JPH0230373B2 - - Google Patents
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- JPH0230373B2 JPH0230373B2 JP57069364A JP6936482A JPH0230373B2 JP H0230373 B2 JPH0230373 B2 JP H0230373B2 JP 57069364 A JP57069364 A JP 57069364A JP 6936482 A JP6936482 A JP 6936482A JP H0230373 B2 JPH0230373 B2 JP H0230373B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
本発明はガソリン機関、デイーゼル機関用排気
弁などの耐熱材料に用いられる、高温耐食性、高
温強度に優れ、かつ従来のNi基合金に比べ安価
な高温用合金に関するものである。ガソリン機
関、デイーゼル機関用の排気ガスにさらされ、し
かも800℃以上の高温下で高速運動するなど苛酷
な条件で使用される。高温の燃焼ガス中には
CO2、H2Oおよび残留O2等が存在し、これらによ
つて酸化作用を受け、特にアンチノツク剤として
ガソリン中に添加されている四エチル鉛又は四メ
チル鉛が燃焼して生成した酸化鉛、さらには燃料
中に不純物として含まれるS、Cl、Br、P等と
の反応生成物(PbSO4、PbBrCl、Pb3(PO4)2等)
によつて弁フエース部が激しく侵食される。 また、弁ばねの張力および弁自身の慣性力によ
り着座時に弁首部に大きな引張応力および曲げ応
力が作用する。 現在、欧米および日本においてガソリン、デイ
ーゼル機関用の排気弁用材料として最も多用され
ているものに21−4N鋼(Fe−21Cr−9Mn−4Ni
−0.5C−0.4N)がある。 しかし、最近の高性能機関においてはさらに高
出力あるいは高速化しつつあり、このような苛酷
な条件下では前記の21−4N鋼では高温耐食性や
高温強度が不足し、使用に耐え難い状況も出現
し、21−4N鋼より数段優れた高温耐食性および
高温強度を有する合金の開発が要望されている。
このような情勢に対して、近時排気弁にNi基合
金を使用したり、ステライト合金の盛金弁を使用
する傾向にある。しかしながらNi基合金は材料
が高価なため弁コストが高くなり、その上高負荷
機関ではSを含む高温燃焼ガスに対する耐食性が
不十分である。 また、ステライト合金の盛金弁は盛金作業が煩
雑であり、多くの人手を要するため弁コストが高
くなり、しかも高負荷機関では排気弁としての諸
性能も不十分である。 本発明はかかる従来鋼の欠点を解消するもので
発明者が種々研究を重ねた結果、Ni基合金のNi
の一部をMnで置換し、5.0〜15.0%のMnを含有
させたことによりS化合物を含む燃焼生成物によ
る耐食性を改善し、さらに高温での強度を向上さ
せる強化元素として0.5〜6.0%のNb、Taと1.7〜
4.0%のTiを含有させ、かつAl量を1.5%以下に低
減することにより、Ni基合金に比べ優れた高温
耐食性を有するとともに同等の高温強度を有する
ものであり、かつ格段に安価な高温耐食性合金で
ある。 また、本発明合金は弁製造に際してステライト
盛金のような複雑な工程を必要とせず、従来の21
−4N鋼排気弁と同様にアプセツト鍛造により製
造可能であるためステライト合金の盛金弁と比べ
てもより安価で、かつ優れた性能を有するもので
ある。 以上のように本発明合金は高温耐食性、高温耐
酸化性および高温強度において優れたもので、排
気弁のほか各種耐熱部品、耐熱工具用材、高温摺
動部材などに広く使用できるものである。 以下に本発明合金について詳述する。 第1発明合金は、重量比にして、C0.15%以下、
