JP3799781B2 - ディスクドライブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロッピーディスク等のディスク状記録媒体への記録又は再生を行うディスクドライブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フロッピーディスクへの記録又は再生を行うディスクドライブ装置は、メカシャーシと、上記メカシャーシに昇降可能に取付けられたカートリッジホルダーと、上記メカシャーシにスライド可能に取付けられていて、一方向にスライドさせることにより、上記カートリッジホルダーをアンローディング位置に上昇させ、他方向にスライドさせることによりローディング位置に下降させるカートリッジホルダー昇降操作板と、上記カートリッジホルダー昇降操作板のスライドにより下降してきたカートリッジホルダーに収納されているディスクカートリッジのディスク状記録媒体を装着するスピンドルと、上記スピンドルに装着されたディスク状記録媒体への信号の授受を行うヘッドチップを取付けたヘッドアームと、
上記ヘッドアームおよびヘッドチップを上記スピンドルに装着されたディスク状記録媒体の半径方向に移動させるヘッドキャリッジとを備えている。
【0003】
そして、上記カートリッジホルダーにディスクカートリッジを挿入すると、該ディスクカートリッジで上記カートリッジホルダー昇降操作板のトリガーレバーが押圧され、上記カートリッジホルダー昇降操作板のロックが解除されて、該カートリッジホルダー昇降操作板がスライドして、上記カートリッジホルダーを下降させて、上記ディスクカートリッジのディスク状記録媒体をスピンドルに装着させる。
【0004】
そして、上記ヘッドキャリッジでヘッドチップを上記ディスク状記録媒体の半径方向に移動させながら記録又は、再生を行うようになっている。
【0005】
上記ヘッドキャリッジは、リードスクリューやVCM(ボイスコイルモータ)を使用して駆動されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ディスクドライブ装置、特にヘッドキャリッジを駆動するのにVCMを使用したディスクドライブ装置は、VCMへの通電が停止されると、上記ヘッドキャリッジがスライドガイド軸に沿ってスライド自在な状態になる。このため上記VCMへの通電が停止されているディスクドライブ装置の不使用状態(カートリッジホルダーがアンローディング位置に上昇していて、上記カートリッジホルダーにディスクカートリッジが収容されていない状態)において、上記ディスクドライブ装置に強い衝撃が加わったり、或はディスクドライブ装置が傾けられたりすると、ヘッドキャリッジが最内周又は最外周のストッパーに叩きつけられて、ヘッドキャリッジやヘッドチップが破損してしまうことがあるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、カートリッジホルダーがアンローディング位置に上昇しているディスクドライブ装置の不使用状態において、上記ヘッドキャリッジをストッパーに押し付けて、ヘッドキャリッジが衝撃等でスライドしてしまうのを防止できるようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メカシャーシと、アンローディング位置とローディング位置との間で昇降可能に上記メカシャーシに対して取付けられたカートリッジホルダーと、上記メカシャーシにスライド可能に取付けられていて、一方向にスライドさせることにより、上記カートリッジホルダーをアンローディング位置に上昇させ、他方向にスライドさせることによりローディング位置に下降させるカートリッジホルダー昇降操作板と、上記カートリッジホルダー昇降操作板のスライドにより下降してきた上記カートリッジホルダーに収納されているディスクカートリッジのディスク状記録媒体を装着するスピンドルと、上記スピンドルに装着されたディスク状記録媒体への信号の授受を行うヘッドチップを保持し、上記ヘッドチップと共にディスク状記録媒体の半径方向に移動可能なヘッドキャリッジと、上記カートリッジホルダー昇降操作板が上記カートリッジホルダーを上記アンローディング位置に上昇させる方向にスライドしてきたときに、上記カートリッジホルダー昇降操作板のスライドに連動して、上記ヘッドキャリッジをストッパーに押し付けてロックするヘッドキャリッジロック手段とを備えたディスクドライブ装置であって、
上記ヘッドキャリッジロック手段は、軸により一端側を回動可能にメカシャーシに取付けられている回動レバーと、上記回動レバーとカートリッジホルダー昇降操作板を連結し、該カートリッジホルダー昇降操作板のスライドに連動させて、上記回動レバーを回動させる連動機構と、上記回動レバーに取付けられていて、上記連動機構により上記回動レバーがヘッドキャリッジロック方向に回動してきたときに、ヘッドキャリッジに当接して、該ヘッドキャリッジをストッパーに押し付ける弾性部材とを備えている。
記録又は再生終了後にカートリッジホルダー昇降操作板をカートリッジホルダーアンローディング方向にスライドさせると、該操作板のスライドに連動して、上記ヘッドキャリッジロック手段の回動レバーが回動し、該回動レバーに設けた弾性部材でヘッドキャリッジをストッパーに押し付けて、自動的にロックする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1はディスクドライブ装置1およびディスクカートリッジ101の平面図、図2,図3はディスクドライブ装置1の側面図、図4,図5は図2,図3の側面図に対応するディスクドライブ装置の平面図である。
【0010】
ディスクドライブ装置1を説明する前にディスクカートリッジ101を簡単に説明する。
【0011】
上記ディスクカートリッジ201は、ディスク状記録媒体202と、該ディスク状記録媒体202を回転可能に収容したカートリッジ(シェル)203と、該カートリッジ203にスライド可能に取付けられていて、上記カートリッジ203の上,下面に設けた記録再生用の開口部203aを開閉するシャッター204と、該シャッター204を上記開口部203aを閉塞する位置に付勢している捩りコイルスプリング205を備えている。
