JP2604056Y2 - キャブチルト装置 - Google Patents

キャブチルト装置

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JP2604056Y2
JP2604056Y2 JP1993034108U JP3410893U JP2604056Y2 JP 2604056 Y2 JP2604056 Y2 JP 2604056Y2 JP 1993034108 U JP1993034108 U JP 1993034108U JP 3410893 U JP3410893 U JP 3410893U JP 2604056 Y2 JP2604056 Y2 JP 2604056Y2
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敏明 中沢
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三輪精機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ロストモーションリン
クレバー装置を備えているキャブチルト装置に関し、そ
のロストモーションリンクレバー装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】キャブオーバートラック等に搭載される
キャブチルト装置として、ロストモーションリンクレバ
ー装置がキャブチルトシリンダ装置とキャブとの間に組
み込まれているものがある。すなわち、このキャブチル
ト装置は、シャーシーフレームとシャーシーフレームに
一端部が回動自在に軸支されたキャブとの間にシリンダ
装置が介設されており、このシリンダ装置のピストンロ
ッドの一端部にリンクレバーの一端部が回動自在に軸支
されているとともに、このリンクレバーの他端部はキャ
ブに固定されたブラケットに回動自在に軸支されてい
る。
【0003】そして、このキャブチルト装置において、
図1ないし図6に符「21」で示されているロストモ
ーションリンクレバーはその機能からその長さ方向を前
後に分ける中心線に対して、キャブ側(上側)とシャー
シーフレーム側(下側)とで上下非対称形状に形成され
ている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たキャブチルト装置においては、ロストモーションリン
クレバーが上下非対称形状に形成されているため、点
検、整備等に際して、このロストモーションリンクレバ
ーが分解、再組立された場合に、ロストモーションリン
クレバーが誤って逆に組み付けられる場合がある。
【0005】そして、この逆組みに気付かずに車両が運
転されると、ロストモーションリンクレバーと他の部品
とが干渉してキャブとシャーシーフレームとの間の相対
運動が阻害されるため、車両の乗り心地の低下や、異音
の発生、シャーシーフレームの破損等の不具合が引き起
こされる。
【0006】本考案の目的は、ロストモーションリンク
レバーの逆組みを防止することができるキャブチルト装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案に係るキャブチル
ト装置は、シャーシーフレームとシャーシーフレームに
一端部が回動自在に軸支されたキャブとの間にシリンダ
装置が介設されており、このシリンダ装置のピストンロ
ッドの一端部にリンクレバーの一端部が回動自在に軸支
されているとともに、このリンクレバーの他端部はキャ
ブに固定されたブラケットに回動自在に軸支されている
キャブチルト装置において、前記リンクレバーは、平面
視がU字形状に成形され、前記リンクレバー、前記ブラ
ケットまたは前記ピストンロッドの少なくとも一つに
記リンクレバーの逆組み防止突起が一体に突設されて
いることを特徴とする。
【0008】
【作用】前記した手段によれば、リンクレバーが上下
に組み付けられようとすると、逆組み防止突起がブラケ
ットまたはピストンロッドに干渉するため、リンクレバ
ーが逆に組み付けられようとしていることが告知され
る。したがって、リンクレバーが上下逆組みされること
は防止されることになる。
【0009】
【実施例】図1ないし図4は本考案の第一の実施例を示
しており、図1はキャブチルト装置を示す側面図、図2
はそのキャブチルト装置が作動してキャブがチルトされ
る状況を示す側面図、図3はそのキャブチルト装置に設