Si1.0%以下、Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、
Cr15.0〜35.0%、Ti1.7〜4.0%、Al1.5%以下と、
Nb0.5〜6.0%、Ta0.5〜6.0%のうち1種ないし2
種を含有したもので、第2発明合金は第1発明合
金にCa0.0005〜0.020%、Mg0.0005〜0.020%、希
土類元素0.005〜0.050%、B0.0005〜0.01%、
Y0.005〜0.10%のうち1種ないし2種以上を含有
し第1発明合金の高温強度、熱間加工性を一層向
上させたもので、第3発明合金は第1発明合金に
Mo0.3〜4.0%、V0.1〜3.0%のうち1種ないし2
種を含有し、第1発明合金の高温耐食性をあまり
劣化させることなく高温強度を向上させたもの
で、第4発明合金は第1発明合金にZr0.005〜
0.50%、Hf0.005〜0.50%のうち1種ないし2種
を含有し、第1発明合金の高温耐食性をあまり劣
化させることなく高温強度を向上させたもので、
第5発明合金は第2発明合金にMo0.34〜4.0%、
V0.1〜3.0のうち1種ないし2種を含有し第2発
明合金の高温強度をさらに向上させたもので第6
発明合金は第2発明合金にZr0.005〜0.50%
Hf0.005〜0.50%のうち1種ないし2種を含有し
第2発明合金の高温強度をさらに向上させたもの
である。 以下に本発明合金の成分限定理由について説明
する。 Cは一部地質に固溶してそれを強化するととも
に炭化物を形成し素地を強化する。炭化物による
素地強化は効果的ではあるが0.15%を越えると結
晶粒界に炭化物が析出し、熱間加工性を著しく害
するので上限を0.15%とした。Siは地質に固溶し
てそれを強化し、また高温耐酸化性を改善する
が、100%を越えると高温酸化鉛耐食性を害する
ので上限を100%とした。 Mnは高Ni合金のS化合物およびその他の不純
物を含む燃焼生成物による耐食性を著しく改善す
る。第1図は複合酸化鉛(燃焼生成物相当組成)
耐食性におよぼすMnの影響を示したものであり
これからしてMnが5.0%以上で著しく耐食性を改
善することが知られる。このためMnの下限を5.0
%とした。 また、Mnが15.0%を越えると融点のNi−Mn
共晶が生成し、熱間加工性が著しく困難となるた
め上限を15.0%とした。 Niは安定なオーステナイト組織を得、シグマ
相等の機械的性質を劣化させる有害な析出物の生
成を防止するために必要であり、複合酸化鉛耐食
性の向上、Ni3(Al、Ti)やNi3Nbによる析出硬
化等を果すために不可欠であり、したがつて、
Niの下限を35.0%とした。また、65.0%を越えて
含有させても効果の向上が小さく高価となるので
上限を65.0%とした。Crは複合酸化鉛耐食性向上
に不可欠であり、15.0%未満では不十分であるの
で下限を15.0%とした。また35.0%を越えて含有
させても効果の向上が小さく、シグマ相等の機械
的性質を劣化させる有害な析出物がでやすくなる
ので上限を35.0%とした。 Nb、TaはTi、Al等と同様に高温強度を向上
させる元素である。 第2図に示した複合酸化鉛耐食性におよぼす
Nb、Ta、Ti、Alの影響から知られるようにAl
が著しく耐食性を劣化させるのに対して、Nb、
Ta、Tiは劣化作用が小さいので、高温耐食性の
劣化を最小に保ち、高温強度を強化させるには最
適な元素である。またNb、TaはNbC、TaC型炭
化物を形成して材質を強化し、過剰のNb、Taは
Ni3Nb、Ti3Taを形成し、材質強化に寄与する。
上記の性能を発揮させるにはNb、Taを0.5%以
上含有させる必要があり、下限を0.5%とした。
また6.0%を越えて含有させると熱間加工が困難
となり、かつ高温耐食性も劣化するため上限を
