JP2003321959A - 遊技機における施錠装置 - Google Patents

遊技機における施錠装置

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JP2003321959A
JP2003321959A JP2002296083A JP2002296083A JP2003321959A JP 2003321959 A JP2003321959 A JP 2003321959A JP 2002296083 A JP2002296083 A JP 2002296083A JP 2002296083 A JP2002296083 A JP 2002296083A JP 2003321959 A JP2003321959 A JP 2003321959A
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JP2002296083A
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Yutaka Nahata
豊 名畑
Keiichi Kondo
恵一 近藤
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Nitto Island Key KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不正行為を防ぐことができる遊技機における施
錠装置を提供する。 【解決手段】施錠装置16の支持体17には外枠12の
係合部36に係合して前枠を外枠12に施錠状態とする
上部及び下部鉤部27を備えた第1作動体21が移動可
能に取り付けられている。施錠状態において、ロック体
52の係合凹所52cと第1作動体21の係合曲げ部2
7aとが係合して第1作動体21の移動を規制してい
る。支持体17にはカム板46が設けられ、カム板46
の回転によりロック体52を回動させて係合凹所52c
と係合曲げ部27aとの係合を解除することができ、さ
らに第1作動体21を下方へ移動させて上部及び下部鉤
部27と係合部36との係合を解除することができる。
係合凹所52cと係合曲げ部27aとの係合が解除され
ると、ロック体52は第2コイルばね55により第1作
動体21から離れる方向へ回動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ遊技機等
の遊技機において、遊技盤が設けられた前枠を外枠に施
錠するための遊技機における施錠装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、遊技機の一種であるパチンコ
遊技機は、その外郭が縦長四角枠状をなす外枠と、外枠
に開閉可能に支持される前枠と、前枠の内側に保持され
る遊技盤とから構成されている。また、前枠の前面に
は、四角板状をなすガラス扉が開閉可能に支持され、パ
チンコ遊技機前面から遊技盤が視認可能となっている。
そして、前枠の一側には施錠装置が装着され、外枠に対
して前枠を施錠できるとともに、前枠に対してガラス扉
を施錠できるようになっている(例えば、特許文献1参
照。)。
【0003】この種の遊技機における施錠装置は、縦長
筒状の支持体に縦長四角板状の作動板が上下移動可能に
設けられ、作動板の両端部に一対の鉤部が設けられたも
のが知られている。そして、これらの鉤部は、外枠に設
けられた一対の係合部と係脱可能に構成され、前記鉤部
が係合部に係合した状態で前枠を外枠に対して施錠でき
るようになっている。また、作動板は下方に付勢されて
おり、鉤部が係合部の下方から係合した際には、係合状
態が維持できるようになっている。
【0004】一方、支持体には、錠部材が設けられ、錠
部材の回転操作が伝達板を介して前記鉤部に伝達され、
鉤部を下方に移動できるようになっている。そして、錠
部材の回転操作によって、鉤部を下方に移動させて係合
部から離脱させることによって前枠を外枠から解錠でき
るようになっている。パチンコ遊技機は、遊技店等にお
ける枠台等に設置され、島設備を構成する。この状態に
おいて、パチンコ遊技機の上方、側面等に存在する隙間
から針金等の不正部材、手等で鉤部を操作する行為によ
って、前枠が不正に解錠される可能性がある。そして、
遊技盤に搭載されたプリント基板等の遊技構成部材に対
して不正行為が行われる可能性がある。
【0005】
【特許文献1】特開平10−66775号公報(第3頁
〜第4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
技術では、施錠装置を構成する作動板等を側面から針金
等の不正部材によって操作され、前枠が不正に解錠され
るおそれがあるという問題があった。本発明は上記従来
技術に存在する問題点に着目してなされたものである。
本発明の目的は、不正行為を防ぐことができる遊技機に
おける施錠装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、遊技盤が保持される前
枠と、前枠が開閉可能に支持される外枠とから構成され
る遊技機において、前記前枠を外枠に施錠するために設
けられる遊技機における施錠装置であって、前記前枠に
固定される支持体と、当該支持体に支持され、前記外枠
に設けられた係合部に係合して前枠を外枠に施錠状態と
する鉤部を備えた作動体と、前記支持体に設けられ、解
錠操作によって作動体を作動させて係合部と鉤部の係合
を解除する錠部材とよりなり、前記支持体にはロック体
が揺動可能に支持され、当該ロック体は外枠による押圧
により作動体と係合する方向へ回動し、その係合により
当該作動体の移動を規制して前記鉤部と係合部との係合
を維持し、前記錠部材には解錠操作により回転するカム
板が設けられ、当該カム板は前記ロック体を作動体との
係合を解除する方向へ回動させるとともに、作動体に係
止して当該作動体を係合部と鉤部の係合を解除する方向
へ作動させ、さらに前記ロック体は付勢部材により作動
体との係合が解除される方向へ付勢されていることを要
旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の遊技機における施錠装置において、前記ロック体には
当接体が揺動可能に支持され、前枠の閉止方向の回転に
伴って前記当接体が外枠に押圧されることにより、当該
当接体を介してロック体を作動体との係合位置へ回動さ
せることを要旨とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の遊技機における施錠装置において、前記当接体はロッ
ク体に基端部が揺動可能に支持された第1作動片と、同
第1作動片の先端部に基端部が揺動可能に支持されると
ともに、先端部がロック体の長さ方向又はロック体の揺
