JPH0621079Y2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、フロッピーディスク又
はこれに類似の磁気ディスクを使用して信号の記録又は
再生を行うための磁気ディスク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】剛性を有するケースに直径８６mmの磁気
ディスクを収納した磁気ディスクカートリッジ（マイク
ロフロッピーディスク）は既に知られている。この磁気
ディスクカートリッジは、磁気ディスクと、これを覆う
ケースと、ケースに設けられたヘッド挿入用開口を覆う
シャッタとから成り、シャッタを開放してヘッドをディ
スクに接触させるように構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上述の如きディスクカ
ートリッジを使用して記録又は再生を行うディスク装置
は、回動体とこれを偏倚するバネとから成るシャッタ開
放兼カートリッジイジェクト機構を有し、カートリッジ
を挿入するとバネに抗して回動体が回動し、この回動体
によりシャッタが開放され、イジェクト時には、上記バ
ネによる回動体の回動によりカートリッジが排出される
ように構成されている。しかし、シャッタとの関係で上
記バネの強さをあまり弱くすることができない。このた
め、イジェクド時にカートリッジが急激に排出され、使
用者に不安感を与えることがある。また、カートリッジ
はディスク装置に対して余裕を有して挿入されているの
で、イジェクト時にカートリッジの厚み方向に振動する
恐れがある。そこで、本考案の目的は、カートリッジの
排出を円滑に行うことが可能な磁気ディスク装置を提供
することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本考案は、磁気ディスクと、少なくともディスク回転
用開口と磁気ヘッド挿入用開口とを有して前記ディスク
を覆うケースと、前記磁気ヘッド挿入用開口を選択的に
覆うように前記ケースに装着されたシャッタとから成る
磁気ディスクカートリッジを使用して情報の記録又は再
生を行うための装置であり、前記磁気ディスクを回転す
るための回転体とこの回転体に結合されたモータを含む
ディスク回転機構と、前記磁気ディスクに対向して情報
の記録又は再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを
前記磁気ディスクの半径方向に移動するためのモータを
含むヘッド移動機構と、前記カ−トリッジを保持するカ
−トリッジホルダと、前記磁気ディスクの前記回転体に
対する非係合位置と係合位置とを選択的に得ることがで
きるように前記カ−トリッジホルダを前記回転体の軸方
向のみに移動するためのカ−トリッジホルダの移動機構
と、前記カートリッジの表面が延びる方向に前記カート
リッジを排出するように偏倚するバネを有し、前記カー
トリッジの排出操作に応動して前記カートリッジを排出
するように構成されたカートリッジイジェクト機構と、
前記バネによる前記カートリッジの排出時に前記カート
リッジの主面の前記シャッタが配設されていない部分の
みを弾性的に押圧する部材とを具備していることを特徴
とする磁気ディスク装置に係わるものである。

【０００５】

【作用】上述の如く押圧部材を配設すると、シャッタの
損傷を防止してカートリッジを円滑に排出することが可
能になる。

【０００６】

【実施例】次に、図１〜図１７を参照して本考案の実施
例に係わるフロッピーディスク装置を説明する。図１〜
図１４に示すディスク装置は、図１５〜図１７に示すフ
ロッピーディスクカートリッジ１を使用して情報の記録
又は再生を行うための装置である。

【０００７】磁気ディスクカートリッジ１は、図１６及
び図１７に示す如く、直径８６mmの磁気ディスク２を剛
性を有する合成樹脂ケース３に収容することにより構成
されている。ケース３の表面３ａと裏面３ｂとの両方に
ヘッド挿入用開口４ａ、４ｂが設けられ、非使用時には
この開口４ａ、４ｂはスライド式のシャッタ５によって
閉じられている。シャッタ５は表面３ａから裏面３ｂに
またがるようにコ字状に形成され、図１７に示す如く裏
面３ｂに設けられた溝６に係合片で係合し、ケース３の
一側面に沿って摺動する。シャッタ５を図１６で右方向
（閉じる方向）に偏倚するためにケース３内に捩りバネ
７が収容され、このバネ７の一端がシャッタ５を押圧し
ている。磁気ディスク２は磁気シート部分２ａとこの中
央に装着された金属製のハブ２ｂとから成る。ケース３
の裏面３ｂの開口８から露出しているハブ２ｂにはスピ
ンドル挿入用孔２ｃと位置決め及び駆動用ピン挿入用孔
２ｄとが設けられている。なお、シャッタ５には開口４
ａ、４ｂを通してディスク２を露出させるための窓５
ａ、５ｂが設けられている。

