JPS6327026B2

JPS6327026B2 -

Info

Publication number: JPS6327026B2
Application number: JP55009473A
Authority: JP
Inventors: Georges Pierre Joseph Salomon
Original assignee: Francois Salomon et Fils SA
Current assignee: Salomon SAS
Priority date: 1979-01-31
Filing date: 1980-01-31
Publication date: 1988-06-01
Also published as: PL121302B1; US4382611A; FI71063C; SE458094C; IT1150080B; PL221533A1; NO800212L; YU41355B; FI800165A; DD148723A5; FR2447731A1; US4484762A; CA1140178A; NO152587B; FI71063B; SU1535370A3; CH649201A5; YU24980A; AT375270B; UA7207A1

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、特に距離スキーを行なう場合、靴の
端部をスキーと結合するための装置に関するもの
である。

本発明の装置はゲレンデスキーを行う場合に靴
の前部および／または後部を結合する要素の１つ
としても使用することができるけれども、本発明
の範囲内では、スキー靴の前端のみを結合するた
めの締具（ビンデイング）として特に考案された
もので、その場合、踵は長距離スキーまたはスキ
ーツアーを行なう場合におけるように自由に持ち
上げることができる。

本発明は一般的に以下の特徴を持つ結合装置を
提案する。

(1) 前記スキー靴は、その長手軸線方向に沿つ
て、端部に固定的に連結された引掛部材を含
み、この引掛部材は前記端部に対して固定さ
れ、かつ、この端部から離間した、靴の長手方
向軸線を横切る横断分岐部を有する。

(2) 靴端部支持部材がスキーに結合され、かつ、
引掛部材の横断分岐部と靴端部との間に嵌入す
るようになつており、この支持部材は靴の近傍
で前記靴端部用の当接区域を構成する。

(3) 引掛部材に付勢力を加えて靴端部を支持部材
の当接区域に対して確実に当接停止させるため
の取外し可能な鎖錠装置が設けられている。

引掛部材は、例えば、断面が円形の鋼線ででき
た鐙形金具で構成し、その横断分岐部がスキーの
上面と平行になつているのが有利である。

本発明の一面によれば、支持部材はスキーの上
面に対してほゞ垂直方向に、かつ、スキーの長手
軸を横断する方向に延びており、一方、該引掛部
材は鎖錠前の足の位置決めが足前部の上部から下
部へ向う垂直運動により行なわれて支持部材を引
掛部材内に導入できるようループ形状をしてい
る。このため、靴の装置をスキーに平行な面内で
行なう場合であつたら生ずるような、雪上でスキ
ーが滑り出すという恐れは無くなる。

支持部材はスキーにしつかりと固定してもよ
く、また、撓み部材上に固定してもよく、あるい
は、スキーに対して枢動可能に取付けてもよい。

先に述べたように、靴前部は鎖錠装置の作用に
より支持部材に押圧される。

本発明の鎖錠装置はヒンジ連結した枠体および
該枠体上にヒンジ連結され、かつ、引掛係止部材
の分岐部と協働するための少くとも１の押圧用つ
めを含む可動部材で構成すると有利である。この
可動部材は非作動位置と作動位置との間を移動す
ることができ、該作動位置で、該押圧用つめは鎖
錠装置の弾性変形可能な部分に加わる応力により
引掛係止部材の分岐部に対して弾力的に押圧され
る。

鎖錠を可能とするこの鎖錠装置の弾性は種々の
方法で実現することができる。例えば、(1)必要に
応じてＵ字形に湾曲させたロツドで構成し、その
中間線條部が押圧用部材に対してヒンジ連結部の
役目をし（その場合、該押圧用部材は剛性部材と
することができる）、かつ、その側方線條部がそ
の長手方向に弾性変形するように作られた弾性変
形可能な枠体を用いるか、あるいは、(2)ヒンジ連
結されてはいるが変形不可能な連結用リンクで構
成された枠体（但し、この場合、弾性変形可能な
のは押圧用部材の一部である）を用いるか、又
は、(3)枠体と押圧用部材に同時に弾性変形能力を
付与することによつて実現することができる。ま
た枠体と独立したばねで付勢を確保するようにし
てもよい。