【0012】
上記ディスクドライブ装置1は、メカシャーシ2と、該メカシャーシ2に昇降可能に取付けられたカートリッジホルダー3と、上記メカシャーシ2にスライド可能に取付けられていて、一方向(カートリッジ挿入口を有するフロントパネルPと反対方向、以下リア方向という)スライドさせることにより、図2に示したように上記カートリッジホルダー3をアンローディング位置に上昇させ、他方向(フロントパネルFP方向、以下、フロント方向という)にスライドさせることにより、図3に示したように上記カートリッジホルダー3をローディング位置に下降させるカートリッジホルダー昇降操作板4と、カートリッジホルダー昇降操作板4のスライドにより下降してきたカートリッジホルダー3内に収納されているディスクカートリッジ201のディスク状記録媒体202が装着(チャッキング)されるスピンドル(モータ)5と、スピンドル5に装着されたディスク状記録媒体202の上面側の記録又は再生位置に下降する上部ヘッドチップ6を一端部に取付けた上部ヘッドアーム(サスペンション)7と、上記ディスク状記録媒体202の下面側の記録又は再生位置に上昇する下部ヘッドチップ8を一端部に取付けた下部ヘッドアーム9(図1において、下部ヘッドチップ8および下部ヘッドアーム9は、上部ヘッドチップ6および上部ヘッドアーム7の略真下に重なり合った状態で配置されている)と、上記上,下部ヘッドアーム7,9の他端部を取付けているヘッドキャリッジ10と、該ヘッドキャリッジ10およびこれに取付けられている上,下部ヘッドチップ6,8を上記ディスク状記録媒体202の半径方向に移動させるVCM(ボイスコイルモータ)11と、上記カートリッジホルダー昇降操作板4が上記カートリッジホルダー3をアンローディング位置に上昇させる方向(リア方向)にスライドしてきたときに、上記カートリッジホルダー昇降操作板5に連動して、上記ヘッドキャリッジ10を外周側のストッパー(図示省略)に押し付けるヘッドキャリッジロック手段101を備えている。
【0013】
図2〜図3に示したように、上記カートリッジホルダー3は、左右の両側面の中央部に設けた昇降ガイド突起3aをメカシャーシ2の左右の両側面に設けた昇降ガイド溝2aに挿入することにより、メカシャーシ2に垂直方向に昇降可能に取付けられている。
【0014】
上記カートリッジホルダー3の左右の両側面には、上記昇降ガイド突起3aを中心にして両側部に一対の円筒状の突起3b,3bが設けられている。上記突起3b,3bは、次に詳しく説明するカートリッジホルダー昇降操作板4の左右の側部を上方に向けて略直角に折り曲げることにより形成された左右の側面板4a,4aに設けた傾斜状の昇降操作溝4b,4b内に挿入されていて、上記カートリッジホルダー昇降操作板4をリア方向にスライドさせると、図2に示したように上記傾斜状の昇降操作溝4b,4bによって、上記円筒状の突起3b,3bが上記昇降操作溝4b,4bの上端側に押し上げられ、上記カートリッジホルダー3は上昇して、アンローディング位置に保持されるようになっている。
【0015】
また、上記カートリッジホルダー昇降操作板4をフロント方向にスライドさせると、図3に示したように、上記傾斜状の昇降操作溝4b,4bによって、上記円筒状の突起3b,3bが上記昇降操作溝4b,4bの下端側に押し下げられ、上記カートリッジホルダー3は下降して、ローディング位置に保持されるようになっている。
【0016】
図1に示したように、上記カートリッジホルダー3の上面側には、シャッター開放部材61が設けられていて、上記カートリッジホルダー3内にディスクカートリッジ201を挿入すると、上記シャッター開放部材61の先端部が上記ディスクカートリッジ201のシャッター204の一端部204aに当接するようになっている。
【0017】
上記シャッター開放部材61は、一端側の軸62を中心にして回動しながら上記シャッター204を捩りコイルばね205のばね力に抗してスライドさせて、上記記録再生用の開口部203aを開放するようになっている。
【0018】
上記シャッター開放部材61には、上記カートリッジホルダー昇降操作板4のロックおよびロック解除を行うトリガーレバー63が設けられていて、上記シャッター開放部材61が上記記録再生用の開口部203aを開放する位置に回動してくると、上記トリガーレバー63と、上記カートリッジホルダー昇降操作板4に設けた係合部64との係合(ロック)が外れて、上記カートリッジホルダー昇降操作板4はフロント方向にスライド可能な状態になる。
【0019】
上記カートリッジホルダー昇降操作板4は、上記メカシャーシ2の上面にスライド可能に取付けられているとともに、スライド方向の両側部が上方に向けて略直角に折り曲げられて、左右の側面板4a,4aが一体に形成されている。
【0020】
上記カートリッジホルダー昇降操作板4の左右の側面板4a,4aは、上記メカシャーシ2とカートリッジホルダー3との間に配置されていて、上記カートリッジホルダー3の左右の両側面に設けた円筒状の突起3b,3bを傾斜状の昇降操作溝4b,4b内に導入している。
【0021】
上記カートリッジホルダー昇降操作板4は、引っ張りコイルスプリング(図示省略)のばね力により、上記カートリッジホルダー昇降操作板4をローディング位置に下降させるフロント方向にスライドする力を付与されている。上記トリガーレバー63によるロックを解除されると、図2に示したカートリッジホルダー3を上昇させている状態から、上記コイルスプリングのばね力で図3に示したように、フロント方向にスライドして上記カートリッジホルダー4をローディング位置に下降させるようになっている。
【0022】
また、上記カートリッジホルダー昇降操作板4は、図3に示したフロント方向にスライドした状態において、イジェクトモータ65によってカム66を回転させると、該カム66に設けたピン67によって、ピン係合部68が押圧され、上記引っ張りコイルスプリングのばね力に抗してリア方向にスライドして、上記カートリッジホルダー3をアンローディング位置に上昇させたのちに、上記トリガーレバー63によって再びロックされるようになっている。
