JPS6330422B2 - - Google Patents

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JPS6330422B2
JPS6330422B2 JP54141232A JP14123279A JPS6330422B2 JP S6330422 B2 JPS6330422 B2 JP S6330422B2 JP 54141232 A JP54141232 A JP 54141232A JP 14123279 A JP14123279 A JP 14123279A JP S6330422 B2 JPS6330422 B2 JP S6330422B2
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JP
Japan
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yarn
denier
filaments
fluid
entanglement
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JP54141232A
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English (en)
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JPS5668123A (en
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Tadayuki Matsumoto
Masanori Mineo
Satoshi Hirai
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPS5668123A publication Critical patent/JPS5668123A/ja
Publication of JPS6330422B2 publication Critical patent/JPS6330422B2/ja
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は0.8デニール以下のフイラメントを有
する非捲縮ポリエステルマルチフイラメント交絡
糸に関するものであり、さらに詳しくは0.8デニ
ール以下の極細デニールフイラメントを有してお
りかつ高度に交絡され、実質的に毛羽のない非捲
縮ポリエステルマルチフイラメント交絡糸に関す
るものである。 近年マルチフイラメントを構成するフイラメン
トのデニールを小さくしソフトさ、やわらかさを
持たせることが一般的になつており、1デニール
より細い極細フイラメントを有するポリエステル
マルチフイラメントも作られている。しかしなが
ら極細フイラメントを有する糸は極細フイラメン
トが毛羽になりやすく工程通過性、作業性の面で
問題となる。 一方、マルチフイラメントに流体による交絡を
付与して工程通過性、作業性を改善する方法も公
知である。しかしながら従来公知の流体処理ノズ
ル(例えば特公昭36−12230号記載)は流体利用
効率が低いため、0.8デニール以下の極細フイラ
メントを有する非捲縮ポリエステルマルチフイラ
メントに、本発明で目的とするような高度の交絡
を付与する場合には大きな流体エネルギーが必要
であつた。従来公知の流体交絡技術では、0.8デ
ニール以下の極細フイラメントを有する糸に過大
な流体エネルギーを作用させると、極細フイラメ
ントが切断して毛羽が発生しやすいという問題が
あるほか、経済的にも極めて不利であつた。 本発明の目的は極細フイラメントを有する非捲
縮ポリエステルマルチフイラメントの交絡処理に
ついて種々検討の結果、流体利用効率の高い流体
交絡ノズルを見い出し、極細フイラメントのやわ
らかさ、ソフトさを有し、かつ工程通過性、作業
性の良好な、しかも毛羽がなく、カスリムラ、イ
ラツキのない高度に交絡された非捲縮ポリエステ
ルマルチフイラメント交絡糸を提供するものであ
る。 そのために本発明は以下の構成を有する。すな
わち、0.8デニール以下のフイラメントを有して
おり構成フイラメントがランダムに、交絡度120
