JPS6346141B2 - - Google Patents
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- JPS6346141B2 JPS6346141B2 JP16067079A JP16067079A JPS6346141B2 JP S6346141 B2 JPS6346141 B2 JP S6346141B2 JP 16067079 A JP16067079 A JP 16067079A JP 16067079 A JP16067079 A JP 16067079A JP S6346141 B2 JPS6346141 B2 JP S6346141B2
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- Exhaust Silencers (AREA)
Description
本発明はガソリン機関用排気弁等耐熱材料に用
いられる高温耐食性、高温強度に優れ、かつ大気
溶解で製造が可能な高温耐食性合金に関するもの
である。 ガソリン機関の排気弁は高温腐食性の排気ガス
にさらされ、しかも800℃以上の高温下で高速運
動するなど苛酷な条件で使用される。高温の燃焼
ガス中にはCo2、H2Oおよび残留O2等が存在し、
これらによつて酸化作用を受け、特にアンチノツ
ク剤としてガソリン中に添加されている四エチル
鉛又は四エチル鉛が燃焼して生成した酸化鉛、さ
らにはガソリン中に不純物として含まれるS、
Cl、Br、P等との反応生成物(PbSO4、
PbBrCl、Pb3(PO4)2等)によつて弁フエース部
が激しく侵食される。 また、弁ばねの張力および弁自身の慣性力によ
り着座時に弁首部に大きな引張応力および曲げ応
力が作用する。 現在、欧米および日本においてガソリン機関の
排気弁用材料として最も多用されているものに21
−4N鋼(Fe−21Cr−9Mn−4Ni−0.5C−0.4N)
がある。 しかし、最近の高性能機関においてはさらに高
出力あるいは高速化しつつあり、このような苛酷
な条件下では前記の21−4N鋼では高温耐食性や
高温強度が不足し、使用に耐え難い状況も出現
し、21−4N鋼より数段優れた高温耐食性おび高
温強度を有する合金の開発が要望されている。 このような情勢に対応して、近時排気弁にNi
基合金を使用したり、ステライト合金の盛金弁を
使用する傾向にある。しかしながらNi基合金は
材料が高価なため弁コストが高くなり、その上高
負荷機関ではSを含む高温燃焼ガスに対する耐食
性が不十分である。 また、ステライト合金の盛金弁は盛金作業が煩
雑であり、多くの人手を要するため弁コストが高
くなり、しかも高負荷機関では排気弁としての諸
性能も不十分である。 本発明はかかる従来鋼の欠点を解消するもの
で、発明者が種々研究を重ねた結果、Ni基合金
のNiの一部をMnで置換し、Mnを含有させたこ
とによりS化合物を含む溶融酸化鉛による耐食性
(以下複合酸化鉛耐食性という)を改善し、さら
に高温での強度を向上させる強化元素として、
Ti、Al等のように高温での耐食性を害する作用
がなく、しかも大気溶解で製造が可能なN、Cを
使用することによつて、従来使用されているNi
基合金に比べ優れた高温耐食性を有するとともに
同等の高温強度を有するものであり、かつ格段に
安価な高温耐食性合金である。 また、本発明合金は弁製造に際してステライト
盛金のような複雑な工程を必要とせず、従来の21
−4N鋼排気弁と同様にアツプセツト鍛造により
製造可能であるためステライト合金の盛金弁と比
べてもより安価で、かつ優れた性能を有するもの
である。 以上のように本発明合金は高温耐食性、高温耐
酸化性および高温強度において優れたもので、排
気弁のほか各種耐熱部品、耐熱工具用材、高温摺
動部材などに広く使用できるものである。 以下に本発明合金について詳述する。 第1発明合金は、重量比にしてC0.05〜0.15%、
Si1.00%以下、Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、
Cr28.0〜35.0%、N0.10〜0.60%を含有したもの
で、第2発明合金は第1発明合金にMo0.05〜
2.00%、W0.05〜2.00%、V0.05〜3.00%、Nb0.05
〜3.00%、B0.0005〜0.0100%のうち1種ないし
2種以上を含有し第1発明合金の高温耐食性をあ
まり劣化させることなく高温強度を一層高めたも
ので、第3発明合金は第1発明合金にAl0.01〜
