JPH0514781B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用野） 本発明はスパークプラグ用のNi合金電極材の
改良に関するもので。耐酸化性を劣化することな
く、冷間加工性を改良することを目的とするもの
である。 （従来の技術） 従来、点火プラグ電極用ニツケル合金として酸
化消耗、火花消耗が少なく、PbOに代表される燃
焼残渣物による侵蝕の少ない性能が要求されてい
るが近年では点火プラグの使用範囲の拡大、いわ
ゆるワイドレンジ化に伴つて芯部にAg、Cuなど
の熱伝導性良好な材料を封入し、外周部に耐蝕性
の良いNi合金を使つた中心電極が一般的に用い
られている。この場合複合電極製造のためNi合
金の冷間加工性の良好であることが要求される。
多くの場合90重量％以上Niを含んだ合金であつ
たが高温耐蝕性の要求からNi−Cr−Fe合金（商
標名インコネル600）の使用が必要になつてきた、
しかしこれら従来のインコネル材料は冷間加工製
が劣り、中心電極成形時の材料の焼鈍回数の増
加、治工具寿命の低下などトータルコストの上昇
を招来した。そこで冷間加工性の改良のため出願
人は特開昭61−163228号にてＣ；0.01重量％以下
の提案を行つたが結果的に従来材料に比し耐酸化
性において若干の劣化がみとめられた。（以下％
は重量％を示す。） （発明が解決しようとする課題） 本発明は上記先願材に比べ冷間加工製を劣化さ
せることなく耐酸化性を改善したものである。 （課題を解決するための手段） すなわち上記Ｃ；0.01％以下のNCF600（インコ
ネル600）に対して耐酸化性を改良するためAlを
0.05〜1.0％の範囲で添加したものである。 （実施例） Alの添加量を種々に代えて作製した試作材の
性能を第１表に示す。900℃×10Hr酸化処理によ
る耐高温酸化性テストと冷間加工率に対する硬さ
の変化によつて加工硬化性評価テストを行つた。
後者の結果は第１図によつて示される。

【表】 冷間加工性Ａ良、Ｂは試料Ａと同等、ＣはＡよ
り悪い。耐酸化性は900℃×10Hr酸化処理後の酸
化膜の厚さμで表示した。 （作用及び効果） 第１表によつてAl添加による耐酸化性改良効
果は0.05％添加材からみとめられる。Al；0.5％
以上の添加は冷間加工性を低下させることから点
火プラグの中心電極用には0.05〜0.5％が適用範
囲である。外側電極材の特性としては中心電極材
ほど冷間加工性は要求されない。しかるに1.0％
以上のAl添加は主体金具との溶接作業性劣化を
招きAl添加範囲の上限は1.0％が望ましい。 また、Crの添加する理由は高温における耐食
性の向上に寄与し、その添加量は14％より効果を
発揮し、Cr添加量が多いほどよくなるが、高Cr
化は合金の硬度を直線的に増大させて加工性が低
下するため、Cr添加量は14〜17％とする。 FeはCrと同じように耐食性を向上させ、その
添加量は６％より効果が始まり、添加量が多いほ
ど耐食性が向上するが、添加量が多くなると加工
性が低下するので、Fe添加量は６〜10％とする。 Mnは合金の安定化に有効なものであるが。２
％以上になると加工性が悪くなるため、1.0％以
下に限定する。 Siは合金の耐酸化性の向上に有効であるが。
0.7％以上はMn添加と同様に有効であるが。0.7
％以上はMn添加と同様に加工性を悪化させるた
め、その添加量を0.50％以下に制限する。 Ｃは添加量を0.01％以下とすることにより、電
極を構成する材料の冷間加工性及び電極抵抗溶接
における接合強度及び作業性などの溶接性を向上
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷間加工率に体する硬さの変化をHv
で示すグラフである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Cr；14〜17重量％、Fe；６〜10重量％、
   Si；0.50重量％以下、Mn；1.0重量％以下、Ｃ；
   0.01重量％以下、Al；0.05〜1.0重量％、残部Ni
   及び不可避不純物よりなるスパークプラグ用電極
   材料。 ２ 中心電極材料としてはAlを0.05〜0.5重量％
   とした特許請求の範囲第１項記載のスパークプラ
   グ用電極材料。 ３ 外側電極用としてはAlを0.1〜1.0重量％とし
   た特許請求の範囲第１項記載のスパークプラグ用
   電極材料。