JPS6132018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【技術分野】

本考案は、鉄骨系プレハブ住宅などにおいて外
壁パネルなどのパネルを取り付けるための技術に
関する。

【背景技術】

従来から実開昭52−72315号公報のようにパネ
ル取付部の上部と下部とに上下取付具を設け、こ
の上下取付具にパネルをボルト、ナツトで固定す
ることは知られている。かかる従来例のものにあ
つてはパネル取付のために溶接する必要がなく火
花による危険がないという長所を有しているが、
現場で構築するパネル取付部の上下に現場作業で
上下取付具を取り付けるので、上下取付具の上下
方向の取付位置の誤差が生じるため、この上取付
具と下取付具とにパネルの上下をボルト、ナツト
で固定する場合、ボルト孔が合わずにパネルが取
り付けられなかつたり、あるいは相隣合うパネル
間に隙間が生じたりするという問題がある。この
ため現場でパネルを上下方向及び水平方向に位置
調整できるように上金具と下金具とに夫々上下方
向に長い長孔を設け、パネルの上縁と下縁とに
夫々水平方向に長い長孔を設けることが考えられ
るが、単に上下方向、左右方向の長孔を設けただ
けの場合確かに上下方向、左右方向へのパネルの
取付け位置の調整はできるかも知れないが、パネ
ル取付部に対する高さ（上下）方向でのパネルの
位置決めができず、また自重及び振動が加わつた
りした場合には上下方向の長孔に沿つてパネルが
自重で下がり、パネル取付部への当初の固定位置
からずれるといつた問題が生じるものである。

【考案の目的】

本考案は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところはパネル
の取付け位置の調整ができるようにしたにも拘わ
らず、パネルの取付け時の高さ方向（上下方向）
の位置決めができると共に施工後自重や振動でパ
ネルが下がることがなく、寸法誤差や施工誤差の
避けられない建物構造体であつて前以つて工場製
作されたパネルを現場で確実、容易かつ安全に取
り付けることのできるパネル取付装置を提供する
にある。

【考案の開示】

本考案のパネル取付装置は、建物構造体１のパ
ネル取付部の上部に固着した上取付金具２に丸孔
状の通孔３を穿設し、建物構造体１のパネル取付
部の下部に固着した下取付金具４に上下方向に長
い縦長孔５を穿設し、パネル６の上縁に固着した
上枠７の水平方向に長い横長孔８と上取付金具２
の通孔３に貫挿したボルト９にナツト１０を螺着
すると共にパネル６の下縁に固着した下枠１１の
水平方向に長い横長孔１２と下取付金具４の縦長
孔５に貫挿したボルト９にナツト１０を螺着して
パネル６を建築構造体１に固定して成ることを特
徴とするものである。しかして、パネル６の上縁
及び下縁に設けられた横長孔８，１２によりパネ
ル６の位置を左右調整でき、さらに下取付金具４
の縦長孔５により上下取付金具２，４間の上下方
向の距離の狂いを吸収できるものである。しか
も、パネル６は上縁の横長孔８を上取付金具２の
通孔３に連結されて上下方向の位置決めを行なわ
れているので、パネル６を上取付金具２に対して
位置決めできると共にパネル６が自重や振動によ
り下がることがないものである。 以下本考案の実施例を添付図に基いて詳述す
る。 上取付金具２はほぼＬ型をしており、第４図に
示すように建物構造体１のパネル取付部の上部の
横材１３に固着されており、略Ｌ型の下取付金具
４も建物構造体１のパネル取付部の下部の横材１
３に固着されている。上取付金具２には丸孔状の
通孔３が穿孔されており、下取付金具４には縦長
孔５が穿設されている。一方、パネル枠組１４に
パネル材１５を取着してパネル６が形成されてい
る。パネル枠組１４のうち断面略コ字状の下枠１
１の背面側には横長孔１２を穿設してあり、パネ
ル枠組１４のうち上枠７は断面略コ字状の上枠本
体７ａ上枠本体７ａよりも小形の断面略コ字状の
取付用枠部７ｂとの夫々の中央部を互いに固着せ
しめて形成されており、取付用枠部７ｂの背面に
は上枠７の横長孔８を穿設してある。しかして上
取付金具２の通孔３とパネル６の上枠７の横長孔
８にボルト９を挿通してしてボルト９にナツト１
０を螺着し、下取付金具４の縦長孔５とパネル６
の下枠１１の横長孔１２にボルト９を貫挿してボ
ルト９にナツト１０を螺着してパネル６が固定さ
れる。パネル６の上枠７には横長孔８を穿設して
あるのでパネル６の左右調整を行なうことがで
き、相隣合うパネル６間に隙間が生じないように
配装することが可能であり、さらにパネル６の下
枠１１には横長孔１２を設け、下取付金具４には
縦長孔５を設けてあり、横長孔１２と縦長孔５と
に挿通したボルト９とナツト１０にてパネル６を
固定するのでパネル６の下部を上下左右の任意の
方向に調整することができるので寸法誤差や施工
誤差の避けられない建物構造体１であつても前以
て工場製作されたパネル６を現場で確実に取り付
けることができる。またこのようにパネル６の取
付け位置の調整を行なうことができるので溶接を
行なわずともボルト９とナツト１０によりパネル
６の取付けを安全かつ容易に行なうことができ
る。また上取付金具２には通孔３の上方に縦長孔
５を穿設し、下取付金具４の縦長孔５の下方に通
孔３を穿設して第１図に示すように上取付金具２
と下取付金具４とを同形状に形成し、１つの金具
で下方のパネル６の上取付金具２と上方のパネル
６の下取付金具４とを兼用するようにしても良
い。 また上枠７の取付用枠部７ｂの前方側片１６は
上枠本体７ａの前面よりも後退しており、パネル
６の前面下端は下方へ向けて延出してあり、パネ
ル６の下方延出部１７の裏面にはシール材１８が
取着してあつて例えば上方のパネル６の下方延出
部１７が下方のパネル６の上枠７の取付用枠部７
ｂの前方を覆い、シール材１８を取付用枠部７ｂ
の前方側片１６に押圧することによりパネル６の
目地の水封が行なわれるようにしても良い。