【０００８】図１６及び図１７に示すカートリッジ１を
使用して記録又は再生するためのディスク装置は、ディ
スク回転機構、磁気ヘッド、ヘッド移動機構、カートリ
ッジ案内機構、回路基板等を含む。図８は回路基板を取
り除いてディスク装置を示す平面図、図９は正面図であ
る。これ等の図面から明らかな如く、ディスク装置は、
一方（下側）の磁気ヘッド１１と、これに対向配置され
た他方（上側）の磁気ヘッド１２とを有し、一方の磁気
ヘッド１１をディスク２の一方の面に接触させて記録又
は再生をなし、他方の磁気ヘッド１２をディスク２の他
方の面に接触させて記録又は再生をなす。図１０に示す
如く一方の磁気ヘッド１１は下側のキャリッジ１３に固
定的に装着され、他方の磁気ヘッド１２は上側のキャリ
ッジであるヘッド支持アーム１４に装着されている。ヘ
ッド支持アーム１４は、板バネ１５によって下側キャリ
ッジ１３に取り付けられ、この板バネ１５とアーム１４
を押圧するコイルバネ１５ａとによって磁気ヘッド１２
をディスク２に接触させる方向に偏倚されている。な
お、ヘッドキャリッジ１３は、ステッピングモータと回
転運動−直線運動変換機構とから成る公知のヘッド移動
機構によってディスク２の半径方向に移動することがで
きるように構成されている。

【０００９】ディスク回転機構は、図１及び図９に示す
ディスク回転用モータ１６とこれに結合されたディスク
回転用の回転体１７とから成る。回転体１７はディスク
２の金属円板２ｂに係合し、ディスク２を支持して回転
するものであり、図８に示す如くスピンドル１７ａと、
金属円板２ｂを吸着するための磁石１７ｂと、駆動ピン
１７ｃとから成る。スピンドル１７ａは、図１７に示す
金属円板２ｂに設けられた孔２ｃに挿入され、駆動ピン
１７ｃは孔２ｄに挿入される。

【００１０】図１及び図９で正面から挿入され、図８で
は下から上に向って挿入され、図１２では右から左に向
って挿入されるディスクカートリッジ１を保持して、デ
ィスク２の回転体１７に対する非係合位置（非回転位
置）から係合位置（回転位置）まで案内するために、カ
ートリッジホルダ１８が設けられている。このカートリ
ッジホルダ１８は図１及び図８から最も明らかな如く、
カートリッジ１の裏面３ｂ側を支持する基部１９と、こ
こから垂直に立上っている一対の側面部２０、２１と、
カートリッジ１の表面３ａ側の高さ位置を決めるための
上面板２２と、カートリッジ１の挿入位置を決めるスト
ッパ面２３ａと、ヘッド支持アーム係合部２３ｂとから
成る。一対の側面部２０、２１にはガイドピン２４、２
５がそれぞれ２本づつ植設され、これが図１３に示す如
く、シャーシ又は容器と呼ぶことができる支持基体２６
のガイド孔２６ａに挿入されている。ガイド孔２６ａは
図１３で上下方向即ち図８の回転体１７の軸方向に延び
ているので、ホルダ１８をこの方向に案内する。