以上に交絡されていて、かつ実質的に毛羽、タル
ミのない非捲縮ポリエステルマルチフイラメント
交絡糸である。 以下本発明をさらに詳細に説明する。 本発明の非捲縮ポリエステルマルチフイラメン
ト交絡糸は交絡度が120以上に交絡されている必
要がある。 本発明の交絡糸は優れた工程通過性を持たせる
ために高度の交絡を有する必要があるが、通常の
撚糸、仮撚、製編、製織等の工程通過性を満足さ
せるためだけには交絡度120以上というほどの高
度の交絡は必要としない。しかしながら、一般に
交絡処理された糸はフイラメントが強固に絡み合
つた集束部と、非交絡部とがマルチフイラメント
の長手方向に比較的長い周期で混在するため、こ
のような低度の交絡糸を用いると布帛にした後、
交絡部と非交絡部の形態差に起因するカスリム
ラ、イラツキが問題となることがわかつた。特に
極細フイラメントは曲げ剛性が小さく、かつ比表
面積が大きいため、極細フイラメントを有する糸
は通常デニールのフイラメントからなる糸に比べ
て、交絡部において、さらに強固な交絡が形成さ
れるため、交絡部と非交絡部との形態差が拡大
し、該形態差に起因するカスリムラ、イラツキが
拡大するという大きな問題となる。さらに0.8デ
ニール以下の極細フイラメントと1.5デニール以
上特に2デニール以上のフイラメントを有する混
繊糸とした場合は、糸の太さの差に起因するカス
リムラ、イラツキ等が付加されるため、さらにカ
スリムラ、イラツキの発生が拡大される。 したがつて0.8デニール以下の極細フイラメン
トを有する交絡糸は、交絡度を120以上にすると、
マルチフイラメントの長手方向に交絡部と非交絡
部とがきわめて短い周期で混在するので、明瞭に
交絡部と非交絡部とが区別できないほどになり、
そのためカスリムラ、イラツキ等の問題を生じな
くなるのである。特に0.8デニール以下のフイラ
メントと1.5デニール以上のフイラメントを有す
る混繊交絡糸の場合には交絡度150以上に交絡さ
れていることがより好ましい。 本発明で言う非捲縮とは仮撚、座屈等の機械的
捲縮を施さないものである。 本発明で言う交絡糸とは、集束のために交絡し
た糸、いわゆるインターレース糸を指すものであ
り、ループやスラブを形成した嵩高糸、いわゆる
タスラン糸を含むものではない。 本発明で言う交絡度は以下の方法で測定する。 〔交絡度測定法〕 交絡度の測定は米国特許第3290932号明細書に
準じた方法で行なつた。概略を以下に示す。 第1図の装置において試料糸1を引取ローラ5
で解舒し、ウエストローラ6に巻取る。糸を1
cm/secの速度で走行させた状態でマグネツト式
張力装置2を調整して、張力付加装置2と引取ロ
ーラ5間の張力を初張力に設定する。初張力はデ
ニール×0.2gとし、張力付加装置2と引取ロー
ラ5の間に固定されて設けてある張力計4で検知
する。初張力設定後糸の走行を停止し、測定用針
3を糸を第2図に示すように、ほぼ糸を2分する
位置に刺す。ついで試料糸を1cm/secで再び走
行移動させると、針3が交絡点7に引掛かり、針
3と引取ローラ5間の張力が上昇する。前記張力
値が、〔初張力+(0.8デニール以上のフイラメン
トの平均デニール)×1g〕に達すると引取ロー
ラ5を停止するように設定しておき、針を刺して
から再び停止するまでの糸の移動距離li(mm)を
引取ローラ5の回転角から読みとる。同様の操作
を40回くり返し交絡度は〔〕式により計算す
る。 測定はn=3で行ない平均値で表示する。 本発明における交絡度は上記原理に基づいて製
作されたRhthschild社製エンタングルメントテス
ター(Emtanglment Tester)(形式R2040)を
用いて測定を行なつた。 0.8デニール以下の極細フイラメントから構成
されたポリエステルマルチフイラメントは独特の
しなやかさ、ソフト感、ドレープ性等を有してい
るが、一方ポリエステルの特長の1つである張
り、腰に欠ける面があり、張り、腰を必要とする
分野に使用するには不十分である。従つて極細フ
イラメント特有のソフト感、ドレープ性に加えポ
リエステル特有の張り、腰を持たせるためには、
0.8デニール以下のフイラメントと1.5デニール以
上好ましくは2.0デニール以上のフイラメントと
が混繊されていることが好ましい。 さらに前記混繊された交絡糸を布帛にし、後熱