【0023】
そして、上記カートリッジホルダー昇降操作板4が上記カートリッジホルダー3をアンローディング位置に上昇させるリア方向にスライドしてきたときに、該カートリッジホルダー昇降操作板4のスライドに連動するヘッドキャリッジロック手段101によって、上記ヘッドキャリッジ10を外周側のストッパーに押し付けるようになっている。
【0024】
図8〜9に示したように、上記ヘッドキャリッジロック手段101は、軸102により一端側を回動可能にメカシャーシ2に取付けられている回動レバー103と、回動レバー103をカートリッジホルダー昇降操作板4に連結し、該カートリッジホルダー昇降操作板4のスライドに連動させて、上記回動レバー103を回動させる連動機構104と、上記回動レバー103に取付けられていて、上記連動機構104により、上記回動レバー103がヘッドキャリッジロック方向に回動してきたときに、上記VCM11の一側部に当接して、上記ヘッドキャリッジ10を外周側のストッパーに押し付ける弾性部材105とを備えている。
【0025】
上記軸102は、回動レバー103の一端側の下面に設けられていて、メカシャーシ2に設けた軸受孔に嵌合することにより、上記回動レバー103の一端側をメカシャーシ2に回動可能に取付けている。
【0026】
上記連動機構104は、上記カートリッジホルダー昇降操作板4に設けられた長孔106と、上記回動レバー103の略中央部の上面に設けられていて、上記長孔106内に挿入されたピン107とからなっている。
【0027】
上記連動機構104は、上記カートリッジホルダー昇降操作板4がリア方向にスライドしてきたときに、図4に示したように、上記回動レバー103を軸102を中心にして、時計方向に回動させ、弾性部材105の先端部を上記VCM11のコイル部11aの一側面に当接させて、上記ヘッドキャリッジ10を外周側のストッパーに押し付けるようになっているとともに、上記カートリッジホルダー昇降操作板4がフロント方向にスライドしてきたときに、図5に示したように、上記回動レバー103を軸102を中心にして反時計方向に回動させて、上記弾性部材105および回動レバー103が上記VCM11のコイル部11a等に当接しない位置に逃がすようになっている。
【0028】
上記弾性部材105には、捩りコイルスプリングが用いられている。図6〜図7に示したように、上記捩りコイルスプリング製の弾性部材105は、コイル部105aが上記回動レバー103の自由端側の上面に設けられた軸108に取付けられているとともに、一端側の第1のアーム部105bが上記回動レバー103の上面に設けられた第1のスプリング係止部109に係止され、他端側の第2のアーム部105cが上記回動レバー103の上面に設けられた第2のスプリング係止部110に係止されている。そして、図8に示したように、上記第2のアーム部105cの先端部が上記VCM11のコイル部11aの一側面に当接し、上記第2のアーム部105cは、撓みながら上記VCM11のコイル部11aを介して、上記ヘッドキャリッジ10を外周側のストッパーに押し付けるようになっている。
【0029】
上記回動レバー103の先端部には、上記第2のスプリング係止部110の一部を利用することによりヘッドキャリッジ当接部111が形成されている。そして、図9に示したように上記ヘッドキャリッジ当接部111は、上記捩りコイルスプリングの第2のアーム部105cで上記VCM11のコイル部11aの一側面を押圧している状態において、ディスクドライブ装置に強い衝撃等が加わるなどして、上記ヘッドキャリッジ10およびVCM11のコイル部11aが上記第2のアーム部105cを撓ませながら所定量スライドしてきたときに、上記VCM11のコイル部11aに当接して、上記ヘッドキャリッジ10の更なるスライドを阻止するようになっている。
【0030】
上記上部ヘッドアーム7は、下方に向けて緩やかな勾配に折り曲げられていて、上記カートリッジホルダー3がローディング位置にあるときに、スピンドルモータ5にチャッキングされているディスク状記録媒体202の上面に接触できるようになっている。
【0031】
上部ヘッドアーム7は、長さ方向の中央部の下面側に後記するヘッドアーム移動制御手段21の上部ヘッドアーム当接部材22に当接するリフトピン12を備えているとともに、上面側に上記カートリッジホルダー3の上面に係合するホルダー係合アーム13を備えている。
【0032】
上部ヘッドアーム7は、上記カートリッジホルダー3がアンローディング位置にあるときには、図10(A)に示したように、上記カートリッジホルダー3の上面およびホルダー係合アーム13を介して、上方に撓んだ状態になっていて、カートリッジホルダー3へディスクカートリッジ201を挿入する際の障害にならないように上部ヘッドチップ6を上方に逃がしている。
【0033】
上記下部ヘッドアーム9も、上記上部ヘッドアーム7と同様に板ばねにより細長い二等辺三角形状に作られていて、頂角側の上面に下部ヘッドチップ8が取付けられていて、底辺側が上記ヘッドキャリッジ10に取付けられている。
【0034】
上記下部ヘッドアーム9は、上方に向けて緩やかな上り勾配に折り曲げられていて、図10(c)に示したように、上記カートリッジホルダー3がローディング位置にあるときに、スピンドル5にチャッキングされているディスク状記録媒体202の下面に接触できるようになっている。
【0035】
上部ヘッドアーム9も、上記上部ヘッドアーム7と同様に長さ方向の中央部の下面側に後記するヘッドアーム移動制御手段21の上部ヘッドアーム当接部材22に当接するリフトピン14を備えている。
【0036】
上記ディスクドライブ装置1は、上記カートリッジホルダー3がアンローディング位置からローディング位置に下降して、上記カートリッジホルダー3内に挿入されているディスクカートリッジ201のディスク状記録媒体202がスピンドル5にチャッキングされるときに、上記ディスク状記録媒体202の上,下面に、上,下部ヘッドチップ6,8が接触するのを防止するヘッドアーム移動制御手段21を有している。
