JPH06505Y2 - 軽量鉄骨下地組の窓用金物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案はコンクリート構造物の軽量鉄骨下地組の窓用
金物に関するものである。

従来の技術 従来、コンクリート構造物や鉄骨パネル構造物等の窓枠
部分において、窓まわりに仕上材を取付けるためには窓
脇のコンクリート端から一定の距離を置いて固定された
軽量形鋼やアングル材から成る胴縁に直接に窓まわり仕
上材を取付けたり、或は胴縁に特別な取付金物や下地金
物を溶接して取付け、同材質または金属製の窓まわり仕
上材をこれら取付金物や下地金物に取付けるようにして
いる。

考案が解決しようとする問題点 しかし、この様な従来一般における窓まわり仕上材の取
付けにおいては、窓まわり使用仕上材料の寸法的限定や
同縁の正確な位置への取付が必要で、また窓まわり仕上
材の受がコンクリート面からとれない場合には窓脇の胴
縁に取付けることになり、従って受金物を予め取付位置
を決めて工場で溶接して取付けたり或は現場で溶接して
取付けることになり、このために工場にて先付けしたと
きには現場での変更が困難で窓脇の胴縁は精度よく取付
けなければならず、施工性が悪く、また一旦固定したと
きには修正が面倒で、熟練を要し、能率が悪く、更に現
場での溶接には火花の養生や火災の心配等の問題がみら
れる。

考案の目的 従つて、この考案の目的は、この様な従来における欠点
を除去するために、構造物の軽量鉄骨下地組窓枠部分に
おいて、現場にて溶接することなく簡単且つ自由に取付
け取外しでき、単に胴縁に嵌込むだけで受金物の形状に
より仮固定でき、取付け位置の調整が簡単で、十分な強
度を保持できる軽量鉄骨下地組の窓用金物を提供するこ
とにある。

考案の構成 この考案に依れば、軽量鉄骨下地組の窓用金物は、構造
物の軽量鉄骨下地組の窓枠部分において、胴縁に嵌込ま
れるほぼＵ字形の本体の１つの脚部からほぼ直角に水平
に延びる支持フランジ部を有する受金物、胴縁に嵌込み
仮止めされた受金物を胴縁に固定する固定用座金および
固定用ボルトから成り、受金物の支持フランジ部に窓枠
用の仕上材を取付けできることを特徴としている。

この考案の他の目的と特長および利点は以下の添付図面
に沿つての詳細な説明から明らかになろう。

実施例 図面の第１図にはこの考案の軽量鉄骨下地組の窓用金物
を用いて仕上材が取付けられたコンクリート構造物の窓
枠部分が示されている。

第１図乃至第６図に示される様に、この考案の軽量鉄骨
下地組の窓用金物は断面ほぼＵ字形の本体１１の１つの
脚部１２から大体直角に水平に延びる支持フランジ部１
５を有する受金物１０と、この受金物１０を胴縁４に固
定する固定用座金２０と固定用ボルト２５とから構成さ
れている。図示実施例にては、コンクリート構造物の窓
部分に窓用サツシ３が取付けられ、胴縁４が適宜な手段
によつてコンクリート面１に対して一定の間隔を置いて
例えばグラスウールの様な断熱材２を配して取付けられ
る。この様に、コンクリート面１に対して所定の位置に
取付けられる胴縁４は断面Ｃ形の軽量鉄骨が好適に用い
られ、この様な固定された胴縁４に固定用座金２０とボ
ルト２５とによつて受金物１０が取付けられる。受金物
１０は図示の様に断面ほぼＵ字形の本体１１から成り、
本体１１の一方の脚部１２からほぼ直角に水平に支持フ
ランジ部１５が延びており、また本体１１の他方の脚部
１４は僅かに外向きにくの字形に折曲つていて、胴縁４
に本体１１を嵌込んだときに弾性的に好適に係止できる
ようになつている。また、図示されるように、本体１１
部分と支持フランジ部１５には１つまたは複数の補強リ
ブ１６を設けて補強するのが好適である。更に、本体１
１には固定用ボルト２５のための孔１８が設けられてい
る。

更に、胴縁４に受金物１０を固定用ボルト２５により固
定するための固定用座金２０は第２，３図に示される様
に断面ほぼＵ字形をなしており、底部中央に固定用ボル
ト２５のためのねじ孔２１が設けられている。

