JPH079234Y2 - カセット装着装置のロック機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、超小型VTR等におけるカセット装着装置に関
し、特にロックプレートとの係合によるカセットハウジ
ングの所定装着位置へのロック状態を、テンションアー
ム駆動レバーを利用して確実に維持し、カセットからテ
ープが引き出された状態でのハウジングロック状態の解
除を確実に阻止できるロック機構に関するものである。

［従来の技術］ この種のカセット装着装置におけるロック機構の従来の
一例として、カセットハウジングの側面またはシャーシ
上の一方に係合ピンを設け、他方に凹部を有するロック
部材を設け、カセットハウジングが所定装着位置に移動
すると、係合ピンがロック部材の凹部に係止されるよう
構成したものが知られている（実願昭61-151691号（実
開昭63-58346号）参照）。

ところが、このロック機構では、VTR等の本体を誤って
落下させたり、周囲の建造物等に強く打ち付けたり等し
た場合、その衝撃でロック機構が外れる虞があるため、
カセットからテープを引き出すテープローディングの開
始からテープアンローディングの終了までの間、カセッ
トハウジングのロック状態を確実に維持することが望ま
れていた。

そこで本出願人は実願平１−77289号（実開平３−20056
号）において、カセットハウジングのテープカセット挿
入口側の補強シャフトに係合するロック部材を設け、こ
のロック部材とテープローディング動作に連動するレバ
ー部材との間に、リンク及び歯車を介設してなるロック
機構を提案した。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、そのロック機構は、構造が複雑で部品を
多く必要とし、コスト高を招くことに加えて、テープカ
セット挿入口側の補強シャフトをロックする構成の関係
上、カセットハウジングの外方にスペースを必要とする
ものであった。

従ってカメラ一体型VTR等の更に一層の小型化が望まれ
る機種においては、採用不利なものである。

そこで本考案の目的は、前記の如きカセット装着装置に
おいて、特別な部品を必要とせずに簡易な構造によっ
て、カセットからテープが引き出された状態でのカセッ
トハウジングのロック状態の解除を確実に阻止でき、コ
ストダウン並びに軽量・小型化にも寄与できるようにし
たロック機構を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 以上の課題を解決すべく本考案は、テープカセットを挿
入するホルダを有するハウジングと、シャーシ側に移動
可能に配設され、前記ハウジングに係合可能なロックプ
レートとを備えたカセット装着装置において、前記ロッ
クプレートとの係合による前記ハウジングのロック状態
で、前記カセットから引き出されたテープに圧接するテ
ンションポールを備えたテンションアームを駆動するテ
ンションアーム駆動レバーと、前記ロックプレートとの
間に、前記カセットから前記テープが引き出された状態
で、前記ロック状態の前記ハウジングと係合状態にある
前記ロックプレートの移動を規制して、前記ロック状態
の解除を阻止する係合部を構成したことを特徴とする。

［作用］ テンションアーム駆動レバーとロックプレートとの間に
構成した係合部によって、ロック状態のハウジングと係
合状態にあるロックプレートの移動が規制され、カセッ
トからテープが引き出された状態でのハウジングロック
状態の解除が阻止される。

［実施例］ 以下に添付図面に基づき本考案の実施例を説明する。

本考案を適用した一例構造としてのロック機構を含みカ
セット装着装置を示す第５図及び第６図において、１は
シャーシ、11はカセットハウジング、21はロックプレー
ト、26はキャンセルプレート、31,36は支持アームであ
り、第５図及び第６図はイジェクト状態を示している。

シャーシ１とカセットハウジング11の両側面間には対を
なす支持アーム31,36が夫々設けられ、両支持アーム31,
36は中央部を枢着軸35で連結されている。一方の支持ア
ーム31は下端をシャーシ１の側板２に枢着軸32で枢支さ
れ、他方の支持アーム36は下端に備えたガイドピン37を
シャーシ側板２のガイド孔３に係合している。この他方
の支持アーム36は上端をカセットハウジング11の側板12
に枢着軸38で枢支され、前記一方の支持アーム31は上端
に備えたガイドピン33をカセットハウジング側板12のガ
イド孔13に係合している。また両支持アーム31,36の上
部間にはテンションスプリング30が張設されている。

