JPH0113688Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コ
ンクリートパネル（ALCパネル）の取付装置に
関するものである。

従来、この種の壁パネルをボルト等の取付金具
類を用いて建物躯体に取付けるにおいては、種々
の方法が用いられているが、取付金具類が外部に
露出したり、補修モルタル等による仕上げを必要
とし、意匠性、施工性などの点で問題があつた。

また、これらの問題点を解消するものとしては
第１図に示すようにPC版などの大型パネルの分
野において一般的な、取付用ナツト１０を有する
埋込金具をあらかじめ内部に埋設したパネル１を
室内側からボルト１１を用いて取付ける方法があ
る。しかし、現場施工に際してパネルが切断され
る場合には取付用ナツト１０を有する埋込金具の
位置変更ができないため、これに適応できないと
いう難点がありALC分野では汎用されにくい。

そこで、本出願人の先の考案である壁パネル１
の小口面１ａにその面と垂直方向に形成した孔１
ｂに棒状鋼材４を挿入して取付る方法（第５図
１，２）が有用となるが、この方法は現在主とし
て建物の開口部周辺に採用されており、パネル１
を支持する棒状鋼材４の基端を開口部上下にあら
かじめ取付けられた補強鋼材３のフランジ面に固
着される。この方法を建物の標準部分に用い、上
下層パネル１を隣接して鉄骨躯体に取付けるに際
しては各パネルの垂直および水平方向の位置決め
調整などの機能を有するフアスナーが必要とな
る。

本考案は、上記機能を満足するとともに、使用
するフアスナーをパネルの小口部分に集約するこ
とによつて従来技術のボルト止め方式（第１図）
に比べてフアスナーの形状を小型化し、取付作業
性の向上とフアスナーの節約をはかつたものであ
る。

本考案の要旨とする構成は、垂直片ならびに水
平部片を有する受金物および棒状もしくは管状の
パネル支持鋼材が固定された取付プレートおよび
梁鉄骨に固着されたボルトからなり、前記受金物
の垂直部は上層パネル下部および下層パネル上部
背面に当接されるとともに切欠を有しており、前
記受金物の水平部は梁鉄骨側に突出してルーズホ
ールが設けられており、前記受金物のルーズホー
ルに前記梁鉄骨に固着されたボルトが貫通され、
更に前記取付プレートのパネル支持鋼材がパネル
小口面にその面と垂直方向に形成されたパネルの
円形孔に嵌合されているとともに前記取付プレー
ト上に上層パネルが載置され、かつ前記受金物の
切欠部より突出した取付プレートの部分に設けら
れたルーズホールが前記梁鉄骨に固着されたボル
トに連続貫通され、前記受金物がナツトにより固
着されるとともに取付プレートが所要高さに位置
調整可能なるよう複数個のナツトにより固着され
ることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネル
の取付装置ことを特徴とする軽量気泡コンクリー
トパネルの取付装置である。以下にその詳細を図
示した装置例に基いて以下に説明する。

第２図、第３図あるいは第４図の各装置例にお
いて、受金物６は上層パネル下部および下層パネ
ル上部背面１ｃを当接する垂直部片６ａとルーズ
ホール６ｃを設けた水平部片６ｂを有するもので
ある。また、取付プレート５は第２図１に示すよ
うにパネル水平小口面１ａにその面と垂直方向に
形成した円形孔１ｂに嵌合されたパネル支持鋼材
４を固着したものであり、かつ、上層パネルを載
置する水平部片５ａおよびルーズホール５ｂを有
するものである。これらの受金物６と取付プレー
ト５は夫々前記ルーズホールに連続貫通されるボ
ルト７と複数個のナツト８によつて梁鉄骨２に固
着される。

パネル水平小口面１ａの、円形孔１ｂの形成は
パネルの製造時でも施工時でもよいが、特に施工
現場において汎用の電気ドリルを用いて簡単に穿
設できる。それ故、パネルが切断された場合でも
取付に支障をきたさない。

円形孔１ｂに嵌合されるべきパネル支持鋼材４
は断面外周が円形状の棒状もしくは管状の鋼材で
あり、その外径は円形孔１ｂの直径とほぼ等しい
か、若干小さめであることが望ましい。また、取
付プレート５に固着されたパネル支持鋼材４は第
２図、第３図のように下層パネルの上部を支持す
るものであつても、第４図のように上層パネルの
下部を支持するものであつてもよく、さらには、
その相方を支持するもの（図示せず）であつても
よい。