処理を実施した場合、適度なふくらみと嵩高性を
持たせるためには、交絡糸を構成する0.8デニー
ル以下の極細フイラメントと1.5デニール以上の
フイラメントが熱収縮率差を有しているものが好
ましい。 通常ポリエステルは布帛にした後精練、中間セ
ツト、染色等の熱処理を受けるが、前記収縮率差
に起因する糸長差がこれらの工程で発現し適度な
ふくらみと嵩高性を生じることが好ましく、熱収
縮率差とは後述するようにして100℃の沸水処理
(精練12相当)または200℃の乾熱処理により測定
する。また、熱収縮後糸長差を生じた際に布帛に
ソフトな手触りを持たせるため0.8デニール以下
の極細フイラメントが布帛の表面に出てくること
すなわち極細フイラメントの方が収縮率が2.0%
以上低いことが好ましい。さらに布帛にした後極
細フイラメントを起毛して、布帛表面にソストな
毛羽を発生させる場合、1.5デニール以上のフイ
ラメントも同時に切断されると抗ピル性が低下す
るので、極細フイラメントのみが布帛表面に出る
ような熱収縮率差を有することが好ましく、熱収
縮率差が5.0%以上であるものがより好ましい。 本発明で言う熱収縮率は以下の方法で測定した
値であり、熱収縮率差2.0%以上有するとはこれ
ら乾熱または沸騰水収縮率のどちらかの測定法で
測定した値が2.0%以上の収縮率差を有している
ものである。 〔乾熱収縮率の測定法〕 周長1mで10回巻のかせをつくり、下端に0.1
g/dの荷重をかけ、かせの内側の長さl1(cm)
を測定する。 このかせを2mg/dの荷重下で200℃で5分間
乾熱処理した後、処理後のかせの下端に再び0.1
g/dの荷重をかけ、かせの内側の長さl2(cm)
を読みとる。 乾熱収縮率(ΔSD)は〔〕式により算出す
る。 ΔSD(%)=l1−l2/l1×100 ………〔〕 測定はn=3で行ない平均値で表示する。 〔沸騰水収縮率の測定法〕 周長1mで10回巻のかせをつくり、下端に0.1
g/dの荷重をかけ、かせの内側の長さl3(cm)
を測定する。 このかせを無荷重の状態で100℃の沸騰水中に
10分間静置した後、取り出して風乾する。風乾後
のかせの下端に再び0.1g/dの荷重をかけ、か
せの内側の長さl4(cm)を読みとる。 沸騰水収縮率(ΔSW)は〔〕式により算出す
る。 ΔSW(%)=l3−l4/l3×100 ………〔〕 測定はn=3行ない平均値で表示する。 本発明のポリエステルマルチフイラメント交絡
糸は工程通過性、製編、製織性を良好にするため
実質的に毛羽とかタルミを有していないことが必
要である。布帛にした後極細フイラメントを切断
し起毛する場合でも布帛を形成するまでの工程通
過性を良好にするためには毛羽がないことが必要
である。 本発明で言う実質的に毛羽がないとは、高次工
程において毛羽によるトラブルが発生しないとい
う意味であり、通常延伸糸の場合、例えば整経毛
羽が10コ/107m以下を言う。本発明で言う整経
毛羽とは、通常の織物、トリコツト等のタテ糸を
準備する整経機で検知した毛羽数で表わす。具体
的には以下の方法で測定する。 整経機のクリールに糸パツケージをかけ、パツ
ケージから引き揃えてビームに巻き取る。糸を引
き揃えてビームに巻取るまでの間で糸を並行に並
べて走行させ、並行に並んだ糸がつくる平面に平
行に光を照射し、この光を光電管に受ける。 毛羽が発生すると、スラブ状の糸の塊りができ
るため光電管への受光量が変化し、整経毛羽とし
て検知される。整経毛羽は107m当りの個数で表
わす。 0.8デニール以下の極細糸は、通常の延伸工程
で延伸しても、毛羽になりやすいぜ本発明の交絡
糸は交絡度が120以上の交絡を付与してあるので
交絡処理前に毛羽となつた糸端が交絡処理によつ
て絡み付いており、高次工程通過性を低下させな
いという効果を有する。 本発明の交絡糸を製造する場合、実質的にタル
ミが発生しない1%以下のオーバーフイード率で
交絡処理を実施する。また交絡度が120以上とい
う高度の交絡を付与しても実質的に毛羽を発生さ
せない流体交絡ノズルを使用する。 流体交絡処理により毛羽を発生させないために
は、糸に作用させる流体のエネルギーを少なくす
ることが望ましいが、毛羽発生のない少ない流体
エネルギーで、交絡度が120以上の高度の交絡を
付与するためには、流体利用効率の高い流体交絡
