JPS63246571A - 積層金属ガスケツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は積層金属ガスケットに係り、特に被接合部の
締結時に生ずる燃焼室周りのデツキ面間隙を補償し得て
燃焼ガス圧力や機関熱の影響によりデツキ面間隙が拡縮
するのを防止し、安定したシール効果を得る積層金属ガ
スケットに関する。

〔従来の技術〕

内燃機関を構成する被接合体であるシリンダヘッドとシ
リンダブロックとの接合部には、金属ガスケットが利用
されている。金属ガスケットは、シリンダヘッドとシリ
ンダブロックとのデツキ面をシールすべく形成されたビ
ードを有し、このビードが被接合体同士を接合する締結
用ボルト等の締結手段の締結力によりデツキ面に弾性的
なシール線を形成し、シールを果すものである。

近年、内燃機関は、軽量化、性能向上、経済性が要求さ
れるとともに耐久性を有するものが望まれている。従っ
て、内燃機関が長い期間に亙って使用されるので、内燃
機関の熱変形や膨縮等が頻繁に惹起する。よって、シリ
ンダヘッドとシリンダブロックとの接合部をシールする
金属ガスケットには、内燃機関の熱変形等に耐え得るも
のが望まれていた。そこで、この発明の出願人は、耐久
性を向上すべく、例えば実願昭５７−１７５５１１号及
び特願昭５７−１５４５５６号の如き出願をしている。

実願昭５７−１７５５１１号に記載のものは、二枚の基
板に形成したビードの頂部を夫々同方向に指向させると
ともに二枚の基板間には中間板を介装して構成され、ビ
ードの弾性復元量及び復元力を増加させ、接合面の部分
的面圧の不均一を補償し、シール性を向上させている。

特願昭５７−１５４５５６号に記載のものは、表片面に
シール材を被着した二枚の基板間に副板を介装するとと
もに、副板の表裏両面に各基板の裏片面を接合し、且つ
基板のビードが副板を中心として略対称位置になるよう
に各基板を積層して構成され、ビードの弾性による復元
量を倍増してシール効果を向上させている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、金属ガスケットを介してシリンダブロックに
シリンダヘッドを締結手段である締結用ボルトによって
締結した際に、ボルト締結力によって例えばシリンダヘ
ッドが湾曲し、特に燃焼室周りの間隙が大となり、歪み
が生ずるものである。

このため、これらの歪みを生じた箇所から燃焼ガスがリ
ークして、接合部に介装されている金属ガスケットを汚
損したり、含有した物質の堆積により、シール性が低下
するという不都合があった。

また、使用時に例えば燃焼ガス圧力や機関熱の影響で燃
焼室周りのデツキ面間隙が拡縮することにより、金属ガ
スケットのビードに交番荷重によってへたりが生ずると
ともに、この交番荷重が締結用ボルトにも作用して締結
用ボルトやボルトの係合するシリンダヘッド部位を損壊
させるおそれがあり、さらにはボルトの締結力を減少さ
せて金属ガスケットのシール効果を低減させるという不
都合がある。このような不都合を解消するために、燃焼
室周りのデツキ面間には補償部材を介装することが考え
られたが、デツキ面間隙を確実に補償することができず
、また補償部材の取着が面倒である等の弊害があり、改
善が望まれていた。

〔発明の目的〕

そこでこの発明の目的は、上述の不都合を除去し、被接
合体の締結時に生ずる燃焼室周りのデツキ面間隙を燃焼
室孔の周縁部の板厚が他部位の板厚よりも大きく形成さ
れた基板により簡便に補償し得て、金属ガスケットの汚
損やシール効果の低減を防止し安定したシール効果を得
る金属ガスケットを実現することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するためにこの発明は、燃焼室孔を囲繞
してビードを形成した弾性金属板からなる二枚の基板を
設け、これ等二枚の基板の間に中間板を介装した積層金
属ガスケットにおいて、前記ビードを形成したビード部
位よりも前記燃焼室孔例の前記基板の板厚をデツキ面間
隙の拡縮を防止すべく該基板の他部位の板厚よりも大き
く形成したことを特徴とする。

〔作用〕

この発明の構成によれば、被接合体の締結時に生ずるデ
ツキ面間隙を補償するために、ビード部位よりも燃焼室
孔例の基板の板厚が他部位よりも大きく形成されている
。これにより、燃焼室周りのデツキ面間隙を補償し得て
、燃焼ガス圧力や機関熱の影響によりデツキ面間隙が拡
縮するのを防止し、ビードへの交番荷重の作用を弱化さ
せてビードのへたりを防止し、安定したシール効果を得
る。