【００１１】ホルダ１８を回転体１７の軸方向に移動さ
せるためのカートリッジホルダ移動機構は、スライド体
２７によって構成されている。図１１から明らかな如
く、このスライド体２７は、ホルダ１８と同様に金属板
をコ字状に折り曲げたものであり、ホルダ１８の基部に
平行な中央の底面部２８と、ここから垂直に立上ってホ
ルダ１８の側面部２０、２１に平行に配置された一対の
側面部２９、３０とから成る。このスライド体２７の底
面部２８にはディスクカートリッジ１を挿入する方向に
延びる複数の長孔３１が設けられ、図１２に示す基体底
部３２に植設されたガイドピン３３が挿入されている。
このスライド体２７はこのガイドピン３３にガイドされ
てカートリッジ１の挿入方向に摺動する。スライド体２
７とホルダ１８とを一定の関係を有するように係合させ
るために、スライド体２７の側面部２９に図１２に示す
如く２つの傾斜溝３４が設けられ、ホルダ１８の側面部
２０から突出するピン２４が傾斜溝３４に係合する。従
って、図１２でスライド体２７が右に摺動すれば、傾斜
溝３４の縁によってピン２４が下方に押圧され、ピン２
４と共にホルダ１８が図１２の位置から図１４の位置に
移動する。なお、もう一方の側面部３０にも同様な溝が
設けられており、ここにピン２５が係合する。図１１に
示すバネ３５、３６は、スライド体２７を、図１１の下
方に偏倚するものである。即ち、このバネ３５、３６
は、ホルダ１８をディスク係合位置（回転位置）に移動
させる方向の力をスライド体２７を介してホルダ１８に
与えるものである。

【００１２】ホルダ１８が非係合位置（非回転位置）に
保たれるようにスライド体２７をバネ３５、３６に抗し
て係止するための係止機構は、図８に示す如く、係止レ
バー３７と、係止解除摺動板３８と、スライド体２７に
設けられた係止凹部３９とを主要の構成要素として有す
る。係止レバー３７はホルダ１８に植設された軸４０に
回動自在に取り付けられ、一端近傍に係止ピン４１を有
し、他端近傍に係合孔４２を有する。また、ホルダ１８
と係止レバー３７の一端との間に設けられたバネ４３に
よって係止レバー３７には図８で反時計回り方向の偏倚
力が付与されている。スライド体２７の係止凹部３９は
図８で上下方向（カートリッジ挿入方向）に延びる面４
４からくぼんだ状態に設けられている。係止レバー３７
は図８で反時計回り方向に偏倚されているので、ピン４
１と凹部３９の係合は安定的に保持される。係止解除摺
動板３８は、カートリッジ１の挿入時の直線運動を係止
レバー３７の回転運動に変換する機能を有する。この摺
動板３８はホルダ１８に設けられた案内部４５に案内さ
れて図８で上下方向（カートリッジ挿入方向）に摺動す
る。この摺動板３８の端面３８ａは、カートリッジ１を
挿入した時にカートリッジ１の一側面によって押圧され
る位置に配置されている。従って、カートリッジ１の挿
入運動に追従して摺動板３８は移動する。この摺動板３
８には係合ピン４６が植設され、これが係止レバー３７
の係合孔４２に挿入され、更に、エジェクト兼シャッタ
開閉レバー４７の係合孔４８に挿入されている。もし、
ピン４６にシャッタ開閉レバー４７が関係づけられてい
ないと仮定すれば、摺動板３８の図８での上方への摺動
に追従して係止レバー３７が時計回り方向に回動し、ス
ライド体２７の凹部３９から係止ピン４１が抜け出て、
スライド体２７の係止が解除され、シャッタ８の開放前
に、スライド体２７は図１１に示すバネ３５、３６の力
で図１１において下方に変位する。しかし、実際には、
シャッタ開閉レバー４７の係合孔４８にピン４６が挿入
されているため、係止レバー３７と開閉レバー４７とは
相互に関係づけられ、独立に移動することが制限され
る。

【００１３】エジェクト機能も有するシャッタ開閉レバ
ー４７はホルダ１８に植設された軸４９に回動自在に支
持された回動体であり、その一端にシャッタ開閉用ピン
５０を有している。開閉レバー４７とホルダ１８との間
にはバネ５１が設けられているので、開閉レバー４７は
常に図８で反時計回り方向（カートリッジエジェクト方
向）の偏倚力を受けている。