0.50%、希土類元素0.005〜0.100%、Ca0.0005〜
0.0200%、Mg0.0005〜0.0200%のうち1種ないし
2種以上を含有し第1発明合金の熱間加工性、高
温靭性を一層高めたもので、第4発明合金は第2
発明合金にAl0.01〜0.50%、希土類元素0.005〜
0.100%、Ca0.0005〜0.0200%、Mg0.0005〜
0.0200%のうち1種ないし2種以上を含有させ第
2発明合金の熱間加工性、高温靭性を一層高めた
ものである。 以下に本発明合金の成分限定理由について説明
する。 Cは一部地質に固溶してそれを強化するととも
に炭化物を形成し素地を強化する。炭化物による
素地強化は効果的ではあるが0.05%未満では少な
く、0.15%を越えると熱間加工性を著しく害する
のでその範囲を0.05〜0.15%とした。 Siは地質に固溶してそれを強化し、また高温耐
酸化性を改善するが、1.00%を越えると高温酸化
鉛耐食性を害するので上限を1.00%とした。Mn
は高Ni合金のS化合物およびその他の不純物を
含む複合酸化鉛耐食性を著しく改善する。第1図
は複合酸化鉛耐食性におよぼすMnの影響を示し
たものであり、これからしてMnが5.0%以上で著
しく耐食性を改善することが知られる。このため
Mnの下限を5.0%とした。 また、Mnが15.0%を越えると低融点のNi−
Mn共晶が生成し、熱間加工性が著しく困難とな
るため上限を15.0%とした。 Niは安定なオーステナイト組織を得、シグマ
相等の機械的性質を劣化させる有害な析出物の生
成を防止し、酸化鉛ならびに複合酸化鉛耐食性を
向上させるために不可欠であり、したがつて、
Niの下限を35.0%とした。また、65.0%を越えて
含有させても効果の向上が小さく高価となるので
上限を65.0%とした。 Crは複合酸化鉛耐食性の向上に不可欠であり、
28.0%未満では不十分であるので下限を28.0%と
した。また35.0%を越えて含有させても効果の向
上が小さく、シグマ相等の機械的性質を劣化させ
る有害な析出物がでやすくなるので上限を35.0%
とした。 NはTi、Alと同様に高温強度を向上させる元
素である。第2図に示した複合酸化鉛耐食性にお
よぼすN、Ti、Alの影響から知られるようにTi、
Alが著しく耐食性を劣化させるのに対して、N
は劣化作用が殆んどなく、高温強度を向上させる
には最適な元素である。上記の性能を発揮させる
には0.10%以上含有させる必要があり下限を0.10
%とした。また0.60%を越えて含有させると熱間
加工性を害するので上限を0.60%とした。 以上のC、Si、Mn、Ni、Cr、Nの他に0.05〜
2.00%のMo、0.05〜2.00%のW、0.05〜3.00%%
のV、0.05〜3.00%のNb、0.0005〜0.0100%のB
を単独あるいは2種以上を複合して添加すれば高
温耐食性をあまり劣化させることなく高温強度を
一層高めることができる。この場合各元素とも下
限未満では効果が小さく、上限を越えて添加した
場合には高温耐食性あるいは熱間加工性を劣化さ
せる。 さらに、以上の各成分の合金に対して0.01〜
0.50%のAl、0.005〜0.100%の希土類元素、
0.0005〜0.0200%のCa、0.0005〜0.0200%のMgを
単独あるいは2種以上複合して添加すれば各合金
の熱間加工性、高温靭性を一層向上させることが
できる。この場合各元素とも下限未満では効果が
小さく、上限を越えて添加した場合には有害相が
生成し、熱間加工性、高温靭性をかえつて劣化さ
せる。 つぎに本発明合金の特徴を従来合金、比較合金
と比べ実施例でもつて明らかにする。 第1表は本発明合金、従来合金、比較合金の化
学成分を示すものである。
いられる高温耐食性、高温強度に優れ、かつ大気
溶解で製造が可能な高温耐食性合金に関するもの
である。 ガソリン機関の排気弁は高温腐食性の排気ガス
にさらされ、しかも800℃以上の高温下で高速運
動するなど苛酷な条件で使用される。高温の燃焼
ガス中にはCo2、H2Oおよび残留O2等が存在し、
これらによつて酸化作用を受け、特にアンチノツ
ク剤としてガソリン中に添加されている四エチル
鉛又は四エチル鉛が燃焼して生成した酸化鉛、さ
らにはガソリン中に不純物として含まれるS、
Cl、Br、P等との反応生成物(PbSO4、
PbBrCl、Pb3(PO4)2等)によつて弁フエース部
が激しく侵食される。 また、弁ばねの張力および弁自身の慣性力によ
り着座時に弁首部に大きな引張応力および曲げ応
