JPS6332786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の後部車体構造、とくにリヤ
バンパの取付けに好適な後部車体構造に関するも
のである。

（従来技術） 従来、例えば、リヤフロアとエンドプレートと
ともに車体の左右方向に閉断面を構成するクロス
メンバを設け、エンドプレートとクロスメンバと
の重合部に、リヤバンパのバンパブラケツトをボ
ルトアツプするようにしたリヤバンパの取付構造
は知られている（実開昭57−59187号公報参照）。

しかしながら、かかるリヤバンパの取付構造で
は、バンパブラケツトが、エンドプレートとクロ
スメンバの２枚重ねの部分に支持されるにすぎな
いことおよび車体の前後方向に伸びぬ閉断面によ
つては支持されていないことのために、追突時等
におけるリヤバンパの支持強度が不足するといつ
た問題がある。

（考案の目的） 本考案の目的は、リヤバンパを十分な支持強度
で取付支持することができる自動車の後部車体構
造を提供することにある。

（考案の構成） このため、本考案においては、後端部がエンド
プレートに接合されるリヤフレームとクオータパ
ネルとの間にクロスメンバを配設し、その左右方
向の両端はリヤフレームとクオータパネルとに
夫々接合し、前端はリヤフレーム上に取付けたフ
ロアに接合し、後端はリヤフレーム後端に一部を
重ねてエンドプレートに接合する。そして、クロ
スメンバ後端とリヤフレーム後端とエンドプレー
トの３枚重ねの部分にバンパ取付部を設けて、リ
ヤバンパを取付ける。

（考案の効果） 本考案によれば、バンパ取付部が３枚重ねの重
合部として形成されることおよび車体の左右方
向、前後方向のいずれの方向にも閉断面となつた
閉断面部によつて支持されることによつて、その
支持強度が大幅に向上し、リヤバンパを強固に支
持することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

第１図に車体の後側下部の斜視図を示すよう
に、車体の後部外側面は、フエンダ１によつて形
成され、後端外面は、ランプ取付用の開口２ａを
設けたエンドパネル２によつて形成されている。
このエンドパネル２の左右方向の側端部はフエン
ダ１の後端部に接合され、エンドパネル２の下端
縁に沿つて設けた接合フランジ２ｂとフエンダ１
の後端下部に設けた接合フランジ１ａとによつて
画成されるあき隅部には、後述するようにリヤバ
ンパを取付けるためのバンパ取付部を構成するエ
ンドプレート３が取付けられて、あき隅部をカバ
ーしている。

また、フエンダ１の内側には、クオータパネル
アツパ４とクオータパネルロア５とが、内部の側
壁を形成するように配設され、フロアパネル６
は、その側端部がクオータパネルアツパ４の下縁
とクオータパネルロア５の上端との接合部に接合
されて、エンドパネル２に達するフロアを形成し
ている。

次に、第２図によつて、バンパ取付部の構造を
具体的に説明する。

第２図に示すように、断面コ字状のフレーム本
体７と側壁フレーム８とで車体の前後方向に延び
る閉断面に形成されたリヤフレーム９は、リヤフ
レーム９の上面がフロアパネル６の下面に接合さ
れ、後端はエンドプレート３に接合される。リヤ
フレーム９の後端には、エンドプレート３に明け
た３個のボルト穴１０に合致するボルト穴１１を
明けた３個の外開きのフランジ９ａ，９ｂ，９ｃ
が形成されており、フランジ９ａ，９ｂ，９ｃが
エンドプレート３の内面に接合され、折曲されず
そのまま後方に突出されたフランジ９ｄは、エン
ドプレート３の上縁に形成された接合フランジ３
ａに重ねて接合される。

このリヤフレーム９とクオータパネルロア５の
後端部間には、クロスメンバ１２が配設される。
このクロスメンバ１２は、フロアパネル６に平行
な平板部１２ａと平板部１２ａの前端部からフロ
アパネル６に向けて立上つた立上り壁部１２ｂと
を有しており、左、右両側に設けた接合フランジ
１２ｃ，１２ｄ，１２ｅ，１２ｆはクオータパネ
ルロア５の上面内側に設けた接合フランジ５ａの
後端部とリヤフレーム９の側壁フレーム８の後端
部とに夫々接合される。また、前端の立上り壁部
１２ｂの上縁に形成された接合フランジ１２ｇは
フロアパネル６の下面に接合される。

