JP2529239Y2 - ディスク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、リニアモ−タで送ら
れるヘッドに搭載されているピックアップ部で、ディス
クに情報を記録したり、またはディスクに記録されてい
る情報を再生することができるディスク装置に係り、特
に、ヘッドのロック、およびその解除を行う機構に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ディスクに情報を記録したり、デ
ィスクに記録されている情報を再生するディスクカ−ト
リッジ式の記録／再生装置（以下、単にディスク装置、
または記録再生装置ともいう。）には、ヘッド（ピック
アップ装置）をリニアモ−タによってディスクの半径方
向へ移動させるようにしたものが開発されている。

【０００３】このようなディスク装置は、輸送時等にピ
ックアップ装置が慣性によって移動し、移動端でリニア
モ−タのヨ−ク等に衝突して損傷するのを防止するた
め、ピックアップ装置の移動を阻止するロック手段が必
要であり、また、使用時にはピックアップ装置のロック
を解除する手段が必要となる。

【０００４】従来、かかるピックアップ装置のロック解
除手段は、通常、電磁的に作動するプランジャソレノイ
ドを用いて構成されている。プランジャソレノイドをロ
ック解除手段とする記録再生装置は、通常、装置の電源
をオンすることでソレノイドに通電し、ソレノイドに吸
引されたプランジャの移動によってロック部材を後退さ
せ、ピックアップ装置のロックを解除している。そし
て、装置の電源をオフすることでソレノイドへの通電が
遮断され、プランジャがばね等の付勢力で元の位置に復
帰する力でロック部材を移動させ、ピックアップ装置が
ロックされるように構成されている。したがって、記録
再生装置の輸送時等においては、常に、ピックアップ装
置がロックされることになり、慣性等によってピックア
ップ装置が移動して端部に衝突し損傷することが防止で
きる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、プラン
ジャソレノイドでピックアップ装置のロック解除を行う
構成の記録再生装置は、記録または再生中は常時プラン
ジャソレノイドに通電していなければならないため、消
費電力が多くなる。また、プランジャソレノイドが高価
である等の問題点がある。したがって、電池駆動，ポ−
タブルタイプ等の場合、プランジャソレノイドを用いた
ロック解除機構は消費電力，価格の点で問題がある。そ
こで、カ−トリッジの移動のみによって機械的にロック
機構が作動するように構成したものが考えられている
が、このような機械的なロック機構は複雑な機構になる
とともに、確実にロックさせるように簡易化することが
困難であった。この考案は、上記したような問題点を解
決し、ヘッドのロック解除が簡単な構成で、かつ確実に
作動するようなディスク装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、ロック解除片
が一体に設けられているカ−トリッジトレイと、 リニ
ヤモ−タで駆動されるピックアップ部と、該ピックアッ
プ部の一側端下側に植設されている係止部と、該ピック
アップ部をロックするように付勢されているとともに、
上記係止部に係合する櫛型形状部と、ロックを解除する
方向に押圧される押圧部とを一体的に有するロック部材
とを備え、カ−トリッジトレイがカ−トリッジ挿入位置
からカ−トリッジ装着位置に下降するときに、ロック解
除片でロック部材の押圧部を押圧して、ロック部材の櫛
型形状部を係止部から退避させ、ピックアップ部のロッ
クを解除するようにしたものである。

【０００７】

【作用】カ−トリッジトレイがカ−トリッジ装着位置へ
下降するときの移動によって、ロック解除片でヘッドを
ロックしているロック部材を付勢力に抗して回転させな
がら退避させているので、カ−トリッジトレイがカ−ト
リッジ装着位置にある状態ではヘッドのロックが解除さ
れ、リニアモ−タでヘッドを移動させることができる。
そして、カ−トリッジトレイがカ−トリッジ装着位置以
外にある状態ではヘッドがロック部材でロックされ、そ
の移動が阻止される。