動方向へ移動可能に支持された第2作動片とより形成さ
れ、第1作動片が外枠に押圧された状態で第1及び第2
作動片のロック体の長さ方向又はロック体の揺動方向へ
の移動により、ロック体を作動体との係合を解除する方
向へ回動させることを要旨とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置に
おいて、前記支持体にはロック体に当接するストッパー
が設けられ、当該ストッパーにより前記付勢部材に付勢
されたロック体の回動を規制し、ロック体を作動体との
係合位置の近傍で停止させることを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図7に示すよ
うに遊技機の一種であるパチンコ遊技機11は、その外
郭が縦長四角枠状をなす外枠12により形成され、この
外枠12の一側の前面から一定長さだけ凹んだ位置には
外枠段部12aが形成されている。この外枠12の前面
には、四角枠状をなす前枠13が開閉可能に支持されて
いる。この前枠13には、図示しない打球発射装置、球
皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が
搭載できるとともに、前枠13の内側には遊技盤14が
保持されている。
【0012】この遊技盤14の前面には、図示しない
釘、入賞器具等の遊技構成部材が設けられ、背面にはプ
リント基板等の遊技構成部材が搭載されている。また、
前枠13の前面には、四角板状をなすガラス扉15が開
閉可能に支持され、パチンコ遊技機11前面から遊技盤
14が視認可能となっている。
【0013】前枠13には縦長四角筒状の施錠装置16
が装着され、この施錠装置16によりガラス扉15を前
枠13に施錠できるとともに、前枠13を外枠12に施
錠できるようになっている。なお、以下において上下左
右は、パチンコ遊技機11を前方から見た場合の上下左
右を示すものとする。また、パチンコ遊技機11を前方
から見た状態を正面視、後方から見た状態を背面視、側
方から見た状態を側面視、上方から見た状態を平面視と
する。加えて、施錠装置16により前枠13が外枠12
に施錠された状態を施錠装置16の施錠状態とし、外枠
12から前枠13が開放された状態を施錠装置16の解
錠状態とする。
【0014】図1に示すように、施錠装置16は、亜鉛
メッキ鋼板等の金属板から形成され、平断面視略L字状
をなすとともに、上下方向に延びるように形成された支
持体17によって外郭が形成されている。この支持体1
7は、縦長四角板状の背板18と、同背板18の長さ方
向に沿った両側から直交方向に折り曲げ形成された第1
側板19と第2側板20とから構成されている。
【0015】第1側板19の内側には、前枠13を外枠
12に施錠するための四角板状をなす第1作動体21が
設けられている。一方、背板18にはガラス扉15を前
枠13に施錠するための四角板状をなす第2作動体22
が設けられている。
【0016】図1に示すように、前記第1作動体21の
上下両端には鉤部としての三角板状の上部鉤部26及び
下部鉤部27が設けられている。各鉤部26、27の基
端及び第1作動体21のほぼ中央には、縦長楕円状の案
内孔28が形成されている。図2(b)及び図2(c)
に示すように、各案内孔28からリベットRが第1側板
19に固定されることにより、第1作動体21は第1側
板19の内側に上下動可能に設けられている。
【0017】図1に示すように、第1作動体21の下部
には、背面C字状の当接部位29が折り曲げ形成され、
この当接部位29の外面は、第2側板20の内面に当接
するようになっている。この当接部位29の中央部に
は、細長四角板状の第1押圧片30が突設されている。
また、当接部位29において、下部鉤部27側の折り曲
げ部分には係合曲げ部27aが形成されている。
【0018】図2(a)及び図2(b)に示すように、
第1作動体21の上端側及び背板18の上端側には、掛
止片31がそれぞれ形成されている。各掛止片31に第
1コイルばね32の各端部が掛止され、その第1コイル
ばね32により第1作動体21は支持体17に対して上
方に付勢されるようになっている。
【0019】図1及び図2(b)に示すように、上部鉤
部26及び下部鉤部27の先端縁には、端部に向かうに
従い、下方に傾斜する傾斜面33が形成されている。ま
た、各鉤部26、27の中央には、上方に向かって開口
する係合凹所34がそれぞれ凹設されている。これらの
係合凹所34が、図7に示す外枠12の右端の上下両部
に外枠12内へ四角板状に突出する係合部36にそれぞ
れ係合されることによって、外枠12に前枠13が施錠
されるようになっている。
【0020】図1に示すように、第2作動体22の上下
両端及び下端側の中間部には縦長楕円状の案内孔28が
形成されている。そして、図2(a)に示すように、各
案内孔28からリベットRが背板18に固定されること
により、第2作動体22は背板18の内側に上下動可能
に設けられている。
【0021】図1及び図2(a)に示すように、背板1
8の下端側には背面横台形状をなすシリンダ錠固定片4
5が背板18と平行方向に突設されている。このシリン
ダ錠固定片45には錠部材としてのシリンダ錠44の基
端側が固着され、先端を背板18の背面に突出した状態
で背板18に装着されている。
【0022】シリンダ錠44の基端面には、背面視横V
字状のカム板46がカム板支持軸46aに軸着されてい
る。シリンダ錠44に鍵47を挿入して回動すると、カ
ム板46はカム板支持軸46aを中心に鍵47の回動方
向と同一方向に回動するようになっている。図1に示す
ように、カム板46には舌片状の第1脚片46bがカム
板46の中央から斜め上方に向かって突設されている。
また、カム板46には舌片状の第2脚片46cが、段差
部分を介してカム板46の中央から下方に向かって突設
されている。
【0023】カム板46は、各脚片46b、46cが第
2側板20に向かって開脚する方向に位置している。そ
して、図2(b)に示すように、第1脚片46bと第2
脚片46cとの間には前記第1押圧片30の端縁が位置
している。そして、施錠状態以外では、シリンダ錠44
から鍵47が抜き差しできないようになっている。
【0024】鍵47を前方から見て時計方向に回転させ
ると、第1脚片46bは第1押圧片30の端縁に係止
し、さらに同第1押圧片30を押し下げることができ
る。一方、図1及び図2(b)に示すように、第2側板
20の中央には、縦長四角状の挿通孔48が形成され、
各脚片46b、46cの先端が第2側板20に当接しな
いようになっている。
【0025】図2(c)に示すように、前記シリンダ錠
固定片45の両端部には、前記支持体17の一部として
の横長四角板状をなす取付支持部材51が、第2側板2
0に対してほぼ平行をなすように固着されている。この
