JPS633908Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、クローラ走行装置を装備した移動車
輌において、トラツクフレームによりクローラ駆
動軸のケース部材を有効に支架する移動車輌にお
けるクローラ駆動部の支架構造に関するものであ
る。

（従来技術） 従来より、第１図に示すようにクローラ１の内
側に沿つてトラツクフレーム２を設け、そのトラ
ツクフレーム２の端部へ駆動部架装板３を斜設し
て、その至端部へ形成した切欠部４にクローラ駆
動軸５のケース部材６を押し当て：固定具により
ケース部材６の外周を抱持させたクローラ駆動部
７の支架構造がある。

しかしながら、この種のクローラ駆動部７の支
架構造においては、クローラ駆動軸５のケース部
材６が外周を抱持されることにより固定されてい
るのでクローラ１の駆動時に発生する駆動反力を
受け止めるのに十分でなく、また駆動部架装板３
に対するクローラ駆動軸５のケース部材６の位置
が正確に定まらず組立時におけるクローラ駆動軸
５方向の位置決めに無駄な時間を費すこととな
り、また、トラツクフレーム２の先端鋭利部８
は、走行面の突部に押圧されたクローラ１に亀裂
を発生させる原因になつたり、特に強度を必要と
する走行装置の駆動部に、大きな駆動部架装板３
が斜設されることにより、剛性の増大に寄与する
縦状クロスメンバーの位置が後方へ遠ざかる不利
を招く等々の不具合がある。

（目 的） そこで、本考案は、上記不具合に鑑みて、トラ
ツクフレームで直接にクローラ駆動軸のケース部
材を支架することにより、クローラ駆動部の有効
な支持と好適な架装を可能にする移動車輌におけ
るクローラ駆動部の支架構造を提供せんとするも
のである。

（構 成） すなわち、本考案に係る移動車輌におけるクロ
ーラ駆動部の支架構造の特徴とするところは、ク
ローラの内側に沿つてトラツクフレームを設け、
該トラツクフレームの至端上方へクローラ駆動軸
を配設した移動車輌において、角状パイプを素材
とする前記トラツクフレームのクローラ駆動軸側
至端部を湾曲成形して、前記トラツクフレームの
先端開口部を前記クローラ駆動軸のケース部材へ
接当せしめ、且つ前記ケース部材へは角状突起金
具を固着して、該角状突起金具を前記トラツクフ
レームの先端開口部へ密接状に嵌挿固定してなる
点にある。

（効 果） つまり、本考案においては、角状パイプを素材
とするトラツクフレームのクローラ駆動軸側至端
部を湾曲成形したことにより、従来の駆動部架設
板が不要となつて、クローラ駆動部の剛性を増強
するクロスメンバーである支柱をクローラ駆動軸
側へ一層接近させて架設でき、剛性の向上に効果
的であり、またトラツクフレームの湾曲はクロー
ラの屈曲に略一致するのでトラツクフレーム側か
らクローラの幅中心へ向つて小石等が入り込ま
ず、従つてクローラと駆動ホイールの間へ小石等
が掻み込むのを防止することができ、更には、湾
曲したトラツクフレームは鋭利部が無くなつて、
従来のような鋭利部への接当によるクローラの亀
裂損傷を発生させない利点が有り、又、角状パイ
プの先端開口部をクローラ駆動軸のケース部材へ
接当し、且つケース部材へ設けた角状突起金具を
先端開口部へ密接状に嵌挿固定したことにより、
走行時にケース部材へ作用する駆動反力が嵌挿固
定部で確実に係止され、更に密接状に嵌挿する角
状突起金具はトラツクフレームとケース部材との
相対位置を正確に規制することになつて、クロー
ラ駆動部の組立が高精度でしかも容易であるとい
う効果が有り、加えて本考案は、従来の構造に比
し、軽量化、コスト低減にも資するものである。

