JPS6136104B2 - - Google Patents
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は流体乱流処理により熱可塑性マルチフ
イラメント糸にループや絡みを形成させた嵩高糸
に関するものである。 流体の乱流域における撹乱作用によりループや
絡みを与え、糸を嵩高化することは従来から良く
知られた技術である。そして、ループや絡みを有
する嵩高糸の嵩高性を増加させ、最終製品である
布帛の嵩高性や柔軟性を向上させることも試みら
れており、その一つに特開昭50−89659号公報の
方法が提案されている。 該方法は、熱可塑性マルチフイラメント糸を熱
収縮応力以下の張力で加熱体に接触させることに
より該糸の個々のフイラメントに沿つて大きさや
周期のランダムな巻縮、熱収縮差、糸長さおよび
ループを与えた後、実質的に緊張を与えないで流
体乱流域に通すことにより個々のフイラメントの
もつ巻縮やループを互に交絡させて巻取る方法
で、熱処理により大きな嵩高性を発現する紡績糸
様フイラメント加工糸の製造法である。この方法
により得られる嵩高性は、マルチフイラメント糸
を単に流体乱流処理したものに比べると高い嵩高
性を有する。しかしながら、反面繊維束から突出
したループ状および、またはアーチ状の突出たる
みが多数存在するためにパツケージからの糸の解
舒性が悪い。また該糸を編成工程または製織工程
等の高次加工工程に供するときにループ状およ
び、またはアーチ状の突出たるみが絡み合つてフ
イラメント切れを起こしたり、編針にループ状お
よび、またはアーチ状の突出たるみが絡みついた
りして高次加工性が極めて不良である。 また、嵩高性のループや絡み強さを向上させた
り、嵩高性を向上させるために複数本の糸条を使
用してオーバーフイード率を変えて流体乱流処理
したり、それぞれの糸条の少なくとも一部に撚を
施してから流体乱流処理することも行なわれてい
るが、操置および操作が複雑となり、複数本の糸
条を使用することも加味すると極めてコストの高
いものとなる欠点および嵩高性を大きくしようと
すると繊維束から突出した大きなループ状およ
び、またはアーチ状の突出たるみが多数存在する
という欠点がある。 本発明はこのような従来技術の欠点、とりわけ
特開昭50−89659号公報の方法で得られる嵩高糸
の欠点をなくした紡績糸様の風合と外観を有し、
かつパツケージからの糸の解舒性が良好で編成お
よび製織時の工程通過性に優れた嵩高糸を提供す
るものである。 すなわち本発明は、流体乱流によりループや絡
みが施された熱可塑性マルチフイラメント糸であ
つて、該糸を構成する同一フイラメントの長さ方
向の熱収縮率および該糸の同一断面内の各フイラ
メント間の熱収縮がそれぞれ不均一であり、かつ
繊維束の表面より突出したループ数が3000コ/m
以上であり、かつ繊維束から最も離れている位置
と繊維束表面との距離が2.5mm以上のフイラメン
トおよび、またはフイラメント群の突出たるみが
0.8コ/m以下であることを特徴とする特殊嵩高
糸である。 以下図面に従つて本発明を説明する。 第1図−A、第1図−Bおよび第1図−Cは本
発明の糸の構成を示すモデル図であり、第2図は
この発明の糸の製造法の一例を示す工程の概略側
面図である。第1図−Aに示すように本発明の嵩
高糸は1本のマルチフイラメント糸から形成さ
れ、これを構成する各フイラメントが相互に混合
され、互に絡み合つており、かつ糸束の表面から
突出したループ1が多数存在している。さらに第
1図−Bに示したように第1図−Aのループ1を
拡大すると熱処理された部分2と実質的に熱処理
されない部分3とが連続的に、かつランダムに分
布した構造をなしている。そして後で述べる測定
法で測定されるループ数は3000コ/m以上であ
る。さらにまた第1図−Cに示すように繊維束表
面から最も離れている位置までの距離Lまたは
L′が2.5mm以上であるフイラメントまたはフイラ
メント群の突出たるみの数が後で述べる測定法で
測定して0.8コ/m以下である必要がある。 また本発明になる嵩高糸は該糸を構成する同一
フイラメントの長さ方向の熱収縮率が不均一であ
り、かつ該糸の同一断面内の各フイラメント間の
熱収縮率も不均一であるため、熱処理により、よ
り大きな嵩高性を示す潜在嵩高性向上機能を有
し、糸または編織物を熱処理すると嵩高性が増加
する特徴を有する。すなわち本発明になる嵩高糸
は後に述べる嵩高度の測定法により(乾熱処理後
の嵩高度)−(嵩高度)の値が5c.c./g以上を示す
ことが好ましく、より好ましくは7c.c./g以を示
すものである。なお、嵩高度の値は6〜15c.c./g
であることが、ループ数3000コ/m以上とし良好
な紡績糸様風合と外観を与える点および解舒性と
工程通過性を与える点で好ましい。 本発明でいう嵩高糸を構成する同一フイラメン