【考案の効果】

本考案にあつてはパネル上縁に設けた水平方向
に長い横長孔とパネル取付部上部の上取付金具に
設けた丸孔状の通孔とをボルト、ナツトでつな
ぎ、パネル下縁に設けた水平方向に長い横長孔と
パネル取付部下部の下取付金具に設けた上下方向
に長い縦長孔とをボルト、ナツトでつないでパネ
ルを固定したので、パネルの上下縁の水平方向に
長い横長孔の作用により上下取付金具の水平方向
の取付け位置の誤差を吸収でき、隣合うパネル同
士間に隙間が生じないようにパネルの左右の位置
を簡単に調整でき、また上取付金具と下取付金具
との間の鉛直距離に狂いがあつても下取付金具の
上下方向に長い縦長孔により狂いを吸収してパネ
ルの取付けを可能にするものでありながら、上取
付金具の丸孔状の通孔とパネル上縁の横長孔によ
りパネルの高さ方向の位置決めができると共にこ
の通孔と横長孔の部分が上下方向には調整作用を
有しないのでパネルが自重や振動により下がると
いつた恐れがないものである。このように本考案
にあつては寸法誤差や施工誤差の避けられない建
物構造体であつても前以て工場製作されたパネル
を現場で確実、容易かつ安全に取り付けることが
できるという利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案パネル取付装置の一実施例を示
す一部分解した斜視図、第２図は同上の一部省略
した正面図、第３図は第２図のＡ部の拡大図、第
４図は同上の建物構造体を示す斜視図であつて、
１は建物構造体、２は上取付金具、３は通孔、４
は下取付金具、５は縦長孔、６はパネル、７は上
枠、８は横長孔、９はボルト、１０はナツト、１
１は下枠、１２は横長孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物構造体のパネル取付部の上部に固着した上
   取付金具に丸孔状の通孔を穿設し、建物構造体の
   パネル取付部の下部に固着した下取付金具に上下
   方向に長い縦長孔を穿設し、パネルの上縁に固着
   した上枠の水平方向に長い横長孔と上取付金具の
   通孔に貫挿したボルトにナツトを螺着すると共に
   パネルの下縁に固着した下枠の水平方向に長い横
   長孔と下取付金具の縦長孔に貫挿したボルトにナ
   ツトを螺着してパネルを建物構造体に固定して成
   るパネル取付装置。