【０００８】

【実施例】図４はこの考案を適用したディスク装置を示
す外観斜視図で、Ｒは記録再生装置を示し、前面にカ−
トリッジ挿入口Ｈが設けられている。Ｅは前記記録再生
装置Ｒの前面に設けられているエジェクト釦を示す。Ｃ
は前記カ−トリッジ挿入口Ｈから挿入するディスクカ−
トリッジを示し、内部にはデイスクＤが収納されてい
る。そして、シャッタＳを移動（開閉）させることによ
ってディスクＤが露出したり、隠蔽される。

【０００９】図４に示す記録再生装置Ｒの動作の概略を
説明すると、カ−トリッジ挿入口Ｈから挿入されたカ−
トリッジ挿入位置にあるディスクカ−トリッジＣは、例
えばロ−ディング機構で水平方向へ搬送された後、ディ
スクＤがタ−ンテ−ブルに載置されるカ−トリッジ装着
位置まで垂直方向へ下降するように搬送される。このよ
うにディスクカ−トリッジＣが搬送される間にシャッタ
Ｓが開放され、ディスクＤはディスクカ−トリッジＣか
ら露出するとともに、装置内に設けられているリニアモ
−タで送られるピックアップ装置のロックが解除され
る。

【００１０】そして、リニアモ−タで送られるピックア
ップ装置で記録または再生が終了した後に、エジェクト
釦Ｅを操作すると、ディスクカ−トリッジＣはロ−ディ
ング機構でカ−トリッジ装着位置からカ−トリッジ挿入
口Ｈまで一部分が突出するように搬送される。このよう
にディスクカ−トリッジＣが搬送される間にシャッタＳ
が閉成されてディスクＤが隠蔽されるとともに、ピック
アップ装置がロックされるように構成されている。

【００１１】図１はこの考案の一実施例である記録再生
装置の主要部分を示す概略図、図２（ａ),（ｂ）はロッ
ク部材を示す底面図と側面図である。これらの図におい
て、１はメカニカルシャ−シ、２は前記ディスクカ−ト
リッジＣが挿入されるカ−トリッジトレイを示し、ロッ
ク解除片２Ｔが設けられている。

【００１２】３は前記メカニカルシャ−シ１に取り付け
られているガイド軸、４は前記ガイド軸３で案内される
ピックアップ装置を示し、一側端側にピン５が植設され
ている。６はリニアモ−タを示し、ヨ−ク６Ｙが前記メ
カニカルシャ−シ１に固定され、コイルボビン６Ｂが前
記ピックアップ装置４に固定されている。そして、移動
するコイルボビン６Ｂに対向するようにマグネット６Ｍ
がヨ−ク６Ｙに取り付けられている。

【００１３】７は前記メカニカルシャ−シ１に取り付け
られているロック部材を示し、固定ホルダ８と、固定ホ
ルダ８に取り付けた軸９と、軸９に支持されているくし
型板金１０とで構成されている。くし型板金１０には前
記ピン５と係合する複数の溝１０Ｄと、前記ロック解除
片２Ｔで押圧される被押圧片１０Ｔとが設けられ、コイ
ルばね１１の一端が係合する穴１０Ｈが被押圧片１０Ｔ
に設けられている。そして、溝１０Ｄはピン５の移動範
囲よりも少し長い範囲に設けられている。

【００１４】コイルばね１１の他端は前記リニアモ−タ
６のヨ−ク６Ｙに衝合し、くし型板金１０はこのコイル
ばね１１により溝１０Ｄが前記ピン５に係合するように
付勢されている。

【００１５】上記のように構成されたこの考案のディス
ク装置は、前述したように、カ−トリッジ挿入口からカ
−トリッジトレイ２に挿入したディスクカ−トリッジＣ
が、カ−トリッジ装着位置（図３）へカ−トリッジトレ
イ２とともに下降すると、ロック解除片２Ｔが被押圧片
１０Ｔを図３に示すように押圧するので、くし型板金１
０は軸９を中心にコイルばね１１の付勢力に抗して反時
計方向へ回転し、溝１０Ｄがピックアップ装置４のピン
５と係合しなくなり、ピックアップ装置４のロックは解
除される。