備されたロストモーションリンクレバー装置を示す分解
斜視図、図4はその作用を説明するための主要部を示す
図であり、(a)は正規の組み付け状態を示す側面図、
(b)はその底面図、(c)はリンクレバーが上下逆に
組付けられた状態を示す側面図である。
【0010】本実施例において、本考案に係るキャブチ
ルト装置はトラックのキャブ1とシャーシーフレーム2
との間に介設されている。キャブ1はシャーシーフレー
ム2上前端部に配されて設備されており、前側下隅部
をヒンジ部3により回動自在に軸支されて前後方向にチ
ルトされるように構成されている。キャブ1の後端部に
はキャブ懸架スプリング4がシャーシーフレーム2との
間に介設されており、走行中、キャブ1はこのキャブ懸
架スプリング4によりシャーシーフレーム2に対して弾
性的にフローティング支持されるようになっている。
【0011】ャブ1とシャーシーフレーム2との間に
キャブチルト装置5のシリンダ装置6が介設されてお
り、このシリンダ装置6はその伸縮作動によりキャブ1
のチルト操作を実行するように構成されている。すなわ
ち、シリンダ装置6はシリンダ7と、一端部がそのシリ
ンダ7に進退するように挿入されているピストンロッド
8とを備えている。シリンダ7の一端部(以下、下端部
とする。)はシャーシーフレーム2に回動自在に枢支さ
れてまた、ピストンロッド8の突出端部(以下、上端
部とする。)はロストモーションリンクレバー装置10
を介してキャブ1に回動自在に枢支されて、それぞれ連
結されている。
【0012】ロストモーションリンクレバー装置10
は、ブラケット11とリンクレバー21とピストンロッ
のエンドジョイント30とを備えている。ブラケッ
ト11は図3に示されているように略長方形の板形状に
形成されたベース12を備えており、ベース12の一主
面(以下、下面とする。)には支持板13が一対、下面
と直角に突設されている。両支持板13、13は互いに
対称形状に形成されて、ベース12の下面にトラックの
左右(運転席側と助手席側)を基準として(以下、左右
方向について同じ。)左右対称形状にそれぞれ配設され
ている。
【0013】各支持板13は一端部に長方形形状部14
が、他端部に略半円形状部15がそれぞれ形成された板
形状に一体形成されており、長方形形状部14がトラッ
クの前側に、略半円形状部15がトラックの後側にそれ
ぞれ位置するように、ベース12の下面に配設されてい
る。支持板13の略半円形状部15には軸孔16が開設
されている。また、長方形形状部14にはリブ17が直
角に突設されている。
【0014】ベース12の下面に突設された両支持板1
3、13における長方形形状部14、14間には、スト
ッパ18が固定されている。ストッパ18はキャブチル
ト時に後記するエンドジョイント30の突合部に係合す
ることにより、キャブ1が所定以上に前傾するのを防止
するようになっている。
【0015】リンクレバー21は図3に示されているよ
うに細長い略長円形の板材が用いられて、平面視がU字
形状に半折りされて左右対称形状に一体成形されてい
る。リンクレバー21の屈曲側部分には略半円形状部2
2が一対、互いに対向されて直角にそれぞれ突設されて
おり、左右の略半円形状部22、22には軸孔23がそ
れぞれ開設されている。また、リンクレバー21の屈曲
と反対側の端部には第2の軸孔24が一対、互いに対向
するように配されてそれぞれ開設されている。
【0016】本実施例において、リンクレバー21には
逆組み防止突起25が略半円形状部22と反対側の端
辺における左側部分の略中央部に配されて、外側向きに
直角に突設されている。この逆組み防止突起25はリン
クレバー21がブラケット11に上下逆向きに組み付
けられた場合には、図4(c)に示されているように
ラケット11の一方の支持板13と干渉するように設定
されている。
【0017】ピストンロッドのエンドジョイント30は
図1および図3に示されているようにシリンダ装置6の
ピストンロッド8における上端部に一体的に形成されて
いる。すなわち、エンドジョイント30は略太鼓形状に
形成されて、ピストンロッド8の上端部に直交するよう
に配設されており、その中心線上には軸孔31がピスト
ンロッド8の軸心線と直交するように開設されている。
【0018】また、エンドジョイント30の外周部には
突合部33がピストンロッド8の軸心延長線上に突設さ
れている。この突合部33はキャブチルト時に前記スト
ッパ18のU字溝内に片側から進入して係合するように
