JPS6343916B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は電子機器の筐体装置に係り、例えばオ
ーデイオ機器の外筐体の組立構成に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

従来のこの種オーデイオ機器の外筐体の構成は
第１図に示すように断面逆Ｕ字状のボンネツト１
に背面パネル２、アングル材等にて枠状に構成し
たシヤーシ３、バツク板４、前面パネル５および
底板６などをそれぞれ各面において主としてねじ
７を締付け螺合して筐体を組立てる構成が採られ
ている。

しかしながらこれらの方法によつて筐体を組立
ると、各部品の製造寸法のばらつき、組立誤差に
よるばらつき、作業者の組立上のばらつき等に起
因して起こる種々の組立上の問題と、ねじによる
締付け方向が各部品によつて相違し、左右上下と
全方向から対応しなければならず、作業上の煩わ
しさと、ねじによる締付け個所が多いため作業工
数が多くかかること、さらには全体構造を完成さ
せるためにはシヤーシ３にバツク板４、前面パネ
ル５、背面パネル２、底板６、ボンネツト１など
の順に従つて組立作業が行われるのでねじの締付
け方向、部品の取付け方向に一定性がないため、
組立上の合理化、ねじ締付けの自動化などの障害
となつていた。

〔発明の目的〕

本発明は上記欠点に鑑みなされたもので、筐体
の構成としては前面パネル、背面パネル、左右側
板、天板および底板にて形成し、筐体としての強
度を保持して堅牢かつ確実な筐体を組立ることが
でき、ねじ締付け方向を一方向としてねじの締付
け操作が容易で、ばらつきがなく、均一に組立る
ことのできる電子機器の筐体装置を提供するもの
である。

〔発明の概要〕

本発明の構成は前面パネル１０と、この前面パ
ネル６の両端に前端係止片１１がそれぞれ嵌合係
止される一対の側板１２，１３と、この側板１
２，１３に配設され前端係合縁が前記前面パネル
１０の上縁および下縁に沿つてそれぞれ嵌合保持
される天板１４および底板１５と、前記一対の両
側板１２，１３の後端部に嵌合される背面パネル
１６とからなり、前記背面パネル１６の外面に天
板１４、底板１５および側板１２，１３とをねじ
１７にて締付け固着してなるものである。

〔発明の実施例〕

本発明の一実施例の構成を図面について説明す
る。

１０は合成樹脂にて成形された前面パネルで、
各種スイツチ１８、表示用照明ユニツト１９、プ
リント配線基板２０などが取付けられている。こ
の前面パネル１０は内面両端部に係止枠片２１が
端縁部２２との間に挿入間隙２３を保持して突出
され、この係止枠片２１には係止孔２４が形成さ
れている。またこの前面パネル１０の内面には上
下縁部２５との間に挿入間隙２６を保持して抑え
片２７，２８が設けられている。

次に１２，１３は一対の合成樹脂にて形成され
た側板で、偏平函状に形成され前面開口部には内
面から前方に向つて前記前面パネル１０の係止枠
片２１にて形成された挿入間隙２３に挿入される
係止片１１が突設され、この係止片１１の内面に
前記係止枠片２１の係止孔２４に係止される弾性
係止爪２９が形成され、この係止爪２９は前面部
は後方に向つて拡開する係合案内面３０に形成さ
れ、後面部は係止片１１の内面から直交状に突出
された係止面３１に形成されている。さらにこの
側板１２，１３の上下面部の外面には係合段縁３
２が前後方向に形成されている。

さらにこの側板１２，１３の後端部内面には背
面パネル嵌合部３３が形成されている。またこの
側板１２，１３の後面部３４の上下部からそれぞ
れ固着片３５，３５が延出されている。

そしてこの側板１２，１３の内面に電気部が取
付けられるようになつている。

次に１６は金属板にて成形された背面パネル
で、両端部は前記側板１２，１３の嵌合部３３に
嵌合され前記固着片３５，３５が背面パネル１６
の外面に当接されるようになつている。そして背
面パネル１６の両端部には切起こしによる圧接片
３６が形成され、この圧接片３６によつて側板１
２，１３の嵌合部３３と背面パネル１６の端部と
の嵌合にがたつきが阻止される。またこの背面パ
ネル１６の内面にはトランス３７或いはプリント
基板３８と一体化したトランジスタを配線固定し
た放熱器などの電気部品を取付ける。そしてこの
背面パネル１６はトランス３７などの重量物を取
付けることにより垂直に保持されるようになつて
いる。

また天板１４は金属板にて成形され、周縁には
縁部３９が内面側に向つて折曲形成され、この天
板１４の前側縁部３９の下縁から前方に向つて前
記前面パネル１０の上側抑え片２７にて形成され
た挿入間隙２６に挿入される係合縁３９ａが折曲
形成されている。またこの天板１４の後側縁部３
９の両側下縁には前記側板１２，１３の固着片３
５，２５に重合される固着片４０，４０が延出さ
れている。