【0037】
図11に示したように、上記ヘッドアーム移動制御手段21は、上記カートリッジホルダー3の下降に追従して下降してきた上部ヘッドアーム7のリフトピン12に当接して、上記上部ヘッドアーム7の更なる下降を阻止して、上部ヘッドチップ6が上部スピンドル5にチャッキングされているディスク状記録媒体202の上面に接触するのを阻止する上部ヘッドアーム当接部材22と、上記下部ヘッドアーム9のリフトピン14に当接して、上記下部ヘッドアーム9を下方に撓ませて、下部ヘッドチップ8が上記スピンドルモータ5にチャッキングされているディスク状記録媒体202の下面に接触するのを阻止する下部ヘッドアーム当接部材23と、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23を上記上,下部ヘッドアーム7,9に当接する位置から当接しない位置或は当接しない位置から当接する位置に移動させるヘッドアーム当接部材駆動機構24とを備えている。
【0038】
上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23は、上記ヘッドキャリッジ10を最外周側に移動させたときに、上記上,下部ヘッドアーム7,9に設けたリフトピン12,14の略真上又は真下に配置されている。
【0039】
図12に示したように、上記上部ヘッドアーム当接部材22の一端部には第1の軸25によって第1のリンク杆26の一端部が回動可能に取付けられているとともに、下部ヘッドアーム当接部材23の一端部には第2の軸27によって第2のリンク杆28の一端部が回動可能に取付けられていて、上記第1,第2のリンク杆26,28の他端部を第3の軸29で回動可能に結合することにより、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23の一端部は、互に連結されている。
【0040】
また、上部ヘッドアーム当接部材22の他端部には第4の軸30によって第3のリンク杆31の一端部が回動可能に取付けられているとともに、下部ヘッドアーム当接部材23の他端部には第6の軸32によって第4のリンク杆33の一端部が回動可能に取付けられていて、上記第3,第4のリンク杆31,33の他端部を第6の軸34で回動可能に結合することにより、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23の他端部は、互に連結されている。
【0041】
上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23は、上記第1,第2,第3,第4のリンク杆26,28,31,33等によって所謂平行リンク状に形成されていて、上記第3の軸29と第6の軸34の間隔を縮めれば、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23は平行状態を保ちながら上下方向の間隔が広がって、所謂開いた状態になり、上記第3の軸29と第6の軸34の間隔を広げれば、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23は、平行状態を保ちながら上下方向の間隔が縮まって、所謂閉じた状態になる。
【0042】
上記上部ヘッドアーム当接部材22の両端部(上記第1の軸25の近傍および第4の軸30の近傍)には、図13に示したように、上記カートリッジホルダー3とともに下降してきた上部ヘッドアーム7のリフトピン12が当接する略水平のリフトピン当接面22aと、該リフトピン当接面22aに連続する下り勾配の傾斜面22bが形成されている。
【0043】
また、下部ヘッドアーム当接部材23の両端部(上記第2の軸27の近傍および第5の軸32の近傍)には、図14に示したように下部ヘッドアーム9に設けたリフトピン14が当接する略水平のリフトピン当接面23aと、該リフトピン当接面23aに連続する上り勾配の傾斜面23bが形成されている。
【0044】
図15に示したように、上記第1,第2のリンク杆26,28を連結している第3の軸29は、メカシャーシ2上に立設された第1の固定台41に取付けられ、上記第3,第4のリンク杆31,33を連結している第6の軸34は、スライド板42に取付けられている。上記スライド板42は、メカシャーシ2上に立設された第2の固定台43にスライド可能に取付けられている。上記スライド板42は、引っ張りコイルスプリング44によって、上記第1の固定台41側に牽引されていて、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23を開いた状態に維持している。
【0045】
上述の上,下部ヘッドアーム当接部材22,23が開いた状態において、カートリッジホルダー3の下降に追従して上部ヘッドアーム7が下降してくると、図10(B)に示したように、上部ヘッドアーム7のリフトピン12が上部ヘッドアーム当接部材22のリフトピン当接面22aに当接して、上部ヘッドアーム7の更なる下降を阻止して上部ヘッドチップ6がスピンドル5上にチャッキングされているディスク状記録媒体202の上面に接触するのを防止するようになっているとともに、下部ヘッドアーム当接部材23のリフトピン当接面33aは、下部ヘッドアーム9のリフトピン14に当接して、上記下部ヘッドアーム9の上昇を阻止して、その先端に設けた下部ヘッドチップ8がディスク状記録媒体202の下面に接触するのを防止するようになっている。
【0046】
上記スライド板42を次に説明するヘッドアーム当接部材駆動機構24のソレノイド51で上記引っ張りコイルスプリング44のばね力に抗してスライドさせると、図16に示したように上,下部ヘッドアーム当接部材22,23が上下方向に重なり合うように閉じた状態になって、これら上,下部ヘッドアーム当接部材22,23と上,下部ヘッドアーム5,9のリフトピン12,14を非接触状態にする。
【0047】