前記カセットハウジング11はテープカセット（不図示）
を挿入するホルダ14を内部に有するとともに、側板12の
一方には垂下片15を介して内側へ突出するロックピン16
を有している。また前記シャーシ１の側板２の前記ロッ
クピン16と対応する一方には上方からの切欠部４が形成
されている。

この切欠部４を有する側板２側のシャーシ１の底板５下
面にロックプレート21が配設されている。このロックプ
レーロ21は第５図左右方向に長い平板22をシャーシ１下
面に当接して第５図左右方向へ移動自在に組み付けら
れ、平板22の第５図右端には垂下片23を有する。そして
平板22上にはフック24が起設され、このフック24はシャ
ーシ底板５に形成した図示せぬガイド孔より上方に突出
して前記切欠部４の内方に第５図右側から臨んでいる。
またロックプレート21の平板22からは前記シャーシ側板
２の外方に位置して第５図左寄りに臨むストッパ部25が
上方に折曲されている。

更に前記切欠部４を有するシャーシ側板２の外面にはキ
ャンセルプレート26が枢着軸27にて回動自在に枢支され
ている。このキャンセルプレート26はシャーシ側板２に
沿った第５図右側を前記切欠部４の外方に臨む被押圧部
28とし、且つ第５図左側には前記ストッパ部25に係合可
能な下方からの切欠状の係止部29を有している。

そして前記ロックプレート21の第５図右端側と前記キャ
ンセルプレート26の前記枢着軸27より第５図右側との間
に１個のテンションスプリング20を張設している。この
テンションスプリング20は前記ロックプレート平板22の
外方に沿って位置する。

以上のロックプレート21及びキャンセルプレート26と両
者間のテンションスプリング20によるカセット装着装置
のロック機構としたので、イジェクト状態の第５図にお
いては、ロックプレート21とキャンセルプレート26との
間に張設したテンションスプリング20の引張力により、
ロックプレート21が図示左方に付勢されるとともに、キ
ャンセルプレート26が図示反時計廻りに付勢されてい
る。従ってロックプレート21のストッパ部25がキャンセ
ルプレート26の係止部29内に係合して保たれ、図示のよ
うにフック24は非ロック位置に位置決めされている。

次にホルダ14内にテープカセットを挿入してカセットハ
ウジング11を押し下げると、第７図に示すように枢着軸
35で連結された両支持アーム31,36は両者間のテンショ
ンスプリング30の引張力に抗して夫々のガイドピン33,3
7を各ガイド孔3,13に摺動させながら夫々の枢着軸32,38
廻りに回動して折り畳まれる。

そしてカセットハウジング11に備えたロックピン16がシ
ャーシ側板２の切欠部４に臨むと、第８図に示すように
先ずロックピン16がキャンセルプレート26の被押圧部28
を押し下げるので、キャンセルプレート26は枢着軸27を
支点とし、前記テンションスプリング20の引張力に抗し
て図示時計廻りに回動する。従ってキャンセルプレート
26の係止部29とロックプレート21のストッパ部25との係
合が解除され、つまりロックプレート21はテンションス
プリング20の引張力によって図示左方へ移動するため、
そのフック24が図示のようにロックピン16に係合する。
これによりカセットハウジング11はシャーシ１上にロッ
ク状態となり、このロック状態はテンションスプリング
20の引張力によるロックプレート21に対する図示左方へ
の付勢によって保たれる。