6.0%とした。 TiはNi3(Al、Ti)を形成して、著しく高温強
度を向上する。第2図より明らかなようにTi高
温耐食性劣化作用はAlに比べて小さく高温強度
の強化元素として適している。必要な性能を発揮
させるには1.7%以上含有させる必要があり、下
限を1.7%とした。 また、4.0%を越えて含有させると熱間加工が
困難となり、かつ高温耐食性も劣化するためその
上限を4.0%とした。 AlはNi3(Al、Ti)を形成して、著しく高温強
度を向上するが、第2図より明らなように高温耐
食性の劣化作用が強く含有量を低く制限する必要
がある。Alの含有量が1.5%を越えると高温耐食
性の劣化が著しく、実用上支障をきたすため上限
を1.5%とした。 以上の各成分元素のほかに、0.5〜6.0%の
NbTa、1.7〜4.0%のTi、1.5%以下のAl含有のも
とに、0.0005〜0.020%のCa、0.0005〜0.020%の
Mg0.005〜0.050%の希土類元素、0.0005〜0.010
%のB0.005〜0.10%のYを単独あるいは2種以上
を複合して添加すれば高温耐食性をあまり劣化さ
せることなく高温強度を一層高めることができ、
かつ熱間加工性についても向上する。この場合、
各元素とも下限未満では効果が小さく、上限を越
えて含有した場合には高温耐食性あるいは熱間加
工性を劣化させる。 Mo、Vについては、Mo0.3〜4.0%、V0.1〜3.0
%を単独あるいは2種を複合して含有すれば、高
温耐食性をあまり劣化することなく高温強度を一
層高めることができる。この場合各元素とも下限
未満では効果が小さく、上限を越えて含有した場
合には高温耐食性、熱間加工性を劣化させる。 また、Mo0.3〜4.0%、V0.1〜3.0%単独あるい
は2種と、上記範囲内のCaMg、希土類元素、
B、Yの1種ないし2種以上を含有すれば、より
優れた高温強度を有する合金とすることができ
る。 Zr、Hfについては、Zr0.005〜0.50%、Hf0.005
〜0.50%を単独あるいは2種を含有すれば、高温
耐食性をあまり劣化することなく高温強度ならび
に熱間加工性を一層高めることができる。この場
合Zr、Hfとも下限未満では効果が小さく、上限
を越えて含有した場合には、それに見合つた効果
を期待できない。 また、Zr0.005〜0.50%、Hf0.005〜0.50%を1
種ないし2種と、上記範囲内のCa、Mg、希土類
元素、B、Yの1種ないし2種以上を含有すれば
高温強度ならびに熱間加工性をより高めることが
できる。 つぎに本発明合金の特徴を従来合金、比較合金
と比べて実施例でもつて明らかにする。 第1表は本発明合金、従来合金、比較合金の化
学成分を示すものである。
弁などの耐熱材料に用いられる、高温耐食性、高
温強度に優れ、かつ従来のNi基合金に比べ安価
な高温用合金に関するものである。ガソリン機
関、デイーゼル機関用の排気ガスにさらされ、し
かも800℃以上の高温下で高速運動するなど苛酷
な条件で使用される。高温の燃焼ガス中には
CO2、H2Oおよび残留O2等が存在し、これらによ
つて酸化作用を受け、特にアンチノツク剤として
ガソリン中に添加されている四エチル鉛又は四メ
チル鉛が燃焼して生成した酸化鉛、さらには燃料
中に不純物として含まれるS、Cl、Br、P等と
の反応生成物(PbSO4、PbBrCl、Pb3(PO4)2等)
によつて弁フエース部が激しく侵食される。 また、弁ばねの張力および弁自身の慣性力によ
り着座時に弁首部に大きな引張応力および曲げ応
力が作用する。 現在、欧米および日本においてガソリン、デイ
ーゼル機関用の排気弁用材料として最も多用され
ているものに21−4N鋼(Fe−21Cr−9Mn−4Ni
−0.5C−0.4N)がある。 しかし、最近の高性能機関においてはさらに高
出力あるいは高速化しつつあり、このような苛酷
