JPH0633587Y2 - デイスクカ−トリツジ式記録・再生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、リニアモータで送られるヘッドでディスク
に情報を記録したり、または／およびディスクに記録さ
れている情報を再生することができるディスクカートリ
ッジ式記録・再生装置に係り、特に、ヘッドのロック解
除を行う機構に関するものである。

〔考案の概要〕

この考案は、リニアモータでヘッドをディスクの半径方
向へ移動させるディスクカートリッジ式記録・再生装置
において、カートリッジトレイにロック解除片を設け、
カートリッジトレイがカートリッジ挿入位置からカート
リッジ装着位置に下降するときにロック解除片でヘッド
に係合されている平板状のロック部材を直接押圧し、こ
のロック部材を付勢しているスプリングの付勢力に抗し
て回転しながら退避させ、ヘッドのロック解除が簡単な
構成で行われるようにしたものである。

〔従来の技術〕

従来、ディスクに情報を記録したり、または／およびデ
ィスクに記録されている情報を再生するディスクカート
リッジ式記録・再生装置（以下、単に記録再生装置とい
う。）には、ヘッド（ピックアップ装置）をリニアモー
タによってディスクの半径方向へ移動させるようにした
ものが開発されている。

このような記録再生装置は、輸送時等にピックアップ装
置が慣性によって移動し、移動端でリニアモータのヨー
ク等に衝突して損傷するのを防止するため、ピックアッ
プ装置をロックする手段が必要であり、また、使用時に
はピックアップ装置のロックを解除する手段が必要とな
る。

従来、かかるピックアップ装置のロック解除手段は、通
常、プランジャソレノイドを用いて構成されている。

プランジャソレノイドをロック解除手段とする記録再生
装置は、通常、電源をオンすることでソレノイドに通電
し、ソレノイドに吸引されたプランジャの移動によって
ロック部材を後退させ、ピックアップ装置のロックを解
除している。

そして、電源をオフすることでソレノイドへの通電が遮
断され、プランジャがばね等の付勢力で元の位置に復帰
する力でロック部材を移動させ、ピックアップ装置がロ
ックされるように構成されている。

したがって、記録再生装置の輸送時等においては、常
に、ピックアップ装置がロックされることになり、慣性
等によってピックアップ装置が移動して損傷することが
防止できる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、プランジャソレノイドでピックアップ装
置のロック解除を行う構成の記録再生装置は、記録また
は再生中は常時プランジャソレノイドに通電していなけ
ればならないため、消費電力が多くなる。

また、プランジャソレノイドが高価である等の問題点が
ある。

したがって、電池駆動、ポータブルタイプ等の場合、プ
ランジャソレノイドを用いたロック解除機構は消費電
力，価格の点で問題がある。

この考案は、上記したような問題点を解決し、ヘッドの
ロック解除が簡単な構成で行うことができるようにした
ディスクカートリッジ式記録・再生装置を提供するもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案のディスクカートリッジ式記録・再生装置は、
カートリッジ装着位置とカートリッジ装置位置との間を
昇降するカートリッジトレイにロック解除片を設け、こ
のカートリッジトレイがカートリッジ装着位置へ下降す
るときにロック解除片でヘッドをロックしているロック
部材を付勢力に抗して後退させ、ヘッドのロックを解除
する構成としたものである。

〔作用〕

この考案のディスクカートリッジ式記録・再生装置にお
いては、カートリッジトレイがカートリッジ装着位置へ
下降するときの移動によってロック解除片でヘッドをロ
ックしているロック部材を付勢力に抗して後退させるこ
とができるので、カートリッジトレイがカートリッジ装
着位置にある状態ではヘッドのロックが解除され、リニ
アモータでヘッドを移動させることができる。

そして、カートリッジトレイがカートリッジ装着位置以
外にある状態ではヘッドがロック部材でロックされ、そ
の移動が阻止される。

〔実施例〕

第４図はこの考案を適用したディスクカートリッジ式記
録・再生装置（以下、単に記録再生装置という。）を示
す外観斜視図で、Ｒは記録再生装置を示し、前面にカー
トリッジ挿入口Ｈが設けられている。

Ｅは前記記録再生装置Ｒの前面に設けられているエジェ
クト釦を示す。

Ｃは前記カートリッジ挿入口Ｈから挿入するディスクカ
ートリッジを示し、内部にはディスクＤ（DRAWディス
ク）が収納されている。そして、シャッタＳを移動（開
閉）させることによってディスクＤが露出したり、隠蔽
される。

第４図に示す記録再生装置Ｒの動作の概略を説明する
と、カートリッジ挿入口Ｈから挿入されたカートリッジ
挿入位置にあるディスクカートリッジＣは、例えばロー
ディング機構が水平方向へ搬送された後、ディスクＤが
ターンテーブルに載置されるカートリッジ装着位置まで
垂直方向へ下降するように搬送される。このようにディ
スクカートリッジＣが搬送される間にシャッタＳが開放
され、ディスクＤはディスクカートリッジＣから露出す
るとともに、装置内に設けられているリニアモータで送
られるピックアップ装置のロックが解除される。

そして、リニアモータで送られるピックアップ装置で記
録または再生が終了した後にエジェクト釦Ｅを操作する
と、ディスクカートリッジＣはローディング機構でカー
トリッジ装着位置からカートリッジ挿入口Ｈまで一部分
が突出するように搬送される。このようにディスクカー
トリッジＣが搬送される間にシャッタＳが閉成されてデ
ィスクＤが隠蔽されるとともに、ピックアップ装置がロ
ックされるように構成されている。