ノズルを用いるとよい。 また、0.8デニール以下の極細糸は通常のフイ
ラメントに比べ交絡処理時に受ける擦過、衝撃力
等でも毛羽になりやすいという問題があり、流体
交絡ノズルの糸通路内面の仕上げ状態が重要であ
る。従来、流体交絡ノズルとしては、多錘化して
生産に用いる場合精巧さを要求されるために、金
属製の流体交絡ノズルが使用されている。 しかしながら、ポリエステル糸の交絡処理を行
なう場合、糸通路内面仕上げを十分にした金属製
の流体交絡ノズルを使用しても、6ケ月〜1年連
続使用する間に金属部が摩耗して、毛羽が多発す
るという問題を生じる。特に0.8デニール以下の
極細フイラメントは、流体交絡ノズルの摩擦によ
る毛羽発生が起こりやすいという問題がある。極
細フイラメントの交絡処理を行なうためには、摩
耗のない流体交絡ノズルを使用することが重要で
あり、糸通路内面をセラミツクス製とした流体交
絡ノズルを用いるとよい。糸通路内面を構成する
セラミツクスは表面粗度を15Hrms以下とするの
がよい。 本発明の交絡糸を製造する流体交絡ノズルは、
流体利用効率が高く、毛羽を発生しないものであ
れば、特に制限はないが、高性能流体交絡ノズル
として特願昭53−136792号で提案されている流体
交絡ノズルを改良したものすなわち第3図に示し
た断面を有する流体交絡ノズルを使用するのが好
ましい。 第3図は本発明交絡糸の製造方法の好ましい一
態様として使用する流体交絡ノズルの構造を示す
もので、糸道に対して垂直な平面で切断した断面
図である。 第3図において、糸処理域8の横断面は長方形
を呈している。すなわち糸処理域8は長方形の底
辺としての糸案内面P1および他の三つの平面P2
P3,P4からなる壁面で囲まれている。二つの平
面P2,P3は糸案内面P1に垂直な平面Lを対称面
として対称形となるように配置されている。糸案
内面P1および他の二つの平面P2,P3を構成する
部材12はセラミツクスからなつている。0.8デ
ニール以下の極細フイラメントが毛羽にならない
ようにするためには、平面P1,P2,P3の表面粗
度は15Hrms以下とするのが好ましい。糸処理域
8の両端は開口しており、糸の入口および出口と
なる。糸道は糸が図示紙面に垂直な方向に移動す
るよう定められている。また流体が噴射されない
状態での糸道は上記した糸処理域8の長方形の中
心を通るように糸処理域8の両端にガイドを設け
ることにより規制される。 一方前記長方形の上辺である平面P4を構成す
る部材13は金属製であり、平面P4の壁面には
流体噴射孔9および9′が開口している。そして
流体噴射孔9,9′は互に平面Lを対称面として
対称な位置に配列されている。流体噴射孔9,
9′の中心線の延長は前記平面L上の点Kにおい
て交わつている。そしてこれらの流体噴射孔9,
9′の中心線の延長は糸案内面P1とも交差するよ
うに配列されている。糸掛け用スリツト10は平
面Lに沿つて糸処理域8の入口から出口まで開口
している。交絡処理される糸は流体噴射孔9,
9′からの交叉噴流を横切るように、糸案内面P1
に沿つて振動し交絡処理されるので、金属面P4
を摩耗させることがない。 通常セラミツクスは金属に比べ工作精度を高く
するのが困難であるが、前記流体噴射孔は交叉噴
流を有しているので、糸通路8をセラミツクスで
製作できる範囲にしておけば、バラツキの少ない
高性能な流体交絡ノズルが得られる。 上記流体交絡ノズルは流体エネルギーが少な
く、かつ交絡度120以上の交絡を付与することが
できる高性能な流体交絡ノズルであり、0.8デニ
ール以下のフイラメントを有する糸に実質的に毛
羽発生させずに高交絡を付与することができるも
のである。 さらに本発明の好ましい一態様である0.8デニ
ール以下のフイラメントと1.5デニール以上のフ
イラメントとからなる混繊された交絡糸の製造方
法について説明する。 0.8デニール以下のフイラメントからなるポリ
エステルマルチフイラメント(A)と1.5デニール以
上のフイラメント(B)とを延伸時または延伸後に引
揃え、引揃えると同時または引揃えた後に前記し
た第3図に示す断面を有する流体交絡ノズルで交
絡する方法である。 前記マルチフイラメント(A)と(B)とを引揃える方
法は以下のいずれでも良い。 ○イ (A)と(B)とを同一口金の別個の吐出孔から紡糸