力が作用する。 現在、欧米および日本においてガソリン機関の
排気弁用材料として最も多用されているものに21
−4N鋼(Fe−21Cr−9Mn−4Ni−0.5C−0.4N)
がある。 しかし、最近の高性能機関においてはさらに高
出力あるいは高速化しつつあり、このような苛酷
な条件下では前記の21−4N鋼では高温耐食性や
高温強度が不足し、使用に耐え難い状況も出現
し、21−4N鋼より数段優れた高温耐食性おび高
温強度を有する合金の開発が要望されている。 このような情勢に対応して、近時排気弁にNi
基合金を使用したり、ステライト合金の盛金弁を
使用する傾向にある。しかしながらNi基合金は
材料が高価なため弁コストが高くなり、その上高
負荷機関ではSを含む高温燃焼ガスに対する耐食
性が不十分である。 また、ステライト合金の盛金弁は盛金作業が煩
雑であり、多くの人手を要するため弁コストが高
くなり、しかも高負荷機関では排気弁としての諸
性能も不十分である。 本発明はかかる従来鋼の欠点を解消するもの
で、発明者が種々研究を重ねた結果、Ni基合金
のNiの一部をMnで置換し、Mnを含有させたこ
とによりS化合物を含む溶融酸化鉛による耐食性
(以下複合酸化鉛耐食性という)を改善し、さら
に高温での強度を向上させる強化元素として、
Ti、Al等のように高温での耐食性を害する作用
がなく、しかも大気溶解で製造が可能なN、Cを
使用することによつて、従来使用されているNi
基合金に比べ優れた高温耐食性を有するとともに
同等の高温強度を有するものであり、かつ格段に
安価な高温耐食性合金である。 また、本発明合金は弁製造に際してステライト
盛金のような複雑な工程を必要とせず、従来の21
−4N鋼排気弁と同様にアツプセツト鍛造により
製造可能であるためステライト合金の盛金弁と比
べてもより安価で、かつ優れた性能を有するもの
である。 以上のように本発明合金は高温耐食性、高温耐
酸化性および高温強度において優れたもので、排
気弁のほか各種耐熱部品、耐熱工具用材、高温摺
動部材などに広く使用できるものである。 以下に本発明合金について詳述する。 第1発明合金は、重量比にしてC0.05〜0.15%、
Si1.00%以下、Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、
Cr28.0〜35.0%、N0.10〜0.60%を含有したもの
で、第2発明合金は第1発明合金にMo0.05〜
2.00%、W0.05〜2.00%、V0.05〜3.00%、Nb0.05
〜3.00%、B0.0005〜0.0100%のうち1種ないし
2種以上を含有し第1発明合金の高温耐食性をあ
まり劣化させることなく高温強度を一層高めたも
ので、第3発明合金は第1発明合金にAl0.01〜
0.50%、希土類元素0.005〜0.100%、Ca0.0005〜
0.0200%、Mg0.0005〜0.0200%のうち1種ないし
2種以上を含有し第1発明合金の熱間加工性、高
温靭性を一層高めたもので、第4発明合金は第2
発明合金にAl0.01〜0.50%、希土類元素0.005〜
0.100%、Ca0.0005〜0.0200%、Mg0.0005〜
0.0200%のうち1種ないし2種以上を含有させ第
2発明合金の熱間加工性、高温靭性を一層高めた
ものである。 以下に本発明合金の成分限定理由について説明
する。 Cは一部地質に固溶してそれを強化するととも
に炭化物を形成し素地を強化する。炭化物による
素地強化は効果的ではあるが0.05%未満では少な
く、0.15%を越えると熱間加工性を著しく害する
のでその範囲を0.05〜0.15%とした。 Siは地質に固溶してそれを強化し、また高温耐
酸化性を改善するが、1.00%を越えると高温酸化
鉛耐食性を害するので上限を1.00%とした。Mn
は高Ni合金のS化合物およびその他の不純物を
含む複合酸化鉛耐食性を著しく改善する。第1図
は複合酸化鉛耐食性におよぼすMnの影響を示し
たものであり、これからしてMnが5.0%以上で著
しく耐食性を改善することが知られる。このため
Mnの下限を5.0%とした。 また、Mnが15.0%を越えると低融点のNi−
Mn共晶が生成し、熱間加工性が著しく困難とな
るため上限を15.0%とした。 Niは安定なオーステナイト組織を得、シグマ
相等の機械的性質を劣化させる有害な析出物の生
成を防止し、酸化鉛ならびに複合酸化鉛耐食性を
向上させるために不可欠であり、したがつて、
Niの下限を35.0%とした。また、65.0%を越えて
含有させても効果の向上が小さく高価となるので