好ましい一配置構成によれば、支持部材に保持
される靴の前部区域は該支持部材に対して嵌込軌
道（trajectoire engageante）を有する。事実、
靴前部を支持部材に対して充分に保持するために
は、引掛部の横断分岐部の囲りで靴が全く回転で
きないようにしなければならない。

以下に、限定的でない例として、本発明のいく
つかの実施態様を添付の図面を参照して説明す
る。

第一の実施態様において、靴１は、その前部
に、鋳造成形により強固に固定された引掛係止部
材３を有する。したがつて、この部材は靴の前端
を延長する。この引掛係止部材３は環状に形成し
た丸鋼棒で構成するのが望ましい（第４図参照）。
この引掛部材は横断部分４と例えば埋込みによつ
て靴に固定された側方部分４ａ，４ｂを含む。横
断部分４は靴前部から離れており、スキーに靴を
装着する際に支持部材６と係合するための受け溝
５（第５図）を設けるため靴の先端部を延長す
る。従つて、この横断分岐部材と支持部材との係
合は、第１図の実線と破線の位置で示す通り、靴
を垂直方向に移動させて行なう。該支持部材６は
突出した形状で、スキー２の表面上方を横断方向
に延びていることが望ましい。該支持部材はスキ
ー２に対して不動に（第２３図、第２４図）、或
は弾性的に（第２５図〜第２８図）、或はスキー
に対して枢動可能に（第２９図、第３０図）連結
される。第１図〜第２２図において、この支持部
材はスキー２と一体で示されているが、本発明の
範囲を逸脱しない限り、種々の態様の支持部材を
第２３図〜第３０図に示す配置構成に従つてスキ
ーに結合できるのは言うまでもない。

支持部材６は断面が逆Ｖ状の突出形をしてお
り、横断部分４と靴前部との間に設けられた受け
溝５内に入る。支持部材は引掛係止部材の側方部
分４ａ，４ｂ間では横断方向に延びており、この
ようにして該側方部分４ａ，４ｂと支持部材の側
面７，８との共働により靴の側方保持を確保す
る。更に、支持部材６は靴前部の対応支持区域１
０と共働する当接区域９を含む。他方、該支持部
材は引掛係止部材の横断部分４と共働するための
傾斜部、すなわち支持区域１１をも含む。２つの
支持区域９および１１は平面でその間に２面体を
形成すると有利である。

靴１はヒンジ連結された枠体１２および該枠体
１２にヒンジ連結された加圧部材１３を含む保持
装置、すなわち、鎖錠装置により支持部材６に対
して保持される。枠体１２は丸鋼棒で作つた全体
がＵ字形の止め金具で構成される。この止め金具
は横断線條部１５により連結された２本の側方線
條部１４を有し、この横断線條部１５上に加圧部
材１３が回転可能に取つけられている。側方線條
部１４の自由端１６は曲げられて、支持部材６内
に形成された幾何学的軸孔１７に旋回可能に取つ
けられている。図から分る通り、側方線條部１４
は、鎖錠の際に必要な弾性変形を枠体１２に与え
ることができるよう、湾曲がつけられている。可
動加圧部材１３は引掛係止部材３の横断部分４と
協働するための加圧用突出部１８を含む。

該加圧用突出部１８は、第６図に示す通り、横
断方向に延びていると有利である。更に、加圧部
材１３は止め金具１２の横断部分１５用の幾何学
的軸２０となる孔１９を含む。

第１０図および第１１図は可動加圧部材の加圧
用突出部の別態様を示す。軸２０を越えた所に、
該加圧部材１３はこの部材を操作するレバーの役
目をする延長部２１を含む。可動部材１３は引掛
係止部材３を保持し、靴の前部１０を支持部材１
１に押圧する働きをする。この保持を確実にする
ために、保持装置、すなわち、鎖錠装置は止め金
具１２と可動部材１３とで構成されたいわゆる
「ナツクル継手」式となつている。この種の装置
により、比較的小さいエネルギーを持つ単純な弾
性装置で大きな圧力を得ることができる。