図17は、スライド板42を含むヘッドアーム当接部材駆動機構21の分解斜視図である。上記スライド板42は、上記第2の固定台43にスライド可能に取付けるための一対の長孔42a,42bと、引っ張りコイルスプリング44の一端部を係止するためのスプリング係止部42cと、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23の一端側を連結している第3,第4のリンク杆31,33を結合している第6の軸34を取付けるための軸受孔42dと、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23の開位置を規定する第1,第2のストッパー42e,42fと、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23の閉位置を規定する第3のストッパー42gと、次に説明するヘッドアーム当接部材駆動機構24のソレノイド51によって牽引される被牽引部42hと、上記ヘッドアーム当接部材駆動機構24のロックプレートによってロックされるロックピン42iを有している。
【0048】
上記スライド板42は、上記一対の長孔42a,42bに上記第2の固定台43に設けた一対のスライドガイドピン43a,43bを挿入することにより、上記第2の固定台43にスライド可能に取付けられている。(図15,図16参照)。
【0049】
図11および図17〜18に示したように、上記ヘッドアーム当接部材駆動機構24は、上記スライド板42を引っ張りコイルスプリング44のばね力に抗してスライドさせて上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23を閉じた状態にするソレノイド51と、上記上,下部ヘッドアーム当接部材22,23を閉じた状態で上記スライド板42をロックするロックプレート52と、該ロックプレート52をスライド板ロック位置からロック解除位置に移動させるとともに、上記ヘッドキャリッジ10を最外周位置に押し戻してロックする第1の回動レバー(ヘッドキャリッジロックレバー)53と、上記ヘッドキャリッジ10を最外周位置に押し戻した位置で上記第1の回動レバー53をロックする第2の回動レバー54と、該第2の回動レバー54を吸着してロックするラッチマグネット55とを備えている。
【0050】
上記ソレノイド51は、鉄心(シャフト)51aが上記スライド板42の被牽引部42hに設けたU字状の切欠溝42jに挿入されているとともに、上記鉄心51aの先端部には上記U字状の切欠溝42jの幅よりも大径のフランジ部51bが設けられている。
【0051】
図17に示したように、上記ロックプレート52は、一対のスライドガイド用の長孔52a,52bと、スプリング係止部52cと、上記スライド板42に設けたロックピン42iに係合して、上記スライド板42を戻り移動しないようにロックするロック部52dと、次に説明する第1の回動レバー53に設けたロックプレート係合ピン53cが係合するピン係合部52eを備えている。
【0052】
上記ロックプレート52は、上記スライドガイド用の長孔52a,52bに上記メカシャーシ2に設けた一対のスライドガイドピン2a,2aを挿入することにより、上記スライド板42のスライド方向と略直交する方向にスライド可能に取付けられている。(図18参照)。
【0053】
上記ロックプレート52は、上記スプリング係止部52cに一端部を係止した引っ張りコイルスプリング56によって上記スライド板42側に牽引されていて、上記ロック部52dが上記スライド板42に設けたロックピン42iに当接している。
【0054】
上記ロックプレート52は、上記スライド板42が上記ソレノイド51によって牽引される前の初期状態においては、図18に示したように、上記ロック部52dの先端面(スライド板側の面)52fが上記ロックピン42iに当接して、上記引っ張りコイルスプリング56のばね力に抗して僅かに押し戻された状態になっている。そして、上記スライド板42がソレノイド51によって牽引されると、図23に示したように、上記ロックピン42iが上記ロック部52dの先端面52fに隣接するピン嵌合用の凹部52gの位置にきて、上記ロックプレート52は、引っ張りコイルスプリング56のばね力で上記スライド板42側にスライドして、上記ロックピン42iをピン嵌合用の凹部52g内に収容して、上記スライド板42をロックするようになっている。
【0055】
図17に示したように、第1の回動レバー53は、長さ方向の一端側に設けられた軸受孔53aと、他端側の上面に設けられたヘッドキャリッジ係合ピン53bと、該ヘッドキャリッジ係合ピン53bの近傍の下面側に設けられたロックプレート係合ピン53cと、該ロックプレート係合ピン53cの近傍の一側部に設けられた被ロック部53dと、長さ方向の略中央部の上面に設けられたレバー係合ピン53eを備えている。
【0056】
上記第1の回動レバー53は、上記軸受孔53aに上記メカシャーシ2に設けた軸(図示省略)を挿入することによりメカシャーシ2上に回動可能に取付けられているとともに、捩りコイルスプリング57によって図18の反時計方向の回動力を付与されていて、上記ヘッドキャリッジ係合ピン53bで上記ヘッドキャリッジ10のVCM11のコイル部11aを押圧して上記ヘッドキャリッジ10を外周側に移動させることができるようになっているとともに、上記ロックプレート係合ピン53cが上記ロックプレート52のピン係合部52eに係合して上記ロックプレート52を引っ張りコイルスプリング56のばね力に抗してスライドさせることができるようになっている。
【0057】
図17に示したように、第2の回動レバー54は、長さ方向の一端側に設けられた軸受孔54aと、他端側に設けられたレバーロック部54bと、上記レバーロック部54bの近傍の一側部に設けられたピン係合凹部54cと、該ピン係合凹部54cの近傍に設けられた可動鉄片54dと、長さ方向の略中央部に設けられたソレノイド係合ピン54eを備えている。
【0058】
上記第2の回動レバー54は上記軸受孔54aに上記メカシャーシ2に設けた軸2dを挿入することによりメカシャーシ2上に回動可能に取付けられているとともに、捩りコイルスプリング58によって図18の時計方向の回動力が付与されている。
【0059】
