開発した。

以下、その詳細を図示した実施例により説明す
る。

第１図に示すごとく、パネル小口面に形成され
た円形穴に嵌合された支持鋼材１はその小口面に
おいて面外方向に折れ曲がり、パネル背面より突
出しており、その部分１ｂには、螺子加工がされ
ており、受金具２に形成された孔又は溝２ｃに締
結されている。

受金物は、その垂直面に係合用の縦長ルーズホ
ールもしくは上方に開口する溝２ｃを有する。ま
たパネルの自重をパネル巾方向中央で受ける自重
受金物６をその垂直面に取付けている。パネルの
取付けに際しては、パネル下部小口面の穴に支持
鋼材１の１ａ部分を差込む様に嵌合させ、くぎ等
をその嵌合部分のわきに打ちつけ、パネルから脱
落しない様にしたのち、受金物に取付けられた自
重受金物６に該パネルを載せる様に建込むと共に
支持鋼材１の突出部分１ｂを受金物２の孔又は溝
２ｃに係合させそこにナツトを締結する。またパ
ネル上部は、そのパネル上部小口面の穴に同様に
支持鋼材１の１ａ部分を嵌合させ１ｂ部分を受金
物２の孔又は溝２ｃに係合させそこにナツトを締
結する。この様にパネル１枚毎支持鋼材を受金物
にナツトで締結することでパネルを取付けること
ができる。受金物２の孔２ｃは、第１図では、縦
長ルーズホールで示したが上方に開口する溝であ
つてもよい。

なおこの支持鋼材１は棒状であつても管状であ
つても良く、パネル１枚当りのその本数は、必要
面外強度により決めれば良く、何本であつても良
い。

また、このパネル小口面に形成された穴は、工
場若しくは、現場にて小口面に対し垂直に形成し
その大きさは、嵌合される支持鋼材１の外径と同
じか若干大きめにする。

この取付装置は以上の構成であり、支持鋼材１
の螺子部分１ｂにナツト３を締める事により、パ
ネルを容易に止める事ができ、かつパネル小口面
に形成された穴の位置精度の誤差を吸収し、受金
物２にパネルを完接させることができ、パネルが
受けた正荷重を充分に受金物に伝えることができ
る。

また、面内変形追従性について本考案は、パネ
ル支持鋼材１はピン支持されており、かつ受金物
２の垂直面に設けられたパネル支持鋼材１係合用
の孔、溝２ｃが支持鋼材１の径に対しルーズにな
つているため、構造躯体４に層間変位が生じた場
合パネル支持鋼材１の突出部分１ｂが回転および
上下動するためパネル１は中央に位置する自重受
金物６を中心にして、第４図に示す様にロツキ
ング（回転）を起こして追従することができる。

第２図は、本考案の他の実施例であり、支持鋼
材１の突出部分１ｂは受金物２に取付けられる。

この取付装置は以上の通りであり、次の効果を
もたらす。１乾式工法である為、施工が早く、施
工品質が安定する。２パネルを背面より締結でき
ることにより、パネルの仮置きが可能であると共
にパネルを受金物に完接でき、パネルの仮止めが
不要であり施工管理も容易である。３は地震時の
構造躯体の変形に対し、追従性がよく免震性があ
る。そして、本考案はパネル小口面にその面と直
角方向にパネル内に形成された円形穴に棒状もし
くは環状の支持鋼材を嵌合させる構成をもつてい
るので、施工現場のパネル取付位置に合わせて円
形穴を穿孔し直せばよく、４施工現場のパネル取
付位置に合わせて取付位置等の変更が簡単にでき
るという効果をも奏する。更にパネル背面側を受
金具に完接できるので、５パネルの取付強度が大
となる効果をも奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図、第１図はその斜
視図、第２図は、他の実施例を示す斜視図、断面
図、第３図は、従来技術による取付構造の斜視
図、第３図はその断面図である。第４図は壁
パネルの亀裂発生を説明する正面図、第４図は
本考案の取付けによるロツキングを示す壁パネル
の正面図である。 １……支持鋼材、２……受金物、３……ナツ
ト、４……構造躯体、５……壁パネル、６……パ
ネル自重受金物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 構造躯体に取付けられた断面Ｌ型の受金物はそ
   の垂直片にパネル自重受け金物が設けられ、この
   自重受け金物の両側の受金物垂直片に係合用の孔
   若しくはスリツトが各々２ケ所設けられており、
   パネルの中心部が該パネル自重受け金物の位置に
   来るように、パネル小口面に、その面と直角方向
   にパネル内に形成された円形穴に棒状若しくは管
   状の支持鋼材を挿入し、その未挿入部分は螺子が
   設けられパネル背面側に折れ曲がりパネル内面よ
   り突出しており、その部分を前記係合用の孔若し
   くはスリツトに挿通し締結器具で締め付けること
   によりパネル背面側を前記受金具に完接させるこ
   とを特徴とする壁版取付装置。