JPH0233529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建物のカーテンウオールを構成す
るコンクリート系壁パネルの取付構造に関するも
ので、特に施工現場において取付金具類を用いた
取付方法が重要となるALC壁パネルに好適に用
いればさらに有用であり、その目的は取付金具類
が外部に露出せず、補修モルタル等の仕上げを必
要とせず、かつ施工性に勝れた取付構造を提供す
ることにある。

従来、この種の壁パネルの取付を取付金具類を
用いて行う場合、取付金具類がパネルの表面に露
出してしまうか、あるいはそれを防ぐためにパネ
ルの表面に座堀り孔を設けボルト等によつて梁鉄
骨にパネルを固着した後、座堀り孔をモルタル等
の補修剤で埋める方法が一般的である。しかし、
座堀り孔を補修剤で埋める作業は繁雑で施工能率
を低下させ、さらにモルタルによる補修部分は施
工後モルタルの乾燥収縮や、地震等における取付
金具類の振動によりひび割れが発生する場合があ
り、外観上問題となる場合が多い。

この考案は前記問題点を解消すべく開発したも
ので、以下その詳細を図示した実施例によつて説
明する。

第１図はこの考案の実施例の縦断面図で、ａは
パネル、ｂは取付金物、ｃは受金物、ｄは梁鉄骨
である。受金物ｃは梁鉄骨ｄに固着されており、
垂直方向に縦フランジ８を突出しているものとす
る。取付金物ｂは棒状鋼材３、横フランジ４、縦
フランジ５、および垂下片６からなり、横フラン
ジ４と縦フランジ５の交わる断面は本実施例のよ
うなＬ字形でも、あるいはＴ字形でもよい。横フ
ランジ４には棒状鋼材３が鉛直方向に突設され、
縦フランジ５には横フランジ４の反対方向にある
程度の間隙７を置いて垂下片６が突設されてい
る。

パネルａの水平小口面１にはその面を直角方向
に孔２がドリルによつて穿孔して形成されていて
孔２の直径は棒状鋼材３の直径と同じか、あるい
は若干大きめとし、深さは棒状鋼材３の長さより
若干大きくすることが望ましい。

パネルａの取付けに際しては孔２に棒状鋼材３
を挿入するとともに横フランジ４上にパネルａを
載置し、７に受金物ｃの縦フランジ８を嵌合す
る。

さらにパネルａの上部も棒状鋼材を鉛直下向き
にした同様の構成により取付け、パネルａの位置
決め調整をしたのち取付金物ｂと受金物ｃの接合
部を必要に応じて溶接により固着する。パネルの
上部および下部の取付けはそれぞれ少なくとも１
箇所とし、第２図に示すように取付位置をパネル
の上部と下部で水平方向にずらすことにより各層
のパネルを同じ方法で梁鉄骨に取付けることがで
きる。

本考案は以上の構成からなり、壁パネルの小口
面と直角方向に取付用の孔を穿孔し、この孔に棒
状鋼材を挿入して取付けることにより従来のこの
種の取付構造のようにパネルの外部に取付金物類
が露出せず、しかもモルタル等の補修剤による座
堀孔補修の必要もない。パネルの取付けにおいて
は垂下片がパネルの面外方向支持点となるため、
取付金物の縦フランジと垂下片の間隙に受金物の
縦フランジを嵌めるだけでパネルの仮止めが容易
にできる。また、取付金物は受金物に嵌合された
まま水平方向にすべらすことができるため、パネ
ルの面内方向の位置決め調整も容易にでき、能率
的な施工が可能となる。また、パネル上部におい
て取付金物と受金物の接合部の溶接を行なわなけ
れば、取付金物と受金物が接合部において水平方
向にすべることにより、第３図のように地震時の
建物躯体の変形にパネルが追従することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図、第２図
は取付状態の斜視図、第３図は地振時の建物躯体
の変形に対するパネルの追従機構図である。 ａ……壁パネル、ｂ……取付金物、ｃ……受金
物、ｄ……梁鉄骨、１……水平小口面、２……
孔、３……棒状鋼材、４……横フランジ、５……
縦フランジ、６……垂下片、７……間隙、８……
縦フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネル小口面に面する横フランジ４に連なりパ
   ネル裏面に位置する縦フランジ５が前記横フラン
   ジ４と反対方向に垂下片６を突出させた構造の取
   付金物ｂの前記横フランジ４に棒状鋼材３の基端
   が固定されており、その棒状鋼材３が壁パネルａ
   の水平小口面にその面と垂直方向に形成された孔
   ２に嵌合されており、かつ前記垂下片６と前記縦
   フランジ５との間に梁鉄骨ｄに固着された受金物
   ｃの縦フランジ８が嵌合しており、かつモルタル
   を使用しないことを特徴とする壁パネルの取付構
   造。