な条件下では前記の21−4N鋼では高温耐食性や
高温強度が不足し、使用に耐え難い状況も出現
し、21−4N鋼より数段優れた高温耐食性および
高温強度を有する合金の開発が要望されている。
このような情勢に対して、近時排気弁にNi基合
金を使用したり、ステライト合金の盛金弁を使用
する傾向にある。しかしながらNi基合金は材料
が高価なため弁コストが高くなり、その上高負荷
機関ではSを含む高温燃焼ガスに対する耐食性が
不十分である。 また、ステライト合金の盛金弁は盛金作業が煩
雑であり、多くの人手を要するため弁コストが高
くなり、しかも高負荷機関では排気弁としての諸
性能も不十分である。 本発明はかかる従来鋼の欠点を解消するもので
発明者が種々研究を重ねた結果、Ni基合金のNi
の一部をMnで置換し、5.0〜15.0%のMnを含有
させたことによりS化合物を含む燃焼生成物によ
る耐食性を改善し、さらに高温での強度を向上さ
せる強化元素として0.5〜6.0%のNb、Taと1.7〜
4.0%のTiを含有させ、かつAl量を1.5%以下に低
減することにより、Ni基合金に比べ優れた高温
耐食性を有するとともに同等の高温強度を有する
ものであり、かつ格段に安価な高温耐食性合金で
ある。 また、本発明合金は弁製造に際してステライト
盛金のような複雑な工程を必要とせず、従来の21
−4N鋼排気弁と同様にアプセツト鍛造により製
造可能であるためステライト合金の盛金弁と比べ
てもより安価で、かつ優れた性能を有するもので
ある。 以上のように本発明合金は高温耐食性、高温耐
酸化性および高温強度において優れたもので、排
気弁のほか各種耐熱部品、耐熱工具用材、高温摺
動部材などに広く使用できるものである。 以下に本発明合金について詳述する。 第1発明合金は、重量比にして、C0.15%以下、
Si1.0%以下、Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、
Cr15.0〜35.0%、Ti1.7〜4.0%、Al1.5%以下と、
Nb0.5〜6.0%、Ta0.5〜6.0%のうち1種ないし2
種を含有したもので、第2発明合金は第1発明合
金にCa0.0005〜0.020%、Mg0.0005〜0.020%、希
土類元素0.005〜0.050%、B0.0005〜0.01%、
Y0.005〜0.10%のうち1種ないし2種以上を含有
し第1発明合金の高温強度、熱間加工性を一層向
上させたもので、第3発明合金は第1発明合金に
Mo0.3〜4.0%、V0.1〜3.0%のうち1種ないし2
種を含有し、第1発明合金の高温耐食性をあまり
劣化させることなく高温強度を向上させたもの
で、第4発明合金は第1発明合金にZr0.005〜
0.50%、Hf0.005〜0.50%のうち1種ないし2種
を含有し、第1発明合金の高温耐食性をあまり劣
化させることなく高温強度を向上させたもので、
第5発明合金は第2発明合金にMo0.34〜4.0%、
V0.1〜3.0のうち1種ないし2種を含有し第2発
明合金の高温強度をさらに向上させたもので第6
発明合金は第2発明合金にZr0.005〜0.50%
Hf0.005〜0.50%のうち1種ないし2種を含有し
第2発明合金の高温強度をさらに向上させたもの
である。 以下に本発明合金の成分限定理由について説明
する。 Cは一部地質に固溶してそれを強化するととも
に炭化物を形成し素地を強化する。炭化物による
素地強化は効果的ではあるが0.15%を越えると結
晶粒界に炭化物が析出し、熱間加工性を著しく害
するので上限を0.15%とした。Siは地質に固溶し
てそれを強化し、また高温耐酸化性を改善する
が、100%を越えると高温酸化鉛耐食性を害する
ので上限を100%とした。 Mnは高Ni合金のS化合物およびその他の不純
物を含む燃焼生成物による耐食性を著しく改善す
