JPS6326267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は緩衝機構を備えた自動車用ドアミラー
を傾倒姿勢に保持しておくための器具に関するも
のである。

自動車用のドアミラーは運転室壁の外側に装着
され、第１図に示すようにミラー本体２が車体の
最大幅よりも寸法ｌだけ突出している。

このため、自動車の走行中に外部物体と衝突す
る虞れがあり、又、たとえば船積みなどの輸送の
際は上記の寸法ｌに相当する分だけ余分の空間を
占めるという不具合がある。

ドアミラーが外部物体と衝突したとき、その衝
撃を緩和して外部物体及びドアミラー、並びにド
アミラーを装着した自動車運転室壁の損傷を軽減
するため、ドアミラーのミラー本体が弾性的に傾
倒し得る構造の緩衝機構付ドアミラーが実用化さ
れている。

一方、船積みなどの際に占有空間を縮小するた
め、ドアミラー未装着の状態若しくはドアミラー
を取り外した状態で船積みし、揚陸後にドアミラ
ーを取り付けることも従来、一部で行なわれてい
る。

ところが、前述の緩衝機構付ドアミラーにおい
ては、運転室壁に固着されたミラーベースに対し
てミラー本体を弾性的に支承し、外力を受けたと
きに傾倒し得る構造とするため、内部に強力なバ
ネを設けてあるため、その装着に高度な専問的技
術を必要とし、揚陸後のドアミラー装着が容易で
ない。

更に、リモートコントロール手段を備えたドア
ミラーはその取付に関してより高度な専門的技術
を必要とするので揚陸後の装着が困難である。

以上の事情により、緩衝機構付ドアミラーを備
えた自動車においては、従来一般に第１図のよう
に車体外側に取付けたドアミラーのミラー本体２
を突出させたままで海上輸送その他の輸送が行な
われていたので輸送費が嵩み、不経済であつた。

本考案は上記のような不具合を解消すべく為さ
れ、自動車の輸送時に緩衝機構付ドアミラーを傾
倒せしめた姿勢に保持してミラー本体を自動車車
体の最大幅部分よりも内側に引つ込めることがで
き、しかも緩衝機構付ドアミラーに対する着脱が
容易であり、更にドアミラーを傾倒姿勢とするこ
とによつて生じる開口部を覆つて塵埃等の侵入を
防止することができ、併せて上記開口部の縁によ
つて作業員が負傷することを防止することのでき
る簡単な構成の緩衝機構付ドアミラーの傾倒姿勢
保持具を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するため、本考案は、緩衝機
構付ドアミラーのミラー本体を傾倒せしめてミラ
ー本体とミラーベースとの当接部を相互に離間せ
しめた状態において、上記双方の当接部の間に介
装すべき板状のカバー部材の両側の辺にそれぞれ
上記の当接部に対応する係合面を形成すると共
に、上記係合面を形成した辺の隣接辺に該カバー
部材とほぼ直角をなす扇形の側板を一体的に連設
したことを特徴とする。

次に、本考案に係る保持具を装着する対称機器
である緩衝機構付ドアミラーの一例を第２図乃至
第５図を参照しつつ略述する。第２図は一部を切
断して示した立面図、第３図は第２図における
−断面図である。

１は車体に固着されるミラーベース、２は後述
のようにしてミラーベース１に取付けられるミラ
ー本体である。

上記のミラー本体２は、ミラーボデー３に駆動
部４及びピボツト接手５，５を介してミラーハウ
ジング６を支承して構成される。７はミラーハウ
ジングに固着されたミラーである。上記の駆動部
４の内部に駆動モータ（図示せず）が設けられて
いて、ミラーハウジング６の支承角度をリモート
コントロールできるようになつている。６ａはミ
ラーハウジング６の防振用のトーシヨンバネ、１
ａは前記駆動モータ用の電気配線保護管である。

上記のミラー本体２は連結ブラケツト８に固着
され、この連結ブラケツト８とミラーベース１と
の間にヒンジプレート９が介装軸着される。即
ち、上記のヒンジプレート９の一端は軸１０によ
つて連結ブラケツト８に回動自在に軸着され、該
ヒンジプレート９の他端は軸１１によつてミラー
ベース１に回動自在に軸着されている。

以上のごとく屈曲回動自在に軸着されたヒンジ
プレート９を介してミラー本体２をミラーベース
１に対して当接させ、その姿勢を安定させるため
ミラーベース１と連結ブラケツト８との間に引張
りバネ１２が介装係着され、ミラー本体２をミラ
ーベース１に対して押しつける方向に付勢してい
る。１３はバネ掛け用のリンクであつて、軸１４
によりミラーベース１に回動自在に軸着されてい
る。