トの長さ方向の熱収縮率が不均一であるとは本発
明では次のように定義される。 試料嵩高糸から任意の1フイラメントをできる
だけ張力をかけないように注意深く取り出し、該
フイラメントを任意の50個所で約3cmに切断して
それぞれの一端をピンクリツプで、他端を0.1
g/dの荷重で固定し、0.1g/dの荷重下でピン
クリツプと0.1g/d荷重間のフイラメントの長さ
L1をカセツトメーターで読みとる。この場合L1
は2.0〜2.5cmになるようにする。次いでピンクリ
ツプと0.1g/d荷重間の距離をフイラメントが熱
処理により十分収縮できるようにたるませた状態
で200℃で5分間処理し、0.1g/dの荷重下でピ
ンクリツプと0.1g/d荷重間のフイラメントの長
さL2をカセツトメーターで読みとる。 フイラメントの乾熱収縮率を次式によつて求
め、測定値が分布を示し、かつ最大値と最小値の
差が4%以上あるものが同一フイラメントの長さ
方向の熱収縮率が不均一であると定義する。 フイラメントの乾熱収縮率(%) =L1−L2/L1×100 同一断面内の各フイラメント間の熱収縮率が不均
一であるとは本発明では次のように定義される。 試料嵩高糸を任意の個所で約3cmに切断し、で
きるだけ張力をかけないようにして嵩高糸を構成
しているフイラメント数と等しい数の全フイラメ
ントに分離する。次いで該分離全フイラメントを
前記した同一フイラメントの長さ方向の乾熱収縮
率と同一測定方法で乾熱収縮率を測定し、測定値
が分布を示し、かつ10個所の測定でそれぞれの断
面でのフイラメントの乾熱収縮率の最大値と最小
値の差の平均値が4%以上あるものが同一断面の
各フイラメント間の熱収縮率が不均一であると定
義する。 ただし、熱収縮の測定値の分布図を1%きざみ
で作図したときに複数のピークがある際には頻度
の大きな方から2つのピークを取り出したときに
その2つのピーク間の熱収縮率差の10個所の断面
での平均値(XA)をそれぞれの断面における熱
収縮率の最大値と最小値の差の10個所の断面での
平均値(XB)から引いた値(XB−XA)が4%
以上であるものが同一断面の各フイラメント間の
熱収縮率が不均一であると定義する。 上述した嵩高糸は例えば第2図に示す工程によ
り製造することができる。 第2図において熱可塑性マルチフイラメント延
伸糸11をフイードローラー12とローラー15
との間で加熱ピン13と流体噴射による交絡付与
装置14を通過させる。この時、フイードローラ
ー12とローラー15とは周速を異にし、加熱ピ
ン13において糸条の熱収縮応力以下の低張力
(ピン上でフイラメントのたるみが発生し得る低
張力、例えば5〜120mg/d,好ましくは10〜60
mg/d)で、かつ加熱ピン13の熱が走行してい
るマルチフイラメントが糸全体に均一に伝わらな
いような短時間内に接触走行させる。マルチフイ
ラメント延伸糸11は加熱ピン13上を接触走行
することによりランダムな熱収縮差、糸長差およ
びアーチ状のたるみが発生する。さらに、加熱ピ
ン13を経た糸条は、交絡付与装置によつて、フ
イラメントおよびフイラメント群が相互に交絡す
ると同時に糸長差およびアーチ状のたるみはフイ
ラメント間または糸束に絡みついて糸束からの突
出が小さくなる。こうしてローラー15を通過し
た糸条は取り出しローラー17との周速の差によ
つて過剰供給状態で“タスラン”ノズル(“タス
ラン”はループ状非伸縮嵩高加工に関するデユポ
ン社商標)16にフイードされこのノズル中で流
体の乱流作用を受けて糸束を構成するフイラメン
トはばらばらに開繊し、かつランダムなトルクが
与えられ、その後ノズル外に噴射されて流体の乱
流域から開放された時前述のトルクはループに変
化して糸束は安定した形態に落ち着く。ローラー
17を出た糸束は巻取機18を巻取られる。すな
わち、加熱ピン13では糸束に熱収縮差、糸長
差、たるみを発生せしめ、交絡付与装置14では
糸条に交絡を付与すると同時に糸長差、たるみを
糸束に絡み付け、さらに“タスラン”ノズル16
ではフイラメントにランダムなトルクを与えた後
これをループに変化させて巻取るものである。 上記のようにして得る嵩高糸は繊維束の表面に
突出したループ数が3000コ/m以上、好ましくは
4000コ/m以上、かつ繊維束から最も離れている
位置と繊維束表面との距離が2.5mm以上のフイラ
メントおよび、またはフイラメント群の突出たる
みの数が0.8コ/m以下、好ましくは0.5コ/m以
下になるようにコントロールする必要がある。ル
ープ数が3000コ/mに満たないとこの嵩高糸を用
いた編織物の嵩高性は不十分で品位の劣る布帛と
なる。また、該突出たるみの数が0.8コ/mより
多くなるとパツケージからの糸の解舒性が悪化す
ると同時に編成、製織等の工程通過性が悪化す
る。前記した特開昭50−89659号公報に記載され
た方法で得られる糸は繊維束から最も離れた位置