取付支持部材51は、同取付支持部材51の長さ方向の
両側部から延設された固定脚片51aによりシリンダ錠
固定片45に固着されている。
【0026】図3に示すように、一対の固定脚片51a
の間には前記カム板46が配置され、それら固定脚片5
1aの間で回転されるように設けられている。取付支持
部材51において、第1脚片46b側に位置する固定脚
片51aは第2側板20から離れる方向へ突出するよう
に折り曲げ形成され、前記カム板46の回転時に第1脚
片46bと干渉しないようになっている。
【0027】図1に示すように、取付支持部材51の長
さ方向に沿ったほぼ中央部には背面側へ延びる掛止フッ
ク51bが形成されている。また、取付支持部材51の
上端部には、略横長四角形状をなすロック体52の基端
部(図1では上端部)が軸体52aにより取り付けら
れ、そのロック体52は軸体52aを中心として揺動可
能になっている。
【0028】ロック体52の中央部には、カム板46側
へ突出する規制突片52dが突設されている。前記規制
突片52dは基端から先端側へ向かうに連れて下方へ傾
斜するようにテーパ状に形成されている。そして、図4
に示すように、施錠装置16の施錠状態では、前記規制
突片52dが前記第1脚片46bと第2脚片46cとの
間に入り込み、カム板46の回転を規制するようになっ
ている。
【0029】図1に示すように、ロック体52の先端側
(図1では下端側)には同ロック体52の長さ方向に対
して交差する方向、即ちロック体52の揺動方向に延び
る長孔52bがストッパーとして穿設され、その長孔5
2b内を通過したピン体51cが前記取付支持部材51
に固定されている。ロック体52において、前記長孔5
2bより先端側(図1では下端側)には係合凹所52c
が凹設されている。
【0030】そして、施錠装置16の施錠状態では、図
4に破線に示すように、係合凹所52cが第1作動体2
1の係合曲げ部27aに係合して第1作動体21の下方
への移動を規制するようになっている。図1に示すよう
に、ロック体52において、前記第1側板19側の側面
における係合凹所52cの近傍位置には側面視横V字状
をなす当接体53が同当接体53の中央部からロック体
52に固定されたリベットRにより揺動可能に軸支され
ている。
【0031】図2(c)に示すように、この当接体53
には同当接体53の中央部から斜め上方に向かって背面
側へ延びる第1側片部53aと、当接体53の中央部か
ら斜め下方に向かって背面側へ延びる第2側片部53b
とが形成されている。また、図2(a)に示すように、
第2側片部53bの先端には、当接片53eが折り曲げ
形成され、この当接片53eは前枠13の閉止方向への
回転の際に、外枠段部12aに当接し、さらに外枠段部
12aにより第1作動体21に近付く方向へ押圧される
ようになっている。
【0032】図1に示すように、前記第1側片部53a
の上端部と前記掛止フック51bとに第2コイルばね5
5の両端がそれぞれ掛止されている。そして、施錠装置
16の解錠状態では、前記第2コイルばね55によりロ
ック体52は、第1作動体21から離れ、係合凹所52
cと係合曲げ部27aとの係合が解除される方向へ付勢
されている。このとき、長孔52bの第1作動体21側
の内周面にピン体51cが当接することによりロック体
52の回動を停止させ、係合凹所52cが係合曲げ部2
7aの近傍に位置するように配置させている。
【0033】即ち、図2(b)及び図2(c)に示すよ
うに、第2コイルばね55の付勢力により、ロック体5
2は係合凹所52cと係合曲げ部27aとの係合が解除
される方向及び規制突片52dが第1脚片46bと第2
脚片46cとの間の位置から離れる方向へ付勢されてい
る。加えて、前記第2コイルばね55により、施錠装置
16の解錠状態では、当接体53は第2側片部53bが
第1側片部53aより背面側へ突出する方向へ付勢され
ている。
【0034】さて、この施錠装置16を前枠13に装着
するには、背板18の外面を前枠13の背面右端部に当
接し、ねじ等で固定する。そして、図7に示すようにシ
リンダ錠44の先端は前枠13に形成された図示しない
挿通孔に挿通され、前枠13の前面に突出されている。
【0035】次に、開放状態の前枠13を外枠12に施
錠するには、前枠13を閉止方向に回転させる。このと
き、図2(b)及び図2(c)に示すように、ロック体
52は第2コイルばね55の付勢力により、係合凹所5
2cと係合曲げ部27aとは係合せず、上部鉤部26及
び下部鉤部27は下方に移動可能な状態となっている。
そして、前枠13が閉止方向へ回転され、上下各係合部
36の下端縁に上部及び下部鉤部26,27の傾斜面3
3が摺動されるに伴い、各鉤部26、27は第1コイル
ばね32の付勢力に抗して下方に移動される。
【0036】前枠13の回転中に第1作動体21が下方
へ移動されていくに伴い、図4に2点鎖線に示すよう
に、当接片53eが外枠段部12a前面に当接し、さら
に当接片53eは第2コイルばね55の付勢力に抗して
第1作動体21側へ押圧される。すると、当接片53e
を介してロック体52も外枠12に押圧されて、第1作
動体21側へ回動される。このとき、長孔52bとピン
体51cとの当接によりロック体52の回動が規制さ
れ、係合曲げ部27aから僅かに離れた位置にロック体
52が配置されているため、係合凹所52cが係合曲げ
部27aに係合する方向へロック体52が確実に回動さ
れる。
【0037】続いて、外枠段部12aにより当接片53
eを介してロック体52がさらに第1作動体21側へ回
動され、図4に破線に示すように、係合凹所52cが係
合曲げ部27aに係合する。このとき、当接体53が外
枠段部12aに押圧されると、当接体53が取付支持部
材51の端部に当接する。すると、当接体53は取付支
持部材51の端部に沿って回動し、第1側片部53aが
外枠12側へ、第2側片部53bが第1作動体21側へ
向かうように回動する。
【0038】そして、前枠13の背面が外枠12の前面
に当接したときには、各鉤部26、27の係合凹所34
と対応する係合部36が係合され、前枠13は外枠12
に施錠される。この施錠状態において、第1コイルばね
32の付勢力によって各鉤部26、27は上方に移動さ
れている。なお、このとき、第1側片部53aの先端は
第2側片部53bの先端より前方に位置し、当接片53
eに外枠12が当接した状態で外枠12と第1側片部5
3aの先端との間には隙間が形成されている。
【0039】また、第2コイルばね55は伸長状態とな
り、その第2コイルばね55により、第1側片部53a
が第1作動体21側へ、第2側片部53bが外枠12側
へ向かって回動するように当接体53が引っ張られてい
る。加えて、第1脚片46bと第2脚片46cとの間に
は規制突片52dが入り込んでいる。
【0040】従って、パチンコ遊技機11の上方、側面