受金物６は断面Ｌ字形もしくはＴ字形をなし垂
直部片６ａは第２図２及第３図、第４図に示すよ
うにパネル支持鋼材の取付部において、少なくと
も部分的に省如して切欠部６ｄを有するものであ
る。また、受金物６、および取付プレート５を貫
通させるボルト７の種類とその梁鉄骨２への固着
手段は、第６図１に示すようなスタツドを用いて
溶接したものでも、２に示すような六角ボルトを
用いてその頭部を溶接したものでも、あるいは３
に示すように六角ボルトを用いて、それを梁鉄骨
のフランジに通してナツトで締結したものを用い
てもよいが、梁鉄骨２上に全ネジ状態で直立した
１本のボルト７に受金物６および取付プレート５
を複数個の締結ナツト８および座金９により固着
するものである。

その際、上層パネルを載置する取付プレート５
は、その上下に位置する締結ナツト８によつて所
要高さに位置調整可能なることが必須条件であ
る。また、受金物６および取付プレート５はルー
ズホール６ｃおよび５ｂにより水平方向に位置調
整可能であり、位置決め後座金９を受金物６およ
び取付プレート５の上面にそれぞれ溶着する。

本考案は以上の構成からなり、パネル小口面に
形成した円形孔に棒状もしくは管状のパネル支持
鋼材を差込むだけでパネルを支持できるため、 パネルの取付が簡単で、かつ取付金具類が外
部に露出したり、補修モルタル等による仕上げ
を必要としない。

パネルの小口部分において、棒状もしくは管
状のパネル支持鋼材の基端を固着する取付プレ
ートは、同時に上層パネルを載置することによ
り、取付に使用するフアスナーをパネルの小口
部分に集約できるため、 フアスナーを小型化するとともに、その数量
を減らし、経済設計が可能となる。

さらに、取付プレートおよび受金物は夫々の
ルーズホールに連続貫通されるボルトと複数個
のナツトによつて梁鉄骨上に固着されるため、 水平方向および垂直方向の位置決め調整が容
易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術によるボルト止め方式の縦断
面図、第２，３，４図は本考案の３種類の実施例
の略図で第２図１はその縦断面図、第２図２、第
３図、第４図はその斜視図。第５図は従来技術の
棒状鋼材によるパネル取付装置の略図で第５図１
は断面斜視図、第５図２は縦断面図、第５図３は
横断面図、第６図は梁鉄骨へのボルト固着の例３
種の略図である。 １……パネル、１ａ……パネル小口面、１ｂ…
…円形孔、１ｃ……パネル背面、２……梁鉄骨、
３……補強鋼材、４……棒状もしくは管状のパネ
ル支持鋼材、５……取付プレート、５ａ……水平
部片、５ｂ……ルーズホール、６……受金物、６
ａ……垂直部片、６ｂ……水平部片、６ｃ……ル
ーズホール、６ｄ……切欠、７……ボルト、８…
…ナツト、９……座金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直片ならびに水平部片を有する受金物および
   棒状もしくは管状のパネル支持鋼材が固定された
   取付プレートおよび梁鉄骨に固着されたボルトか
   らなり、前記受金物の垂直部は上層パネル下部お
   よび下層パネル上部背面に当接されるとともに切
   欠を有しており、前記受金物の水平部は梁鉄骨側
   に突出してルーズホールが設けられており、前記
   受金物のルーズホールに前記梁鉄骨に固着された
   ボルトが貫通され、更に前記取付プレートのパネ
   ル支持鋼材がパネル小口面にその面と垂直方向に
   形成されたパネルの円形孔に嵌合されているとと
   もに前記取付プレート上に上層パネルが載置さ
   れ、かつ前記受金物の切欠部より突出した取付プ
   レートの部分に設けられたルーズホールが前記梁
   鉄骨に固着されたボルトに連続貫通され、前記受
   金物がナツトにより固着されるとともに取付プレ
   ートが所要高さに位置調整可能なるよう複数個の
   ナツトにより固着されることを特徴とする軽量気
   泡コンクリートパネルの取付装置。