イジェクトする場合はロックプレート21の垂下片23に第
８図右方への外力を加える。つまりテンションスプリン
グ20の引張力に抗して垂下片23に第８図右方への外力を
加えると、前述の装着時とは逆の作動によりロックピン
16に対するフック24の係合が解除されるとともに、第７
図のようにロックプレート21のストッパ部25がキャンセ
ルプレート26の係止部29に再び係合し、同時にテンショ
ンスプリング30の引張力によって両支持アーム31,36が
再び立ち上がり、第５図のイジェクト位置に復帰する。

第９図は以上のカセット装着装置を用いた一例としての
VTRにおける録画／再生状態のテープパスを示すもの
で、41はテープカセット、42はテープ、43は供給リー
ル、44は巻取りリール、51はビデオヘッド内蔵のドラ
ム、52,53はドラム51に対するテープ出入口側の両ガイ
ドローラ、54,55は各ガイドローラ52,53の移動ベースと
一体に備えられる傾斜ポール、56はミドルポール、57は
オーディオ／コンロロールヘッド、58はピンチローラ、
59はキャプスタン、61はテンションポール、62はインピ
ーダンスローラ、63はガイドポール、64,65は傾斜ポー
ルである。

以上において、図示の如くカセット41からの引き出し状
態でのテープ42内側に圧接するテンションポール61を起
設して備える図示せぬテンションアームは、第１図及び
第３図に示したテンションアーム駆動レバー71により揺
動駆動される。

即ち第１図及び第３図において、81はコントロールカム
であり、このコントロールカム81はシャーシ１の底板５
上に起設した支軸82に回転自在に備えられ、その下面に
略螺旋状のカム溝83が形成されるとともに、外周には歯
部84が形成されている。この歯部84に噛み合う歯車機構
及び駆動モータ（ともに不図示）が設けられている。

そしてテンションアーム駆動レバー71はシャーシ底板５
下面に垂設した支軸72に揺動自在に備えられ、このテン
ションアーム駆動レバー71の一端（図示右端）にカム係
合ピン73が起設されており、このピン73がシャーシ底板
５のガイド孔６から前記カム溝83に係合している。更に
テンションアーム駆動レバー71の他端（図示左端）には
プレート係合ピン75が起設され、このピン75はシャーシ
底板５のガイド孔７から上方に突出してスライドプレー
ト等を介して前記テンションアーム（ともに不図示）に
係合している。両ガイド孔6,7はともにテンションアー
ム駆動レバー71の支軸72を中心とする円弧状に形成され
ている。

尚、テンションアームは、テープローディング時、つま
り第９図の如くカセット41から左右の両ガイドローラ5
2,53及び各傾斜ポール54,55により引き出されてドラム5
1に所定角度範囲にわたり巻回したテープ42に対し、図
示の録画／再生状態において、テンションポール61を内
側から圧接し、テープテンション変動によりテンション
アームが回動変位するのに伴って供給リール台にブレー
キをかけることにより、テープ42に所定の一定張力を付
与するものである。そのため、テープローディング動作
に連動して、第３図の状態からコントロールカム81が反
時計廻りに回動し、そのカム溝83にピン73を係合したテ
ンションアーム駆動レバー71が時計廻りに回動して（第
１図参照）、スライドプレート等を介しテンションアー
ムを揺動させ、第９図の如くテンションポール61をテー
プ42の内側に圧接するよう構成されている。

そこで本考案においては、第１図及び第３図に示す通
り、テンションアーム駆動レバー71の図示左端に備えた
プレート係合ピン75を前記ロックプレート21の平板22部
分に臨ませる一方、そのピン75が臨むロックプレート平
板22部分には切欠状のピン係止部121を形成する。この
ピン係止部121は前記ガイド孔７に対し図示上方側に位
置する。

このようにテンションアーム駆動レバー71とロックプレ
ート21との間に、テンションアーム駆動レバー71のプレ
ート係合ピン75とロックプレート21のピン係止部121と
による係合部を構成したので、第９図の如きテープロー
ディング時において、テンションポール61によるテープ
42内側への圧接作動と同時に第８図に示した前記カセッ
トハウジング11のロック状態の解除阻止作動が行われ
る。