等に存在する隙間から不正部材、手等で上部鉤部26及
び下部鉤部27を不正に操作しようとしても、係合凹所
52cと係合曲げ部27aとの係合により第1作動体2
1の下方への移動が規制される。
【0041】続いて、外枠12から前枠13を開錠する
には、シリンダ錠44に鍵47を差し込み、鍵47を前
方から見て時計方向に回転させる。鍵47の回転に伴い
カム板46が前記時計方向に回転され、下方へ回転され
た第1脚片46bが規制突片52dに摺接する。
【0042】すると、図5に示すように、規制突片52
dが第1脚片46bにより徐々に外枠段部12a側へ押
し出され、ロック体52が外枠段部12a側へ回動され
る。このとき、当接片53eが外枠段部12aに当接し
ているため、ロック体52の外枠段部12a側への回動
が当接体53の回動運動に変換され、ロック体52はさ
らに外枠段部12a側へ回動される。即ち、当接体53
の前記第1側片部53aの先端と外枠段部12a前面と
の間の隙間分だけ当接体53が側面視で反時計方向へ回
動される。
【0043】その結果、係合曲げ部27aに対する係合
凹所52cの係合が解除される。さらに、図6に示すよ
うに、鍵47を前記時計方向へ回転させると、第1脚片
46bは第1押圧片30の端縁に係止し、その第1押圧
片30が第1脚片46bにより押し下げられる。その結
果、カム板46により第1作動体21は上部鉤部26及
び下部鉤部27と係合部36との係合が解除される方
向、即ち下方に移動される。従って、各鉤部26、27
と対応する係合部36との係合が解除され、前枠13が
開錠される。このとき、第1作動体21の移動ととも
に、第1コイルばね32は下方へ伸長した状態となる。
【0044】前枠13が解錠されると、当接片53eに
対する外枠段部12aの押圧が解除され、第2コイルば
ね55は伸長状態から収縮状態へ戻ろうとする。する
と、その第2コイルばね55により、第1側片部53a
が第1作動体21側へ、第2側片部53bが外枠12側
へ向かって回動され、当接体53は図6の側面視で時計
方向へ回動される。さらに、ロック体52が第1作動体
21から離れるように回動される。
【0045】また、鍵47の時計方向への回転状態を解
除すると、前記伸長状態にある第1コイルばね32が収
縮状態に戻ろうとして、第1作動体21を上方へ移動さ
せる。その上方への第1作動体21の移動に伴い第1押
圧片30により第1脚片46bが上方へ押圧され、カム
板46が回転する。その結果、カム板46の回転に伴い
鍵47が反時計方向へ回転し、解錠する前の状態に戻
る。
【0046】第1の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 (1)外枠12により当接体53を介してロック体52
が第1作動体21側へ押圧され、係合凹所52cが係合
曲げ部27aに係合することにより第1作動体21の移
動を規制し、係合部36と上部及び下部鉤部26,27
との係合を維持することができる。そのため、外枠12
によるロック体52の押圧と、係合凹所52cと係合曲
げ部27aとの係合との二段階で第1作動体21の移動
を規制することができる。従って、施錠装置16の施錠
状態では、パチンコ遊技機11の上方、側面等に存在す
る隙間から針金等の不正部材、手等で上部鉤部26及び
下部鉤部27を操作することができず、前枠13の不正
開錠、さらには不正行為を防ぐことができる。
【0047】(2)係合凹所52cと係合曲げ部27a
との係合位置と、下部鉤部27と係合部36との係合位
置とは間隔をおいて設けられている。そのため、施錠状
態において、パチンコ遊技機11の上方から針金等の不
正部材、手等で下部鉤部27を下方に押し下げる際、ロ
ック体52が操作されにくい。従って、不正行為をより
防ぐことができる。
【0048】(3)カム板46の回転によりロック体5
2を回動させて係合凹所52cと係合曲げ部27aとの
係合を解除することができ、さらに第1作動体21を下
方へ移動させて上部及び下部鉤部26,27と係合部3
6との係合を解除することができる。従って、カム板4
6一部材で二つの係合解除作業を行うことができ、施錠
装置16の部材点数を少なくして構成を簡易化すること
ができるとともに、製造コストの節約を図ることができ
る。
【0049】(4)ロック体52の長孔52b内にピン
体51cが挿通されているため、ロック体52は長孔5
2bがピン体51cに沿うように回動する。従って、ロ
ック体52の回動を安定した状態で行うことができる。
【0050】(5)ロック体52には当接体53が揺動
可能に支持されている。そのため、当接体53が外枠段
部12aに当接すると同当接体53の回動により外枠1
2と施錠装置16との間の距離の寸法誤差を吸収して確
実に施錠することができる。
【0051】(6)また、施錠装置16の解錠時に、当
接体53の回動によりロック体52の回動を許容するこ
とができる。従って、当接体53がロック体52に一体
形成され、その当接体53が外枠12に当接するとロッ
ク体52をそれ以上回動不能になってしまう不具合をな
くして、係合凹所52cと係合曲げ部27aとの係合を
確実に解除することができる。
【0052】(7)前枠13が開放している状態では、
第2コイルばね55の付勢力によりロック体52は第1
作動体21から離れる方向へ付勢されているため、係合
凹所52cが係合曲げ部27aに係合してしまうおそれ
を無くすことができる。そのため、外枠12を前枠13
により閉止する前に、係合凹所52cと係合曲げ部27
aとの係合により第1作動体21の移動が規制されてし
まう不具合をなくすことができ、前枠13を回転させた
とき、施錠装置16により確実に施錠することができ
る。
【0053】(8)また、前枠13が開放している状態
では、第2コイルばね55の付勢力により当接体53の
当接片53eが前枠13の背面側へ突出するように付勢
されている。そのため、前枠13を閉止方向へ回動させ
たとき、当接片53eを外枠段部12aに確実に当接さ
せてロック体52を第1作動体21方向へ確実に回動さ
せることができ、係合凹所52cと係合曲げ部27aと
の係合を確実に行うことができる。
【0054】(9)当接体53には当接片53eが形成
されているため、外枠段部12aに対する当接体53と
の接触面積を大きくして当接体53の押圧に伴う回動を
確実に行わせることができ、係合凹所52cと係合曲げ
部27aとの係合を確実に行うことができる。
【0055】(10)長孔52bとピン体51cとの当
接により、係合凹所52cが係合曲げ部27aの近傍位
置に配置される。そのため、ロック体52が第1作動体
21側へ回動したとき、係合凹所52cを係合曲げ部2
7aに確実に係合させることができ、施錠装置16の施
錠を確実に行うことができる。
【0056】(第2の実施形態)以下、本発明を具体化
