JPS6335419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えばIC試験器等に用いられるIC
用プラグに関し、特にプラグから引出されるフラ
ツトケーブルの断線事故を防止する構造とした
IC用プラグを提供しようとするものである。

例えばLSI等と呼ばれる大規模集積回路を試験
するICテスタにおいて、従来より第１図に示す
ようなLSIプラグが使用されている。このプラグ
は偏平形状の絶縁モールド１とこの絶縁モールド
１の一方の偏平面から突出された端子ピン２と、
絶縁モールド１の他方の偏平面から導出されたフ
ラツトケーブル３とによつて構成される。端子ピ
ン２はLSIの端子ピンと同じ配列とされ、よつて
プリント板等に装着されたLSI用のソケツト（特
に図示しない）に端子ピン２を嵌着し、LSI用ソ
ケツトの配線部分をフラツトケーブル３を通じて
外部に引出せるようにしたものである。

従来のこの種のプラグは絶縁モールド１のほぼ
中央からフラツトケーブル３が垂直方向に導出さ
れている。このためフラツトケーブル３は180゜に
わたつて折曲自在となり、然もフラツトケーブル
３の導出部分のモールド１はほぼ直角の鋭角形状
であるためケーブル３の芯線に局部的に応力が加
わり断線が起き易い欠点がある。また絶縁モール
ド１の中央から導出されているためプラグをソケ
ツトから抜く場合にフラツトケーブル３を引張つ
てしまい、その張力によつても断線事故が起きる
原因となつている。

この考案の目的はフラツトケーブルの断線が起
き難いIC用プラグを提供するにある。

この考案ではフラツトケーブルをその導出部分
から絶縁モールドの偏平面に沿つて抑え付ける抑
え具を設けると共にこの抑え具の一端縁に彎曲部
分を形成し、この彎曲部分に沿つてフラツトケー
ブルを絶縁モールドから引離すように構成したも
のである。

従つてこの考案によればフラツトケーブルの導
出部分は抑え具に形成した彎曲部分に沿つて導出
されるため折曲部分の曲率半径を大きくできる。
また折曲角度も小さくできるから断線事故を起き
難くすることができる。更にフラツトケーブルを
モールドの面に沿つて抑え付けるためフラツトケ
ーブルがモールドから離れる位置はモールドの一
端側に片奇るためフラツトケーブルを引張つても
プラグが抜け難くなり、これがためにフラツトケ
ーブルを引張つてプラグを抜くことを行わなくな
る。よつてこの点からも断線事故が起き難いIC
用プラグを提供できる。

第２図にこの考案の一実施例を示す。

第２図において第１図と対応する部分には同一
符号を付しその重複説明は省略するが、この考案
においては抑え具４を絶縁モールド１に取付ける
ものである。抑え具４は例えば金属板によつて作
ることができるが、その他に樹脂材によつて作る
こともできる。図の例では金属板によつて形成し
た場合を示す。抑え具４は第３図に示すように絶
縁モールド１の偏平面の形状よりわずかに小さい
形状の板部４ａと、絶縁モールド１の長手方向の
両短辺に係合する一対の係止片４ｂと、板部４ａ
の長手方向の一端縁に絶縁モールド１に近ずく方
向に折曲げた折曲部４ｃと、板部４ａの長手方向
の他端縁に絶縁モールド１から離れる方向に折曲
げた折曲部４ｄとにより構成することができる。

係止片４ｂはその先端を絶縁モールド１の裏側
に向つて折曲げることにより抑え具４を絶縁モー
ルド１に取付けるためのものである。折曲部４ｃ
は板部４ａをモールド１の面と平行に保持した状
態でフラツトケーブル３を抑え付けるようにする
ためのものである。従つて折曲部４ｃの折曲量は
フラツトケーブル３の厚みに等しいかわずかに大
きい程度の折曲突出量とされる。フラツトケーブ
ル３は折曲部４ｄが形成された側から引出され、
折曲部４ｄによつて形成される彎曲に沿つてフラ
ツトケーブル３が引出される。

このように構成することによりフラツトケーブ
ル３はモールド１の導出部分からモールド１の偏
平面に沿つて抑え付けられ、抑え具４の折曲部４
ｄが形成する彎曲に沿つて引出される。よつてフ
ラツトケーブル３の折曲部分の曲率半径が大きく
なると共に折曲角度も第４図に示すように抑え具
４が形成する彎曲の角度θで規制されて小さくな
る。よつてフラツトケーブル３の芯線が局部的に
鋭角度で折曲ることがなくなり断線事故が起き難
くなる。

然もフラツトケーブル３は絶縁モールド１の一
端側に片寄つた位置から引出されるためケーブル
３を引張つてもプラグがソケツトから抜け難い。
よつてケーブル３を引張ることがなくなるためケ
ーブル３に大きな張力が与えられることがなく、
この点でも断線事故が起き難いIC用プラグを提
供できる。

第５図はこの考案の他の実施例を示す。この例
では抑え具４によつてフラツトケーブル３を絶縁
モールド１に抑え付ける際に例えば可撓性チユー
ブ５を抑え具４の板部４ａに通し、このチユーブ
５をフラツトケーブル３と共に絶縁モールド１に
抑え付けるようにし、このチユーブ５をプラグを
抜く場合の把手として利用できるように構成した
場合を示す。

このように抑え具４を利用して把手を取付ける
ことによりソケツトへの着脱が容易なIC用プラ
グを提供することができる。

上述したようにこの考案によればフラツトケー
ブル３の断線事故が起き難いIC用プラグを提供
でき、この点でIC試験器等の装置全体の信頼性
を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のIC用プラグを説明するための
斜視図、第２図はこの考案の一実施例を示す斜視
図、第３図はこの考案に用いる抑え具の一例を示
す斜視図、第４図はこの考案の作用効果を説明す
るための側面図、第５図はこの考案の他の実施例
を示す側面図である。 １：絶縁モールド、２：端子ピン、３：フラツ
トケーブル、４：抑え具、４ｄ：彎曲部分を形成
するための折曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁モールド体の一つの面にICの端子ピンと
   同一の配列とされた端子ピンが植立され、この端
   子ピンの導出面の反対側の面から上記端子ピンに
   電気的に接続されたフラツトケーブルが導出され
   て成るIC用プラグにおいて、上記フラツトケー
   ブルをその導出部分から上記絶縁モールド体の面
   に沿つて抑える抑え具を上記絶縁モールド体に取
   付けると共にその抑え具の一端縁に上記絶縁モー
   ルド体の面から漸次離れる方向に彎曲部分を形成
   して成るIC用プラグ。