着靴の際の装置の取付けは、引掛係止部材３を
支持部材６の上部から係合させて行なう（第１
図）。従つて、支持部材６は横断部分４と靴前部
１０との間に設けられた受け溝５内に入る。次
に、可動加圧部材１３、特にその加圧突出部１８
を横断部分４近傍に持つて来る（第２図）。次い
で、レバー２１を矢印Ｆに沿つて後方に付勢する
ことにより装置の鎖錠を行なう（第３図）。第７
図、第８図および第９図はこの種の鎖錠の原理を
示す。

第７図は第２図に示す位置関係を拡大して示
す。可動部材１３の瞬間回転軸は２２で示してあ
る。図を見ると、加圧用突出部の軸２２は軸２０
および１７で画定される面の右側にあることがわ
かる。事実、軸２０と軸１７間の距離a₀は回転軸
２２と軸２０間、および回転軸２２と軸１７間の
距離の合計（ｂ＋ｃ）よりも短い。

第８図は中間位置、つまり、この態様では止め
金具で構成される弾性装置の作用に対抗するナツ
クル継手の死点通過位置を示している。この位置
において、a₁（１７と２０間の距離）はa₀よりも
大きく、また、a₁はｂ＋c₁に等しく、c₁はｃに
ほゞ等しいことがわかる。この中間位置におい
て、軸２２は軸２０と１７で画定される面内にあ
る。従つて、該保持装置は不安定な平衡状態にあ
ると考えられる。鎖錠にあたつては、レバー２１
を矢印Ｆに沿つて後方に傾動させ、第９図の位置
に置けばよい。図を見ると、この鎖錠位置では、
軸２２は軸２０および１７により画定される面の
左側に移つており、また加圧部材１３の面２３は
支持部材６の面１１に支えられている。このよう
にして加圧部材１３は平衡位置にある。

この平衡位置において、止め金具１２で構成さ
れる弾性部材は矢印F₁に沿つて（下方へ）可動
加圧部材１３を付勢するが、加圧用突出部１８
は、一方においては、引掛係止部材の横断部分４
に当接しており、また他方においては、支持部材
の面１１に当接している。加圧用突出部１８と横
断部分４間の接点２４において、加圧用部材１３
は、スキーの前部ならびにスキーに向かつて傾斜
した矢印F₂に沿つて、該横断部分４に付勢力を
与える。

矢印F₃で示す付勢力F₂の水平分力はスキーに
対して平行に向いており、かつ、靴の長手方向軸
に沿つて、引掛部分の延長部にあるスキー端部の
方向、すなわち、図示の例では、スキーの前方へ
延びている。従つて、この水平分力F₃は靴を前
進させ、その結果、靴の前部を支持部材に抗して
付勢し、かつ、靴の前部面１０を支持部材６の面
９に対して押圧することになる。また他方におい
て、付勢力F₂の垂直分力F₅は支持部材６を受け
溝５内に楔固定しようとし、この場合、支持部材
はくさびの働きをする。

第１０図は可動保持部材、すなわち鎖錠装置１
３の別の実施態様を示す。この実施態様におい
て、加圧用突出部は、特に着靴に際して、横断部
分４と共働する横断方向に凹んだ輪郭部分２５を
含む。

第１１図は、可動部材を止め金具に対して回転
可能に取つけ、かつ、複数個の加圧用突出部１８
を持つローラ１３で構成した一変形例を示す。こ
の場合、操作レバー２１０は止め金具と一体にな
つている。

第１２図は、可動保持部材すなわち鎖錠装置の
操作レバー２１を靴２６の一部上にもたせかけた
一変形例を示す。

好ましい実施態様によれば、支持部材の当接面
９は平らで、スキー面と０〜90゜の範囲の角度α
を形成し、一方、支持部材の面（すなわち傾斜
面）１１もまた平らで、スキー面と０〜90゜の範
囲の角度βを形成する。

第１３図は角度αが90゜で、角度βが０〜90゜の
間にある支持部材の一変形例を示す。

第１４図は角度αが90゜〜180゜の間にあり、角
度βが０〜90゜の間にある支持部材の別の変形例
を示す。

第１５図は角度αが90゜〜180゜の間にあり、角
度βが90゜である支持部材の更に別の実施態様で
ある。

靴の前面１０は支持部材の面９に押圧されるよ
うにならなければならず、このためにはスキーの
面に対して同一の傾斜を有していなければならな
い。

当然のことながら、角度αとβとは等しくても
よく、特に、両方共90゜にできることが分る。

第１６図は第１２図の実施態様の一変形で、可
動保持部材すなわち鎖錠装置１３を横断部分４上
にもたせかけるとともに、同じく、参照番号２７
で示すように、靴の前部で該靴上に、また、支持
部材の両側で側面に支承させている。