【００１４】ヘッド１１、１２をディスク２に対してデ
ータ変換可能に接触させ、且つディスク２から離間させ
るためのヘッドロード機構は、バネ１５、１５ａでヘッ
ドロード方向に偏倚されているアーム１４と、このアー
ム１４をホルダ１８の上下動に応じて変位させるために
アーム１４に設けられた突出部１４ａ及びホルダ１８に
設けられた係合部２３ｂとから成る。図１及び図１２に
示す如くホルダ１８が高い位置（ディスク非係合位置）
にある時には、ホルダ１８の係合部２３ｂによってアー
ム１４が持ち上げられ、上側のヘッド１２がカートリッ
ジ１の挿入路から外れている。しかし、ホルダ１８が、
図１４に示す、低い位置（ディスク係合位置）にある時
には、ホルダ１８及び係合部２３ｂの降下に追従してア
ーム１４も回動し、ヘッド１２はディスク２に当接す
る。

【００１５】ヘッド１１、１２の半径方向移動機構とし
て、図８に示す如く、ステッピングモータ５２とねじ棒
５３とが設けられている。ネジ棒５３は、基体２６上に
設けられたステッピングモータ５２に結合され且つキャ
リッジ１３に螺合されているので、ネジ棒５３が回れ
ば、キャリッジ１３及びヘッド１１、１２がディスク半
径方向に移動する。

【００１６】プリント回路基板５４は、図２に説明的に
示す如く、ディスク回転用モータ１６の制御及び駆動回
路５５、ヘッド移動用ステッピングモータ５２の制御及
び駆動回路５６、磁気ヘッド１１、１２に接続された一
般にリード／ライト回路と呼ばれている信号処理回路５
７等を有する。また、回路基板５４にはヘッド１１、１
２に対する配線リード線５８等が接続されているコネク
タ５９が装着されている。この回路基板５４は、図１か
ら明らかな如く、カートリッジ１及びホルダ１８に平行
に配置され且つ基体２６に固着されている。なお、回路
基板５４には、上側のヘッド１２の支持アーム１４に対
応した開口６０が設けられている。

【００１７】図１〜図７に示す合成樹脂製の第１及び第
２のリードクランパ兼カートリッジガイド部材６１、６
２は、回路基板５４に設けられた孔６３、６４、６５、
６６に嵌着されている。即ち、第１のリードクランパ兼
カートリッジガイド部材６１は、２つの立上り部６７、
６８を有し、この立上り部６７、６８が、孔６３、６４
に挿通され、図１に示す如く、基板５４の上面に突出し
ている。なお、基板５４に対してリードクランパ兼カー
トリッジガイド部材６１を弾性を利用して容易且つ安定
的に装着するために割溝６９、７０が設けられている。
また、立上り部６７、６８も分割されているため、この
分割溝にリード線を挿入することが可能である。同様に
第２のリードクランパ兼カートリッジガイド部材６２も
立上り部７１、７２及び割溝７３、７４を有し、回路基
板５４に装着されている。

【００１８】第１のリードクランパ兼カートリッジガイ
ド部材６１は弾性変位可能なカートリッジ押圧部７５を
有する。この押圧部７５は図３から明らかな如く、カー
トリッジ挿入口から奥に向うに従って徐々に傾斜垂下す
る舌状突片から成り、カートリッジ１の着脱時にカート
リッジ１の表面３ａを弾性的に押圧するように構成され
ている。図１から明らかなように押圧部７５はディスク
カートリッジ１の表面３ａの左端のみに接するので、シ
ャッタ５に接しない。従って、押圧部７５によってシャ
ッタ５を変形させるような事態が生じない。なお、この
押圧部７５はヘッド１１、１２から比較的離れている図
２で基板５４の左下に配置され、この部分を基板５４に
安定的に保持するために図５に示す如くコ字状の基板挟
持部７６を有する。

【００１９】第１のリードクランパ兼カートリッジガイ
ド部材６１は、開口６０に隣接する位置でカートリッジ
挿入口近傍からヘッド１２の近傍位置まで直線的に延び
るガイド部分７７及びこれに直交して延びるガイド部分
７８を有し、これ等が基板５４の下面側に配置されてい
る。第２のリードクランパ兼カートリッジガイド部材６
２も直線的に延びるガイド部分７９を有し、開口６０に
対して一方の部材６１と反対の側に配置されている。