【００１６】したがって、リニアモ−タ６の駆動力によ
ってピックアップ装置４をディスクＤの半径方向へガイ
ド軸３に沿って自由に移動（摺動）させることができ
る。記録またが再生が終了し、ディスクカ−トリッジＣ
がカ−トリッジ装着位置から図１に示す、例えばカ−ト
リッジ挿入位置へカ−トリッジトレイ２とともに上昇す
ると、ロック解除片２Ｔが被押圧片１０Ｔから離れるこ
とになり、くし型板金１０は軸９を中心にばね１１の付
勢力で時計方向へ回転して溝１０Ｄがピン５と係合し、
ピックアップ装置４はロックされる。

【００１７】この考案のディスク装置は、上記したよう
にカ−トリッジ装着位置に下降するカ−トリッジトレイ
２に設けたロック解除片２Ｔが、くし型板金１０の被押
圧部１０Ｔを押圧することによってピックアップ装置４
のロック解除ができるので、ピックアップ装置４のロッ
ク解除機構が簡単な構成となり、安価となる。そして、
ロック解除片２Ｔで被押圧片１０Ｔを直接押圧するの
で、ロック解除機構の信頼性が向上する。

【００１８】

【考案の効果】以上説明したように、この考案のディス
ク装置は、カ−トリッジ挿入位置とカ−トリッジ装着位
置との間を昇降するカ−トリッジトレイにロック解除片
を設け、このカ−トリッジトレイがカ−トリッジ装着位
置へ下降するときにロック解除片でヘッドをロックして
いるロック部材を付勢力に抗して後退させ、ヘッドのロ
ックを解除する構成としたので、カ−トリッジトレイが
カ−トリッジ装着位置にある状態では簡単な構成でヘッ
ドのロックが解除され、ヘッドの移動が解放された状態
になる。

【００１９】そして、カ−トリッジトレイがカ−トリッ
ジ装着位置以外にある状態ではヘッドの係合部に横方向
から櫛型の凹部が係合するため、確実にピックアップの
移動を阻止することができる。したがって、ヘッドのロ
ック解除機構が簡単な構成となり、安価となるととも
に、ロック解除片で被押圧片を回動しながら直接押圧す
るので、ロック解除機構の信頼性が向上する等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１はこの考案の一実施例であるディスク装置
の主要部分を示す概略図である。

【図２】図２（ａ),（ｂ）はロック部材を示す底面図と
側面図図である。

【図３】図３はカ−トリッジトレイがカ−トリッジ装着
位置にある状態を示す説明図である。

【図４】図４はこの考案のディスクカ−トリッジ式記録
・再生装置を示す外観斜視図である。

【符号の説明】

２ カ−トリッジトレイ ２Ｔ ロック解除片 ３ ガイド軸 ４ ピックアップ装置 ５ ピン ６ リニアモ−タ ７ ロック部材 ８ 固定ホルダ ９ 軸 １０ くし型板金 １１ コイルばね

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロック解除片が一体に設けられているカ
   −トリッジトレイと、 リニヤモ−タで駆動されるピックアップ部と、 該ピックアップ部の一側端下側に植設されている係止部
   と、 該ピックアップ部をロックするように付勢されていると
   ともに、上記係止部に係合する櫛型形状部と、ロックを
   解除する方向に押圧される押圧部とを一体的に有するロ
   ック部材とを備え、 上記カ−トリッジトレイがカ−トリッジ挿入位置からカ
   −トリッジ装着位置に下降するときに上記ロック解除片
   で上記ロック部材の押圧部を押圧して、上記ロック部材
   の櫛型形状部を上記係止部から退避させ、 上記ピックアップ部のロックを解除することを特徴とす
   るディスク装置。
2. 【請求項２】上記ロック部材は回転可能に軸支され、コ
   イルばねによって付勢されていることを特徴とする請求
   項１に記載のディスク装置。