る。第1図は複合酸化鉛(燃焼生成物相当組成)
耐食性におよぼすMnの影響を示したものであり
これからしてMnが5.0%以上で著しく耐食性を改
善することが知られる。このためMnの下限を5.0
%とした。 また、Mnが15.0%を越えると融点のNi−Mn
共晶が生成し、熱間加工性が著しく困難となるた
め上限を15.0%とした。 Niは安定なオーステナイト組織を得、シグマ
相等の機械的性質を劣化させる有害な析出物の生
成を防止するために必要であり、複合酸化鉛耐食
性の向上、Ni3(Al、Ti)やNi3Nbによる析出硬
化等を果すために不可欠であり、したがつて、
Niの下限を35.0%とした。また、65.0%を越えて
含有させても効果の向上が小さく高価となるので
上限を65.0%とした。Crは複合酸化鉛耐食性向上
に不可欠であり、15.0%未満では不十分であるの
で下限を15.0%とした。また35.0%を越えて含有
させても効果の向上が小さく、シグマ相等の機械
的性質を劣化させる有害な析出物がでやすくなる
ので上限を35.0%とした。 Nb、TaはTi、Al等と同様に高温強度を向上
させる元素である。 第2図に示した複合酸化鉛耐食性におよぼす
Nb、Ta、Ti、Alの影響から知られるようにAl
が著しく耐食性を劣化させるのに対して、Nb、
Ta、Tiは劣化作用が小さいので、高温耐食性の
劣化を最小に保ち、高温強度を強化させるには最
適な元素である。またNb、TaはNbC、TaC型炭
化物を形成して材質を強化し、過剰のNb、Taは
Ni3Nb、Ti3Taを形成し、材質強化に寄与する。
上記の性能を発揮させるにはNb、Taを0.5%以
上含有させる必要があり、下限を0.5%とした。
また6.0%を越えて含有させると熱間加工が困難
となり、かつ高温耐食性も劣化するため上限を
6.0%とした。 TiはNi3(Al、Ti)を形成して、著しく高温強
度を向上する。第2図より明らかなようにTi高
温耐食性劣化作用はAlに比べて小さく高温強度
の強化元素として適している。必要な性能を発揮
させるには1.7%以上含有させる必要があり、下
限を1.7%とした。 また、4.0%を越えて含有させると熱間加工が
困難となり、かつ高温耐食性も劣化するためその
上限を4.0%とした。 AlはNi3(Al、Ti)を形成して、著しく高温強
度を向上するが、第2図より明らなように高温耐
食性の劣化作用が強く含有量を低く制限する必要
がある。Alの含有量が1.5%を越えると高温耐食
性の劣化が著しく、実用上支障をきたすため上限
を1.5%とした。 以上の各成分元素のほかに、0.5〜6.0%の
NbTa、1.7〜4.0%のTi、1.5%以下のAl含有のも
とに、0.0005〜0.020%のCa、0.0005〜0.020%の
Mg0.005〜0.050%の希土類元素、0.0005〜0.010
%のB0.005〜0.10%のYを単独あるいは2種以上
を複合して添加すれば高温耐食性をあまり劣化さ
せることなく高温強度を一層高めることができ、
かつ熱間加工性についても向上する。この場合、
各元素とも下限未満では効果が小さく、上限を越
えて含有した場合には高温耐食性あるいは熱間加
工性を劣化させる。 Mo、Vについては、Mo0.3〜4.0%、V0.1〜3.0
%を単独あるいは2種を複合して含有すれば、高
温耐食性をあまり劣化することなく高温強度を一
層高めることができる。この場合各元素とも下限
未満では効果が小さく、上限を越えて含有した場
合には高温耐食性、熱間加工性を劣化させる。 また、Mo0.3〜4.0%、V0.1〜3.0%単独あるい
は2種と、上記範囲内のCaMg、希土類元素、
B、Yの1種ないし2種以上を含有すれば、より
優れた高温強度を有する合金とすることができ
る。 Zr、Hfについては、Zr0.005〜0.50%、Hf0.005
〜0.50%を単独あるいは2種を含有すれば、高温