【００２０】第１及び第２の部材６１、６２のガイド部
分７７、７８、７９は基板５４の下面から、コネクタ５
９の端子ピン又は図示が省略されている回路素子の端子
等よりも高く突出している。更に、各ガイド部分７７、
７８、７９の下面は、図１に示すアンロード位置の上側
ヘッド１２の位置よりも下に位置している。

【００２１】次に、本装置の動作を説明する。 カートリッジ１を図９に示す前面パネル８０の開口８１
を通して挿入すれば、回路基板５４の下面に配置された
ガイド部分７７、７８、７９で上方が制限された状態で
ホルダ１８内にカートリッジ１が進入する。なお、舌状
の押圧部７５が垂下しているので、これに抗してカート
リッジ１が挿入される。カートリッジ１の挿入は一般に
手動でなされるので、必ずしもホルダ１８に対して平行
に挿入できない。従って、もし、ガイド部分７７、７
８、７９が設けられていなければ、カートリッジ１が基
板５４の回路素子の端子又はプリント回路、又は上側ヘ
ッド１２に接触し、これ等が損傷するおそれがある。し
かし、本実施例では、ガイド部分７７、７８、７９が設
けられているので、このような問題は生じない。

【００２２】カートリッジ１の挿入を進めると、まず、
カートリッジ１のケース３の先端がシャッタ開閉レバー
４７のピン５０に係合する。更にカートリッジ１の挿入
を継続すると、レバー４７が図８で時計回り方向に回動
し、図１５に示す如くピン５０がシャッタ５の右側面を
左方向に押圧し、シャッタ５を開放する。この結果、シ
ャッタ５の開口５ａとケース３の開口４ａとが一致し、
磁気ディスク２が露出する。

【００２３】一方、カートリッジ１の挿入により、摺動
板３８の端面３８ａにカートリッジ１の側面が当り、カ
ートリッジ１を更に挿入すると、カートリッジ１の前進
に追従して摺動板３８も前進する。この結果、ピン４６
によって係止レバー３７が図８で時計回り方向に回動
し、係止ピン４１が凹部３９から抜け出る方向に変位す
る。カートリッジ１が最終位置まで挿入されると、係止
ピン４１が凹部３９から抜け出る。これにより、スライ
ド体２７の移動の制限が解除されるため、スライド体２
７は図１１に示されているバネ３５、３６の力で図８で
下方、図１２で右方向に移動する。なお、係止ピン４１
による係止の解除はピン５０によるシャッタ５の開放終
了後に行われるように構成されている。

【００２４】スライド体２７は、ホルダ移動機構として
設けられたものであり、スライド体２７が変位すれば、
これに従動してホルダ１８が図１２の非係合位置から図
１４の係合位置に移動する。なお、ホルダ１８の降下
は、スライド体２７の側面部２９、３０に設けられた傾
斜溝３４とホルダ１８の側面部２０、２１のピン２４、
２５との係合により達成される。ホルダ１８が図１４に
示す位置に降下すると、カートリッジ１内のディスク２
のハブ２ｂが回転体１７に装着される。この時、駆動ピ
ン１７ｃが孔２ｄに一致しない場合があるが、この実施
例では、カートリッジ１の挿入の完了に同期してモータ
１６を付勢し、回転体１７を回転させるので、短時間の
内に駆動ピン１７ｃが孔２ｄに入り込み、回転体１７と
ディスク２との完全な係合が成立する。なお、ホルダ１
８が図１４の位置に降下すると、ピン３３がホルダ基部
１９の開口１９ａを介してカートリッジ１の裏面３ｂを
押圧し、ホルダ１８に対してカートリッジ１を固定す
る。

【００２５】上述の如く、ホルダ１８が図１２の位置か
ら図１４の位置に移動すると、これに追従してヘッド支
持アーム係合部２３ｂも変位し、ヘッドアーム１４がバ
ネ１５、１５ａの力で図１０において時計回り方向に回
動し、ヘッド１１、１２は記録再生可能なロード状態と
なる。この際、カートリッジ１のシャッタ５が完全に開
放された後にヘッド１２が降下するので、ヘッド１２が
シャッタ５に当ることはない。