上記第2の回動レバー54のソレノイド係合ピン54eは、上記ソレノイド51の鉄心51aの先端に取付けたフランジ部51bと上記スライド板42の被牽引部42hとの間に挿入されていて、上記捩りコイルスプリング58のばね力によって、上記ソレノイド51のフランジ部51bに当接していて、上記被牽引部42hとの間には適宜の隙間δが発生するようになっている。
【0060】
上記第2の回動レバー54は、上記ソレノイド係合ピン54eが上記ソレノイド51のフランジ部51bに当接した状態において、先端のレバーロック部54bが第1の回動レバー53の被ロック部53dに係合する位置にくるようになっている。
【0061】
上記第2の回動レバー54は、上記ソレノイド51に小電流(約500mA)を加えると、上記ソレノイド51のフランジ部51bで上記ソレノイド係合ピン54eが牽引されて、上記捩りコイルスプリング58のばね力に抗して僅かに回動し、上記レバーロック部54による第1の回動レバー53のロックを解除する方向に回動するようになっている。
【0062】
また、上記第2の回動レバー54は、上記ソレノイド51に大電流(約1A)を加えると、上記ソレノイド51のフランジ部51bで上記ソレノイド係合ピン54eが牽引されて、上記被牽引部42hに当接して、該被牽引部42hを牽引して、上記スライド板42を引っ張りコイルスプリング44のばね力に抗してスライドさせるとともに、上記第1の回動レバー53のレバー係合ピン53eを上記ピン係合凹部54cに嵌合したのちに、上記可動鉄片54dが上記ラッチマグネット55に吸着されてロックされるようになっている。
【0063】
次に、上記ディスクドライブ装置1の一連の作用について説明する。
【0064】
図4および図18に示す初期状態において、上,下部ヘッドアーム当接部材22,23は、上,下方向に離間した状態になっている。上記上部ヘッドアーム当接部材22のリフトピン当接面22aは、上部ヘッドアーム10に設けたリフトピン12の略真上に位置し、また、上記下部ヘッドアーム当接部材23のリフトピン当接面23aは、下部ヘッドアーム8のリフトピン14に当接し、上記下部ヘッドアーム8を下方に撓ませた状態になっている。また、上記第1の回動レバー53のヘッドキャリッジ係合ピン53bで上記ヘッドキャリッジ10のVCM11のコイル部11aの一側部を押圧しているとともに、上記ヘッドキャリッジロック手段101の弾性部材105の先端で上記VCM11のコイル部11aの他側部を押圧して外周側のストッパーに押し付けている。
【0065】
そして、この状態でディスクカートリッジ201をカートリッジホルダー3に挿入すると、該カートリッジホルダー3に設けられたシャッター開放部材61で上記シャッター204をスライドさせて、カートリッジ203の上,下面に設けた記録再生用の開口部203aを開放するとともに、上記トリガーレバー63によるカートリッジホルダー昇降操作板4のロックを解除する。上記トリガーレバー63によるロックを解除された上記カートリッジホルダー昇降操作板4は、フロント方向にスライドして、図5に示したようにヘッドキャリッジロック手段101によるヘッドキャリッジのロックを解除する。そして、上記カートリッジホルダー3を下降させて、ディスク状記録媒体202をスピンドル5上にチャッキングさせる。上記カートリッジホルダー3の下降に追従して上部ヘッドアーム7も下降するが、該ヘッドアーム7は、上記リフトピン12が上部ヘッドアーム当接部材22のリフトピン当接面22aに当接して更なる下降を阻止されて、上部ヘッドチップ6とディスク状記録媒体202を非接触状態に保っている。
【0066】
上記スピンドル5をオンにした状態で上記ソレノイド51に小電流(約500mA)を流すと、図19に示したように、上記ソレノイド51により牽引されて、上記第2の回動レバー54が反時計方向に回動し、該第2の回動レバー54による第1の回動レバー53のロックが解除されるとともに、該第1の回動レバー53によるヘッドキャリッジ10のロックも解除された状態になる。
【0067】
そこで、上記VCM11に電流を流し、上記ヘッドキャリッジ10を内周側(矢印A方向)にスライドさせると、図19〜図21に示したように、上部ヘッドアーム7のリフトピン12が上部ヘッドアーム当接部材22の傾斜面22bに沿って下降していって、上記ヘッドアーム6の先端部に取付けられたヘッドチップ6は、ディスク状記録媒体202の上面に緩やかに接触、つまりソフトランディングするとともに、下部ヘッドアーム9のリフトピン14が上部ヘッドアーム当接部材23の傾斜面23bに沿って上昇していって、上記ヘッドアーム9の先端に取付けられたヘッドチップ8は、ディスク状記録媒体202の下面にソフトランディングする。(上記VCM11への電流を制御してヘッドキャリッジ10を低速で動かせばランディング時の衝撃はより少ないものになる)。
【0068】
上,下部ヘッドチップ6,8をディスク状記録媒体202の上,下面にソフトランディングさせたのち、上記ソレノイド51への小電流の供給をストップさせて、上記第2の回動アーム54を、元の位置(上記第1の回動アーム53をロックできる位置)に戻す。
【0069】
次に、図22に示したように、上記ヘッドキャリッジ10をVCM11で最内周位置まで移動させる。上記ヘッドキャリッジ10を内周側に移動させると、上記VCM11のコイル部11aで上記キャリッジ係合ピン53bが押圧され、第1の回動レバー53は、捩りコイルスプリング57のばね力に抗して回動する。
【0070】
上記ヘッドキャリッジ10を最内周位置まで移動させたら、上記ソレノイド51に大電流(約1A)を流すとともに、ラッチマグネット55にも小電流(約1mA)を流す。
【0071】
上記ソレノイド51に大電流を流すと、上記小電流を流した場合よりも、上記ソレノイド51の先端部のフランジ部51bは、より多く移動して、図23に示したように、上記ソレノイド係合ピン54eを介して、上記被牽引部42hを牽引して、上記スライド板42を引っ張りコイルスプリング44のばね力に抗してスライドさせる。上記引っ張りコイルスプリング44のばね力に抗してスライドしたスライド板42は、ロックプレート52によってロックされる。