〔実施例〕

以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的
に説明する。

第１〜４図は、この発明の第１実施例を示すものである
。図において、２は多気筒用の積層金属ガスケットであ
る。この積層金属ガスケット２は、弾性金属板からなる
第１、第２基板４．６とこれ等基板４．６間に介装する
中間板８とにより構成される。第１、第２基板４．６及
び中間板８には、複数の燃焼室孔１０が直列に形成され
ているとともに、これ等燃焼室孔１０の周辺に後述する
締結手段である締結用ボルト３０を挿通する複数のボル
ト孔１２が形成されている。

第２図において、中間板８の一面８ａに積層される第１
基板４は板厚ｔ１を有し、この第１基板４には燃焼室孔
１０を囲繞して第１と一ド１４が形成されている。この
第１ビード１４を形成した第１基板４は、第１ビード１
４の頂部１４ａが中間板８の一面８ａに当接し且つ基部
１４ｂ−１，１４ｂ−２が例えば第３図に示すシリンダ
ヘッド２４のデツキ面２４ｄに当接するように配設され
る。また、中間板８の他面８ｂに積層される第２基板６
は第１基板４と同一の板厚ｔ１で形成され、この第２基
板６には燃焼室孔１０を囲繞して前記第１ビード１４と
同一形状の第２ビード１６が形成されている。第２基板
６は、第２ビード１６が前記第１ビード１４が位置する
箇所において、第２ビード１６の頂部１６ａが中間板８
の他面８ｂに当接するとともに基部１６ｂ−１，１６ｂ
−２が例えば第３図に示すシリンダブロック２６のデツ
キ面２６ｄに当接するように配設されている。

つまり、第１基板４と第２基板６とは、夫々の頂部１４
ａ、頂部１６ａが中間板８に当接し、その対向面に対し
対称形状に配設されている。

また、前記中間板８は、前記第１、第２基板４．６同様
に、板厚ｔ１で形成されている。この中間板８の燃焼室
孔１０側の周縁部８ｅには、グロメット１８を装着する
。つまり、このグロメット１８は、厚さｇｌを有するグ
ロメット部材が断面Ｃ字状に形成され、その開口側が中
間板８０周縁部８ｅに嵌着され、全体の厚さｇｌを有し
ている。

従って、グロメット１８の一面に前記第１基板４の燃焼
室孔１０例の周縁部４ｅが重合するとともに、グロメッ
ト１８の他面には第２基板６の燃焼室孔１０の周縁部６
ｅが重合する。

この第２基板６の燃焼室孔１０側の周縁部６ｅの板厚ｔ
２は、該第２基板６の他部位の板厚ｔｌよりも大きく形
成されている。即ち、この第２基板６の周縁部６ｅの板
厚ｔ２は、第２基板６の他部位の板厚ｔ１よりも厚さｔ
つだけ厚く形成され、シリンダヘッド２４の締結時に生
ずる燃焼室１０周りのデツキ面の間隙Ｃを補償し、デツ
キ面間隙が拡縮するのを防止するもので、しかもデツキ
面の間隙Ｃに応じて調整可能なものである。従って、積
層金属ガスケット２の燃焼室孔１０周りには、第１基板
４の周縁部４ｅと、第２基板６の周縁部６ｅと、中間板
８の周縁部８ｅと、グロメット１８とによって第３図に
示す如く最大の厚さＨｌを有す・る補償部２０が形成さ
れる。即ち、この補償部２０は、第１１第２ビード１４
．１６が位置するビード部位２２よりも燃焼室孔１０側
に形成される。また、補償部２０の厚さＨｌは、第１基
板４と第２基板６と中間板８とを重合した厚さＨｌより
も大きく、しかもシリ、ンダヘフド２４とシリンダブロ
ック２６とを締結用ボルト３０で締付けた際に生ずる燃
焼室３２周縁のデツキ面の間隙Ｃよりも少許大きく形成
されている（第４図参照）。

詳述すれば、補償部２０においては、他部位の第１、第
２基板４．６及び中間板８を重合した厚さＨ１に比し、
グロメットｇ２と第２基板６の周縁部６ｅの増加させた
厚さｔつ分だけ厚く形成されている。即ち、前記厚さＨ
，よりも厚い補償部２０の厚さの増加分は、 （Ｃ−Ｈｌ）ｘｉ、１〜２．０で設定される。

この式の如く補償部２０の厚さをデツキ面の間隙Ｃより
も少許大きくするのは、積層金属ガスケット２が締結さ
れている状態においては該積層金属ガスケット２が圧縮
減少される厚さ分を見込んだもので、これによりデツキ
面の間隙Ｃを確実に補償させる。