また底板１５は金属板にて成形され周縁には縁
部４１が内面側に向つて折曲形成され、底板１５
の前側縁部４１の上縁から前方に向つて前記前面
パネル１０の下側抑え片２８にて形成された挿入
間隙２６に挿入される係合縁４２が折曲形成され
ている。またこの底板１５の後側縁部４１の両側
上縁には前記側板１２，１３の固着片３５，３５
に重合される固着片４３，４３が延出されてい
る。

そして前記側板１２，１３の固着片３５，３
５、天板１４の固着片４０，４０および底板１５
の固着片４３，４３にはねじ挿通孔４４，４５，
４６がそれぞれ形成されている。

次にこの実施例の組立方法について説明する。

電気部品を予め取付けた背面パネル１６の両端
に予め電気部品を取付けた側板１２，１３の嵌合
部３３，３３を嵌合し、圧接片３６にて緊密に嵌
合した状態で固着片３５，３５を背面パネル１６
の外面に当接してコ字状の枠組とする。次いで側
板１２，１３の前端係止片１１，１１を前面パネ
ル１０の係止枠片２１に形成した挿入間隙２３に
嵌挿し、係止枠片２１の係止孔２４に係止爪２９
を弾力的に係止する。

前面パネル１０にはスイツチ１８、表示用照明
ユニツト１９、プリント配線基板２０などを予め
組込み、この前面パネル１０、側板１２，１３お
よび背面パネル１６とにて構成される矩形枠状の
枠組の段階で各電気部品をコネクタなどにて電気
的に結線することにより電気的接続作業を終了す
る。

次いで天板１４、底板１５の各前側の前側係合
縁３９ａ，４２を前面パネル１０の抑え片２７，
２８にて形成される挿入間隙２６，２６に挿入し
て天板１４、底板１５の両側を側板１２，１３の
係合段縁３２に係合し、天板１４、底板１５の固
着片４０，４３を背面パネル１６の外面に当接さ
れている側板１２，１３の固着片３５，３５に重
合する。

次いで固着片４３，４０と固着片３５，３５の
ねじ挿通孔４６，４５からねじ１７を挿入し背面
パネル１６に螺着することにより筐体４７が組立
てられる。そして背面パネル１６に仮固定されて
いる入出力端子などの電気部品を背面から締付
け、組立が完了する。

なお前記実施例では前面パネル１０の抑え片２
７，２８を一体に形成したが複数に分割して形成
してもよく、また天板１４、底板１５の係合縁３
９ａ，４２も連続または間欠的に形成してもよ
い。

〔発明の効果〕

本発明によれば前面パネル、背面パネル、天板
および底板とからなり、背面パネルの外面に天
板、底板および側板をねじで締着固定したのでね
じの締付け方向を背面パネルの外面の一面に集中
させることができ、背面パネル、側板、天板およ
び底板をそれぞれ各面からねじの締付け作業を行
う必要がなく、ねじ締めの自動化が容易にでき、
また前面パネルと側板、天板および底板は嵌着係
合によるため、ねじ締付け工程が簡略化でき、組
立作業性が向上され、各組立作業に伴う製品のば
らつきがなく、均一な品質の筐体が得られ、しか
も筐体として強度を得るために必要な最小限度の
ねじの使用数によつて堅牢且つ確実な筐体を容易
に組立てることができる。

また前面パネルと側板とは前面パネルに設けた
係止枠片の係止孔に側板の係止片に形成した係止
爪を係止することにより嵌合係止されるようにす
ることにより前面パネルも確実にかつ簡単に組立
てることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の筐体の分解斜視図、第２図は本
発明の一実施例を示す筐体装置の分解斜視図、第
３図は同上組立状態を示す斜視図、第４図は同上
組立途中工程を示す平面図である。 １０…前面パネル、１１…係止片、１２，１３
…側板、１４…天板、１５…底板、１６…背面パ
ネル、１７…ねじ、２１…係止枠片、２４…係止
孔、２９…係止爪。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前面パネルと、この前面パネルの両端に前端
   係止片がそれぞれ嵌合係止される一対の側板と、
   この側板間に配置され前端係合縁が前記前面パネ
   ルの上縁および下縁に沿つてそれぞれ嵌合保持さ
   れる天板および底板と、前記一対の両側板の後端
   部に嵌合される背面パネルとからなり、前記背面
   パネルの外面に天板、底板および側板とをねじに
   て締付固着したことを特徴とする電子機器の筐体
   装置。 ２ 前面パネルに側板の係止片を挿入する間隙を
   係止枠片にて形成し、この係止枠片に係止片に形
   成した係止爪を弾性的に係止したことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の電子機器の筐体装
   置。