第１７図は靴と一体の引掛部の別の実施態様を
示す。この態様において、止め金が前部２７の個
所で垂直に、また、２８の個所で側方に延びて、
垂直方向に延びる受け溝５を形成し、全体を図示
（第１８図）の通り靴の一部とすることができる。
可動鎖錠部材は、第１２図に示すように、靴の２
６の個所で、また、保持部材１３に設けられたカ
ム部３０を介して引掛部上の２９の個所で支承さ
れる。

第１９図、第２０図および第２１図は支持部材
９がほゞピラミツド形をしている他の変形例を示
す。可動部材は２６の個所で或は２６１の個所で
支承可能であることが分るであろう。

第２２図は支持部材が靴のために２の支持区域
９，９′を含む一変形例を示す。保持部材すなわ
ち鎖錠装置１３の横断部分４に対する作用F₂は
水平分力F₃を有し、矢印F₄に沿つて靴を前方へ
移動させ、靴前部を支持部材の支持区域９および
９′に押圧する。

更に、横断部分４は下向きの力F₅の作用によ
り、支持部材の面３２に接触していることに注意
しなければならない。該横断部分４はF₅に等し
い力で面３２に押圧される（F₅はF₂の垂直分力
である）。水平分力F₃は靴前部を支持部材に押圧
しようとする力である。

第２３図および第２４図は支持部材とスキーを
結合するための第１の可能性を示す。この配置構
成によれば、支持部材６は、例えば、第２３図に
示すねじ３３により、スキー２に対して強固に連
結される。矢印F₆の方向に踵を上げると、靴の
３４の個所で曲げが生じる（第２４図）。

第２５図、第２６図、第２７図および第２８図
は支持部材とスキーを結合するための別の可能性
を示す。この第２の可能性によれば、支持部材は
可撓部材を介してスキーに結合される。従つて、
支持部材６１はねじ３３によりスキーに固定され
た可撓部材３５と一体である。この目的のため
に、可撓部材３５は支持部材６１の在る端部とは
反対の端部に形成したねじ３３を通すための孔３
６を含む。矢印F₆の方向に沿つて靴の踵を上げ
るには、可撓部材３５を撓ませて行ない、従つ
て、支持部材はスキー表面から持上がる（第２６
図および第２８図）。

有利な方法によれば、支持部材６１および可撓
部材３５は弾性材料で単一部品として製造する。
しかし、これを別の方法で行なつてもよい。例え
ば、支持部材を金属製とし、鋼製の可撓薄板３５
１上に固定することもできる（第３１図）。また、
先に述べた弾性単一構造体に金属製挿入部材３５
１′を予め設けることもできる（第３２図）。

第２７図および第２８図は撓み部材の組立てを
有利に行なう方法を示す。この目的のため、第２
８図に示すように、靴の持上げを可能にするとと
もに可撓部材３５を横方向に保持するための２の
垂直側縁部３７および３８を含む金属製外枠を予
め設ける。更に、金属製外枠の２のフラツプ３９
および４０が、ねじ３３をより強固に保持するた
めに、水平内方向に折曲げられている。この金属
製外枠をスキーに固定するだけのもう１本のねじ
４１を設けることもできる。この場合、２本のね
じ３３は外枠と可撓部材３５の端部とを同時に保
持する。

第２９図および第３０図は支持部材を結合する
ための別の可能性を示す。この態様では、該支持
部材６は横断軸４２の囲りでスキーに対して旋回
可能に取付けられる。この目的のために、支持部
はねじ３３によりスキーに固定された台板４３お
よび軸４２を通すための孔を穿設した２つの垂直
耳部４４，４５を含む。また、支持部材は、その
下部にあつて前方へ向き、軸４２を通すための孔
を穿設した２つの延長部４６，４７を含む。コイ
ルばね４８は軸４２の囲りに取付けられて２端部
を有し、そのうちの一端４９は台板４３に支えら
れ、他端５０は支持部材の面１１に支えられてい
る。従つて、ばねは矢印F₇方向の力を支持部材
６に加える。軸４２は両端５１でリベツト留めし
てもよい。