までの距離が2.5mm以上のフイラメントまたはフ
イラメント群の突出たるみの数が2コ/mより多
い。 本発明の製造方法において第2図に示すように
延伸糸を出発原料とする場合もあるが、未延伸糸
を出発原料として延伸に直結して加工する場合も
含まれる。特に延伸直結プロセスにおいては本発
明の効果は顕著である。交絡付与装置14の設置
位置は加熱ピン13の前でも良いが第2図に示す
ように加熱ピンの後に置いた方が効果は顕著であ
る。“タスラン”ノズル16での処理は過剰供給
状態で処理する必要がありループ数を3000コ/m
以上とするため、ローラー17の周速度に対して
ローラー15を10%以上過剰供給する必要があり
好ましくは13〜50%がよい。 交絡付与装置としては圧空噴射ノズルが好まし
く用いられるが特にこれに限定されず他の如加な
る方法も利用できる。 “タスラン”ノズルは通常の流体乱流ノズルが
使用でき例えば特公昭38−2828号公報、特開昭50
−116745号公報などに開示されたものが好まし
い。突出たるみの数を0.8コ/m以下とするため
に流体乱流処理ノズルに供給する流体の圧力は
3.0Kg/cm2(G)以上が好ましく、4.0Kg/cm2
(G)以上でかつ、流体圧力(Kg/cm2)/{流体
撹乱域への給糸速度(m/min)の平方根}が
0.23以上が一層好ましい。 なお、流体乱流ノズル16の前に、水分付与装
置19で糸に水分を付与すると流体乱流処理の効
果が向上し、ループの絡み強さが強くなり、また
フイラメントの長さ方向のループや絡みの均一性
が向上するのでより好ましい。 この発明に用いられる熱可塑性マルチフイラメ
ント糸とはポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
オレフイン系およびポリビニル系などである。ポ
リエステル系とは例えばテレフタル酸を主要な二
塩基酸とし、グリコールとしてはエチレングリコ
ールまたはシクロヘキサンジメタノールを主要な
グリコールとして用いられたもの、またはエチレ
ンオキシベンゾエートを用いたものであり種々の
エステル形成性化合物を共重合したものであつて
もよい。ポリアミド系としては例えばポリε−カ
ブロアミドまたはポリヘキサメチレンアジポアミ
ドであり種々のアミド形成性化合物を共重合した
ものも用いられる。 また、本発明の効果を妨げないかぎり、前記マ
ルチフイラメント中に公知の顔料、制電剤、難燃
剤、染着座成分などの改質剤が含有されていても
よく、断面形状は丸形でも異形でもよい。 本発明で用いる熱可塑性マルチフイラメントは
低張力下加熱体に接触走行させる直前の延伸糸の
沸水収縮率が3%以上のものが潜在嵩高性向上機
能を十分付与する点から好ましく、5%以上のも
のがより好ましい。また細デニール、多フイラメ
ント数の方がループの絡み強さが向上するため、
フイラメントデニールは3.2d以下が好ましく、
2.1d以下がより好ましく、さらに総フイラメント
数は24本以上が好ましい。さらにフイラメントデ
ニールの異るもの、熱収縮率の異るものの混繊糸
や混繊しつつ低張力下加熱体処理へ供給すること
もできる。 次にループ数の測定法、フイラメントまたはフ
イラメント群のたるみの数の測定法、“タスラ
ン”処理時のオーバーフイード率、嵩高度および
乾熱処理後の嵩高度の測定法を以下に示す。 〔ループ数の測定法〕 嵩高糸の約5〜10cmを0.1g/dの張力下で透光
性の平板2枚の間に挾み拡大鏡で17倍に拡大した
映像を作る。本発明ではかかる映像において、第
1図−Cのフイラメント5に示すごとく糸束表面
から突出した形状を示す際に、糸束表面から突出
する両端の位置間距離Nと糸束表面から最も離れ
た位置と糸束表面間の距離Mの比N/Mが4以下
のものをループとする。なお、N/Mが4より大
きいものをアーチとする。かかるループの数を2
cm当り読みとる操作を無作為にサンプリングした
20サンプルにつき行ないこれを平均し、1m当り
のループの個数とする。 〔フイラメントおよび、またはフイラメント群
の突出たるみの数の測定法〕 本発明における突出たるみとは糸束表面から突
出したもの、すなわちループあるいはアーチにお
いて糸束表面から最も離れた位置と糸束表面間距
離が2.5mm以上のものをいう。突出たるみの数は
次の方法で測定する。 嵩高糸の10mを黒色紙の上に0.1g/dの張力
下において真上から拡大鏡で拡大しつつ観察し、
ノギスで糸束表面から最も離れた位置と糸束表面
間の距離が2.5mm以上あるもののフイラメントお
よび、またはフイラメント群のたるみの数を読み
とる。ただし、フイラメント群とは複数本のフイ
ラメントが全く同じ位置で、かつ同じ形状をして
おりフイラメント数の不明のものを指す。この操
作を無作為にサンプリングした10サンプルについ
て行ない平均して1m当りの個数とする。 〔“タスラン”処理時のオーバーフイード率〕 “タスラン”処理域に給糸するローラーと取り