上限を65.0%とした。 Crは複合酸化鉛耐食性の向上に不可欠であり、
28.0%未満では不十分であるので下限を28.0%と
した。また35.0%を越えて含有させても効果の向
上が小さく、シグマ相等の機械的性質を劣化させ
る有害な析出物がでやすくなるので上限を35.0%
とした。 NはTi、Alと同様に高温強度を向上させる元
素である。第2図に示した複合酸化鉛耐食性にお
よぼすN、Ti、Alの影響から知られるようにTi、
Alが著しく耐食性を劣化させるのに対して、N
は劣化作用が殆んどなく、高温強度を向上させる
には最適な元素である。上記の性能を発揮させる
には0.10%以上含有させる必要があり下限を0.10
%とした。また0.60%を越えて含有させると熱間
加工性を害するので上限を0.60%とした。 以上のC、Si、Mn、Ni、Cr、Nの他に0.05〜
2.00%のMo、0.05〜2.00%のW、0.05〜3.00%%
のV、0.05〜3.00%のNb、0.0005〜0.0100%のB
を単独あるいは2種以上を複合して添加すれば高
温耐食性をあまり劣化させることなく高温強度を
一層高めることができる。この場合各元素とも下
限未満では効果が小さく、上限を越えて添加した
場合には高温耐食性あるいは熱間加工性を劣化さ
せる。 さらに、以上の各成分の合金に対して0.01〜
0.50%のAl、0.005〜0.100%の希土類元素、
0.0005〜0.0200%のCa、0.0005〜0.0200%のMgを
単独あるいは2種以上複合して添加すれば各合金
の熱間加工性、高温靭性を一層向上させることが
できる。この場合各元素とも下限未満では効果が
小さく、上限を越えて添加した場合には有害相が
生成し、熱間加工性、高温靭性をかえつて劣化さ
せる。 つぎに本発明合金の特徴を従来合金、比較合金
と比べ実施例でもつて明らかにする。 第1表は本発明合金、従来合金、比較合金の化
学成分を示すものである。
【表】
第1表においてA、Bは従来合金で、Aは21−
4N鋼、BはNi基合金で、C、Dは比較合金で、
E、Fは第1発明合金、Gは第2発明合金、Hは
第3発明合金、Jは第4発明合金である。 第2表は第1表のA〜J合金を鍛造後、1050℃
×1/2h固溶化加熱後水冷し、ついで800℃×4h
時効処理し、高温耐食性については960℃の酸化
鉛または900℃の溶融複合酸化鉛で1時間浸漬し
た場合の腐食減量を示し、高温引張り強さについ
ては、前記処理を施した平行部10φ×50mmの試片
を用いて測定した。
4N鋼、BはNi基合金で、C、Dは比較合金で、
E、Fは第1発明合金、Gは第2発明合金、Hは
第3発明合金、Jは第4発明合金である。 第2表は第1表のA〜J合金を鍛造後、1050℃
×1/2h固溶化加熱後水冷し、ついで800℃×4h
時効処理し、高温耐食性については960℃の酸化
鉛または900℃の溶融複合酸化鉛で1時間浸漬し
た場合の腐食減量を示し、高温引張り強さについ
ては、前記処理を施した平行部10φ×50mmの試片
を用いて測定した。
【表】
ガソリン機関用排気弁の使用条件に合わせて前
記熱処理を施したA〜J合金の機械的性質は第2
表から明らかなよう、その硬さはA〜J合金のい
ずれもHRC30〜33と所望の硬さを得ることがで
きた。高温強度については、従来合金であるA合
金がFe基合金であることから19Kg/mm2と低い値
となつているが、その他のC〜J合金は必要量の
Ni量と強化元素としてN、Al、Tiを含有してい
ることから24〜26Kg/mm2とNi基合金であるB合
金と同等の値を示し、なかでもG、J合金は高温
強度をさらに向上させる元素としてMo、Nb、
W、B等を含有させたことにより最も高くなつて
いる。また、高温耐食性については、A合金が
Fe基合金であることからS化合物を含む複合酸
化鉛腐食性については2.1g/dm2・hと優れて
いるが、酸化鉛腐食減量はNi含有量が低いこと
から26.5g/dm2・hと劣つている。B合金はA
合金がFe基合金であるのに対してNi基合金であ
ることから全く反対の傾向を示しており、酸化鉛
腐食減量が2.5g/dm2・hと優れているが、複
合酸化鉛腐食減量については85.3g/dm2・hと
大変劣つている。C合金についてはMn量が必要
量含有されてはいるが、多量のAl、Tiを含有し
ていることから酸化鉛および複合酸化鉛腐食減量
がともに大きく24.0g/dm2・h、66.5g/d
m2・hとともに劣つている。D合金については
Ni量およびN量については必要量含有されてい