第２５図乃至第３０図の態様において、ばね４
８の作用により、スキーの後部は矢印F₆（第３０
図）の方向に持上つて、靴の踵下に張りつこうと
する傾向を有する。

第３３図、第３４図および第３５図は鎖錠装置
１３により構成されるナツクル継手の３の変形態
様を示す。この態様において、先の実施態様の弾
性分岐部（側方線條部）１４の代りに剛性を有す
る連結桿１４１を使用し、鎖錠に必要な弾性は該
連結桿と別の部材から得る。第３３図において、
弾性は、部材１３の窓孔５３に配設され、かつ、
加圧部材が枢動する連結桿１４１の横断線條部１
５を付勢するばね５２によつて得られる。

第３４図において、弾性は加圧用突出部１８が
引掛部と接触する際、この突出端に必要な撓みを
与える凹み５４を含む加圧部材１３自体により得
られる。

第３５図において、ばね５２０が支持部材６内
に配設されて、連結桿１４１の一または複数の横
断部分１６０を付勢する。

第３６図に示す実施態様では、軸１６は支持部
材内で枢動せず中間部材５６内で枢動し、該支持
部材と中間部材の組立体は可撓薄板３５による
か、または軸４２によつて回転可能にスキー２に
取付けられる。

本発明の好ましい実施例では、支持部材の支持
区域９および１１は平坦とするのが有利である
が、そうでなくてもよい。特に、第３７図に示す
ように、該支持区域はほゞ垂直な２つの稜５８お
よび５９上に設けられる。この種の配置構成は面
９について、または面１１について、またはその
両方について採用することができる。別案とし
て、第３８図に示すように、稜を水平としてもよ
いであろう。

可動加圧部材は、第３６図に示すように、スキ
ーのストツクで操作できるように１または複数個
の孔を設けてもよいことに注目すべきである。

先に詳述したように、靴前部を良好に保持する
ためには、支持部材を靴と効果的に連結すること
が必要である。従つて靴が特に横断部分４の囲り
で回動しないようにしなければならない。このた
めには、支持部材に支承されている靴の支持区域
は該支持部材の対応する支持区域に対して交わる
ような軌道を有していなければならない。

第３９図は靴前部および横断部分と接触した支
持部材６の拡大側面図である。この図を見ると、
スキーで歩く場合に、すなわち靴の踵が持上がる
ときに、どのようなことが起こるかがわかる。靴
前部の面１０の点１００に注目すると、４００
（横断部材の中心）に中心を有する半径ｒ１００
の円形軌道１０１はＢの箇所で支持部材の対応す
る支承面９と交わることが分る。このことは、Ｂ
において靴が支持部材に当接したままとなつて、
離脱できないということを意味する。これとは逆
に、靴前部の下方点２００は４００に中心を有す
る半径ｒ２００の円形軌道２０１を有し、この円
形軌道は支持部材の対応する支承面９から離れる
ことがわかる。従つて、靴前部を支えるための真
に効果的な支持区域は、引掛係止部材の横断部分
の軸を通り、かつ、支承面（曲線の場合は支持区
域の接線）に垂直な面の上方に在るａ−ｂの区間
であることがわかる。要約すると、靴が横断部材
の囲りで回転しないようにし、かつ、これと逆
に、支持部材とうまく連結するようにするために
は、各点は支持部材に対して交わる軌道を有しな
ければならない。

