JPS59555B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は床、家具、厨房用品、ビニールレザー等の洗浄
に用いられる洗浄剤組成物に関するものである。

従来この分野では非イオン系、アニオン系又はこれらの
混合物の洗浄剤が用いられ、洗浄効果をあげるためにリ
ン酸類のビルダー、水溶性溶剤類、苛性ソーダ等も助剤
として用いられていた。しかし乍らこれら従来の洗浄剤
は油類又は疎水性の汚れ落しには効果的であつたが、床
、家具、厨房用品などの表面に固着した汚れや、表面よ
り内部に食い込んだ汚れに対しては効果が弱く、しかも
これら従来の洗浄剤では汚れ除去後の洗浄剤成分の除去
、即ち「すすぎ」或いは「後拭き」の必要があり、性能
面でも作業上からも必ずしも満足できるものではなかつ
た。例えばビニールタイル又はビニールアスベストタイ
ルは事務所、病院等の床材として多く使用され、この床
材の上に樹脂系のワックスが塗布されており、この上を
ゴム底の靴で歩行すると靴底の擦跡（以降ブラックピー
ルマークという）が黒く床に残り、これを従来の洗剤で
洗い落すことは困難である。

この場合「剥離剤」と呼ばれるセロソルブ類混入の洗剤
で樹脂系ワックスと共に剥離し、後拭きをなし床の乾燥
後再度ワックスかけを施す必要があつた。しかしながら
本発明の洗浄剤を用いれば従来の剥離剤を用いる剥離作
業、後拭き、床の乾燥及び再度のワックスがけを省略す
ることができ、ブラックピールマークも容易に落すこと
ができると共に優れた光沢を与える。次に例えば油汚れ
のひどいレンジフード又は換気扇を洗浄する場合、従来
の方法では苛性ソーダの強いブチルセロソルブを多く含
む洗浄剤を使用するので、油汚れの付着に対する洗浄効
果は優れているが、レンジフード又は換気扇の羽根の塗
料まで剥離し、しかも素手でこれらの洗浄剤を取扱うと
手の皮膚荒れを起すなどの問題があつた。

本発明の洗浄剤によれば洗浄効果も優れ羽根の塗料を全
く傷めることなく、素手で取扱つても殆んど皮膚荒れを
起すこともない等の利点が見出された。尚本発明の洗浄
剤の用途に利用可能な重合体で公知のものの例としては
、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂
、スチレンアクリル酸樹脂等がある。しかしながらこれ
らは何れも水溶性にするためと洗浄性能を高めるために
、比較的高いＰＨ例えば９．５以上好ましくは１０以上
にするためにアンモニアが必要であつた。従つて室内で
使用するとアンモニア臭が強く嫌はれるという難点があ
つた。又一方アニオン重合法を用いた低分子量重合体（
ＭａｋｒＯｍＯｌＣｈｅｍ．６３，Ｐａｇｅｌ８２〜２
０１）も本発明の用途に利用可能であるが、重合体の合
成法が複雑でコストが高くなり、性能改良のための他の
単量体との共重合も比較的困難となつたり、又高い酸価
を得難い等の難点があつた。しかしながら本発明の用途
に適する重合体につき詳細に研究したところ、下記のよ
うな限られた化学構造を有する重合体を用いると、低い
ＰＨ（ＰＨ９，５以下好ましくは７〜９）でも極めて優
れた洗浄性を発揮し、アンモニア臭も殆んどなく他の単
量体との共重合性もよいので、用途に応じた洗浄性が得
られコストの面でも有利となり、従来の諸問題を大巾に
改善することができた。即ち本発明の洗浄剤の主成分で
ある重合体は下記の構造式を有する。（但し、Ｒ１は水
素又は炭素数１〜３個のアルキル基であり、Ｒ２は水素
又は炭素数１〜８個のアルキル基であり、ｎは生成重合
体の重量平均分子量を４００〜８，０００とするに必要
な正数である。

）上記重合体の重量平均分子量は４００〜８，０００で
あり、酸価は重合体１９当り７０ワＫＯＨ以上である。
しかも、この重合体はラジカル重合法によつて得られる
が、各単量体の結合は必ずしも上記の式に限定されず、
ランダム的に結合していると考えられる。本発明で用い
る単量体は、例えば、メタタリル酸メチルエステル、ア
クリル酸ブチルエステル、２−エチルヘキシルアクリレ
ート、メタクリル酸、アクリル酸等である。