出すローラーの表面速度をそれぞれV1、V2m/
minとしたとき オーバーフイード率(OF率) =V1−V2/V2×100(%) として求める。 〔嵩高度〕 糸を綛操機で80回巻きの綛として4綛とり、こ
の綛を8折にして幅25mmのポリエステルテープ織
物で50gの荷重をかけて見掛体積を求め、このテ
ープ中に含まれる糸の重さで除して単位重量当り
の見掛体積を求めたものである。 〔乾熱処理後の嵩高度〕 糸を綛操機で80回巻きの綛として4綛とり、
180℃乾熱中無荷重で5分間熱処理してバルキー
化させ、上記嵩高度測定と同様な方法で単位重量
当りの見掛体積を求めたものである。 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 ポリエチレンテレフタレート未延伸糸を延伸に
引き続き第2図に示した装置で加工した。ローラ
ー12を延伸ローラーとして延伸後の延伸糸の沸
水収縮率が11%でかつ150デニール、72フイラメ
ントとなるように通常の延伸方式を選んだ。ロー
ラー12,15の周速度をそれぞれ200m/
min、185m/minとし、加熱ピン13として外径
35mmのものを220℃で用い、圧空噴射ノズル14
としては通常用いられているもので糸通路径1.5
mmφ、長さ15mm、圧空噴射孔径1.0mmφ、圧空吹
込み圧を3.0Kg/cm2として用いた。“タスラン”ノ
ズル16はUSP3545057の図4に示されるものを
用い、エアー圧力、オーバーフイード率は表1に
示す実験No.1〜10の条件とした。なお、水分付与
装置19より5c.c./minの水を糸に付与した。ま
た巻取に際しては巻取直前にレツドウツド粘度
70sec(30℃)の鉱物油を90重量%以上含有する
油剤を嵩高糸重量に対し2%付与し、綾角15゜、
150cm巻巾のストレート巻チーズ(2Kg巻)に巻
取張力25gで巻上げた。得られた嵩高糸のループ
数、突出たるみ数、嵩高度および乾熱処理後嵩高
度を表1に示す。かかる嵩高糸を18G24口給糸2
段両面丸編機により編成速度100m/minで編成
し編成性を調べた。編機への糸道途中に70グラム
以上の過大張力がかかつた場合および糸切時に編
機を停止させるように自動停止装置が設けてあ
る。各加工条件で得られた嵩高糸の編機停止回数
を表1に示す。編機停止回数は生産性の点から
0.5回/Kg以下が必須であり、突出たるみの数が
0.8コ/mより大きい実験No.1,2,3ではいず
れも編機停止回数が多い。得られた編地を染色後
180℃乾熱仕上処理した編物の風合は実験No.8の
ものは風合がフイラメント調で硬く嵩高性も不足
していた。実験No.9は嵩高性が若干低いが実用可
能なレベルであり他はいずれも紡績様の風合を示
し、ソフトで嵩高性に優れたものであつた。 比較実施例 1 圧空噴射ノズル14を用いずにエアー圧力およ
びオーバーフイード率を表1の実験No.11,12とし
て実施例1と同様に加工、編成を行なつた。嵩高
糸の糸質および編機停止回数を表1に示す。いず
れも突出たるみが多く編機停止回数が多かつた。 【表】
イラメント糸にループや絡みを形成させた嵩高糸
に関するものである。 流体の乱流域における撹乱作用によりループや
絡みを与え、糸を嵩高化することは従来から良く
知られた技術である。そして、ループや絡みを有
する嵩高糸の嵩高性を増加させ、最終製品である
布帛の嵩高性や柔軟性を向上させることも試みら
れており、その一つに特開昭50−89659号公報の
方法が提案されている。 該方法は、熱可塑性マルチフイラメント糸を熱
収縮応力以下の張力で加熱体に接触させることに
より該糸の個々のフイラメントに沿つて大きさや
周期のランダムな巻縮、熱収縮差、糸長さおよび
ループを与えた後、実質的に緊張を与えないで流
体乱流域に通すことにより個々のフイラメントの
もつ巻縮やループを互に交絡させて巻取る方法
で、熱処理により大きな嵩高性を発現する紡績糸
様フイラメント加工糸の製造法である。この方法
により得られる嵩高性は、マルチフイラメント糸
を単に流体乱流処理したものに比べると高い嵩高
性を有する。しかしながら、反面繊維束から突出
したループ状および、またはアーチ状の突出たる
みが多数存在するためにパツケージからの糸の解
舒性が悪い。また該糸を編成工程または製織工程
等の高次加工工程に供するときにループ状およ
び、またはアーチ状の突出たるみが絡み合つてフ
イラメント切れを起こしたり、編針にループ状お
よび、またはアーチ状の突出たるみが絡みついた
りして高次加工性が極めて不良である。 また、嵩高性のループや絡み強さを向上させた
り、嵩高性を向上させるために複数本の糸条を使
用してオーバーフイード率を変えて流体乱流処理
したり、それぞれの糸条の少なくとも一部に撚を
施してから流体乱流処理することも行なわれてい
るが、操置および操作が複雑となり、複数本の糸