このようにして、ヒンジプレート９はミラーベ
ース１に対して軸１１を中心として自在に回動す
ることができ、ミラーボデー３を固着した連結ブ
ラケツト８はヒンジプレート９に対して軸１０を
中心として自在に回動することができるようにな
つている。そして、前述の引張りバネ１２による
付勢力Ｅの作用線が軸１０と軸１１との中央付近
に向かうようになつているため、連結ブラケツト
８はヒンジプレート９に対して当接部Ａで当接す
る。またヒンジプレート９はミラーベース１に対
して当接部Ｂで当接する。

従つて、引張りバネ１２の付勢力矢印Ｅの反力
は上記の当接部Ａ，Ｂによつて支承され、これに
よりミラー本体２はミラーベース１に対して弾性
的に支承されている。ヒンジプレート９の軸１０
による軸着部付近はハツチングを付して示したよ
うに円柱状に形成され、これに対応するミラーベ
ース１の当接部Ｂ付近は上記の円柱に対応する凹
形の受座（第３図に示す断面には現われていな
い）が形成されている。

上述のように構成された緩衝機構付ドアミラー
は、矢印Ｆ方向の外力を受けるとミラー本体２が
軸１１を中心として矢印F′方向に弾性的に回動し
て緩衝機能を果たす。上記の矢印F′方向の回動を
する際は、ヒンジプレート９とミラーベース１と
の当接部Ｂは離間する。

第４図はミラー本体２が矢印F′方向に回動して
傾倒した状態を示す。B_-1は離間したヒンジプレ
ート９側の当接部、B_-2は離間したミラーベース
１側の当接部である。

第３図においてミラー本体２が矢印Ｇ方向の力
を受けると、軸１０を中心として矢印G′方向に
回動して傾倒し、このときは当接部Ａが離間す
る。

自動車の走行中にミラー本体２が外部物体と干
渉して第４図の如く傾倒した場合、ミラー本体２
は引張りバネ１２によつて矢印Ｅ方向に付勢され
ているので、外力が消失すると反矢印F′方向に回
動して正常姿勢（第３図）に復元する。

船積み等のためミラー本体２を第４図の傾倒姿
勢に保持しておくためには反矢印F′方向の復元回
動力を拮抗して該ミラー本体２を支承する手段を
講じなければならない。

第４図の如くミラー本体２を傾倒せしめた状態
の斜視図を第５図に示す。本例の緩衝機構付ドア
ミラーにおいては、傾倒姿勢（第５図）において
開口部１５，１５′から塵埃や塩分を含むミスト
等が侵入する虞れがあり、又、例えば開口部の縁
１６その他で作業員が負傷する虞れもある。

簡単で着脱容易な器具によつて上述の傾倒姿勢
を保持させ、かつ、開口部を覆つて有害な異物の
侵入を防止するとともに、開口部の縁などによる
負傷を防止するという本考案の目的を達成するた
め、本考案は、前述の傾倒状態（第４図）におい
てミラーベース側の当接部B_-2とミラー本体側の
当接部B_-1との間に介装すべきカバー部材を形成
し、かつ、上記のカバー部材の両側にそれぞれ当
接部に対応する係合面を形成することを特徴とす
る。

次に、本考案の一実施例を第６図乃至第９図に
ついて説明する。

第６図は正面図、第７図は側面図、第８図は第
６図における−断面図であり、第９図は傾倒
姿勢にした緩衝機構付ドアミラーに本考案に係る
傾倒姿勢保持具１７を装着した状態を示す一部断
面図である。

第６乃至第８図において１７_b-1は前述のミラ
ー本体側の当接部B_-1に対応するように形成した
係合面であり、１７_b-2は前述のミラーボデー側
当接部B_-2に対応するように形成した係合面であ
る。

第９図に表わされているように本実施例の保持
具１７は片方の側面１７_b-1をミラー本体２の当
接部B_-1に対応する凹形に成形し、他方の側面１
７_b-2をミラーベース１の当接部B_-2に対応する凹
形に成形し、上記双方の側面１７_b-1，１７_b-2を
連続した面で繋ぐように膨らみのある板状のカバ
ー部１７ｃを形成してアルミダイカストで一体鋳
造してある。

上記の板状のカバー部１７ｃの正面図（第６
図）の輪郭はほぼ長方形をなし、その長方側に前
述の側面１７_b-1，１７_b-2を形成してある。その
短辺側をほぼ直角に折り上げた形に、扇形の側板
１７ｄ，１７ｅを一体連設する。ただし上記の扇
形の側板１７ｄ，１７ｅはこれをドアミラーに取
付けたときドアミラー側の突出部に干渉する個所
（例えば第６図のＭ，Ｎ部）を切り欠いた形状と
する。従つて、必ずしも幾何学的に完全な扇形を
成さない。