第４０図は鎖錠装置の作用が基本的に垂直な場
合に靴の水平方向応力がどのようになるかを示す
ものである。仮にF₆をこの垂直方向応力としよ
う。この条件において、横断部材４に対する支持
部材の面１１の作用は、F₆に等しいが方向反対
の垂直分力F₉のような成分を有するF₇である。
F₈は靴を前方へ押圧する水平分力である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基く装置の第１の実施態様を
使用して靴を装着しつつある状態を示す側面図。
第２図は第１図に示した装置の鎖錠前の側面図。
第３図はスキーを行うため鎖錠位置にある第１図
および第２図の装置の側面図。第４図は第３図の
上面図。第５図は第１図乃至第４図の装置を使用
して靴を装着しつつある状態を示す斜視図。第６
図は第３図に対応する鎖錠位置にある結合装置全
体の斜視図。第７図、第８図および第９図は鎖錠
がどのように行なわれるかを詳細に示す部分拡大
図で、第７図は着靴の初期段階、第８図はナツク
ルの移動段階、および、第９図は鎖錠状態を示
す。第１０図、第１１図および第１２図は鎖錠装
置の各種実施態様を示す側面図。第１３図、第１
４図および第１５図は支持部材および靴前部の各
種実施態様を示す側面図（ここでは鎖錠装置は図
示しない）。第１６図は本発明の結合装置の他の
実施態様を示す縦断側面図。第１７図は該結合装
置の更に他の実施態様を示す縦断側面図。第１８
図は第１７図の実施態様で使用される靴の端部を
示す斜視図。第１９図は該結合装置の別の実施態
様を示す縦断側面図。第２０図は第１９図の実施
態様で使用される靴の端部を示す斜視図。第２１
図は第１９図の支持部材の形状を示す斜視図。第
２２図は該結合装置の更に別の実施態様を示す側
面図。第２３図乃至第３０図は支持部材とスキー
との結合がどのように行なわれるかを示す図で、
第２３図および第２４図は、それぞれ、支持部材
がスキーに対してしつかりと固定されている第一
実施態様を示す要部側面図ならびに踵を持ち上げ
た状態の縮尺全体側面図；第２５図、第２６図、
第２７図および第２８図は、それぞれ、支持部材
が可撓部材と一体である第二実施態様を示す要部
側面図、踵を持ち上げた状態の縮尺全体側面図、
可撓部材の取付配置構成の一変形例の斜視図、な
らびに踵を持ち上げた状態の要部側面図；およ
び、第２９図および第３０図は、それぞれ、支持
部材が横断軸の周りに枢動可能に取付けられてい
る第三実施態様を示す要部斜視図ならびに踵を持
ち上げた状態の要部側面図。第３１図および第３
２図は連結に関する第二実施態様の別態様による
支持部材のみを示す側面図。第３３図、第３４図
および第３５図は鎖錠装置の他の着想を示す側面
図。第３６図は保持装置の組立のための一変形態
様を示す斜視図。第３７図は支持部材の他の変形
態様を示す斜視図。第３８図は靴の支持部材の他
の態様を示す側面図。第３９図は靴前部がどのよ
うにして支持されるかを示す概念図。第４０図は
支持部材の作用が引掛部材にどのように及ぼされ
るかを示す側面図。〔主要部分の符号の説明〕、１……靴、２……
スキー、３……引掛部、４……横断部材、６，６
１……支持部材、９，９′……当接区域、１０…
…支持区域、１１……傾斜面、１３……加圧部材
（鎖錠装置）、１４，１５……枠体、１８，２５，
２９……加圧用突出部、２１，２１０……延長部
（レバー）、３５，３５１……屈曲部材、４８……
コイルばね、５１……横断軸、５２，５２０……
ばね、５４……凹部、５８，５９……稜部、１４
１……連結桿、１０１，１０２……軌道。