なっている。
【0019】次に、前記構成に係るブラケット11、リ
ンクレバー21およびエンドジョイント30の組み付け
作業を説明する。
【0020】ブラケット11にはリンクレバー21の
半円形状部22が左右の支持板13、13略半円形状
部15、15間に挿入されて配置されるとともに、ブラ
ケット11の軸孔16およびリンクレバー21の第1軸
孔23にピン26が挿通されて抜け止めされる。これに
より、リンクレバー21はその一端部がブラケット11
にピン26によって回動自在に軸支された状態になる。
【0021】他方、ピストンロッド8のエンドジョイン
ト30にはリンクレバー21の略半円形状部22と反対
側の端部が、リンクレバー21の開口端部間にエンドジ
ョイント30の略太鼓形状の両端面が挿入されて配置さ
れるとともに、リンクレバー21の第2軸孔24および
エンドジョイント30の軸孔31にピン34が挿通され
て抜け止めされる
【0022】ところで、リンクレバー21は左右対称形
状に形成されているため、図4(c)に示されているよ
うに、略半円形状部22がシャーシーフレーム2側に向
けられて上下逆向きに組み付けられる可能性がある。
【0023】そして、この逆組みに気付かずに車両が運
転されると、ロストモーションリンクレバー21と他の
部品とが干渉してキャブ1とシャーシーフレーム2との
間の相対運動が阻害されるため、車両の乗り心地の低下
や、異音の発生、シャーシーフレームの破損等の不具合
が引き起こされる。
【0024】しかし、本実施例においては、リンクレバ
ー21シャーシーフレーム2側端辺に逆組み防止
突起25が配設されているため、上下逆向きに組み付け
られること防止することができる。
【0025】すなわち、図4(c)に示されているよう
に、万一、リンクレバー21がブラケット11に上下
組みされようとすると、逆組み防止突起25がブラケ
ット11の一方の支持板13端辺に干渉することによ
り、リンクレバー21の軸孔23がブラケット11の軸
孔16に対して整合しない状態になるため、リンクレバ
ー21がブラケット11に逆組みされたことが判明す
る。したがって、逆組みされた場合には、直ちに上下
規の状態に組み付け直すことができる。
【0026】ここで、ロストモーションリンクレバー装
置10の作用を簡単に説明する。
【0027】キャブ1の通常状態において、シリンダ装
置6は短縮されており、図1および図2に示されている
ように、ピストンロッド8はその上端部が短く突出され
た状態になるようにシリンダ7に引き込まれている。キ
ャブオーバ自動車の走行中、シャーシーフレーム2の振
動はキャブ懸架スプリング4により緩和されてキャブ1
に伝達される。
【0028】このとき、ロストモーションリンクレバー
装置10が介設されていないと、シリンダ装置6におい
て、ピストンロッド8がキャブ1側に、シリンダ7がシ
ャーシーフレーム2側にそれぞれ連結されている、ピ
ストンロッド8の図示しないピストンはシリンダ7の中
でキャブ1の上下の振動に追従して自由に移動できる機
構になっていない。このため、シャーシーフレーム2側
の振動がシリンダ7とピストンロッド8を伝わってその
ままキャブ1に伝達されるため、キャブ1にスプリング
4を設けてもキャブ1の乗心地が良くならない。
【0029】しかし、本実施例においては、キャブ1の
シャーシーフレーム2に対する接近離反運動は、ロスト
モーションリンクレバー装置10におけるリンクレバー
21がブラケット11およびエンドジョイント30に対
して回動してシャーシーフレーム2の振動が直接キャブ
1に伝達されないようになっており、また、シャーシー
フレーム2の振動はスプリング4で吸収されることにな
る。したがって、シリンダ装置6をキャブ1とシャーシ
ーフレーム2との間に介装してもキャブ1の乗心地を害
することはない。
【0030】図5は本考案の第二の実施例であるロスト
モーションリンクレバー装置の主要部を示す図であり、
(a)は側面図、(b)は上下逆組み状態の側面図、
(c)は(b)のc−c線に沿う断面図である。
【0031】本実施例が前記実施例と異なる点は、逆組
み防止突起25Aがリンクレバー21に配設されてい
る代わりに、ブラケット11の左右の支持板13、13
における略中央部に内向きに突設されている点にある。
【0032】本実施例においても、リンクレバー21が
ブラケット11に逆向きに組み付けられると、リンクレ
バー21の一端辺がブラケット11の逆組み防止突起