また、第１基板４と第２基板６と中間板８とを一体的に
結合する場合には、例えばボルト孔１２に中空円筒状の
止め具（図示せず）を挿入するとともに止め具の両端部
を第１基板４、第２基ｖｉ６面上に折曲げてかしめを施
したり、あるいは第１基板４、第２基板６、中間板８の
外縁部の一部を突出させて形成し、これ等の突出部位を
スポット溶接やリベント止めする。

第３図において、２４．２６は内燃機関を構成するシリ
ンダヘッド、シリンダブロックであり、このシリンダヘ
ッド２４のデツキ面２４ｄとシリンダブロック２６のデ
ツキ面２６ｄ間の接合部２８にこの発明の積層金属ガス
ケット２を介装し、締結用ボルト３０により締結する。

なお、符号３２は燃焼室である。

次に、この第１実施例の作用を説明する。

シリンダヘッド２４のデツキ面２４ｄに第１基板４のビ
ード１４の基部１４ｂ−１，１４ｂ−２が当接するとと
もにシリンダブロック２６のデ・ツキ面２４ｄには第２
基板６の第２ビード１６の基部１６ｂ−１，１６ｂ−２
が当接して接合部２８に介装された積層金属ガスケット
２は、締結用ボルト３０の締結力より圧縮され、これに
より第１、第２ビード１４．１６が高さを低減して圧縮
変形される。第１ビード１４は、ボルト締結力により漸
次高さを低減するが、第１Ｗ板４の内端部４ｅがグロメ
ット１８の一面に当接することによってその押下押圧が
阻止され、つまり押圧変形が抑制され、偏平にならない
。また、第２ビード１６は、締結用ボルト３０の締結力
により漸次高さを低減するが、第２基板６の周端部６ｅ
がグロメット１８の他面に当接することによってその押
下押圧が阻止され、つまり押圧変形が抑制されるが、第
１ビード１４よりも小なる押圧変形状態である。

そして、第４図に示す如く、締結用ボルト３０をさらに
強く締付けた場合には、ボルト締結力に対する内燃機関
の剛性不足等によってシリンダヘッド２４に歪みを生じ
、特に燃焼室３２周りのデツキ面の間隙Ｃが大となる問
題がある。しかし、前述の如く、ビード部位２２よりも
燃焼室孔１０側に補償部２０を構成したことにより、こ
の補償部２０の厚さＨ２によって、シリンダヘッド２４
の歪みに起因する大なる間隙Ｃを確実に補償することが
できる。またこのとき、積層金属ガスケット２は、圧縮
され補償部２０の厚さが締付けられる前の厚さＨ２より
も受註減少する。これにより、燃焼室３２からの燃焼ガ
スのリークを効率良く阻止することが可能となる。また
、燃焼ガス圧力や、機関熱の影響によりデツキ面が拡縮
するのを補償部２０によって防止させ、第１、第２ビー
ド１４．１６に作用する交番荷重を補償部２０によって
弱化させ、第１、第２ビード１４．１６のへたりを防止
する。そして、締結用ボルト３０やこの締結用ボルト３
０の係合するシリンダヘッド２４部位の損壊を防止し得
るとともに、締結用ポル）３０の締結力の低減を回避さ
せ、安定したシール効果を得る。

更に、この実施例によれば、中間板８を挾持させ対向面
に対し対称形状に第１、第２基板４．６を配設したので
、ビード部位２２の復元量及び復元力を増大させ、ビー
ド部位２２のシール効果を向上する。従って、燃焼室３
２周りは補償部２０とビード部位２２との２箇所でシー
ルされるので、更に高いシール効果を得ることができ、
燃焼ガスのリークを効率良く防止する。

更にまた、補償部２０の厚さＨ２を変更する際には、第
２基板６の周縁部６ｅの厚さｔ２を変更すればよいだけ
なので、厚さの変更を容易に果し得て、また積層金属ガ
スケット２の製作も容易である。

第５．６図はこの発明の第２実施例を示すものである。

以下の実施例においては、上述の第１実施例と同一機能
を果す箇所には同一符号を付して説明する。

この第２実施例の特徴とするところは、以下の点にある
。即ち、第１基板４の燃焼室孔１０の周縁部４ｅを省略
するとともに、中間板８の周縁部８ｅには第１基板４の
板厚ｔ１よりも大なる厚さｇ３を有するグロメット４２
を装着し、第１基板４の内端８ｉ４ｆがグロメット４２
に重合しない構成である。また、補償部４４は、第２基
板６の周縁部６ｅと中間板８の周縁部８ｅとグロメット
４２の厚さｇ４とにより、厚さＨ２に構成される。

