JPS632932Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ガイド通路内に差込まれた印字カー
ドに対するロツクを、プリンターの印字終了と同
時に確実に解除するプリンター用カードロツク解
除装置に関する。

［従来の技術］ タイムカードに対する印字をドツトプリンター
を用いて行なう電子化タイムレコーダーでは、差
込まれたタイムカードに対してドツトプリンター
を横方向に移動させながら印字を行なう関係上、
差込んだタイムカードを印字終了前、即ち、ドツ
トプリンターの印字作動中に早目に引抜いてしま
うと、カードの引抜き方向に従つて斜線状に曲が
つた変形文字が印字されてしまう問題があり、そ
こで従来は、例えば本出願人が提案した実願昭57
−78744号（実開昭58−183572号）の考案に見ら
れる様なカードロツク装置を用いて、ドツトプリ
ンターが横方向に印字作動している最中は、電磁
石によつて吸引作動されるロツクレバーがタイム
カードをガイド通路内にロツクして、タイムカー
ドの早期抜き出しによる印字ミスを防止してい
た。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、上記のカードロツク装置はロツクレ
バーの先端をクサビ型に形成し、このクサビ型の
先端をカード面に喰い込ませてロツクする関係
上、ロツクレバーの回動支点と先端の形状を適切
に選定したとしても、カードの紙厚、紙質等によ
つてロツクのきき具合が微妙に変化するため、各
種のカードに対応できる様に予めロツクを強目に
行なう様に調整されており、従つて、特に厚く而
かもやわらかな紙質のカードを使用している時
に、カードを瞬間的に強く引いてそのまま保持し
ていると、ロツクレバーの先端がカード面に喰い
込んで外れなくなる場合が有り、更にそのまま強
く引抜くとカードとかロツクレバーを破損してし
まうため、この様な場合は、カードを一度押し下
げてロツクを外さないとカードの抜き出しが行な
えないといつた煩わしさがあつた。

従つて本考案の技術的課題は、プリンターによ
る印字が終了すると、ロツクレバーを強制的に回
動してロツクを解除し、印字カードを必ず抜き出
すことができる様にすることにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記の技術的課題を解決するために本考案で講
じた手段は以下の如くである。

(1) プリンターが印字を行なつている間、ロツク
レバーが印字カードをロツクする装置に於い
て、上記プリンターの印字作動終了位置に解除
突子を突出して、印字作動終了時に上記のプリ
ンターがこの解除突子を押動する様に構成する
こと。

(2) 上記の解除突子には、解除突子の押動に連動
して上記のロツクレバーを解除方向に強制回動
する解除レバーを連繋すること。

［作 用］ 上記の手段は以下の如く作用する。

上記(1)の要素によれば、プリンターが印字終
了位置迄移動して印字を終了すると、始めて解
除突子がこのプリンターによつて押動されるも
のであるから、解除突子が印字終了以前に押動
されることがない。

上記(2)の要素は、プリンターによる印字が終
了する迄ロツクレバーによる印字カードのロツ
クが継続され、印字が終了して解除突子が押動
されると、上記のロツクを強制的に解いて印字
カードの引抜きを可能にするものであつて、ロ
ツクレバーの喰い込み等による印字カードの引
抜き不良の問題、並びに、ロツクレバーの解除
作動不良の問題を解決できる。

以上の如くであるから、上記の手段によつて上
述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の
問題点を解消することができる。

「実施例」 次に、上述した本考案の一実施例を添附した図
面と共に詳細に説明する。

添附した図面は、いずれも本考案に係る解除装
置をタイムレコーダー用カードロツク装置に実施
した状態を示したものであつて、図中、１０はカ
ードポケツト、１１と１２はこのカードポケツト
１０の底部側に連設した前後の脚板で、これ等両
脚板１１，１２の間隔が上記カードポケツト１０
の挿入口１０ａに連らなるガイド通路１３に成つ
ていて、挿入口１０ａよりガイド通路１３を通し
て挿入された印字カードTCは、第１図並びに第
３図の如くプリンター２０のヘツド２０ａと、プ
ラテン１４との間に挿入介在される仕組に成つて
いる。２１は上記のプリンター２０を取付けたプ
リンター台で、２２はプリンター台２１のガイド
軸、２３はプリンター台２１をガイド軸２２に沿
つて横移動する溝カム軸で、この軸２３の周面に
凹設した溝カム２３ａに上記プリンター台２１の
底面に垂設した作動子２１ａが嵌込まれていて、
溝カム軸２３がモータ（図示せず）によつて回転
すると、プリンター台２１、即ち、プリンター２
０を差込まれた印字カードTCの面に沿つて横方
向に移動し、この移動中にカード面の所定印字欄
にプリンター２０が時刻データ等を印字する。