耐食性をあまり劣化することなく高温強度ならび
に熱間加工性を一層高めることができる。この場
合Zr、Hfとも下限未満では効果が小さく、上限
を越えて含有した場合には、それに見合つた効果
を期待できない。 また、Zr0.005〜0.50%、Hf0.005〜0.50%を1
種ないし2種と、上記範囲内のCa、Mg、希土類
元素、B、Yの1種ないし2種以上を含有すれば
高温強度ならびに熱間加工性をより高めることが
できる。 つぎに本発明合金の特徴を従来合金、比較合金
と比べて実施例でもつて明らかにする。 第1表は本発明合金、従来合金、比較合金の化
学成分を示すものである。
【表】
【表】
第1表においてA合金は73%Ni−15%Cr−3
%Ti−1%Nb−1%Alからなる従来のNi基合金
で、B、C合金は比較合金で、D〜Q合金は本発
明合金で、D〜F合金は第1発明合金、G、H合
金は第2発明合金、J、K合金は第3発明合金、
L合金は第4発明合金、M、N合金は第5発明合
金、P、Q合金は第6発明合金である。第2表は
第1表のA〜Q合金を鍛造後、1050℃×1/2h
固溶化加熱後水冷し、ついで750℃×4h時効処理
し、960℃の酸化鉛または900℃の溶融複合酸化鉛
中で1時間浸漬した場合の腐食減量を示し、高温
引張り強さについては、前記処理を施した平行部
10φ×50mmの試片を用いて測定した。
%Ti−1%Nb−1%Alからなる従来のNi基合金
で、B、C合金は比較合金で、D〜Q合金は本発
明合金で、D〜F合金は第1発明合金、G、H合
金は第2発明合金、J、K合金は第3発明合金、
L合金は第4発明合金、M、N合金は第5発明合
金、P、Q合金は第6発明合金である。第2表は
第1表のA〜Q合金を鍛造後、1050℃×1/2h
固溶化加熱後水冷し、ついで750℃×4h時効処理
し、960℃の酸化鉛または900℃の溶融複合酸化鉛
中で1時間浸漬した場合の腐食減量を示し、高温
引張り強さについては、前記処理を施した平行部
10φ×50mmの試片を用いて測定した。
【表】
【表】
ガソリン機関用排気弁の使用条件に合わせて前
記熱処理を施したA〜Q合金の機械的性質は、第
2表から明らかなように、その硬さがA〜Q合金
のいずれもHRC30〜38と所望の硬さを得ること
ができ、900℃という高温での引張強さについて
は従来合金であるA合金、比較合金であるB、C
合金、本発明合金であるD〜Q合金はともに強化
元素であるNb、Ti、Alなどを含有することによ
りA合金は33Kg/mm2、B、C合金は20〜35Kg/mm2
であり、本発明合金であるD〜Q合金については
31〜39Kg/mm2と従来のNi基合金より高い値を示
している。 そして、高温耐食性について、従来合金である
A合金の酸化鉛腐食減量については2.0g/d
m2・hと優れているが、複合酸化鉛耐食性につい
てはMnを含有させず2.3%のTiと0.8%のAlを含
有させたことにより腐食減量が88.4g/dm2・h
と大変劣つており、Ni基合金がS化合物および
その他の不純物を含む高温燃焼ガスに対する耐食
性が不十分であることがわかる。 また、比較合金であるB合金は従来合金Aと同
様に酸化鉛耐食性については良好であるが、Mn
含有量が3.27%と本発明合金と比べ低いため複合
酸化鉛耐食性についてはその腐食減量が86.7g/
dm2・hと大きく、不十分であることがわかる。 さらに比較合金であるC合金はNbを含有せず
2.4%のTiと1.8%のAlを含有したことから酸化鉛
耐食性および複合酸化鉛耐食性ともに不十分であ
る。これに対して本発明合金であるD〜Q合金は
必要量のMnを含有させたことにより酸化鉛腐食
減量については2.3〜6.8g/dm2hと従来合金A
と同等の耐食性を有し、さらに複合酸化鉛耐食性
についてはその腐食減量が11.8〜24.3g/dm2.