するかまたは独立の口金を用いて紡糸し、紡糸
時に引揃えて連続して延伸するかまたは未延伸
糸パツケージに巻取つた後延伸する。 ○ロ (A)と(B)とを別個の未延伸糸パツケージに巻取
り、延伸時に未延伸糸の状態で揃えて延伸する
か、または各々を別個に延伸した後引揃える。 マルチフイラメント(A)と(B)とを未延伸糸の状態
で引揃えた後延伸する場合、(A)と(B)とを同一紡糸
速度で引取つた未延伸糸を用いると(A)と(B)とのフ
イラメントデニールの差が大きいため同一延伸倍
率では延伸後の瞬間回復量が異なり、タルミ発生
ひいてはループ発生の原因となる。本発明におい
ては高度の交絡を付与するので、若干のタルミ発
生は許容されるが、タルミ発生が問題となる場合
や、逆にタルミを多く出した場合など(A)と(B)との
糸長差を調整したい場合には(A)と(B)との紡糸速度
を適宜変更すればよい。 また前記マルチフイラメント(A)と(B)とを流体交
絡ノズルで交絡する方法は以下のいずれでも良
い。 ○イ (A)と(B)とを引揃えた後流体交絡ノズルに供給
する。 ○ロ (A)と(B)とを流体交絡ノズル直前または流体交
絡ノズル内で合糸し引揃えると同時に流体交絡
処理を行なう。 本発明で混繊糸を製造する際に熱収縮率差を付
与するには、延伸時の熱処理温度、時間を変更し
たり、ポリマーの種類を変えたりすることで達成
できる。極細フイラメントを低収縮とするための
具体的手段としては、延伸に連続して熱板または
加熱ロールなどの加熱体で熱処理するが、5000
m/min以上の紡糸速度で引取つた糸を使用する
方法がある。また1.5デニール以上のフイラメン
トを高収縮とする具体的手段としては、延伸後の
熱処理を行なわないか、2500〜4000m/minで高
速紡糸して未延伸糸を熱延伸または冷延伸する
か、またはイソフタル酸等の第3成分を共重合し
てポリエステルを使用する方法がある。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例 1 〔η〕=0.60のポリエチレンテレフタレートを
紡速1500m/minで溶融紡糸し、未延伸糸を得
た。引続いて、第4図に示す延伸装置を用いて延
伸し50デニール72フイラメントの延伸糸を得た。
第4図において未延伸糸14は加熱ローラ15と
延伸ローラ17の間で延伸され、連続して熱板1
6で低収縮化され、延伸ローラ17で引取られ、
ワインダー18に巻取られる。 第5図に示す装置を用いて、得られた延伸糸1
9を糸送りローラ20,22の間に設けた第3図
に示す断面を有する流体交絡ノズル21で交絡処
理を行ない巻取装置23に巻取つた。交絡処理は
糸送りローラ20を600m/minとし糸送りーラ
22を596m/minとして種々の圧空圧力とする
ことにより各種交絡度の糸を得た。得られた糸の
交絡度、毛羽発生状況および得られた糸を用いて
小型織機でタフタを織り染色した布帛のカスリム
ラ発生状況を第1表に示す。 実験No.1は比較例であり交絡度が低いため染色
後のカスリムラ発生が見られた。 実験No.2〜4の本発明例はいずれも120以上の
交絡度でありカスリムラの発生は問題のないレベ
ルであつた。
【表】 実施例 2 〔η〕=0.60のポリエチレンテレフタレートを
紡速1600m/minで溶融紡糸し未延伸糸を得た。
次いで第2図の装置の熱板9を使用しないで、未
延伸糸14を加熱ローラ15と延伸ローラ17の
間で延伸し、高収率糸として30デニール18フイラ
メントの延伸糸を得た。得られた延伸糸の沸騰水
収縮率は12.8%であつた。上記延伸糸と低収縮糸
として実施例1で用いた50デニール72フイラメン
トの延伸糸(沸騰水収縮率100%)とを第6図の
装置を用いて引揃えた後、流体交絡処理を行なつ
た。 第6図において高収縮糸19′、低収縮糸1
9″を引揃え、糸送りローラ20,22の間に設
けた、第3図に示す断面を有する流体交絡ノズル
21を用いて種々の圧空圧力で各種交絡糸を得
た。糸送りローラ20の速度を550m/minとし、
糸送りローラ22は547m/minとした。 得られた糸の交絡度、毛羽発生状況、および得
られた交絡糸を用いて小型織機でタフタを織り染
色した布帛のカスリムラ発生状況を第2表に示し