るがMn量が3.80%と低いことから酸化鉛腐食減
量は2.1g/dm2・hと優れているが複合酸化鉛
腐食減量は85.0g/dm2・hと大変劣つている。
これらに対して本発明合金であるE〜J合金は必
要量のNi、Mn等を含有させたことにより酸化鉛
腐食減量については2.1〜3.5g/dm2・hとNi基
合金と同等の優れた耐食性を有し、さらに複合酸
化鉛耐食性についてはその腐食減量が1.9〜2.2
g/dm2・hとNi基合金に比べ格段に優れた高
温耐食性を示している。これからしても本発明合
金が高温強度および酸化鉛腐食性のみならずS化
合物および他の不純物を含む複合酸化鉛腐食性に
も優れ高温燃焼ガスに対する耐食性が非常に優れ
ていることがわかる。 つぎに第3図は本発明合金の熱間加工性につい
て示したもので、図中E、G、H、Jは前記第1
および第2表に示した合金と同一組成からなる第
1発明合金ないし第4発明合金である。高温ねじ
り試験に際しては50Kg鋼塊表層部から柱状晶に直
角な方向に切出し、平行部10φ×30mmの試片を用
いた。試験条件としては回転数25r.p.m、加熱温
度900℃、1000℃、1100℃、1200℃の各温度で15
分間保持した後、測定した。 試験結果は第3図から明らかなように、第3発
明および第4発明合金である0.0083%のCaおよび
0.030%の希土類元素を含有させたH合金、さら
に0.0064%のCaおよび0.027%の希土類元素を含
有させたJ合金は第1発明および第2発明合金で
あるE、G合金に比べ高い破断ねん回数を示して
いる。これからしてもCa、希土類元素を含有さ
せた第3発明および第4発明合金が熱間加工性に
ついても優れていることがわかる。 上述の如く、本発明合金は35.0〜65.0%のNi、
28.0〜35.0%のCr合金に、5.0〜15.0%のMnと0.10
〜0.60%のNを含有させ、かつ必要に応じてMo、
W、V、Nb、Bをさらに含有させたことにより、
Ni基合金と同等もしくはそれ以上の高温強度を
有するとともにNi基合金に比べて優れた高温燃
焼ガス耐食性を有しており、さらにAl、希土類
元素、Ca、Mgを含有させたことにより熱間加工
性および高温靭性を一層向上させたものであり、
かつ本発明合金は大気溶解で製造が可能なもので
Ni基合金およびステライト合金の盛金に比べ格
段に安価に製造が可能な高温耐食性の優れた耐熱
合金で産業上寄与するところ極めて大である。
記熱処理を施したA〜J合金の機械的性質は第2
表から明らかなよう、その硬さはA〜J合金のい
ずれもHRC30〜33と所望の硬さを得ることがで
きた。高温強度については、従来合金であるA合
金がFe基合金であることから19Kg/mm2と低い値
となつているが、その他のC〜J合金は必要量の
Ni量と強化元素としてN、Al、Tiを含有してい
ることから24〜26Kg/mm2とNi基合金であるB合
金と同等の値を示し、なかでもG、J合金は高温
強度をさらに向上させる元素としてMo、Nb、
W、B等を含有させたことにより最も高くなつて
いる。また、高温耐食性については、A合金が
Fe基合金であることからS化合物を含む複合酸
化鉛腐食性については2.1g/dm2・hと優れて
いるが、酸化鉛腐食減量はNi含有量が低いこと
から26.5g/dm2・hと劣つている。B合金はA
合金がFe基合金であるのに対してNi基合金であ
ることから全く反対の傾向を示しており、酸化鉛
腐食減量が2.5g/dm2・hと優れているが、複
合酸化鉛腐食減量については85.3g/dm2・hと
大変劣つている。C合金についてはMn量が必要
量含有されてはいるが、多量のAl、Tiを含有し
ていることから酸化鉛および複合酸化鉛腐食減量
がともに大きく24.0g/dm2・h、66.5g/d
m2・hとともに劣つている。D合金については
Ni量およびN量については必要量含有されてい
るがMn量が3.80%と低いことから酸化鉛腐食減
量は2.1g/dm2・hと優れているが複合酸化鉛
腐食減量は85.0g/dm2・hと大変劣つている。
これらに対して本発明合金であるE〜J合金は必
要量のNi、Mn等を含有させたことにより酸化鉛
腐食減量については2.1〜3.5g/dm2・hとNi基
合金と同等の優れた耐食性を有し、さらに複合酸
化鉛耐食性についてはその腐食減量が1.9〜2.2
g/dm2・hとNi基合金に比べ格段に優れた高
温耐食性を示している。これからしても本発明合
金が高温強度および酸化鉛腐食性のみならずS化
合物および他の不純物を含む複合酸化鉛腐食性に