以上のように構成した保持具１７を装着するに
は（第９図参照）ミラー本体２に手の力を加え
て、図示の状態よりも更に若干矢印F′方向に回動
させ、当接部B_-1と当接部B_b-2とを拡げて両者の
間に保持具１７を嵌め込んで当接部B_-1と側面１
７_b-1、当接部B_-2と側面１７_b-2、をそれぞれ係
合せしめて手の力を弛める。するとミラー本体２
は引張りバネ１２の付勢力によつて反矢印F′方向
に復元回動しようとして当接部B_-1と当接部B_-2
との間に保持具１７をしつかり挾み込んで保持
し、同保持具１７によつて反矢印F′方向の復元回
動を係止される。そして保持具１７のカバー部１
７ｃがミラー本体２とミラーベース１との間の開
口部を覆うとともに、カバー部１７ｃの両端部に
連設したほぼ扇形の側板１７ｄ，１７ｅ（第６図、
第７図）が第９図に仮想線で示すごとくミラー本
体２とミラーベース１との間隙を塞ぐのでこの部
分から塵埃や塩分を含んだミストが侵入する虞れ
が無くなり、かつ、上記の開口部の縁で負傷する
虞れも無くなる。

以上のようにして取りつけた保持具は引張りバ
ネ１２の付勢力で挾みつけられているので通常の
振動や外力によつて外れ落ちる虞れが無い。これ
を取り外すには矢印F′方向に手の力を加えてミラ
ー本体２を回動させ、当接部B_-1と当接部B_-2と
の間隔を拡げることにより迅速かつ容易に行ない
得る。

本考案に係る保持具は上述のごとく簡単な形状
をしているので、アルミダイカスト、合成樹脂な
ど適宜の材料を用いて大量生産するに適し、価格
も低廉である。

以上説明したように、本考案は、ミラー本体を
傾倒せしめてミラー本体の当接部とミラーベース
の当接部とを離間せしめた状態において、上記双
方の当接部の間に介装すべきカバー部材を形成
し、かつ、上記カバー部材の両側の辺にそれぞれ
当接部に対応する係合面を形成すると共に、上記
の係合面を形成した辺の隣接辺に該カバー部材と
直角をなすほぼ扇形の側板を一体的に連設するこ
とにより、開口部から塵埃や塩分が侵入する虞れ
無く、開口部の縁で負傷する虞れも無いように、
緩衝機構付ドアミラーを傾倒姿勢に保持すること
ができ、しかも構造が簡単で着脱が容易であると
いう優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はドアミラーを装着した自動車の正面
図、第２図乃至第５図は本考案に係る保持具を適
用する対称である緩衝機構付ドアミラーを示し、
第２図は立面図、第３図は第２図に示した−
面による水平断面図、第４図は傾倒状態における
一部断面図、第５図は同斜視図である。第６図乃
至第８図は本考案に係る緩衝機構付ドアミラーの
傾倒姿勢保持具の一実施例を示し、第６図は正面
図、第７図は側面図、第８図は第６図における
−断面図である。第９図は上記の実施例を装着
した緩衝機構付ドアミラーの一部断面図である。 １……ミラーベース、２……ミラー本体、３…
…ミラーボデー、４……駆動部、５……ピボツト
接手、６……ミラーハウジング、６ａ……トーシ
ヨンバネ、７……ミラー、８……連結ブラケツ
ト、９……ヒンジプレート、１０，１１，１４…
…軸、１２……引張りバネ、１３……バネ掛けリ
ンク、１５，１５′……開口部、１６……開口部
の縁の一例、１７……傾倒姿勢保持具、１７_b-1，
１７_b-2……同係合面、１７ｃ……同カバー部、
１７ｄ，１７ｅ……同側板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 緩衝機構付ドアミラーのミラー本体を傾倒せし
   めてミラー本体の当接部をミラーベースの当接部
   から離間せしめた状態において、上記の当接部と
   当接部との間に介装すべきカバー部材を形成し、
   かつ、上記カバー部材の両側の辺にそれぞれ上記
   当接部に対応する係合面を形成すると共に、上記
   係合面を形成した辺に隣接する辺に該カバー部材
   と直角をなすほぼ扇形の側板を一体的に連設した
   ことを特徴とする緩衝機構付サイドミラーの傾倒
   姿勢保持具。