【0072】
また、上記ソレノイド51に大電流を加えることにより、小電流を加えたときよりも大きな角度で回動した第2の回動レバー54は、上記ラッチマグネット55によって、可動鉄片54dを吸着されて上記ソレノイド51への通電をストップしても戻り回動しないようにロックされる。このときに、上記第2の回動レバー54は、レバー係合凹部54c内に上記第1の回動レバー53に設けたレバー係合ピン53eを導入して、該第1の回動レバー53が戻り回動しないようにロックする。
【0073】
上記スライド板42のスライドにより、図24(A)に示したように、上,下部ヘッドアーム当接部材22,23は、上下方向に互に重なり合って閉じた状態になり、上,下部ヘッドアーム7,9と非接触状態になる。
【0074】
そして、上述したように上記スライド板42がロックプレート43によりロックされることによって、上,下部ヘッドアーム当接部22,23は、上,下部ヘッドアーム7,9と非接触状態に維持されるのである。
【0075】
そして、この状態で上記ヘッドキャリッジ10をディスク状記録媒体202の半径方向へ移動させながら記録・再生が行われる。
【0076】
記録・再生が終了すると、図25に示したように、ヘッドキャリッジ10は、VCM11により最外周に送られる。
【0077】
そして、上記ラッチマグネット55への通電を停止すると、図26に示したように、上記ラッチマグネット55の磁気吸着力が喪失され、上記第2の回動レバー54は、捩りコイルスプリング58のばね力で戻り回動して、上記第1の回動レバー53のロックを解除したのち初期の位置に戻る。
【0078】
上記第2の回動レバー54によるロックを解除された第1の回動レバー53は、捩りコイルスプリング57のばね力で戻り回動しながらロックプレート係合ピン53で上記ロックプレート52を引っ張りコイルスプリング56のばね力に抗してスライドさせる。上記ロックプレート52が引っ張りコイルスプリング56のばね力に抗してスライドすると、該ロックプレート52に設けたロック部52dのピン嵌合用の凹部52gから上記スライド板42に設けたピン42iが抜け出て、上記スライド板42のロックは解除された状態になる。
【0079】
ロックプレート52によるロックを解除されたスライド板42は、引っ張りコイルスプリング44のばね力によりスライドして、上,下部ヘッドアーム当接部材22,23を上,下方向に離間させて、図24(B)に示した初期の状態に戻るのである。
【0080】
また、図27に示したように、記録・再生の途中で停電等により電源が切れた状態になると、上記ラッチマグネット55の磁気吸着力が喪失され、第2の回動レバー54のロックが解除された状態になるので、図28に示したように第2の回動レバー54は、捩りコイルスプリング58のばね力で回動し、第1の回動レバー53のロックを解除する。上記第2の回動レバー54によるロックを解除された第1の回動レバー53は、捩りコイルスプリング57のばね力で戻り回動する。このとき、上記第1の回動レバー53の先端に設けたキャリッジ係合ピン53bが上記ヘッドキャリッジ10のVCM11のコイル部11aに当接し、上記ヘッドキャリッジ10を最外周側に移動させるとともに、上記ロックプレート52を引っ張りコイルスプリング56のばね力に抗して移動させるのである。
【0081】
そして、記録・再生終了後にイジェクト釦を押圧すると、上記イジェクトモータ65によりカム66が回転し、該カム66に設けたピン67でカートリッジホルダー昇降操作板4のピン係合部68を押圧して、上記カートリッジホルダー昇降操作板4がリヤ方向にスライドして、図4に示したように、上記ヘッドキャリッジロック手段101の弾性部材105によってVCM11のコイル部11aを押圧して、ヘッドキャリッジ10を外周側のストッパーに押し付けるとともに、上記カートリッジホルダー昇降操作板4のリヤ方向へのスライドによって、上記カートリッジホルダー3は、アンローディング位置に上昇してディスクカートリッジ201がカートリッジホルダー3から排出されるのである。
【0082】
実施の形態のディスクドライブ装置1は上述のような構成であって、不使用時において図4に示したように、ヘッドキャリッジロック手段101の弾性部材105でVCM11のコイル部11aの一端側を押圧する一方、上記ヘッドアーム移動制御手段21のヘッドアーム当接部材駆動機構24の第1の回動レバー53のヘッドキャリッジ係合ピン53bで、上記VCM11のコイル部11aの他端側を押圧して、ヘッドキャリッジ10を外周側のストッパーに押し付けて、ディスクドライブ装置の不使用時において上記ヘッドキャリッジ10に強い衝撃が加わった場合でも、上記ヘッドキャリッジ10が移動を阻止してヘッドチップ等が破損するのを確実に防止することができるのである。
【0083】
【発明の効果】
本発明のディスクドライブ装置には次に述べるような効果がある。
【0084】
(1)請求項1のディスクドライブ装置は、イジェクト時にカートリッジホルダー昇降操作板がカートリッジホルダーをアンローディング位置に上昇させる方向にスライドすると、上記カートリッジホルダー昇降操作板のスライドに連動して、ヘッドキャリッジロック手段の回動レバーが回動し、該回動レバーに設けた弾性部材でヘッドキャリッジをストッパーに押し付けてヘッドキャリッジをロックする。従って、ディスクドライブ装置の不使用時に何等かの理由でディスクドライブ装置に強い衝撃等が掛かった場合でも、その衝撃で上記ヘッドキャリッジが動くのを抑制して、上記衝撃からヘッドチップ等を保護することができる。
【0086】
)請求項のディスクドライブ装置は、カートリッジホルダー昇降操作板のスライドに連動させて回動レバーを回動させる連動機構をカートリッジホルダー昇降操作板に設けた長孔と回動レバーに設けたピンとで構成したので、簡単な構造で確実にカートリッジホルダー昇降操作板のスライドに連動させて回動レバーを回動させることができる。
【0087】