以上の如きプリンター装置に使用されるカード
ロツク装置は、断面を略Ｕ字形状に造つたヨーク
３０と、このヨーク３０の短い方の柱３０ａに電
磁コイル３１ａを巻いて構成される電磁石３１
と、ヨーク３０をレコーダー内部に固定する取付
枠３２と、ロツクレバー３３、及び、ロツクバネ
３４によつて構成されている。

上記ヨーク３０の長い方の柱３０ｂは、上端が
略Ｙ字形状に形成されていて、その嵌込溝３０ｃ
に上記のロツクレバー３３が上下回動自在に嵌込
まれており、また、上記長い方の柱３０ｂの左右
両側にはブラケツト３０ｄ，３０ｄが連設されて
いる。１５は前記カードポケツト１０を取付けた
レコーダーの外ケースで、この外ケース１５の天
井面に天板３２ａを固定した上記取付枠３２の左
右の脚板３２ｂ，３２ｂに、上記ヨーク３０の左
右のブラケツト３０ｄ，３０ｄを夫々ビス止めす
ることにより、カードロツク装置の全体がレコー
ダー内部の所定位置、具体的には印字カードTC
のガイド通路１３を挾んでプリンター２０と対向
する位置に取付けられる。上記のロツクレバー３
３は、上面板３３ａの左右側縁に上記ヨーク３０
の嵌込溝３０ｃに嵌込自在な切欠部３３ｂ，３３
ｂが形成され、また、この上面板３３ａに連設し
た後端板３３ｃを前記電磁石３１の上面側に延設
すると共に、上面板３３ａの前端側を下方に向け
て略直角に折曲して脚片３３ｄを構成している。
３３ｅ，３３ｅは上面板３３ｄの前端側に略水平
状に突出形成した二又状のロツク片で、このロツ
ク片３３ｅ，３３ｅは第１図の如く電磁石３１の
励磁によつて後端板３３ｃが吸引され、ロツクレ
バー３３の全体が上記切欠部３３ｂ，３３ｂの部
分を支点にして図面上時計回転方向に回動する
と、前記後部脚板１２の切欠穴１２ａよりガイド
通路１３内に突入して、前部脚板１１との間で印
字カードTCをロツクする仕組に成つている。ま
た、上記脚片３３ｄの下端部側方には、ロツク解
除用の押圧片３３ｆが突設されている。更に、上
記のロツクバネ３４は、第１図，第３図並びに第
７図に示す如く全体が略Ｕ字形状に形成されてい
て、一端取付片３４ａの部分を前記ヨーク３０の
長い方の柱３０ｂの前面にビス止めする一方、Ｕ
字屈曲部３４ｂを前記ロツクレバー３３の脚片３
３ｄを下から包む様に沿わせ、且つ、先端押圧片
３４ｃの部分を脚片３３ｄの前面に押接すること
により、ロツクレバー３３の全体を常時第３図に
示した否ロツク時の状態に弾発作用する。また、
上記押圧片３４ｃの上端には略直角に折曲げた水
平なカード挿入防止片３４ｅが形成されている。

以上の構成から成るロツク装置は、印字カード
TCが挿入されて図示していないカード受けレバ
ーによつて印字段が決定されると、電磁石３１が
励磁してロツクレバー３３がロツクバネ３４に抗
して吸引回動され、両ロツク片３３ｅ，３３ｅの
先端が第１図の如く印字カードTCをロツクする
一方、ロツクバネ３４の先端押圧片３４ｃが回動
されたロツクレバー３３の脚片３３ｄに押されて
前方に屈曲回動され、カード挿入防止片３４ｅが
ガイド通路１３を閉塞して印字カードTCの早期
引出しと、二重挿入を防止する。次いで、プリン
ター２０の印字終了後電磁石３１が消勢される
と、ロツクバネ３４によつてロツクレバー３３の
全体が第３図に示した否ロツク位置に復帰回動し
てロツクを解き、また、ロツクバネ３４も現状に
復してガイド通路１３を解放し、印字カードTC
の抜き出しを許容する仕組に成つている。尚、上
述したカードロツク動作を制御装置のプログラム
によつて勤務時間外に行なう様に構成すれば、カ
ード挿入防止片３４ｅがガイド通路１３を閉塞し
て時間外の誤つたカード挿入、或は不正な挿入を
防止することも可能である。