条を使用することも加味すると極めてコストの高
いものとなる欠点および嵩高性を大きくしようと
すると繊維束から突出した大きなループ状およ
び、またはアーチ状の突出たるみが多数存在する
という欠点がある。 本発明はこのような従来技術の欠点、とりわけ
特開昭50−89659号公報の方法で得られる嵩高糸
の欠点をなくした紡績糸様の風合と外観を有し、
かつパツケージからの糸の解舒性が良好で編成お
よび製織時の工程通過性に優れた嵩高糸を提供す
るものである。 すなわち本発明は、流体乱流によりループや絡
みが施された熱可塑性マルチフイラメント糸であ
つて、該糸を構成する同一フイラメントの長さ方
向の熱収縮率および該糸の同一断面内の各フイラ
メント間の熱収縮がそれぞれ不均一であり、かつ
繊維束の表面より突出したループ数が3000コ/m
以上であり、かつ繊維束から最も離れている位置
と繊維束表面との距離が2.5mm以上のフイラメン
トおよび、またはフイラメント群の突出たるみが
0.8コ/m以下であることを特徴とする特殊嵩高
糸である。 以下図面に従つて本発明を説明する。 第1図−A、第1図−Bおよび第1図−Cは本
発明の糸の構成を示すモデル図であり、第2図は
この発明の糸の製造法の一例を示す工程の概略側
面図である。第1図−Aに示すように本発明の嵩
高糸は1本のマルチフイラメント糸から形成さ
れ、これを構成する各フイラメントが相互に混合
され、互に絡み合つており、かつ糸束の表面から
突出したループ1が多数存在している。さらに第
1図−Bに示したように第1図−Aのループ1を
拡大すると熱処理された部分2と実質的に熱処理
されない部分3とが連続的に、かつランダムに分
布した構造をなしている。そして後で述べる測定
法で測定されるループ数は3000コ/m以上であ
る。さらにまた第1図−Cに示すように繊維束表
面から最も離れている位置までの距離Lまたは
L′が2.5mm以上であるフイラメントまたはフイラ
メント群の突出たるみの数が後で述べる測定法で
測定して0.8コ/m以下である必要がある。 また本発明になる嵩高糸は該糸を構成する同一
フイラメントの長さ方向の熱収縮率が不均一であ
り、かつ該糸の同一断面内の各フイラメント間の
熱収縮率も不均一であるため、熱処理により、よ
り大きな嵩高性を示す潜在嵩高性向上機能を有
し、糸または編織物を熱処理すると嵩高性が増加
する特徴を有する。すなわち本発明になる嵩高糸
は後に述べる嵩高度の測定法により(乾熱処理後
の嵩高度)−(嵩高度)の値が5c.c./g以上を示す
ことが好ましく、より好ましくは7c.c./g以を示
すものである。なお、嵩高度の値は6〜15c.c./g
であることが、ループ数3000コ/m以上とし良好
な紡績糸様風合と外観を与える点および解舒性と
工程通過性を与える点で好ましい。 本発明でいう嵩高糸を構成する同一フイラメン
トの長さ方向の熱収縮率が不均一であるとは本発
明では次のように定義される。 試料嵩高糸から任意の1フイラメントをできる
だけ張力をかけないように注意深く取り出し、該
フイラメントを任意の50個所で約3cmに切断して
それぞれの一端をピンクリツプで、他端を0.1
g/dの荷重で固定し、0.1g/dの荷重下でピン
クリツプと0.1g/d荷重間のフイラメントの長さ
L1をカセツトメーターで読みとる。この場合L1
は2.0〜2.5cmになるようにする。次いでピンクリ
ツプと0.1g/d荷重間の距離をフイラメントが熱
処理により十分収縮できるようにたるませた状態
で200℃で5分間処理し、0.1g/dの荷重下でピ
ンクリツプと0.1g/d荷重間のフイラメントの長
さL2をカセツトメーターで読みとる。 フイラメントの乾熱収縮率を次式によつて求
め、測定値が分布を示し、かつ最大値と最小値の
差が4%以上あるものが同一フイラメントの長さ
方向の熱収縮率が不均一であると定義する。 フイラメントの乾熱収縮率(%) =L1−L2/L1×100 同一断面内の各フイラメント間の熱収縮率が不均
一であるとは本発明では次のように定義される。 試料嵩高糸を任意の個所で約3cmに切断し、で
きるだけ張力をかけないようにして嵩高糸を構成
しているフイラメント数と等しい数の全フイラメ
ントに分離する。次いで該分離全フイラメントを
前記した同一フイラメントの長さ方向の乾熱収縮
率と同一測定方法で乾熱収縮率を測定し、測定値
が分布を示し、かつ10個所の測定でそれぞれの断
面でのフイラメントの乾熱収縮率の最大値と最小
値の差の平均値が4%以上あるものが同一断面の
各フイラメント間の熱収縮率が不均一であると定
義する。 ただし、熱収縮の測定値の分布図を1%きざみ
で作図したときに複数のピークがある際には頻度
の大きな方から2つのピークを取り出したときに
その2つのピーク間の熱収縮率差の10個所の断面
での平均値(XA)をそれぞれの断面における熱
収縮率の最大値と最小値の差の10個所の断面での