も優れ高温燃焼ガスに対する耐食性が非常に優れ
ていることがわかる。 つぎに第3図は本発明合金の熱間加工性につい
て示したもので、図中E、G、H、Jは前記第1
および第2表に示した合金と同一組成からなる第
1発明合金ないし第4発明合金である。高温ねじ
り試験に際しては50Kg鋼塊表層部から柱状晶に直
角な方向に切出し、平行部10φ×30mmの試片を用
いた。試験条件としては回転数25r.p.m、加熱温
度900℃、1000℃、1100℃、1200℃の各温度で15
分間保持した後、測定した。 試験結果は第3図から明らかなように、第3発
明および第4発明合金である0.0083%のCaおよび
0.030%の希土類元素を含有させたH合金、さら
に0.0064%のCaおよび0.027%の希土類元素を含
有させたJ合金は第1発明および第2発明合金で
あるE、G合金に比べ高い破断ねん回数を示して
いる。これからしてもCa、希土類元素を含有さ
せた第3発明および第4発明合金が熱間加工性に
ついても優れていることがわかる。 上述の如く、本発明合金は35.0〜65.0%のNi、
28.0〜35.0%のCr合金に、5.0〜15.0%のMnと0.10
〜0.60%のNを含有させ、かつ必要に応じてMo、
W、V、Nb、Bをさらに含有させたことにより、
Ni基合金と同等もしくはそれ以上の高温強度を
有するとともにNi基合金に比べて優れた高温燃
焼ガス耐食性を有しており、さらにAl、希土類
元素、Ca、Mgを含有させたことにより熱間加工
性および高温靭性を一層向上させたものであり、
かつ本発明合金は大気溶解で製造が可能なもので
Ni基合金およびステライト合金の盛金に比べ格
段に安価に製造が可能な高温耐食性の優れた耐熱
合金で産業上寄与するところ極めて大である。
第1図は複合酸化鉛耐食性におよぼずMnの影
響を示した線図、第2図は複合酸化鉛耐食性にお
よぼすN、Ti、Alの影響を示した線図、第3図
は本発明合金の各加熱温度における破断ねん回数
を示したものである。
響を示した線図、第2図は複合酸化鉛耐食性にお
よぼすN、Ti、Alの影響を示した線図、第3図
は本発明合金の各加熱温度における破断ねん回数
を示したものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比にしてC0.05〜0.15%、Si1.00%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr28.0〜35.0
%、N0.10〜0.60%を含有して残部Feならびに不
純物元素からなることを特徴とする高温耐食性の
優れた耐熱合金。 2 重量比にしてC0.05〜0.15%、Si1.00%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr28.0〜35.0
%、N0.10〜0.60%を含有し、さらにMo0.05〜
2.00%、W0.05〜2.00%、V0.05〜3.00%、Nb0.05
〜3.00%、B0.0005〜0.0100%のうち1種ないし
2種以上を含有し、残部Feならびに不純物元素
からなることを特徴とする高温耐食性の優れた耐
熱合金。 3 重量比にしてC0.05〜0.15%、Si1.00%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr28.0〜35.0
%、N0.10〜0.60%を含有し、さらにAl0.01〜
0.50%、希土類元素0.005〜0.100%、Ca0.0005〜
0.0200%、Mg0.0005〜0.0200%のうち1種ないし
2種以上を含有して残部Feならびに不純物元素
からなることを特徴とする高温耐食性の優れた耐
熱合金。 4 重量比にしてC0.05〜0.15%、Si1.00%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr28.0〜35.0
%、N0.10〜0.60%を含有し、さらにMo0.05〜
2.00%、W0.05〜2.00%、V0.05〜3.00%、Nb0.05
〜3.00%、B0.0005〜0.0100%のうち1種ないし
2種以上と、Al0.01〜0.50%、希土類元素0.005〜
0.100%、Ca0.0005〜0.0200%、Mg0.0005〜
0.0200%のうち1種ないし2種以上を含有し、残
部Feならびに不純物元素からなることを特徴と