（実施例） 以下この考案の具体的な実施例を図面を参照し
て説明する。

第２、第３、第４図は本考案を実施した移動車
輌を示し、第１、第２図はクローラ駆動部を示す
正面図と側面図である。

１はクローラであり幅中央部をトラツクローラ
９……に支持されるとともに内接する駆動ホイー
ル１０により駆動される。

２ａはトラツクフレームであり、クローラ１の
内側に沿つて設けられ、前後方向に適宜間隔で前
記トラツクローラ９……を装着される。

１１はクローラ駆動機構であり、ミツシヨンケ
ース１１ａから延出したクローラ駆動軸５、該ク
ローラ駆動軸５先端に装着された駆動ホイール１
０、およびミツシヨンケース１１ａと駆動ホイー
ル１０との間でクローラ駆動軸５を囲包するケー
ス部材１１ａからなる。

上記トラツクフレーム２ａは断面形状に角部を
有せしめた中空状の角状パイプを素材とし、本実
施例においては方形状のものを使用しているが欠
円形や欠楕円形等の適宜な態様にすることが可能
であり、同トラツクフレーム２ａのクローラ駆動
軸５側へ位置する至端部２ｂをクローラ１の傾斜
と略一致するように湾曲成形して前記角状パイプ
の先端開口部２ｃを前記クローラ駆動軸５のケー
ス部材６へ接当させる。

一方、上記ケース部材６と先端開口部２ｃとの
接当部位であるケース部材６の外表面へは、先端
開口部２ｃの内周面に密接状に嵌挿される角状突
起金具１２を固着し、該角状突起金具１２のクロ
ーラ駆動軸５方向の位置はトラツクフレーム２ａ
の外方へ装着されたトラツクローラー９……の幅
中央面と駆動ホイール１０の厚さ中央面を一致さ
せるべく設定され、同角状突起金具１２は正面視
コ字状の屈曲板であつても、または箱状であつて
も差しつかえなく、要は先端開口部２ｃへ過度の
遊隙を作らないように嵌挿できれば良い。

尚、該角状突起金具１２をテーパ形状にすれ
ば、角状突起金具１２の外面は先端開口部２ｃの
内周面へ圧接して一層精度の向上を計れるもので
ある。

上記構成により、左右一対のクローラ１を有す
る移動車輌のシヤーシを構成するトラツクフレー
ム２ａへクローラ駆動機構１１を支架するには、
先ずクローラ駆動軸５の左右ケース部材６，６へ
設けた角状突起金具１２を単にトラツクフレーム
２ａの先端開口部２ｃへ嵌挿するだけで駆動ホイ
ール１０とトラツクローラ９……との位置決めが
でき、更に同角状突起金具１２を十分に嵌挿した
後、角状突起金具１２と先端開口部２ｃの重合部
に貫通ボルト１３を挿通して締結固定することに
より抜け出しを防止すれば完了する。

尚、１４は支柱であり、剛性を増強するクロス
メンバーとして設けたものであり、本考案によれ
ばクローラ駆動軸６側への可及的移動が可能にな
り、クローラ駆動部の剛性を向上させることが可
能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクローラ駆動部の支架構造を示
す正面図、第２図は本考案を実施した移動車輌の
正面図、第３図は本考案に係るクローラ駆動部の
支架構造を示す正面図、第４図は同側面図であ
る。 符号１……クローラ、２ａ……トラツクフレー
ム、２ｂ……至端部、２ｃ……先端開口部、５…
…クローラ駆動軸、６……ケース部材、１２……
角状突起金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クローライの内側に沿つてトラツクフレーム２
   ａを設け、該トラツクフレーム２ａの至端上方へ
   クローラ駆動軸５を配設した移動車輌において、
   角状パイプを素材とする前記トラツクフレーム２
   ａのクローラ駆動軸５側至端部２ｂを湾曲成形し
   て前記トラツクフレーム２ａの先端開口部２ｃを
   前記クローラ駆動軸５のケース部材６へ接当せし
   め、且つ前記ケース部材６へは角状突起金具１２
   を固着して、該角状突起金具１２を前記トラツク
   フレーム２ａの先端開口部２ｃへ密接状に嵌挿固
   定してなることを特徴とする移動車輌におけるク
   ローラ駆動部の支架構造。