【００２６】カートリッジ１を取り出す時には、スライ
ド体２７に設けられているエジェクト操作部２７ａを図
１４で左方向に押圧する。スライド体２７をバネ３５、
３６に抗して押圧すると、係止ピン４１とスライド体２
７との位置関係が変化し、ピン４１は凹部３９に入り込
む。ピン４１が凹部３９に入り込むまでスライド体２７
を押し込むと、スライド体２７に追従してホルダ１８は
図１４の位置から図１２の位置に移動し、同時にヘッド
支持アーム１４もロード位置から図１のアンロード位置
に移動し、ヘッド１２はディスク２から十分に離れる。
ところで、係止ピン４１が凹部３９に入り込むまでは、
係止レバー３７の回動が制限されている。このため、ス
ライド体２７の移動及びホルダ１８の上昇にも拘らず、
係止レバー３７、摺動板３８、及びシャッタ開閉レバー
４７は実質的に静止状態にあり、シャッタ５が閉じる方
向に変位することが阻止されている。しかる後、係止ピ
ン４１が凹部３９に入り込むと、係止レバー３７がバネ
４３の力で反時計回り方向に回動し、シャッタ開閉レバ
ー４７の回動阻止が解除され、シャッタ開閉レバー４７
はバネ５１の力で反時計回り方向に回動し、図６の位置
に戻る。この結果、開閉レバー４７のピン５０によるシ
ャッタ５の制限が解除され、シャッタ５はカートリッジ
１に内蔵されているバネによって図１６の閉位置に戻
る。シャッタ開閉レバー４７は、バネ５１によって反時
計回り方向に付勢され、ピン５０はカートリッジ１の側
面を押圧しているので、カートリッジ１はシャッタ開閉
レバー４７の反時計回り方向の回動に追従してエジェク
トされる。このため、シャッタ開閉レバー４７はエジェ
クトレバーの働きも有していることになる。

【００２７】ところで、レバー４７のバネ５１は、シャ
ッタ５のバネ７との関係であまり弱く設定することがで
きない。このため、もし、本実施例に係わるカートリッ
ジ押圧部７５が設けられていないと、強いバネ５１によ
ってカートリッジ１が急激に飛び出し、使用者に不安感
を与える可能性がある。しかし、本実施例では、押圧部
７５によりカートリッジ１の表面３ａを押圧し、制動を
加えているので、カートリッジ１はゆっくりと排出され
る。また、押圧部７５はカートリッジ１の表面３ａの端
近傍を押圧するので、カートリッジ１の中央のシャッタ
５に接触しない。従ってカートリッジ１の着脱が円滑に
行われ且つシャッタ５の損傷が生じない。また、もし押
圧部７５が設けられていなければ、カートリッジホルダ
１９に対して余裕を有して挿入されているカートリッジ
１がエジェクト時に振動するおそれがあるが、押圧部７
５を設けることによってこの振動が防止され、カートリ
ッジ１が排出される。

【００２８】上述の如く、本実施例では、回路基板５４
にリードクランパ兼カートリッジガイド部材６１、６２
を装着するので、回路基板５４がカートリッジ１に近接
配置され、ディスク装置の薄形化が達成される。また、
部材６１、６２を回路基板５４で支持し、且つリード線
５８のクランパと兼用するので、装置の簡略化及び低コ
スト化が達成される。