平均値(XB)から引いた値(XB−XA)が4%
以上であるものが同一断面の各フイラメント間の
熱収縮率が不均一であると定義する。 上述した嵩高糸は例えば第2図に示す工程によ
り製造することができる。 第2図において熱可塑性マルチフイラメント延
伸糸11をフイードローラー12とローラー15
との間で加熱ピン13と流体噴射による交絡付与
装置14を通過させる。この時、フイードローラ
ー12とローラー15とは周速を異にし、加熱ピ
ン13において糸条の熱収縮応力以下の低張力
(ピン上でフイラメントのたるみが発生し得る低
張力、例えば5〜120mg/d,好ましくは10〜60
mg/d)で、かつ加熱ピン13の熱が走行してい
るマルチフイラメントが糸全体に均一に伝わらな
いような短時間内に接触走行させる。マルチフイ
ラメント延伸糸11は加熱ピン13上を接触走行
することによりランダムな熱収縮差、糸長差およ
びアーチ状のたるみが発生する。さらに、加熱ピ
ン13を経た糸条は、交絡付与装置によつて、フ
イラメントおよびフイラメント群が相互に交絡す
ると同時に糸長差およびアーチ状のたるみはフイ
ラメント間または糸束に絡みついて糸束からの突
出が小さくなる。こうしてローラー15を通過し
た糸条は取り出しローラー17との周速の差によ
つて過剰供給状態で“タスラン”ノズル(“タス
ラン”はループ状非伸縮嵩高加工に関するデユポ
ン社商標)16にフイードされこのノズル中で流
体の乱流作用を受けて糸束を構成するフイラメン
トはばらばらに開繊し、かつランダムなトルクが
与えられ、その後ノズル外に噴射されて流体の乱
流域から開放された時前述のトルクはループに変
化して糸束は安定した形態に落ち着く。ローラー
17を出た糸束は巻取機18を巻取られる。すな
わち、加熱ピン13では糸束に熱収縮差、糸長
差、たるみを発生せしめ、交絡付与装置14では
糸条に交絡を付与すると同時に糸長差、たるみを
糸束に絡み付け、さらに“タスラン”ノズル16
ではフイラメントにランダムなトルクを与えた後
これをループに変化させて巻取るものである。 上記のようにして得る嵩高糸は繊維束の表面に
突出したループ数が3000コ/m以上、好ましくは
4000コ/m以上、かつ繊維束から最も離れている
位置と繊維束表面との距離が2.5mm以上のフイラ
メントおよび、またはフイラメント群の突出たる
みの数が0.8コ/m以下、好ましくは0.5コ/m以
下になるようにコントロールする必要がある。ル
ープ数が3000コ/mに満たないとこの嵩高糸を用
いた編織物の嵩高性は不十分で品位の劣る布帛と
なる。また、該突出たるみの数が0.8コ/mより
多くなるとパツケージからの糸の解舒性が悪化す
ると同時に編成、製織等の工程通過性が悪化す
る。前記した特開昭50−89659号公報に記載され
た方法で得られる糸は繊維束から最も離れた位置
までの距離が2.5mm以上のフイラメントまたはフ
イラメント群の突出たるみの数が2コ/mより多
い。 本発明の製造方法において第2図に示すように
延伸糸を出発原料とする場合もあるが、未延伸糸
を出発原料として延伸に直結して加工する場合も
含まれる。特に延伸直結プロセスにおいては本発
明の効果は顕著である。交絡付与装置14の設置
位置は加熱ピン13の前でも良いが第2図に示す
ように加熱ピンの後に置いた方が効果は顕著であ
る。“タスラン”ノズル16での処理は過剰供給
状態で処理する必要がありループ数を3000コ/m
以上とするため、ローラー17の周速度に対して
ローラー15を10%以上過剰供給する必要があり
好ましくは13〜50%がよい。 交絡付与装置としては圧空噴射ノズルが好まし
く用いられるが特にこれに限定されず他の如加な
る方法も利用できる。 “タスラン”ノズルは通常の流体乱流ノズルが
使用でき例えば特公昭38−2828号公報、特開昭50
−116745号公報などに開示されたものが好まし
い。突出たるみの数を0.8コ/m以下とするため
に流体乱流処理ノズルに供給する流体の圧力は
3.0Kg/cm2(G)以上が好ましく、4.0Kg/cm2
(G)以上でかつ、流体圧力(Kg/cm2)/{流体
撹乱域への給糸速度(m/min)の平方根}が
0.23以上が一層好ましい。 なお、流体乱流ノズル16の前に、水分付与装
置19で糸に水分を付与すると流体乱流処理の効
果が向上し、ループの絡み強さが強くなり、また
フイラメントの長さ方向のループや絡みの均一性
が向上するのでより好ましい。 この発明に用いられる熱可塑性マルチフイラメ
ント糸とはポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
オレフイン系およびポリビニル系などである。ポ
リエステル系とは例えばテレフタル酸を主要な二
塩基酸とし、グリコールとしてはエチレングリコ
ールまたはシクロヘキサンジメタノールを主要な
グリコールとして用いられたもの、またはエチレ