hと従来合金Aに比べ格段に優れた高温耐食性を
示しており、これからしても本発明合金がS化合
物および他の不純物を含む高温燃焼ガスに対する
耐食性が優れていることがわかる。 上述のように、本発明合金は35.0〜65.0%の
Ni、15.0〜35.0%のCrを含む合金に、5.0〜15.0%
のMnと、0.5〜6.0%のNb、Ta、1.7〜4.0%の
Ti、1.5%以下のAlを含有させ、かつ必要に応じ
てCa、Mg、希土類元素B、Yのうち1種ないし
2種以上と、Mo、Vのうち1種ないし2種と、
Zr、Hfのうち1種ないし2種を含有させたこと
により、Ni基合金と同等またはそれ以上の高温
強度を有すとともにNi基合金に比べて優れた高
温燃焼ガス耐食性を有しており、Ni基合金およ
びステライト合金の盛金弁に比べ格段に安価に製
造が可能な高温耐食性合金で産業上寄与するとこ
ろは極めて大である。
記熱処理を施したA〜Q合金の機械的性質は、第
2表から明らかなように、その硬さがA〜Q合金
のいずれもHRC30〜38と所望の硬さを得ること
ができ、900℃という高温での引張強さについて
は従来合金であるA合金、比較合金であるB、C
合金、本発明合金であるD〜Q合金はともに強化
元素であるNb、Ti、Alなどを含有することによ
りA合金は33Kg/mm2、B、C合金は20〜35Kg/mm2
であり、本発明合金であるD〜Q合金については
31〜39Kg/mm2と従来のNi基合金より高い値を示
している。 そして、高温耐食性について、従来合金である
A合金の酸化鉛腐食減量については2.0g/d
m2・hと優れているが、複合酸化鉛耐食性につい
てはMnを含有させず2.3%のTiと0.8%のAlを含
有させたことにより腐食減量が88.4g/dm2・h
と大変劣つており、Ni基合金がS化合物および
その他の不純物を含む高温燃焼ガスに対する耐食
性が不十分であることがわかる。 また、比較合金であるB合金は従来合金Aと同
様に酸化鉛耐食性については良好であるが、Mn
含有量が3.27%と本発明合金と比べ低いため複合
酸化鉛耐食性についてはその腐食減量が86.7g/
dm2・hと大きく、不十分であることがわかる。 さらに比較合金であるC合金はNbを含有せず
2.4%のTiと1.8%のAlを含有したことから酸化鉛
耐食性および複合酸化鉛耐食性ともに不十分であ
る。これに対して本発明合金であるD〜Q合金は
必要量のMnを含有させたことにより酸化鉛腐食
減量については2.3〜6.8g/dm2hと従来合金A
と同等の耐食性を有し、さらに複合酸化鉛耐食性
についてはその腐食減量が11.8〜24.3g/dm2.
hと従来合金Aに比べ格段に優れた高温耐食性を
示しており、これからしても本発明合金がS化合
物および他の不純物を含む高温燃焼ガスに対する
耐食性が優れていることがわかる。 上述のように、本発明合金は35.0〜65.0%の
Ni、15.0〜35.0%のCrを含む合金に、5.0〜15.0%
のMnと、0.5〜6.0%のNb、Ta、1.7〜4.0%の
Ti、1.5%以下のAlを含有させ、かつ必要に応じ
てCa、Mg、希土類元素B、Yのうち1種ないし
2種以上と、Mo、Vのうち1種ないし2種と、
Zr、Hfのうち1種ないし2種を含有させたこと
により、Ni基合金と同等またはそれ以上の高温
強度を有すとともにNi基合金に比べて優れた高
温燃焼ガス耐食性を有しており、Ni基合金およ
びステライト合金の盛金弁に比べ格段に安価に製
造が可能な高温耐食性合金で産業上寄与するとこ
ろは極めて大である。
第1図は複合酸化鉛耐食性におよぼすMnの影
響を示した線図、第2図は複合酸化鉛耐食性にお
よぼすNb、Ta、Alの影響を示した線図である。
響を示した線図、第2図は複合酸化鉛耐食性にお
よぼすNb、Ta、Alの影響を示した線図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比にして、C0.15%以下、Si1.0%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr15.0〜35.0
%、Ti1.7〜4.0%、Al1.5%以下と、Nb0.5〜6.0
%、Ta0.5〜6.0%のうち1種ないし2種を含有し
て残部Feならびに不純物元素からなることを特
徴とする高温耐食性合金。 2 重量比にして、C0.15%以下、Si1.0%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr15.0〜35.0
%、Ti1.7〜4.0%、Al1.5%以下と、Nb0.5〜6.0
%、Ta0.5〜6.0%のうち1種ないし2種を含有し
て、さらにCa0.0005〜0.020%、Mg0.0005〜0.020
%、希土類元素0.005〜0.050%、B0.0005〜0.010
%、Y0.005〜0.100%のうち1種ないし2種以上
を含有し残部Feならびに不純物元素からなるこ
とを特徴とする高温耐食性合金。 3 重量比にして、C0.15%以下、Si1.0%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr15.0〜35.0
%、Ti1.7〜4.0%、Al1.5%以下と、Nb0.5〜6.0
%、Ta0.5〜6.0%のうち1種ないし2種を含有し
て、さらにMo0.3〜4.0%、V0.1〜3.0%のうち1
種ないし2種を含有し残部Feならびに不純物元
素からなることを特徴とする高温耐食性合金。 4 重量比にして、C0.15%以下、Si1.0%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr15.0〜35.0
%、Ti1.7〜4.0%、Al1.5%以下と、Nb0.5〜6.0
%、Ta0.5〜6.0%のうち1種ないし2種を含有し
て、さらにZr0.005〜0.50%、Hf0.005〜0.50%の