この第２実施例の構成によれば、積層金属ガスケット２
がデツキ面間で圧縮変形した際に、補償部４４の厚さＨ
２が上述の第１実施例のものよりも小さいので、デツキ
面間隙の小さなものに利用し得るとともに、第１基板４
の挙動を担保し得る。

なお、この発明は上述の実施例に限定されず、種々応用
改変が可能であることは勿論である。

例えば、上述の第１、第２実施例において、第１、第２
基板の夫々周縁部には、補償部の厚さを調整するために
、メッキ、溶射、塗着等を施したり、あるいは金属又は
耐熱性樹脂等の部材を設けることも可能である。

また、第２基板の増加した厚さｔ、ｘ分を、シリンダヘ
ッドあるいはシリンダブロックのデツキ面に補償部材を
固着したり、あるいはデツキ面と基板間に補償部材を介
設することも可能である。

更に、第２基板の周縁部に形成する板厚を、燃焼室周り
全体に形成せず、所望に応じて燃焼室周りに部分的に設
けることが可能である。これにより、例えばボルト締結
部位においては点接触させる一方、ボルト締結部位から
離間する箇所においては線接触させ、シール性を担保し
得る。

更にまた、第２基板の周縁部の板厚を、例えばボルト締
結部位において小さくする一方、ボルト締結部位から離
間する箇所においては太き（し、シール面圧の均一化を
図り、シール性を向上させることも可能である。

また、金属ガスケットを一枚の基板で構成する際には、
第２基板を使用し、補償部の厚さを第２基板の周縁部の
板厚を変更することにより、容易に変更することが可能
である。

更に、二枚の基板は夫々ビードの頂部を同方向に指向さ
せて配設したが、夫々ビード幅を異ならせた夫々ビード
の頂部を中−間板に接しその対向面に対し対称形状に配
設することも可能である。

更にまた、積層金属ガスケットの表裏面、つまり第１基
板の表面及び第２基板の表面にはデツキ面のツールマー
ク等の不整面を補償するメッキ層やシール材を被着する
ことも可能である。

また、第１、第２ビードの幅や高さを、デツキ面間隙に
応じて変更することも可能である。

〔発明の効果〕

以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、
シリンダヘッドの締結時に生ずる燃焼室周りのデツキ面
間隙を補償するためにビード部位よりも燃焼室孔側の板
厚を他部位の板厚よりも大きく形成した基板を設けたこ
とにより、燃焼ガス圧力や機関熱の影響により燃焼室周
りのデツキ面間隙が拡縮するのを防止し、これにより燃
焼室周りからの燃焼ガスのリークを未然に防止できる。

また、リークした燃焼ガスによる金属ガスケットの汚損
や含有した物質の堆積を回避し、シール効果の低減を防
止し得る。更に、ビードに作用する交番荷重を弱化させ
てビードのへたりを防止して使用寿命を長くし、締結用
ボルトやボルトの係合するシリンダヘッド部位の損壊を
防止し得るとともに、締結用ボルトの締結力の低下を防
止し得て、安定したシール効果を得る。

また、デツキ面間隙に応じてビード部位よりも燃焼室側
の基板の板厚を調整すればよいだけなので、厚さの調整
が容易であるとともに、ガスケットの製作を簡便に果し
得る。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図はこの発明の第１実施例を示し、第１図は積
層金属ガスケットの平面図、第２図は第１図のｎ−ｎ線
による要部拡大断面図、第３．４図は積層金属ガスケッ
トをシリンダブロックとシリンダヘッド間の接合部に介
装し締結ボルトで締結した状態の一部省略した要部拡大
断面図である。 第５．６図はこの発明の第２実施例を示し、第５図は積
層金属ガスゲットの断面図、第６図は積層金属ガスケッ
トをシリンダブロックとシリンダヘッド間の接合部に介
装し締結ボルトで締結した状態の一部省略した要部拡大
断面図である。 図において、２は積層金属ガスケット、４は第１基板、
６は第２基板、８は中間板、１０は燃焼室孔、１２はボ
ルト孔、１４は第１ビード、１６は第２ビード、Ｉ８は
グロメット、２ｏは補償部、２２はビード部位、２４は
シリンダヘッド、２６はシリンダブロック、２８は接合
部、そして３２は燃焼室である。 特許出願人　日本メタルガスケット株式会社代理人　弁
理士　　　西　郷　義　美 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 燃焼室孔を囲繞してビードを形成した弾性金属板からな
   る二枚の基板を設け、これ等二枚の基板の間に中間板を
   介装した積層金属ガスケットにおいて、前記ビードを形
   成したビード部位よりも前記燃焼室孔側の前記基板の板
   厚をデッキ面間隙の拡縮を防止すべく該基板の他部位の
   板厚よりも大きく形成したことを特徴とする積層金属ガ
   スケット。