次に、上述したロツク装置によるカードロツク
を印字終了時点で強制的に解除する本考案のロツ
ク解除装置を図面と共に説明する。

第２図，第４図並びに第５図に於いて、４０は
前記プリンター台用ガイド軸２２の外端部に遊嵌
した解除盤で、この解除盤４０はスプリング４２
によつて常時図面上右方向（プリンター台２１が
移動して来る方向）に弾発作用されていて、内側
面に取付けた解除突子４１をプリンター台２１の
移動通路上に突出している。４３は上記解除盤４
０の一端に取付けた解除レバーで、この解除レバ
ー４３の先端側４３ａは前記ヨーク３０の一方の
ブラケツト３０ｄの下端延長部に穿孔した挿入穴
３０ｅ内にスライド自在に挿入支持されている。
上記の解除突子４１は、プリンター２０が印字を
終了した後、終点位置迄引続き若干移動するプリ
ンター台２１によつて押され、解除盤４０をスプ
リング４２に抗して図面上左方向に移動し、且
つ、解除レバー４３も一諸にスライドさせること
ができる。４４は上記解除レバー４３の先端側に
取付けた押動子で、この押動子４４は解除レバー
４３のスライドに従つて前記ロツクレバー３３の
押圧片３３ｆを押動して、ロツクレバー３３の全
体を第３図並びに第４図の如く否ロツク状態に強
制回動する仕組に成つている。

尚、図面に於いて５０はプリンター２０と共に
プリンター台２１上に取付けたリボンカセツト
で、５０ａはエンドレスの印字リボンである。

「効 果」 本考案に係るプリンター用カードロツク解除装
置は以上述べた如き構成であるから、プリンター
の印字終了と同時に解除突子が押動されて解除レ
バーを作動するため、この解除レバーの作動によ
りロツクレバーが強制的に否ロツク状態に復帰回
動されるから、いちいち印字カードを下方に押し
戻さなくても自動的にロツクが外されてそのまま
印字カードの引抜きを行なうことができるもので
あつて、無理な印字カードの引抜きによる印字カ
ード及びロツク装置の破損を防止でき、印字カー
ドを必ず抜き出せる利点を発揮できる。

また、本考案ではカードロツクの強制解除をプ
リンターの移動を利用して自動的にこれを行なう
構成であるから、解除用の駆動手段を別途設ける
必要がなく、従つて、全体の構成を簡単にして容
易に而かも低コストで実施できる利点も備えるも
のであつて、図示したタイムレコーダーを始めと
する各種プリンターのカードロツク装置に実施し
て頗る好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るカードロツク解除装置の
ロツク時の状態を示した側断面図で、第２図はそ
の平面図、第３図は同じくロツク解除時の状態を
示した側断面図で、第４図はその平面図、第５図
は本考案の要部正面図、第６図はロツクレバーの
正面図、第７図はロツクバネの正面図である。 TC……印字カード、１３……ガイド通路、２
０……プリンター、２１……プリンター台、３１
……電磁石、３３……ロツクレバー、３３ｆ……
押圧片、４１……解除突子、４３……解除レバ
ー、４４……押動子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印字カードをガイド通路内に差込むと、電磁石
   が励磁してロツクレバーを吸引作動し、プリンタ
   ーが印字を行なつている間上記のロツクレバーが
   印字カードをガイド通路内にロツクするプリンタ
   ー用カードロツク装置に於いて、上記プリンター
   の印字作動終了位置に解除突子を突出して、印字
   作動終了時に上記のプリンターがこの解除突子を
   押動せしめる構成と成し、この解除突子には、解
   除突子の押動に連動して上記のロツクレバーを解
   除方向に強制回動する解除レバーを連繋したこと
   を特徴とするプリンター用カードロツク解除装
   置。