【００２９】

【変形例】本考案は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 （ａ） カートリッジ１の代りに、直径７６mmの磁気デ
ィスクをケースに収容し、ディスクの中央に合成樹脂の
ハブを設ける形式のマイクロフロッピーディスクを使用
する装置にも適用可能である。なお、この場合には、磁
気ディスクのハブを回転台又はスピンドルとこれに対向
するクランパとで挟持して回転駆動する。また、この他
のディスク装置にも適用可能である。 （ｂ） エジェクト兼シャッタ開閉レバー４７の係合孔
４８の代りに孔を有さないカム面としてもよい。 （ｃ） 実施例ではホルダ１８に追従させてヘッド支持
アーム１４を変位させているが、スライド体２７の直線
運動に追従してアーム１４を回動させるようにしてもよ
い。 （ｄ） ヘッド１１、１２のいずれか一方のみを設ける
場合にも適用可能である。なお、この場合には、ディス
ク２の一方の面にヘッドを配し、他方の面にパッドを配
し、ヘッドとパッドでディスク２を挟持する。 （ｅ） スライド体２７及びホルダ１８の変位に追従し
て、ヘッド１２又はこれに代るパッドをディスク２に接
触させる位置まで移動させず、ディスク近傍位置まで移
動させるようにしてもよい。この場合は、ヘッドロード
用プランジャソレノイドを設け、記録再生時にヘッドロ
ード状態とする。 （ｆ） ホルダ１８の上面板２２に弾性部材を配し、デ
ィスクロード時にカートリッジ１を弾性部材を介して位
置決めしてもよい。

【００３０】

【考案の効果】上述から明らかな如く、カートリッジの
シャッタ部分から外れた部分のみを押圧する押圧部材を
設けてカートリッジを弾性的に押圧するので、シャッタ
を損傷することなしに、又はシャッタの妨害を受けず
に、カートリッジを円滑に排出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係わるフロッピーディスク装
置の回路基板、ここに装着された本考案に係わる部材、
及びこれ等に関連する部分の一部を示す正面図である。

【図２】回路基板を有するディスク装置の一部を示す平
面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線の一部を示す断面図である。

【図４】第１のリードクランパ兼カートリッジガイド部
材を示す平面図である。

【図５】図４の部材の正面図である。

【図６】第２のリードクランパ兼カートリッジガイド部
材を示す平面図である。

【図７】図６の部材の正面図である。

【図８】回路基板を取り外した状態のディスク装置を示
す平面図である。

【図９】図８の装置の正面図である。

【図１０】図８のヘッド部分を示す側面図である。

【図１１】図８のスライド体を示す平面図である。

【図１２】図８の装置のＢ−Ｂ線の一部を示す断面図で
ある。

【図１３】図８の装置の左側面図である。

【図１４】カートリッジ装填完了状態を示す図１２に対
応する断面図である。

【図１５】カートリッジとレバーとの関係を示す平面図
である。

【図１６】カートリッジの平面図である。

【図１７】カートリッジの底面図である。

【符号の説明】

１ ディスクカートリッジ １８ カートリッジホルダ ４７ シャッタ開閉レバー ５０ シャッタ開閉用ピン ５１ バネ ７５ 弾性的押圧部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ディスクと、少なくともディスク回
   転用開口と磁気ヘッド挿入用開口とを有して前記ディス
   クを覆うケースと、前記磁気ヘッド挿入用開口を選択的
   に覆うように前記ケースに装着されたシャッタとから成
   る磁気ディスクカートリッジを使用して情報の記録又は
   再生を行うための装置であり、 前記磁気ディスクを回転するための回転体とこの回転体
   に結合されたモータを含むディスク回転機構と、 前記磁気ディスクに対向して情報の記録又は再生を行う
   磁気ヘッドと、 前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクの半径方向に移動す
   るためのモータを含むヘッド移動機構と、 前記カ−トリッジを保持するカ−トリッジホルダと、前記磁気ディスクの前記回転体に対する非係合位置と係
   合位置とを選択的に得ることができるように前記カ−ト
   リッジホルダを前記回転体の軸方向のみに移動するため
   のカ−トリッジホルダの移動機構と、 前記カートリッジの表面が延びる方向に前記カートリッ
   ジを排出するように偏倚するバネを有し、前記カートリ
   ッジの排出操作に応動して前記カートリッジを排出する
   ように構成されたカートリッジイジェクト機構と、前記バネによる 前記カートリッジの排出時に前記カート
   リッジの主面の前記シャッタが配設されていない部分の
   みを弾性的に押圧する部材とを具備していることを特徴
   とする磁気ディスク装置。