この様に構成されたこの考案の軽量鉄骨下地組の窓用金
物を用いて窓まわりの仕上材の下地組を行うには、好適
な断熱材２が設けられたコンクリート面１に対して適宜
な手段により所定の間隔をもつて固定された胴縁４に、
受金物１０の本体１１部分を嵌込んで受金物１０を胴縁
４に先ず仮固定すれば、受金物１０はずれ落ちたり、ガ
タ付いたりすることがなく、従つて胴縁４に取付けられ
る受金物１０の水平位置を簡単に調整できる。この様に
して受金物１０の取付位置が決つたならば、受金物１０
の本体１１のボルト用孔１８を通つて固定用座金２０の
ねじ孔２１にねじ着された固定用ボルト２５を締付けれ
ば、受金物１０が胴縁４に固定される。すなわち、第
２，３図に示される様に固定用座金１０を横方向に配置
した状態にて固定用ボルト２５により固定用座金２０を
受金物１０に予めセツトしておき、この状態にて胴縁４
に受金物１０を仮止めして位置調節を行つた後、固定用
ボルト２５によつて受金物１０と一体になつた固定用座
金２０を、ボルト２５の締付けにより締付方向に最初回
転して胴縁４の内側に当たつて固定用座金２０が回転し
なくなるので、次いでボルト２５をなお締付けることに
よつて固定用座金２０と受金物１０が胴縁４のへりをは
さみ込み、ボルト２５の締付力によつて受金物１０が胴
縁４に固定される。

受金物１０がこうして胴縁４に固定されたならば、胴縁
４および受金物１０の支持フランジ部１５の一部を利用
して板状の仕上材７を適宜取付けると共に、かぎ形の仕
上材８を、コンクリート面１にアンカーボルト５により
固定した受プレート６を利用して該受金物１０の支持フ
ランジ部１５に第１図に示される様に取付け、各隙間に
は適宜なコーキング材９を填めてシールすることによつ
て、高い精度をもつて仕上材８を簡単に取付けることが
できる。仕上材７，８の取付けには通常のタツピングね
じ９′が用いられる。

考案の効果 この様に、この考案の軽量鉄骨下地組の窓用金物によれ
ば、現場において溶接を使用しないために特殊技術者や
熟練を必要とせず、簡単に作業でき、溶接に伴う一切の
問題を生じることがなく効率よく短期間に簡単な作業を
もつて窓脇部分の下地組ができる。特に、窓用金物の受
金物を胴縁に嵌込んでボルト締めによつて固定するため
に、現場にて自由な位置に取付け取外しができ、もし取
付位置を間違えても簡単に取外してやり直すことができ
る。更に、窓用金物が胴縁の面と同一に取付けられ、ま
た窓に接近して下地が設けられるために窓まわりの仕上
材は材質や寸法に関係なく使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の軽量鉄骨下地組の窓用金物を用いて
下地組して仕上材を取付けたコンクリート構造物の窓脇
部分の断面図、第２図乃至第６図はこの考案での窓用金
物の側面図、平面図、底面図、左右端面図である。 図中、１…コンクリート面、２…断熱材、３…窓用サツ
シ、４…胴縁、５…アンカーボルト、６…受プレート、
７，８…仕上材、１０…受金物、１１…本体、１２，１
４…脚、１５…支持フランジ部、１６…補強リブ、２０
…固定用座金、２５…ボルト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−140470（ＪＰ，Ａ) 特公 昭57−21626（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】構造物の軽量鉄骨下地組の窓枠部分におい
   て、断面Ｃ形の軽量鉄骨から成る胴縁に嵌込まれるほぼ
   Ｕ字形の本体の１つの脚部からほぼ直角に水平に延びる
   支持フランジ部を有する受金物、胴縁に嵌込み仮止めさ
   れた受金物を胴縁に固定する断面ほゞＵ字形の固定用座
   金および固定用ボルトから成り、胴縁に仮止めした該受
   金物と該固定用ボルトによって一体になった固定用座金
   を該固定用ボルトの締付けにより締付方向に回転して該
   固定用座金と受金物とにより胴縁のへりを挟み込んで水
   平位置を調整できるように受金物を固定し、該受金物の
   支持フランジ部に窓枠用の仕上材を取付けできるように
   なったことを特長とする軽量鉄骨下地組の窓用金物。