した第2の実施形態を図面に基づいて第1の実施形態と
異なる点を中心に説明する。
【0057】図9に示すように、第2の実施形態におけ
るロック体52の先端部(図9では下端部)において、
同ロック体52の長さ方向に沿った両側端縁にはそれぞ
れ案内リブ60がロック体52の長さ方向へ延びるよう
に形成されている。一対の案内リブ60はそれぞれ係合
凹所52cよりロック体52の先端側に形成されてい
る。
【0058】ロック体52の中央部には細長四角板状を
なす当接体としての第1作動片61の基端部が第1軸6
2により揺動可能に支持され、その第1作動片61の先
端部には、細長四角板状をなす当接体としての第2作動
片63の基端部が第2軸64により揺動可能に支持され
ている。また、第2軸64の先端部には四角板状をなす
スライド部材65の基端部が第3軸66により揺動可能
に支持され、そのスライド部材65は前記一対の案内リ
ブ60内に配置されている。即ち、第2作動片63はス
ライド部材65によりロック体52の長さ方向に沿って
スライド移動可能に支持されている。
【0059】図9に破線に示すように、前記第1作動片
61の先端部には同第1作動片61に対して直交して外
方へ延びる当接片61aが形成されている。また、第2
作動片63と前記掛止フック51bとに第2コイルばね
55の両端がそれぞれ掛止されている。
【0060】そして、前枠13が開放され、施錠装置1
6の解錠状態では、第2コイルばね55によりロック体
52は、第1作動体21から離れる方向へ付勢されてい
る。また、前記第2コイルばね55により第2作動片6
3はロック体52の基端側、即ち、取付支持部材51に
近付くように上方へ付勢され、その第2作動片63に連
結された第1作動片61も取付支持部材51に近付くよ
うに上方へ付勢されている。
【0061】そして、第1作動片61の先端部及び第2
作動片63の基端部が第1作動体21から離れる方向へ
突出するように、第2コイルばね55により付勢されて
いる。また、第2作動片63が付勢されることにより、
第2作動片63に連結されたスライド部材65が取付支
持部材51に近付くように上方へ付勢されている。この
とき、スライド部材65は係合凹所52cと重なるよう
に配置されている。
【0062】さて、開放状態の前枠13を外枠12に施
錠するには、前枠13を閉止方向に回転させる。各鉤部
26、27が傾斜面33に沿って摺動され、第1作動体
21が下方へ移動されていくに伴い、当接片61aに外
枠段部12aが当接し、その当接片61aは第1作動体
21側へ押圧される。
【0063】すると、図8に示すように、第1作動片6
1の先端側が第1作動体21側へ回動され、それに伴
い、第2作動片63の基端側が第1作動体21側へ回動
される。スライド部材65は案内リブ60内に配置され
ているため、第2作動片63の回動運動は、スライド部
材65の直線運動に変換される。そして、スライド部材
65が第2コイルばね55の付勢力に抗して案内リブ6
0に案内されてロック体52の先端側へスライド移動さ
れる。
【0064】その結果、スライド部材65がロック体5
2に沿って係合凹所52cから離れ、第1作動片61を
介して外枠段部12aに第1作動体21側へ押圧されて
いたロック体52も第1作動体21側へ回動される。各
鉤部26、27の係合凹所34が対応する係合部36に
係合されると、外枠段部12aにより第1作動片61を
介してロック体52がさらに第1作動体21側へ回動さ
れ、係合凹所52cが係合曲げ部27aに係合する。そ
の結果、外枠12に前枠13が施錠されるとともに、第
1作動体21の移動が規制される。
【0065】外枠12から前枠13を開錠するには、シ
リンダ錠44に鍵47を差し込み、鍵47を前方から見
て時計方向に回転させる。すると、第1実施形態と同様
に、カム板46の回転により、規制突片52dが後方へ
押し出され、ロック体52が外枠段部12a側へ回動さ
れる。
【0066】ロック体52の回動に伴い第1及び第2作
動片61,63が外枠段部12a側へ移動されるが、当
接片61aが外枠段部12aに当接しているため、その
ロック体52により当接片61aを介して第1及び第2
作動片61,63が外枠段部12a側へ押圧される。す
ると、スライド部材65が案内リブ60に沿ってロック
体52の先端側へ直線運動して第1及び第2作動片6
1,63がロック体52の長さ方向に沿って延びるよう
に回動され、ロック体52がさらに外枠段部12a側へ
回動される。
【0067】そして、ロック体52の回動により係合曲
げ部27aに対する係合凹所52cの係合が解除され
る。それと同時に、上部鉤部26及び下部鉤部27は下
方に移動され、各鉤部26、27と対応する係合部36
との係合が解除されて前枠13が開錠される。
【0068】前枠13が解錠されると、当接片61aに
対する外枠段部12aの押圧が解除され、第2コイルば
ね55は伸長状態から収縮状態へ戻ろうとする。する
と、その第2コイルばね55により、スライド部材65
がロック体52の先端側から基端側へスライド移動さ
れ、係合凹所52cに対応する位置へ移動される。
【0069】また、ロック体52は第1作動体21から
離れる方向へ回動され、図9に2点鎖線に示すように、
第1作動体21も上方へ移動し、施錠装置16が解錠状
態となる。
【0070】従って、第2の実施形態によれば、第1の
実施形態の(1)〜(4)、(7)及び(10)の効果
に加え、外枠段部12aに押圧された第1及び第2作動
片61,63の回動をスライド部材65の直線運動に変
換することができる。そのため、第1及び第2作動片6
1,63が外枠段部12aに当接していてもロック体5
2を第1作動体21から離れる方向へ回動させることが
でき、係合凹所52cと係合曲げ部27aとの係合を解
除することができる。
【0071】また、案内リブ60によりスライド部材6
5をロック体52に沿って移動させることができるた
め、スライド部材65を係合凹所52cから離れるよう
に移動させて係合凹所52cと係合曲げ部27aとを確
実に係合させることができる。
【0072】(第3の実施形態)以下、本発明を具体化
した第3の実施形態を図面に基づいて第1及び第2の実
施形態と異なる点について部材番号を付して説明し、同
様の構成については説明を省略する。
【0073】図10に示すように、施錠装置70は、第
1及び第2の実施形態の支持体17とほぼ同形状をな
し、背板72と、第1側板73と第2側板74とから構
成された支持体71を備えている。この支持体71は前
記前枠13に固定され、前記第1側板73の上部の二箇
所及び下部の一箇所には、平面視横T字状をなす取付片
73aが右方向に延びるように形成されている。また、
第1側板73の下部には、リベット挿通孔73bが第1
側板73の上下方向に延びるように形成されている。さ