Claims

【特許請求の範囲】１靴の先端部から突出する係合部と、スキー板
上に配設されて前記係合部と共働する支持部と、
前記係合部と前記支持部を緊締するための可動鎖
錠手段とを含み、スキー靴をスキー板に結合する
ための装置において、前記靴の先端部は、スキー板の長手方向軸を横
切る前端支持区域１０を含み、前記支持区域から
靴の延長部となる空間を介して前方に離間配置さ
れた横断部材４を有する引掛係止部３を設け；スキー板にスキー靴を装着する際、前記引掛係
止部３を介して前記靴の前端支持区域１０と少な
くとも部分的に係合できるよう、前記横断部材４
と前記靴の前端支持区域１０の間に嵌入して該支
持区域と衝合するため該支持区域の面と補完的な
面を有する当接区域９，９′を備えた支持部材６，
６１をスキー板上に設け；更に、前記靴の前端支持区域１０を前記支持部
材６，６１の当接区域９，９′と接触させたのち、
前記当接区域に対して前記支持区域を確実に押圧
する力を前記引掛係止部３に及ぼして前記２部材
間で堅固な連結を実現するための可動鎖錠手段１
３を前記支持部材に設けたことを特徴とする結合
装置。２前記引掛係止部３に加わる応力の少なくとも
１分力が、スキーに平行に配向し、かつ、前記引
掛係止部の延長線上に在るスキーの端部方向にス
キー靴の長手方向軸に沿つて延びていることを特
徴とする特許請求の範囲第１項に記載の装置。３前記引掛係止部３の横断部材４がスキーに向
つて傾斜すると共にスキー靴から離間する支持部
材６の傾斜面１１に対して支承され、かつ、前記
引掛係止部３に加わる応力が、前記横断部材４と
前記支持部材の傾斜面１１との接点において、該
横断部材に対して前記傾斜面からの反作用力を生
起し、該反作用力の少なくとも１分力はスキーに
対して平行な方向に向けられ、かつ、スキー靴の
長手方向軸に沿つて、前記引掛係止部３の延長線
上にあるスキーの端部方向に延びることを特徴と
する特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の装
置。４前記支持部材６がスキー２の上面で概ね垂直
方向に、かつ、その長手方向軸を横断する方向に
延びることを特徴とする特許請求の範囲第１項、
第２項又は第３項に記載の装置。５前記支持部材６がスキー２に固定されている
ことを特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項
又は第３項に記載の装置。６前記鎖錠装置１３が前記支持部材６に取付け
られていることを特徴とする特許請求の範囲第１
項、第２項、第３項、第４項又は第５項に記載の
装置。７前記支持部材６，６１と前記鎖錠装置１３が
スキーに対して可動な担持部材３５；３５１；４
６〜５０に一体的に取付けられていることを特徴
とする特許請求の範囲第１項、第２項、第３項又
は第４項に記載の装置。８前記可動担持部材３５；３５１；４６〜５０
が、その一端を介して、スキーの長手方向軸を横
断する区域に沿つてスキーに結合されるととも
に、スキーに結合された前記端部を軸として傾動
できるようその自由端において前記支持部材６と
これに取付けられた前記鎖錠装置１３を担持する
ことを特徴とする特許請求の範囲第７項に記載の
装置。９前記担持部材３５，３５１が少なくとも、ス
キーに結合された端部と前記支持部材６を担持す
る端部との間に在る区域内で可撓性を有すること
を特徴とする特許請求の範囲第７項又は第８項に
記載の装置。１０前記担持部材４６，４７が剛性を有し、か
つ、スキーの長手方向軸を横断する軸５１の周り
でスキーに対しヒンジ連結されていることを特徴
とする特許請求の範囲第７項又は第８項に記載の
装置。１１前記担持部材４６，４７がばね４８により
スキー２に向けて付勢されていることを特徴とす
る特許請求の範囲第１０項に記載の装置。１２前記支持部材６，６１の当接区域９がスキ
ー２の上面に対して斜行面となつていることを特
徴とする特許請求の範囲第１項、第２項、第３
項、第４項、第５項、第６項、第７項、第８項、
第９項、第１０項又は第１１項に記載の装置。１３前記支持部材６の当接区域９が曲面である
ことを特徴とする特許請求の範囲第１項、第２
項、第３項、第４項、第５項、第６項、第７項、
第８項、第９項、第１０項又は第１１項に記載の
装置。１４前記支持部材６の当接区域９が少なくとも
２の稜部５８，５９で構成されていることを特徴
とする特許請求の範囲第１項、第２項、第３項、
第４項、第５項、第６項、第７項、第８項、第９