た。 実験No.8は上記高収縮糸の代りに第4図で熱板
16を使用して得た沸騰水収縮率10.2%の30デニ
ール6フイラメント延伸糸と実施例1で用いた延
伸糸と(沸騰水収縮率10.0%)を使用したもので
あり、極細フイラメントのやわらかさを有するが
収縮率差を有しないため、嵩高性に乏しい。 実験No.5は比較例であり、交絡度が低いため、
0.7デニールと1.7デニールのデニール差による染
差に起因するカスリムラ・イラツキがある。 実験No.6、7の本発明ではカスリムラ・イラツ
キは問題のないレベルであり、織物風合もふくら
み感のあるソフトな表面タツチでかつ0.7デニー
ルのみを使つた実施例1に比べかなり張り、腰の
改善されなかつた織物が得られた。
【表】
【表】 実施例 3 ポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸を
10モル%共重合した重合物を紡速1600m/minで
溶融紡糸した後、第4図に示す装置を用いて延伸
し、30デニール6フイラメントの延伸糸(200℃
乾熱収縮率27.1%)を得た。 上記延伸糸と、実施例1で用いた50デニール72
フイラメントの延伸糸(200℃乾熱収縮率15.8%)
を引揃えた後、第3図に示す断面を有する流体交
絡ノズル21を使用して第6図の装置により種々
の圧空圧力で交絡処理を行なつた。糸送りローラ
20を550m/minとし、糸送りローラ22は547
m/minとした。 得られた糸の交絡度、毛羽発生状況、および得
られた交絡糸を用いて小型織機でタフタを織り
200℃で熱処理後染色した布帛のカスリムラ・イ
ラツキ発生状況を第3表に示した。 実験No.9は比較例であり、交絡度が低いため、
ホモポリマーと共重合ポリマーの染色差に起因す
るカスリムラ・イラツキが目立つ。 実験No.10、11は本発明例であり、カスリムラ・
イラツキは問題のないレベルであつた。織物はふ
くらみ感のあるソフトな表面タツチで張り、腰の
ある良好な風合であつた。 さらに、実験No.11の布帛を起毛加工したとこ
ろ、実質的に表面にある極細糸のみが起毛される
ため、極めて良好な表面タツチを有しており、抗
ピル性を満足されるものであつた。
【表】 実施例 4 実施例3の実験No.11の交絡糸を用いて、タテ糸
200t/M、ヨコ糸2500t/mの実撚を加え、小型
織機を用いて縮緬織物とした。引続いて、アルカ
リ液を用いて15%の減量加工を行ない染色した。 得られた織物はソフトな表面タツチ、キシミ
感、ドレープ性、良好な張り・腰を有する高級な
風合を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は交絡度測定装置を示す概略図
である。第3図は本発明糸を得るための好ましい
流体交絡ノズルの一態様を示す断面図である。第
4図は本発明糸を得るための延伸工程図を示す。
第5図、第6図は本発明糸を得るための交絡処理
工程図を示す。 8:糸処理域、9,9′:流体噴射孔、10:
糸掛け用スリツト、14:未延伸糸、15:加熱
ローラ、16:熱板、17:延伸ローラ、19:
延伸糸、19′:高収縮糸、19″:低収縮糸、2
0,22:糸送りローラ、21:流体交絡ノズ
ル、23:巻取装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 0.8デニール以下のフイラメントを有してお
    り、構成フイラメントがランダムに、交絡度120
    以上に交絡されていてかつ実質的に毛羽、タルミ
    のない非捲縮ポリエステルマルチフイラメント交
    絡糸。 2 0.8デニール以下のフイラメントからなるポ
    リエステルマルチフイラメント(A)と、1.5デニー
    ル以上のフイラメントからなるポリエステルマル
    チフイラメント(B)とから構成されている特許請求
    の範囲第1項記載の非捲縮ポリエステルマルチフ
    イラメント交絡糸。 3 マルチフイラメント(B)がマルチフイラメント
    (A)より2.0%以上高い熱収縮率を有している特許
    請求の範囲第2項記載の非捲縮ポリエステルマル
    チフイラメント交絡糸。
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