する高温耐食性の優れた耐熱合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16067079A JPS5684445A (en) | 1979-12-10 | 1979-12-10 | Heat-resistant alloy having excellent corrosion resistance at high temperature |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16067079A JPS5684445A (en) | 1979-12-10 | 1979-12-10 | Heat-resistant alloy having excellent corrosion resistance at high temperature |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5684445A JPS5684445A (en) | 1981-07-09 |
JPS6346141B2 true JPS6346141B2 (ja) | 1988-09-13 |
Family
ID=15719937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16067079A Granted JPS5684445A (en) | 1979-12-10 | 1979-12-10 | Heat-resistant alloy having excellent corrosion resistance at high temperature |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5684445A (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60211028A (ja) * | 1984-04-03 | 1985-10-23 | Daido Steel Co Ltd | 排気バルブ用合金 |
JP2611871B2 (ja) * | 1990-11-26 | 1997-05-21 | 三菱自動車工業株式会社 | 弁用耐熱合金 |
AT408665B (de) * | 2000-09-14 | 2002-02-25 | Boehler Edelstahl Gmbh & Co Kg | Nickelbasislegierung für die hochtemperaturtechnik |
US9540714B2 (en) | 2013-03-15 | 2017-01-10 | Ut-Battelle, Llc | High strength alloys for high temperature service in liquid-salt cooled energy systems |
US9683280B2 (en) | 2014-01-10 | 2017-06-20 | Ut-Battelle, Llc | Intermediate strength alloys for high temperature service in liquid-salt cooled energy systems |
CN103938058B (zh) * | 2014-05-12 | 2016-06-08 | 盐城市鑫洋电热材料有限公司 | 一种镍铬铁系多元高电阻电热合金带材的制备方法 |
US9683279B2 (en) | 2014-05-15 | 2017-06-20 | Ut-Battelle, Llc | Intermediate strength alloys for high temperature service in liquid-salt cooled energy systems |
US9605565B2 (en) | 2014-06-18 | 2017-03-28 | Ut-Battelle, Llc | Low-cost Fe—Ni—Cr alloys for high temperature valve applications |
-
1979
- 1979-12-10 JP JP16067079A patent/JPS5684445A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5684445A (en) | 1981-07-09 |
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