項、第１０項又は第１１項に記載の装置。１５前記鎖錠装置１３の組立体がナツクル継手
を構成することを特徴とする特許請求の範囲第１
項、第２項、第３項、第４項、第５項、第６項、
第７項、第８項、第９項、第１０項、第１１項、
第１２項、第１３項又は第１４項に記載の装置。１６前記鎖錠装置１３が揺動枠１４，１５と；
前記枠体にヒンジ連結され、少なくとも１の加圧
用突出部１８，２５，２９並びに１のレバー型操
作腕２１，２１０を含む部材と；で構成され、前
記支持部材６の当接区域９に対して支承されるス
キー靴の保持に対応する位置で、１の弾性部材５
２，５４，５２０が前記レバーによる弾性的鎖錠
を確実に行なうことを特徴とする特許請求の範囲
第１項、第２項、第３項、第４項、第５項、第６
項、第７項、第８項、第９項、第１０項、第１１
項、第１２項、第１３項、第１４項又は第１５項
に記載の装置。１７前記弾性部材が弾性変形可能な枠体１４で
構成され、その弾性変形により前記支持部材６の
当接区域９に対して支承されているスキー靴の保
持位置で、ヒンジ連結されたレバーの鎖錠が確実
に行なわれることを特徴とする特許請求の範囲第
１６項に記載の装置。１８前記弾性部材が、前記レバー２１内に収容
され、該レバーと、必要に応じて、剛性を有する
枠体１４１との間で作用するばね５２であること
を特徴とする特許請求の範囲第１６項に記載の装
置。１９前記弾性部材が、前記鎖錠装置１３の支持
部材６内に収容され該レバー２１と、必要に応じ
て、剛性を有する枠体１４１との間で作用するば
ね５２０であることを特徴とする特許請求の範囲
第１６項に記載の装置。２０前記弾性部材が、弾性変形可能な材料から
なる加圧用突出部１８内に形成された凹部５４で
構成され、かつ、前記加圧用突出部はそれが支承
される部材１４１に弾性的に嵌合することを特徴
とする特許請求の範囲第１６項に記載の装置。２１前記鎖錠装置１３が、その鎖錠位置におい
て、靴の引掛部３に対して支承されていることを
特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項、第３
項、第４項、第５項、第６項、第７項、第８項、
第９項、第１０項、第１１項、第１２項、第１３
項、第１４項、第１５項、第１６項、第１７項、
第１８項、第１９項又は第２０項に記載の装置。２２前記鎖錠装置１３が、その鎖錠位置におい
て、前記支持部材６に対して支承されていること
を特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項、第
３項、第４項、第５項、第６項、第７項、第８
項、第９項、第１０項、第１１項、第１２項、第
１３項、第１４項、第１５項、第１６項、第１７
項、第１８項、第１９項又は第２０項に記載の装
置。２３前記鎖錠装置１３がその鎖錠位置におい
て、スキー靴に対して支承されていることを特徴
とする特許請求の範囲第特許請求の範囲第１項、
第２項、第３項、第４項、第５項、第６項、第７
項、第８項、第９項、第１０項、第１１項、第１
２項、第１３項、第１４項、第１５項、第１６
項、第１７項、第１８項、第１９項又は第２０項
に記載の装置。２４スキー靴の前部支持区域１０が前記支持部
材６，６１に設けられた対応する支持区域９に対
して係合する軌道１０１，２０１を有することを
特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項、第３
項、第４項、第５項、第６項、第７項、第８項、
第９項、第１０項、第１１項、第１２項、第１３
項、第１４項、第１５項、第１６項、第１７項、
第１８項、第１９項、第２０項、第２１項、第２
２項又は第２３項に記載の装置。２５締具と強固に連結させるための支持区域を
前端部に有し、かつ、前方に向かつてほぼ水平に
延びるとともに前記前端部に強固に固定される引
掛係止部を有し、更に、前記引掛係止部が、スキ
ー板の長手方向軸を横切り、空間を介して前記前
端部から離間している横断部材を有する構造のス
キー靴を、スキー板上に配設され、可動鎖錠装置及び当接
区域を有する支持部材を含み、着靴の際、前記引
掛係止部と前記靴の支持区域との間に少なくとも
部分的に導入できるような寸法の締具に連結し；次いで前記可動鎖錠装置を作動して前記引掛係
止部と接触させることにより、前記可動鎖錠装置
が前記引掛係止部に応力を加えて、前記締具の当
接区域に対する前記靴の支持区域の押圧を確実に
し、スキー靴とスキー板との強固な相互連結を達
成する、ことを特徴とするスキー靴をスキー板に結合する
方法。