らに、第1側板73の下部には、ストッパーとしてのス
トッパー片73cが左方向に折り曲げ形成されている。
【0074】第1側板73の内側には、前枠13を外枠
12に施錠するために、前記係合部36に係合する鉤部
としての上部鉤部77及び下部鉤部78が形成された第
1作動体75が設けられている。また、上部鉤部77及
び下部鉤部78にはそれぞれ係合凹所79が形成されて
いる。
【0075】第1作動体75の上端部には、T字状をな
す上部ガイド孔75aが形成され、その上部ガイド孔7
5aの下側にはばね掛止部75bが下方向に延びるよう
に形成されている。さらに、第1作動体75のほぼ中央
部には、リベット挿通孔75cが形成され、第1作動体
75の下端部にはT字状をなす下部ガイド孔75dが形
成されている。また、第1作動体75の下部における背
面側の縁部には、係合折り曲げ片75eが形成されてい
る。
【0076】そして、第1作動体75は、前記第1側板
73の上部に形成された取付片73aのうち下側の取付
片73aを上部ガイド孔75aに挿入し、下部の取付片
73aを下部ガイド孔75dに挿入することによって第
1側板73に取着され、支持体71に支持されている。
【0077】第2側板74の内側にはガラス扉15を前
枠13に施錠するための四角板状をなす第2作動体80
が設けられている。この第2作動体80の上部には、側
面視逆T字状の上部取付孔80aが二箇所に形成され、
下側の上部取付孔80aの下側には側面視四角形状の貫
通孔80bが形成されている。第2作動体80の上下両
端部にはガラス扉15を前枠13に施錠するために、ガ
ラス扉15に設けられたガラス扉係合金具(図示せず)
に係合可能なガラス扉鉤部80dが形成されている。さ
らに、第2作動体80の下端部には第2作動体80の長
さ方向に延びる取付長孔80eが形成されている。
【0078】そして、前記第1側板73の上部に形成さ
れた二箇所の取付片73aのうち上側の取付片73aを
上側の上部取付孔80aに挿入するとともに、前記上部
ガイド孔75aを通過した取付片73aを下側の上部取
付孔80aに挿入する。さらに、第2作動体80を下方
にスライドさせることによって、第2作動体80は第1
作動体75に重ねた状態で支持体71に取着されてい
る。
【0079】また、前記リベット挿通孔73bから、第
1作動体75のリベット挿通孔75cを貫通したリベッ
ト82が第2作動体80の下部にかしめ着けられてい
る。加えて、前記ばね掛止部75bは貫通孔80bを貫
通し、そのばね掛止部75bにはばね部材81の下端部
が掛止され、同ばね部材81の上端部は前記上部ガイド
孔75aを通過した取付片73aに掛止されている。第
1作動体75は及び第2作動体80はそれぞれ支持体7
1に沿って上下動可能に設けられている。また、第1作
動体75は前記ばね部材81の付勢力により、上方に付
勢されている。
【0080】図11(a)に示すように、背板72の下
端側には第1及び第2の実施形態と同様の構成の錠部材
としてのシリンダ錠83が装着されている。図11
(b)に示すように、同シリンダ錠83の基端面には、
背面視横V字状をなし、第1脚片84a及び第2脚片8
4bを備えたカム板84がカム板支持軸84cに軸着さ
れている。
【0081】図10に示すように、前記第2作動体80
の下端部には、略横長四角形状をなすロック体85が配
設され、そのロック体85は基端部(図10では上端
部)を貫通した軸体85aが前記取付長孔80eを貫通
して第2側板74にかしめ着けられることにより支持体
71に取り付けられている。そして、そのロック体85
は軸体85aを中心として揺動可能になっている。
【0082】また、ロック体85の下端部には係合凹部
85bが形成され、施錠装置70の施錠状態では、前記
係合凹部85bは前記係合折り曲げ片75eに対して係
合可能に形成されている。加えて、ロック体85におい
て、前記係合凹部85bより下端側には、施錠装置70
の解錠状態で前記ストッパー片73cに当接する当接段
部85cが形成されている。そして、このストッパー片
73cに対して当接段部85cが当接することにより、
ロック体85は係合凹部85bが係合折り曲げ片75e
に係合する位置の近傍で回動が停止されている。
【0083】ロック体85の上端部において、第1側板
73側の側面には側面視横V字状をなす当接体86が同
当接体86の上端部からロック体85に固定されたリベ
ット87により揺動可能に軸支されている。この当接体
86の下端部には、第1及び第2の実施形態の当接片5
3eと同様の当接片86aが形成されている。さらに、
この当接体86の中央部の背面側の縁部と、第2作動体
80の下部の背面側の縁部とには、それぞれ付勢部材と
してのばね部材88の各端部が掛止されている。
【0084】このばね部材88の付勢力により、当接体
86は当接片86aが施錠装置70の背面側へ移動する
方向に付勢されている。さらに、ばね部材88の付勢力
により、ロック体85は係合凹部85bと係合折り曲げ
片75eとの係合が解除される方向に回動するように付
勢されている。加えて、ばね部材88は第2側板74に
取り付けられたロック体85に一端が掛止されているた
め、そのばね部材88の他端が掛止された第2作動体8
0は、ばね部材88の付勢力により下方へ付勢されてい
る。
【0085】さて、開放状態の前枠13を外枠12に施
錠装置70によって施錠するには、前枠13を閉止方向
に回転させる。第1作動体75がばね部材81の付勢力
に抗して下方へ移動されていくに伴い、当接片86aに
外枠段部12aが当接し、その当接体86はばね部材8
8の付勢力に抗して係合折り曲げ片75e側へ押圧され
る。
【0086】図12に示すように、各鉤部77,78の
係合凹所79が対応する係合部36に係合されると、伸
張したばね部材81が元の状態に復帰するため、第1作
動体75が上方へ付勢された状態が維持され、各係合部
36に対する上部及び下部鉤部77,78の係合が維持
される。また、外枠段部12aにより押圧された当接体
86を介してさらに押圧されたロック体85は、ばね部
材88の付勢力に抗して第1作動体75の係合折り曲げ
片75eに近づく方向へ回動され、係合凹部85bが係
合折り曲げ片75eに係合する。
【0087】その結果、前記係合凹部85bの係合折り
曲げ片75eに対する係合により、第1作動体75の移
動が規制され、上部及び下部鉤部77,78の係合部3
6に対する係合が維持されるとともに、外枠12に対す
る前枠13の施錠が維持される。
【0088】外枠12から前枠13を開錠するには、図
13に示すように、シリンダ錠83に、第1及び第2実
施形態と同様に、鍵47を差し込み、鍵47を前方から
見て時計方向に回転させる。すると、第1及び第2の実
施形態と同様に、カム板84の回転により、係合凹部8
5bと係合折り曲げ片75eとの係合が解除される方向