即ちカセットハウジング11のロック状態において、第２
図のように前記ロックピン４にロックプレート21のフッ
ク24が係合しており、前記テープローディング時にテー
プ42内側にテンションポール61を圧接作動させる前記テ
ンションアーム駆動レバー71のプレート係合ピン75が第
１図のようにロックプレート21のピン係止部121に係合
する。

これによってロックプレート21のロック解除方向への移
動が規制され、従ってテープローディング時におけるカ
セットハウジング11のロック状態解除を阻止できる。

また前述と逆の作動によるテープアンローディング時に
は、第３図の如くテンションアーム駆動レバー71のプレ
ート係合ピン75が前記ガイド孔７に沿って図示下方側に
移動するので、ロックプレート21の移動規制が解除さ
れ、即ち第４図の如くロック解除方向（図示右方）への
ロックプレート21の移動が許容される。

以上の通り本考案のロック機構、つまりテープローディ
ング時におけるカセットハウジング11のロック状態の解
除阻止構造は、従来の如き特別な部品を必要とせず、テ
ンションアーム駆動レバー71のプレート係合ピン75とロ
ックプレート21のピン係止部121と係合させるだけの簡
易な構造のため、カセットハウジング11の外方を省スペ
ース化でき、従ってカメラ一体型VTR等におけるカセッ
ト装着装置のコストダウンと併せて軽量・小型化にも貢
献できるものである。

尚、ロック機構の構造については実施例構造に限らず、
他の構造にも本考案は適用可能である。またテンション
アーム駆動レバー71によるテンションアームの具体的な
駆動機構についても適宜のものを採用し得る。

［考案の効果］ 以上のように本考案によれば、カセット装着装置におい
て、テンションアーム駆動レバーの係合によって、ロッ
ク状態のハウジングと係合状態にあるロックプレートの
移動を規制するロック機構としたため、カセットからテ
ープが引き出された状態でのハウジングロック状態を確
実に維持し、衝撃等によるハウジングロック状態の解除
を確実に阻止することができ、しかも従来の如き特別な
部品を必要とせずにテンションアーム駆動レバーをロッ
クプレートに係合させるだけの簡易な構造で足りること
から、コストダウン並びに軽量・小型化を達成すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のテンションアーム駆動レバーとロック
プレートとの係合部を示すカセットからテープが引き出
された状態での平面図、第２図は同側面図、第３図はテ
ンションアーム駆動レバーによるロックプレートの規制
解除状態を示す第１図と同様の平面図、第４図は同側面
図、第５図は具体的一例構造としてのロック機構を含み
カセット装着装置を示すイジェクト状態の側面図、第６
図は同正面図、第７図はイジェクト位置とロック位置と
の間の作動状態を示す第５図と同様の側面図、第８図は
同じくロック状態の側面図、第９図は一例としてのテー
プパスを示す録画／再生状態の概略平面図である。 １……シャーシ、11……カセットハウジング、14……ホ
ルダ、16……ロックピン、21……ロックプレート、24…
…フック、41……カセット、42……テープ、61……テン
ションポール、71……テンションアーム駆動レバー、75
……プレート係合ピン、81……コントロールカム、121
……ピン係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テープカセットを挿入するホルダを有する
   ハウジングと、シャーシ側に移動可能に配設され、前記
   ハウジングに係合可能なロックプレートとを備えたカセ
   ット装着装置において、前記ロックプレートとの係合に
   よる前記ハウジングのロック状態で、前記カセットから
   引き出されたテープに圧接するテンションポールを備え
   たテンションアームを駆動するテンションアーム駆動レ
   バーと、前記ロックプレートとの間に、前記カセットか
   ら前記テープが引き出された状態で、前記ロック状態の
   前記ハウジングと係合状態にある前記ロックプレートの
   移動を規制して、前記ロック状態の解除を阻止する係合
   部を構成したことを特徴とするカセット装着装置のロッ
   ク機構。