)請求項のディスクドライブ装置は、弾性部材に捩りコイルスプリングを使用したので、コイル部を使用することにより容易、確実に回動レバーに取付けることができるとともに、上記コイル部の一端から伸びる一方のアーム部をヘッドキャリッジに当接させて上記ヘッドキャリッジをストッパーに押し付けることができる。
【0088】
)請求項のディスクドライブ装置は、強い衝撃が加わった場合に、先ず弾性部材が撓んで衝撃を吸収したのちに、回動レバーのヘッドキャリッジ当接部が当接して、ヘッドキャリッジの更なる移動を阻止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクカートリッジとディスクドライブ装置の平面図。
【図2】アンローディング状態の側面図。
【図3】ローディング状態の側面図。
【図4】アンローディング状態の平面図。
【図5】ローディング状態の平面図。
【図6】ヘッドキャリッジロック手段の要部の平面図。
【図7】ヘッドキャリッジロック手段の要部の側面図。
【図8】ヘッドキャリッジロック手段の作用を示す平面図。
【図9】ヘッドキャリッジロック手段の作用を示す平面図。
【図10】(A),(B),(C)は、ディスクドライブ装置の側面図。
【図11】要部の傾斜図。
【図12】上,下部ヘッドアーム当接部材の正面図。
【図13】図12のA−A線断面図。
【図14】図12のB−B線断面図。
【図15】上,下部ヘッドアーム当接部材を開いた状態の正面図。
【図16】上,下部ヘッドアーム当接部材を閉じた状態の正面図。
【図17】スライド板、ロックプレート、第1,第2の回動レバーの斜視図。
【図18】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【図19】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【図20】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【図21】(A),(B),(C)は、ヘッドチップがディスク状記録媒体に接触する過程を示す要部の側面図。
【図22】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【図23】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【図24】(A),(B)は上下部ヘッドアーム当接部材が閉じた状態と開いた状態の要部の側面図。
【図25】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【図26】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【図27】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【図28】ディスクドライブ装置の作用を示す要部の平面図。
【符号の説明】
1…ディスクドライブ装置、2…メカシャーシ、3…カートリッジホルダー、4…カートリッジホルダー昇降操作板、5…スピンドルモータ、6…上部ヘッドチップ、7…上部ヘッドアーム、8…下部ヘッドチップ、9…下部ヘッドアーム、10…ヘッドキャリッジ、11…VCM、101…ヘッドキャリッジロック手段、102…軸、103…回動レバー、104…連動機構、105…弾性部材(捩りコイルスプリング)、106…長孔、107…ピン、111…ヘッドキャリッジ当接部、201…ディスクカートリッジ、202…ディスク状記録媒体。

Claims (4)

  1. メカシャーシと、
    アンローディング位置とローディング位置との間で昇降可能に上記メカシャーシに対して取付けられたカートリッジホルダーと、
    上記メカシャーシにスライド可能に取付けられていて、一方向にスライドさせることにより、上記カートリッジホルダーをアンローディング位置に上昇させ、他方向にスライドさせることによりローディング位置に下降させるカートリッジホルダー昇降操作板と、
    上記カートリッジホルダー昇降操作板のスライドにより下降してきた上記カートリッジホルダーに収納されているディスクカートリッジのディスク状記録媒体を装着するスピンドルと、
    上記スピンドルに装着されたディスク状記録媒体への信号の授受を行うヘッドチップを保持し、上記ヘッドチップと共にディスク状記録媒体の半径方向に移動可能なヘッドキャリッジと、
    記カートリッジホルダー昇降操作板が上記カートリッジホルダーを上記アンローディング位置に上昇させる方向にスライドしてきたときに、上記カートリッジホルダー昇降操作板のスライドに連動して、上記ヘッドキャリッジをストッパーに押し付けてロックするヘッドキャリッジロック手段と、
    を備えたディスクドライブ装置であって、
    上記ヘッドキャリッジロック手段は、
    軸により一端側を回動可能にメカシャーシに取付けられている回動レバーと、
    上記回動レバーとカートリッジホルダー昇降操作板を連結し、該カートリッジホルダー昇降操作板のスライドに連動させて、上記回動アームを回動させる連動機構と、
    上記回動レバーに取付けられていて、上記連動機構により上記回動レバーがヘッドキャリッジロック方向に回動してきたときに、ヘッドキャリッジに当接して、該ヘッドキャリッジをストッパーに押し付ける弾性部材と、
    を備えていることを特徴とするディスクドライブ装置。
  2. 請求項において、
    連動機構は、
    カートリッジホルダー昇降操作板に設けられた長孔と、
    回動アームに設けられていて、上記長孔内に嵌合されているピンと、
    により構成されていることを特徴とするディスクドライブ装置。
  3. 請求項において、
    弾性部材は、捩りコイルスプリングであることを特徴とするディスクドライブ装置。
  4. 請求項において、
    回動レバーは、弾性部材のばね力に抗してヘッドキャリッジが移動してきたときに当接して、該ヘッドキャリッジの更なる移動を阻止するヘッドキャリッジ当接部を有していることを特徴とするディスクドライブ装置。
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