うち1種ないし2種含有し残部Feならびに不純
物元素からなることを特徴とする高温耐食性合
金。 5 重量比にして、C0.15%以下、Si1.0%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr15.0〜35.0
%、Ti1.7〜4.0%、Al1.5%以下と、Nb0.5〜6.0
%、Ta0.5〜6.0%のうち1種ないし2種を含有し
て、さらにCa0.0005〜0.020%、Mg0.0005〜0.020
%、希土類元素0.005〜0.050%、B0.0005〜0.010
%、Y0.005〜0.100%のうち1種ないし2種以上
と、Mo0.3〜4.0%、V0.1〜3.0%のうち1種ない
し2種を含有して残部Feならびに不純物元素か
らなることを特徴とする高温耐食性合金。 6 重量比にして、C0.15%以下、Si1.0%以下、
Mn5.0〜15.0%、Ni35.0〜65.0%、Cr15.0〜35.0
%、Ti1.7〜4.0%、Al1.5%以下と、Nb0.5〜6.0
%、Ta0.5〜6.0%のうち1種ないし2種を含有し
て、さらにCa0.0005〜0.020%、Mg0.0005〜0.020
%、希土類元素0.005〜0.050%、B0.0005〜0.010
%、Y0.005〜0.100%のうち1種ないし2種以上
と、Zr0.005〜0.50%、Hf0.005〜0.50%のうち1
種ないし2種を含有し残部Feならびに不純物元
素からなることを特徴とする高温耐食性合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6936482A JPS58185741A (ja) | 1982-04-23 | 1982-04-23 | 高温耐食性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6936482A JPS58185741A (ja) | 1982-04-23 | 1982-04-23 | 高温耐食性合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58185741A JPS58185741A (ja) | 1983-10-29 |
JPH0230373B2 true JPH0230373B2 (ja) | 1990-07-05 |
Family
ID=13400422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6936482A Granted JPS58185741A (ja) | 1982-04-23 | 1982-04-23 | 高温耐食性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58185741A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60211028A (ja) * | 1984-04-03 | 1985-10-23 | Daido Steel Co Ltd | 排気バルブ用合金 |
JPH0624091B2 (ja) * | 1984-06-20 | 1994-03-30 | 株式会社東芝 | 酸化物陰極構体 |
JPH01259140A (ja) * | 1988-04-20 | 1989-10-16 | Hitachi Metals Ltd | 排気弁用Ni基合金 |
JPH09279309A (ja) * | 1996-04-12 | 1997-10-28 | Daido Steel Co Ltd | Fe−Cr−Ni系耐熱合金 |
CN109735757A (zh) * | 2019-01-18 | 2019-05-10 | 株洲金佰利硬质合金有限公司 | 一种烧结硬质合金用舟皿接触材料 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50117625A (ja) * | 1974-03-01 | 1975-09-13 | ||
JPS55148749A (en) * | 1979-05-04 | 1980-11-19 | Aichi Steel Works Ltd | High temperature corrosion resistant alloy |
JPS55152158A (en) * | 1979-05-17 | 1980-11-27 | Daido Steel Co Ltd | Free-cutting steel excellent in cold forging property |
-
1982
- 1982-04-23 JP JP6936482A patent/JPS58185741A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50117625A (ja) * | 1974-03-01 | 1975-09-13 | ||
JPS55148749A (en) * | 1979-05-04 | 1980-11-19 | Aichi Steel Works Ltd | High temperature corrosion resistant alloy |
JPS55152158A (en) * | 1979-05-17 | 1980-11-27 | Daido Steel Co Ltd | Free-cutting steel excellent in cold forging property |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58185741A (ja) | 1983-10-29 |
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