ンオキシベンゾエートを用いたものであり種々の
エステル形成性化合物を共重合したものであつて
もよい。ポリアミド系としては例えばポリε−カ
ブロアミドまたはポリヘキサメチレンアジポアミ
ドであり種々のアミド形成性化合物を共重合した
ものも用いられる。 また、本発明の効果を妨げないかぎり、前記マ
ルチフイラメント中に公知の顔料、制電剤、難燃
剤、染着座成分などの改質剤が含有されていても
よく、断面形状は丸形でも異形でもよい。 本発明で用いる熱可塑性マルチフイラメントは
低張力下加熱体に接触走行させる直前の延伸糸の
沸水収縮率が3%以上のものが潜在嵩高性向上機
能を十分付与する点から好ましく、5%以上のも
のがより好ましい。また細デニール、多フイラメ
ント数の方がループの絡み強さが向上するため、
フイラメントデニールは3.2d以下が好ましく、
2.1d以下がより好ましく、さらに総フイラメント
数は24本以上が好ましい。さらにフイラメントデ
ニールの異るもの、熱収縮率の異るものの混繊糸
や混繊しつつ低張力下加熱体処理へ供給すること
もできる。 次にループ数の測定法、フイラメントまたはフ
イラメント群のたるみの数の測定法、“タスラ
ン”処理時のオーバーフイード率、嵩高度および
乾熱処理後の嵩高度の測定法を以下に示す。 〔ループ数の測定法〕 嵩高糸の約5〜10cmを0.1g/dの張力下で透光
性の平板2枚の間に挾み拡大鏡で17倍に拡大した
映像を作る。本発明ではかかる映像において、第
1図−Cのフイラメント5に示すごとく糸束表面
から突出した形状を示す際に、糸束表面から突出
する両端の位置間距離Nと糸束表面から最も離れ
た位置と糸束表面間の距離Mの比N/Mが4以下
のものをループとする。なお、N/Mが4より大
きいものをアーチとする。かかるループの数を2
cm当り読みとる操作を無作為にサンプリングした
20サンプルにつき行ないこれを平均し、1m当り
のループの個数とする。 〔フイラメントおよび、またはフイラメント群
の突出たるみの数の測定法〕 本発明における突出たるみとは糸束表面から突
出したもの、すなわちループあるいはアーチにお
いて糸束表面から最も離れた位置と糸束表面間距
離が2.5mm以上のものをいう。突出たるみの数は
次の方法で測定する。 嵩高糸の10mを黒色紙の上に0.1g/dの張力
下において真上から拡大鏡で拡大しつつ観察し、
ノギスで糸束表面から最も離れた位置と糸束表面
間の距離が2.5mm以上あるもののフイラメントお
よび、またはフイラメント群のたるみの数を読み
とる。ただし、フイラメント群とは複数本のフイ
ラメントが全く同じ位置で、かつ同じ形状をして
おりフイラメント数の不明のものを指す。この操
作を無作為にサンプリングした10サンプルについ
て行ない平均して1m当りの個数とする。 〔“タスラン”処理時のオーバーフイード率〕 “タスラン”処理域に給糸するローラーと取り
出すローラーの表面速度をそれぞれV1、V2m/
minとしたとき オーバーフイード率(OF率) =V1−V2/V2×100(%) として求める。 〔嵩高度〕 糸を綛操機で80回巻きの綛として4綛とり、こ
の綛を8折にして幅25mmのポリエステルテープ織
物で50gの荷重をかけて見掛体積を求め、このテ
ープ中に含まれる糸の重さで除して単位重量当り
の見掛体積を求めたものである。 〔乾熱処理後の嵩高度〕 糸を綛操機で80回巻きの綛として4綛とり、
180℃乾熱中無荷重で5分間熱処理してバルキー
化させ、上記嵩高度測定と同様な方法で単位重量
当りの見掛体積を求めたものである。 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 ポリエチレンテレフタレート未延伸糸を延伸に
引き続き第2図に示した装置で加工した。ローラ
ー12を延伸ローラーとして延伸後の延伸糸の沸
水収縮率が11%でかつ150デニール、72フイラメ
ントとなるように通常の延伸方式を選んだ。ロー
ラー12,15の周速度をそれぞれ200m/
min、185m/minとし、加熱ピン13として外径
35mmのものを220℃で用い、圧空噴射ノズル14
としては通常用いられているもので糸通路径1.5
mmφ、長さ15mm、圧空噴射孔径1.0mmφ、圧空吹
込み圧を3.0Kg/cm2として用いた。“タスラン”ノ
ズル16はUSP3545057の図4に示されるものを
用い、エアー圧力、オーバーフイード率は表1に
示す実験No.1〜10の条件とした。なお、水分付与
装置19より5c.c./minの水を糸に付与した。ま
た巻取に際しては巻取直前にレツドウツド粘度
70sec(30℃)の鉱物油を90重量%以上含有する
油剤を嵩高糸重量に対し2%付与し、綾角15゜、
150cm巻巾のストレート巻チーズ(2Kg巻)に巻
取張力25gで巻上げた。得られた嵩高糸のループ
数、突出たるみ数、嵩高度および乾熱処理後嵩高