一方、クロスメンバ１２の平板部１２ａの後端
縁には、エンドプレート３の折曲形状に対応して
折曲した接合フランジ１２ｈが形成され、この接
合フランジ１２ｈのリヤフレーム９側端部には、
エンドプレート３のボルト穴１０およびリヤフレ
ーム９の後端の接合フランジ９ｃのボルト穴１１
に合致するボルト穴１３を明けた広幅の接合フラ
ンジ１２ｉが形成されている。そして、接合フラ
ンジ１２ｈはエンドプレート３の内面に接合さ
れ、また広幅の接合フランジ１２ｉは、リヤフレ
ーム９の後端の接合フランジ９ｃの背面側に、３
つのボルト穴１０，１１，１３が合致するように
接合されている。このようにして、リヤフレーム
９の後端およびクロスメンバ１２の後端が接合さ
れるエンドプレート３の３つのボルト穴１０，１
０，１０を設けた部分は、バンパ取付部１４とし
て形成される。

このバンパ取付部１４は、第３図に示すよう
に、車体の前後方向に延びる２つの閉断面部１
５，１６によつて支持されることとなり、しか
も、クロスメンバ１２を設けることにより形成さ
れる閉断面部１５は車体の左右方向に延びる閉断
面部としても形成されており、バンパ取付部１４
の支持強度は大幅に向上される。

また、バンパ取付部１４の第２図において左側
に位置するボルト穴１０の部分は、リヤフレーム
９の後端の接合フランジ９ｃおよびクロスメンバ
１２の後端の広幅の接合フランジ１２ｉとの３枚
重ねの接合部となるため、バンパ取付部１４の支
持強度はさらに向上する。

このバンパ取付部１４に取付けるリヤバンパ１
７の取付用ブラケツト１８を第４図に示す。

この取付用ブラケツト１８には、バンパ取付部
１４のボルト穴１０に一対一に対応するボルト１
９，１９，１９が突出した状態で固定されてお
り、各ボルト１９を対応するボルト穴１０に挿通
したうえで、ナツト（図示せず）により締結固定
する。リヤバンパ１７は、取付用ブラケツト１８
に補強ブラケツト２０を介して支持される。

上記の構成の結果、リヤバンパ１７は、バンパ
取付部１４に大きい支持強度で取付けられ、耐衝
撃性が向上される。

なお、上記の実施例では、リヤフレーム９それ
自体が車体の前後方向に延びる閉断面を形成する
ようにしたが、フロアパネルとの間で閉断面を形
成するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の後端コーナ部の車体構造を示
す斜視図、第２図はバンパ取付部を構成する部材
の分解斜視図、第３図は第１図に示す車体後端部
の左右方向の断面図、第４図はリヤバンパの取付
ブラケツトの側面図である。 ３……エンドプレート、６……フロアパネル、
９……リヤフレーム、１４……バンパ取付部、１
７……リヤバンパ、１８……取付用ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の前後方向に延びるリヤフレームの後端が
   エンドプレートに接合され、リヤフレームの上面
   がフロア下面に接合され、クロスメンバはリヤフ
   レーム側壁とクオータパネルとの間にその左右両
   側が夫々接合され、クロスメンバの前端はフロア
   下面に接合され、クロスメンバの後端はリヤフレ
   ームの後端に一部を重ねてエンドプレートに接合
   されて、フロア、リヤフレーム、クオータパネル
   およびエンドプレートとともにクロスメンバによ
   り車体の前後方向および左右方向の両方向に閉じ
   られた閉断面が形成され、リヤフレーム後端とク
   ロスメンバ後端とエンドプレートの三枚重ねの接
   合部にバンパ取付部が形成された自動車の後部車
   体構造。