へロック体85が回動され、外枠段部12a側へ回動さ
れる。さらに、カム板84の回転により第1脚片84a
が第1作動体75に係止して、同第1作動体75を上部
及び下部鉤部77,78が係合部36との係合が解除さ
れる方向へ作動させる。
【0089】そして、前枠13が開放されると、伸張し
たばね部材88が元の状態に復帰するため、ロック体8
5及び当接体86が元の状態に復帰される。即ち、当接
片86aが施錠装置70の背面側に突出するように回動
され、ロック体85は係合凹部85bが係合折り曲げ片
75eから離れるように回動される。このとき、ロック
体85の当接段部85cがストッパー片73cに当接す
ることにより、ロック体85の回動が規制され、係合凹
部85bが係合折り曲げ片75eの近傍位置に配置され
る。
【0090】なお、図示しないが、ガラス扉15が前枠
13に対して閉止されたとき、ガラス扉鉤部80dがガ
ラス扉15に形成されたガラス扉係合金具の上端に係合
する。このとき、ばね部材88の付勢力により、第2作
動体80は下方に付勢されているため、ガラス扉係合金
具に対するガラス扉鉤部80dの係合が維持され、ガラ
ス扉15の不正な解錠が防止される。
【0091】従って、この第3実施形態では、二個のば
ね部材81,88により第1作動体75、第2作動体8
0、ロック体85及び当接体86を付勢して施錠装置7
0の各機能を発揮することができる。その結果、第1及
び第2の実施形態のように3つのコイルばねを使用して
施錠装置16の各機能を発揮させる場合と比較して、施
錠装置70の部品点数を少なくすることができる。
【0092】また、第1側板73を切り起こして形成さ
れた取付片73aを第1作動体75の上部ガイド孔75
a及び下部ガイド孔75dに挿入し、さらに第2作動体
80の上部取付孔80aに挿入することにより、支持体
71に第1作動体75及び第2作動体80を取り付ける
ことができる。従って、第1及び第2の実施形態のよう
に、第1作動体21及び第2作動体22の支持体17へ
の取付のためにリベットRを使用した場合と比較して、
施錠装置70の部品点数を少なくすることができる。ま
た、施錠装置70の組み立て作業を容易に行うことがで
きる。
【0093】なお、前記各実施形態を次のように変更し
て具体化することも可能である。 ・ 第1実施形態の当接体53の当接片53e及び第2
実施形態の第1作動片61の当接片61aを前枠13の
外枠12に対する閉止方向、即ち後方へ突出する方向へ
第2コイルばね55により付勢させたが、以下のように
変更してもよい。例えば、第2コイルばね55を掛止フ
ック51bとロック体52の先端とに掛止させて、当接
片53e及び当接片61aを後方へ突出する方向へ付勢
させなくてもよい。また、第3の実施形態において、ば
ね部材88の一端を第2作動体80に掛止させ、ばね部
材88の他端をロック体85に掛止させてもよい。
【0094】・ 第1及び第2の実施形態において、ロ
ック体52の先端部を背板18側へ延設し、そのロック
体52と背板18との当接によりロック体52のそれ以
上の回動を規制してもよい。
【0095】・ 第1及び第2の実施形態ではロック体
52に長孔52bを設けたが、その長孔52bを省略す
るとともに、ピン体51cを省略してもよい。又は第3
の実施形態において、ストッパー片73cを省略しても
よい。
【0096】・ 第2の実施形態において、スライド部
材65を省略するとともに、ロック体52の先端部にロ
ック体52の長さ方向へ延びる長孔を形成し、その長孔
に第2作動片63の先端部から第3軸66を支持させて
第2作動片63をロック体52に沿ってスライド移動可
能に支持させてもよい。そして、案内リブ60を省略し
てもよい。また、スライド部材65を省略するととも
に、ロック体52の先端部にロック体52の揺動方向へ
延びる長孔を形成し、その長孔に第3軸66を支持させ
てもよい。このとき、第1及び第2作動片61,63が
外枠段部12aに当接した状態で第2作動片63が回動
し、係合凹所52cと係合曲げ部27aとの係合が解除
されるようにロック体52が回動する範囲で長孔の長さ
を設定する。
【0097】・ 第1及び第2の実施形態において、図
14に示すように、取付支持部材51において掛止フッ
ク51bの近傍位置にロック体52側へ延びるストッパ
ー67を形成してもよい。そして、長孔52b及びピン
体51cを省略してもよい。このように構成した場合、
ロック体52とストッパー67との当接により、ロック
体52の必要以上の回動を規制することができる。ま
た、ロック体52における係合凹所52cの形成工程を
省略することができ、さらに、ピン体51cを省略して
施錠装置16の部品点数を少なくすることができる。
【0098】・ 第1の実施形態において、当接体53
をロック体52の第1側板19側の側面に取り付けた
が、当接体53をロック体52の第2側板20側の側面
に取り付け、当接体53をロック体52と第2側板20
との間に位置するように取り付けてもよい。このとき、
当接体53の第2側片部53b側からロック体52の先
端側へ延びるとともに、背板18側へ延びる不正防止壁
を形成する。このように構成した場合、係合凹所52c
が係合曲げ部27aに係合した状態で、その係合部分の
側方に不正防止壁が配置される。従って、施錠装置16
の施錠状態では、不正防止壁により施錠装置16の第2
側板20側からドライバー等により係合凹所52cと係
合曲げ部27aとの係合を解除する不正操作ができず、
前枠13の不正開錠、さらには不正行為を防ぐことがで
きる。
【0099】・ 第1及び第2の実施形態では、上部及
び下部鉤部26,27に上方へ開口する係合凹所34を
形成したが、上部及び下部鉤部26,27に下方へ開口
する係合凹所34を形成する。そして、第1作動体21
を上方へ移動させることにより、係合部36と係合凹所
34との係合を解除でき、第1コイルばね32により第
1作動体21を下方へ付勢する構成としてもよい。又は
第3の実施形態において、上部及び下部鉤部77,78
に下方へ開口するように係合凹所79を形成してもよ
い。
【0100】・ 各実施形態において、前記作動体とし
ての第1作動体21,75に、鉤部を3箇所以上に設け
てもよい。このように構成した場合、外枠12に対する
前枠13の施錠をより確実にすることができる。
【0101】・ 各実施形態において、付勢部材として
の第2コイルばね55又はばね部材88を、板ばねやゴ
ム等の他の付勢部材にそれぞれ変更してもよい。 ・ 前記施錠装置16,70を、パチスロ遊技機等の他
の遊技機においても使用してもよい。
【0102】次に、実施形態又は別例から把握できる技
術的思想について以下に記載する。 (1)前枠の外枠に対する解錠状態において、前記当接
体は、付勢部材の付勢力によって作動体から離れる方向