25Aに係合するため、リンクレバー21がブラケット
11に逆向きに組み付けられていることが判明する。し
たがって、リンクレバー21がブラケット11にそのま
ま逆向きに組み付けられてしまうのを防止することがで
きる。
【0033】図6は本考案の第三の実施例であるロスト
モーションリンクレバー装置の主要部を示す図であり、
(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は逆組み状態
の側面図である。
【0034】本実施例が前記実施例と異なる点は、エン
ドジョイント30の外周面にストッパ32がピストンロ
ッド8の軸心と直交する位置であってキャブ1側になる
位置に突設されているとともに、逆組み防止突起25
Bがエンドジョイント30のストッパ32に係合するよ
うに、リンクレバー21の左右の支持板13、13間に
突設されている点にある。
【0035】本実施例3においては、リンクレバー21
がピストンロッド8のエンドジョイント30、すなわ
ち、ブラケット11に逆向きに組み付けられると、リン
クレバー21の逆組み防止突起25Bがエンドジョイ
ント30のストッパ32に係合するため、リンクレバー
21が逆向きに組み付けられていることが判明する。し
たがって、リンクレバー21がそのまま逆向きに組み付
けられてしまうのを防止することができる。
【0036】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
リンクレバーが上下逆向きに組み付けられたまま放置さ
れるのを防止することができるため、走行の安全性や乗
り心地の低下、部品の損傷等を未然に防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一の実施例であるキャブチルト装置
を示す側面図である。
【図2】キャブチルト装置が搭載されたキャブを示す側
面図である。
【図3】キャブチルト装置に設備されたロストモーショ
ンリンクレバー装置を示す分解斜視図である。
【図4】その作用を説明するための主要部を示す図であ
り、(a)は正規の組み付け状態を示す側面図、(b)
はその底面図、(c)は逆組み状態を示す側面図であ
る。
【図5】本考案の第二の実施例であるロストモーション
リンクレバー装置の主要部を示す図であり、(a)は側
面図、(b)は逆組み状態の側面図、(c)は(b)の
c−c線に沿う断面図である。
【図6】本考案の第三の実施例であるロストモーション
リンクレバー装置の主要部を示す図であり、(a)は側
面図、(b)は底面図、(c)は逆組み状態の側面図で
ある。
【符号の説明】
1…キャブ、2…シャーシーフレーム、3…ヒンジ部、
4…キャブ懸架スプリング、5…キャブチルト装置、6
…シリンダ装置、7…シリンダ、8…ピストンロッド、
10…ロストモーションリンクレバー装置、11…ブラ
ケット、12…ベース、13…支持板、14…長方形形
状部、15…略半円形状部、16…軸孔、17…リブ、
18…ストッパ、21…リンクレバー、22…略半円形
状部、23、24…軸孔、25、25A、25B…逆組
み防止突起、26…ピン、30…エンドジョイント、
31…軸孔、32…ストッパ、33…突合部、34…ピ
ン。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャーシーフレームとシャーシーフレー
    ムに一端部が回動自在に軸支されたキャブとの間にシリ
    ンダ装置が介設されており、このシリンダ装置のピスト
    ンロッドの一端部にリンクレバーの一端部が回動自在に
    軸支されているとともに、このリンクレバーの他端部は
    キャブに固定されたブラケットに回動自在に軸支されて
    いるキャブチルト装置において、前記リンクレバーは平面視がU字形状に成形され、 前記
    リンクレバー、前記ブラケットまたは前記ピストンロッ
    ドの少なくとも一つに前記リンクレバーの逆組み防止
    突起が一体に突設されていることを特徴とするキャブチ
    ルト装置。
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JP6344942B2 (ja) * 2014-03-27 2018-06-20 三輪精機株式会社 キャブチルト装置

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