度を表1に示す。かかる嵩高糸を18G24口給糸2
段両面丸編機により編成速度100m/minで編成
し編成性を調べた。編機への糸道途中に70グラム
以上の過大張力がかかつた場合および糸切時に編
機を停止させるように自動停止装置が設けてあ
る。各加工条件で得られた嵩高糸の編機停止回数
を表1に示す。編機停止回数は生産性の点から
0.5回/Kg以下が必須であり、突出たるみの数が
0.8コ/mより大きい実験No.1,2,3ではいず
れも編機停止回数が多い。得られた編地を染色後
180℃乾熱仕上処理した編物の風合は実験No.8の
ものは風合がフイラメント調で硬く嵩高性も不足
していた。実験No.9は嵩高性が若干低いが実用可
能なレベルであり他はいずれも紡績様の風合を示
し、ソフトで嵩高性に優れたものであつた。 比較実施例 1 圧空噴射ノズル14を用いずにエアー圧力およ
びオーバーフイード率を表1の実験No.11,12とし
て実施例1と同様に加工、編成を行なつた。嵩高
糸の糸質および編機停止回数を表1に示す。いず
れも突出たるみが多く編機停止回数が多かつた。 【表】
第1図−Aおよび第1図−Bは本発明の糸の構
成を示しモデル図、さらに第1図−Cはループ数
の測定法説明図、第2図は本発明の糸の製造工程
の一例を示す側面略図である。 1:本発明の嵩高糸が有するループ、2:熱処
理を強く受けた部分、3:熱処理を実質的に受け
ていない部分、4:アーチ、4′:ループ、5:
フイラメント、11:マルチフイラメント延伸
糸、12:供給ローラー、13:加熱ピン、1
4:交絡付与装置、15:ローラー、16:“タ
スラン”ノズル、17:取出しローラー、18:
巻取機、19:水付与装置。
成を示しモデル図、さらに第1図−Cはループ数
の測定法説明図、第2図は本発明の糸の製造工程
の一例を示す側面略図である。 1:本発明の嵩高糸が有するループ、2:熱処
理を強く受けた部分、3:熱処理を実質的に受け
ていない部分、4:アーチ、4′:ループ、5:
フイラメント、11:マルチフイラメント延伸
糸、12:供給ローラー、13:加熱ピン、1
4:交絡付与装置、15:ローラー、16:“タ
スラン”ノズル、17:取出しローラー、18:
巻取機、19:水付与装置。
Claims (1)
- 1 流体乱流によりループや絡みが施された熱可
塑性マルチフイラメント糸であつて、該糸を構成
する同一フイラメントの長さ方向の収縮率および
該糸の同一断面内の各フイラメント間の熱収縮率
がそれぞれ不均一であり、かつ繊維束の表面より
突出したループ数が3000コ/m以上であり、かつ
繊維束から最もはなれている位置と繊維束表面と
の距離が2.5mm以上のフイラメントおよび、また
はフイラメント群の突出たるみ数が0.8コ/m以
下であることを特徴とする特殊嵩高糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13421781A JPS5777339A (en) | 1981-08-28 | 1981-08-28 | Special bulky yarn |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13421781A JPS5777339A (en) | 1981-08-28 | 1981-08-28 | Special bulky yarn |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5777339A JPS5777339A (en) | 1982-05-14 |
JPS6136104B2 true JPS6136104B2 (ja) | 1986-08-16 |
Family
ID=15123161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13421781A Granted JPS5777339A (en) | 1981-08-28 | 1981-08-28 | Special bulky yarn |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5777339A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6407095B2 (ja) * | 2015-05-07 | 2018-10-17 | 株式会社ゴーセン | モーター用結束紐 |
-
1981
- 1981-08-28 JP JP13421781A patent/JPS5777339A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5777339A (en) | 1982-05-14 |
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