第１図はこの考案の一実施例である記録再生装置の主要
部分を示す概略図、第２図（ａ），（ｂ）はロック部材
を示す底面図と側面図である。

これらの図において、１はメカニカルシャーシ、２は前
記ディスクカートリッジＣが挿入されるカートリッジト
レイを示し、ロック解除片2Tが設けられている。

３は前記メカニカルシャーシ１に取り付けられているガ
イド軸、４前記ガイド軸３で案内されるピックアップ装
置を示し、一側端側にピン５が植設されている。

６はリニアモータを示し、ヨーク6Yが前記メカニカルシ
ャーシ１に固定され、コイルボビン6Bが前記ピックアッ
プ装置４に固定されている。そして、移動するコイルボ
ビン6Bに対向するようにマグネット6Mがヨーク6Yに取り
付けられている。

７は前記メカニカルシャーシ１に取り付けられているロ
ック部材を示し、固定ホルダ８と、固定ホルダ８に取り
付けた軸９と、軸９に支持されているくし型板金10とで
構成されている。

くし型板金10には前記ピン５と係合する複数の溝10D
と、前記ロック解除片2Tで押圧される被押圧片10Tとが
設けられ、コイルばね11の一端が係合する穴10Hが被押
圧片10Tに設けられている。そして、溝10Dはピン５の移
動範囲よりも少し長い範囲に設けられている。

コイルばね11の他端は前記リニアモータ６のヨーク6Yに
衝合しているので、くし型板金10は溝10Dが前記ピン５
に係合するようにコイルばね11で付勢されている。

上記のように構成されたこの考案の記録再生装置は、前
述したように、カートリッジ挿入口からカートリッジト
レイ２に挿入したディスクカートリッジＣがカートリッ
ジ装着位置（第３図）へカートリッジトレイ２とともに
下降すると、ロック解除片2Tが被押圧片10Tを第３図に
示すように押圧するので、くし型板金10は軸９を中心に
コイルばね11の付勢力に抗して反時計方向へ回転し、溝
10Dがピックアップ装置４のピン５と係合しなくなり、
ピックアップ装置４のロックは解除される。

したがって、リニアモータ６の駆動力によってピックア
ップ装置４をディスクＤの半径方向へガイド軸３に沿っ
て移動（摺動）させることができる。

そして、ディスクカートリッジＣがカートリッジ装着位
置から第１図に示す、例えばカートリッジ挿入位置へカ
ートリッジトレイ２とともに上昇すると、ロック解除片
2Tが被押圧片10Tを押圧しなくなるので、くし型板金10
は軸９を中心にばね11の付勢力で反時計方向へ回転して
溝10Dがピン５と係合し、ピックアップ装置４はロック
される。

この考案の記録再生装置は、上記したようにカートリッ
ジ装着位置に下降するカートリッジトレイ２に設けたロ
ック解除片2Tがくし型板金10の被押圧部10Tを押圧する
ことによってピックアップ装置４のロック解除ができる
ので、ピックアップ装置４のロック解除機構が簡単な構
成となり、安価となる。

そして、ロック解除片2Tで被押圧片10Tを直接押圧する
ので、ロック解除機構の信頼性が向上する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案のディスクカートリッジ
式記録・再生装置は、カートリッジ挿入位置とカートリ
ッジ装着位置との間を昇降するカートリッジトレイにロ
ック解除片を設け、このカートリッジトレイがカートリ
ッジ装着位置へ下降するときにロック解除片でヘッドを
ロックしているロック部材を付勢力に抗して後退させ、
ヘッドのロックを解除する構成としたので、カートリッ
ジトレイがカートリッジ装着位置にある状態ではヘッド
のロックが解除され、リニアモータでヘッドを移動させ
ることができる。

そして、カートリッジトレイがカートリッジ装着位置以
外にある状態ではヘッドがロック部材でロックされ、そ
の移動が阻止される。

したがって、ヘッドのロック解除機構が簡単な構成とな
り、安価となる。

そして、ロック解除片で被押圧片を直接押圧するので、
ロック解除機構の信頼性が向上する等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例であるディスクカートリッ
ジ式記録・再生装置の主要部分を示す概略図、第２図
（ａ），（ｂ）はロック部材を示す底面図と側面図、第
３図はカートリッジトレイがカートリッジ装着位置にあ
る状態を示す説明図、第４図はこの考案のディスクカー
トリッジ式記録・再生装置を示す外観斜視図である。 図中、２はカートリッジトレイ、2Tはロック解除片、３
はガイド軸、４はピックアップ装置、５はピン、６はリ
ニアモータ、７はロック部材、８は固定ホルダ、９は
軸、10はくし型板金、11はコイルばねを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カートリッジに収納されたディスクに対し
   て、リニヤモータで駆動されるガイド軸に沿って移動す
   るヘッドによって記録再生を行うように構成されている
   ディスクカートリッジ式記録・再生装置において、 上記カートリッジを挿入した状態で上記ディスクが上記
   ヘッドに近づく装着位置と、上記ヘッドより遠ざかる挿
   入位置との間で昇降するように構成されているカートリ
   ッジトレイと、 上記カートリッジトレイの下方に突出しているロック解
   除片と、 上記ガイド軸の近傍に設けた軸に支軸され、上記カート
   リッジトレイが降下したときに上記ロック解除片に衝合
   して、スプリングの付勢力に抗して所定の位置に退避す
   るように回動するロック部材と、 上記ヘッドに固定され、上記ロック部材が上記所定の位
   置に退避したときに係合が解除されるように設けられて
   いる被係合部とを備え、 上記ロック部材は上記ガイド軸と平行して延びている櫛
   形の平板で構成され、上記カートリッジトレイが上昇し
   た位置では上記櫛形の凹部に上記被係合部が係合するこ
   とによって上記ヘッドの移動が制限されるようにしたこ
   とを特徴とするディスクカートリッジ式記録・再生装
   置。