へ付勢されている請求項2〜請求項4のいずれか一項に
記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場
合、前枠が開放している状態では、付勢部材の付勢力に
より当接体が作動体から離れる方向へ突出するように付
勢されている。そのため、前枠を閉止方向へ回動させた
とき、当接体を外枠に当接させ易くしてロック体の作動
体方向への回動を確実に行いロック体を作動体と係合さ
せることができる。
【0103】(2)前記前枠には、ガラス扉が開閉可能
に支持され、前記支持体には前記ガラス扉を前枠に施錠
するための第2作動体が設けられ、前記付勢部材は一端
が前記第2作動体に掛止されているとともに、他端が前
記支持体に取り付けられたロック体に掛止されているこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機に
おける施錠装置。このように構成した場合、付勢部材を
一体使用するのみで第2作動体を、ガラス扉と前枠との
施錠を維持する方向へ付勢することができるとともに、
ロック体を作動体との係合が解除される方向へ付勢する
ことができる。
【0104】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1に記載
の発明によれば、不正行為を防ぐことができる。
【0105】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、外枠に押圧された当接体に
より、ロック体を作動体との係合位置へ回動させること
ができ、ロック体により作動体の回動を規制することが
できる。また、当接体により外枠と支持体との間の距離
の寸法誤差を吸収して外枠と前枠とを施錠することがで
きる。
【0106】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の効果に加え、解錠時に、第1作動片が外
枠に押圧された状態でも第1及び第2作動片を回動させ
て、ロック体を作動体との係合を解除する方向へ回動さ
せることができる。
【0107】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、
ストッパーによりロック体が作動体から必要以上に離れ
る方向へ回動されるのを規制することができる。そのた
め、ロック体が作動体と係合するように同ロック体を回
動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の施錠装置を示す分解斜視図。
【図2】(a)は施錠装置の背面図、(b)及び(c)
は施錠装置の側面図。
【図3】施錠装置のカム板、ロック体、当接体等を示す
部分斜視図。
【図4】施錠状態の施錠装置を示す部分側面図。
【図5】係合凹所と係合曲げ部との係合を解除した状態
を示す部分側面図。
【図6】解錠状態の施錠装置を示す部分側面図。
【図7】パチンコ遊技機を示す正面図。
【図8】第2の実施形態の施錠装置の施錠状態を示す部
分側面図。
【図9】解錠状態の施錠装置を示す部分側面図。
【図10】第3の実施形態の施錠装置を示す分解斜視
図。
【図11】(a)は施錠装置を示す側面図、(b)は施
錠装置を示す背面図。
【図12】第3の実施形態の施錠装置の施錠状態を示す
部分側面図。
【図13】第3の実施形態の施錠装置の解錠状態を示す
部分側面図。
【図14】別例のストッパーを示す部分斜視図。
【符号の説明】
11…遊技機としてのパチンコ遊技機、12…外枠、1
3…前枠、14…遊技盤、16,70…施錠装置、1
7,71…支持体、21,75…第1作動体、26,7
7…上部鉤部、27,78…下部鉤部、36…係合部、
44,83…錠部材としてのシリンダ錠、46,84…
カム板、52,85…ロック体、52b…ストッパーと
しての長孔、53,86…当接体、55…付勢部材とし
ての第2コイルばね、61…当接体としての第1作動
片、63…当接体としての第2作動片、67…ストッパ
ー、73c…ストッパーとしてのストッパー片、88…
付勢部材としてのばね部材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊技盤が保持される前枠と、前枠が開閉可
    能に支持される外枠とから構成される遊技機において、
    前記前枠を外枠に施錠するために設けられる遊技機にお
    ける施錠装置であって、 前記前枠に固定される支持体と、当該支持体に支持さ
    れ、前記外枠に設けられた係合部に係合して前枠を外枠
    に施錠状態とする鉤部を備えた作動体と、前記支持体に
    設けられ、解錠操作によって作動体を作動させて係合部
    と鉤部の係合を解除する錠部材とよりなり、前記支持体
    にはロック体が揺動可能に支持され、当該ロック体は外
    枠による押圧により作動体と係合する方向へ回動し、そ
    の係合により当該作動体の移動を規制して前記鉤部と係
    合部との係合を維持し、前記錠部材には解錠操作により
    回転するカム板が設けられ、当該カム板は前記ロック体
    を作動体との係合を解除する方向へ回動させるととも
    に、作動体に係止して当該作動体を係合部と鉤部の係合
    を解除する方向へ作動させ、さらに前記ロック体は付勢
    部材により作動体との係合が解除される方向へ付勢され
    ていることを特徴とする遊技機における施錠装置。
  2. 【請求項2】前記ロック体には当接体が揺動可能に支持
    され、前枠の閉止方向の回転に伴って前記当接体が外枠
    に押圧されることにより、当該当接体を介してロック体
    を作動体との係合位置へ回動させることを特徴とする請
    求項1に記載の遊技機における施錠装置。
  3. 【請求項3】前記当接体はロック体に基端部が揺動可能
    に支持された第1作動片と、同第1作動片の先端部に基
    端部が揺動可能に支持されるとともに、先端部がロック
    体の長さ方向又はロック体の揺動方向へ移動可能に支持
    された第2作動片とより形成され、第1作動片が外枠に
    押圧された状態で第1及び第2作動片のロック体の長さ
    方向又はロック体の揺動方向への移動により、ロック体
    を作動体との係合を解除する方向へ回動させることを特
    徴とする請求項2に記載の遊技機における施錠装置。
  4. 【請求項4】前記支持体にはロック体に当接するストッ
    パーが設けられ、当該ストッパーにより前記付勢部材に
    付勢されたロック体の回動を規制し、ロック体を作動体
    との係合位置の近傍で停止させることを特徴とする請求
    項1〜請求項3のいずれか一項に記載の遊技機における
    施錠装置。
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