本発明において、酸価を重合体１ｇ当り７０ワＫＯＨ以
上にするには、メタクリル酸、アクリル酸を任意に共重
合することにより達成される。

尚酸価を７０Ｔｆ１Ｉ！ＫＯＨ／９未満にすると、重合
体組成にもよるが、水溶性が得られず洗浄性も失なわれ
る。分子量の調整は重合方法により定まるが、重合方法
は常法の溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重
合法によつて行われ、パーオキサイド類、パーサルフェ
ード類、アゾ類等のラジカル重合触媒を用いる。

これらの重合法の詳細については高分子合成の実験法（
化学同人社刊）に記載されているが、特に低分子量の重
合体を得るにはメルカプタン類、有機ハロゲン類等の連
鎖移動剤を用いるとよい。例えばドデシルメルカプタン
、四塩化炭素を単量体に混合して重合すればよい。重合
度は重合条件により異なるが、加える連鎖移動剤と単量
体のモル比で大体決定づけられ、具体的には米国特許２
，８７０，１１６、米国特許２，８７０，１１７、特許
出願公告昭４７−１４０１９等に例示されている。分子
量の調整は重合温度、重合開始剤濃度、溶液重合の溶剤
の種類によつても調整され、特許出願公開昭５４−６４
５３２に例示されている。連鎖移動剤は低分子量にする
ために多く用いると臭気の問題が発生し、或いは残留モ
ノマー臭の問題、重合体を水溶性にする際の非水溶性溶
剤類の除去の問題が発生する。このような場合には水と
の共沸除去或いは水蒸気蒸溜除去、減圧蒸溜除去などの
方法を用いるとこれらの問題を解決できる。分子量の測
定はゲルパミユーシヨンクロマトグラフ（ＧＰＣ法）に
より容易に測定される。こうして得られた重合体はカル
ボキシル基がアンモニウム或いはアミン、アミノアルコ
ール類での塩の状態で水溶性となり、外観は透明又は半
透明を呈し、物体表面に塗布し揮発分が乾燥除去される
と重合体のカルボキシル基は１部はアンモニウム、アミ
ン、アミノアルコール類の塩として残り、他はカルボキ
ルン基となるが、良好な洗浄性と耐水性及び光沢を与え
る。尚分子量が８，０００を越えると洗浄能力が著しく
低下し、本発明の目的には適さない。本発明でいう実質
的に優れた洗浄性を与えるために重合体の水溶液のｐＨ
を６．５以上９．５以下とするが、７〜９が最も好まし
い。

アンモニア、モルホリン、ジメチルアミノエタノール等
で調整することができる。さらに洗浄効果を与えるため
水溶性溶剤類、例えばブチルセロゾルブ、エチルカルビ
トール、Ｎ−メチルピロリドン等を加えてもよく、その
他通常の非イオン系活性剤のノニルフエノールエチレン
オキサイド付加物、アニオン系活性剤のドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ、ポリリン酸、炭酸亜鉛、炭酸ナト
リウム、フツ素系界・面活性剤（米国特許２９３７０９
８に記載）等も加えられる。又本発明の洗浄剤に良好な
光沢を与えたり、汚れ付着防止効果を与えるために、エ
チレングリコール、メチルカルビトール、ポリエチレン
ワツクス、カルナバワツクス、消泡剤等を加えてもよい
。以下代表的な実施例として重合体の組成、各種洗浄剤
組成及びその効果を示すが、特に記載のない限り重量部
で示す。

本発明は必ずしも実施例に記載されたものに限定される
ものではない。実施例 １重合体の組成 実施例 ２ 床用洗浄剤及び艶出剤 下記の順に撹拌機を用いて混合した。

上記の混合組成物をビニールタイルに１５θ／ｍ”の割
合で塗布し、一昼夜乾燥し次いで耐ブラツクヒールマー
ク性テスト機（スネールカプセルテスト機、米国ＣＳＭ
Ａ Ｂｕｌｌｅｔｉｎ ＮＯ．９−７ ３）でブラツク
ヒールマークを付与した。

上記の混合組成物をモツプを用いてブラツクヒールマー
クを付与したビニールタイル面上に軽く拭きながらブラ
ツクヒールマークを除去し、ブラツクヒールマークの落
ち具合、タイルの光沢及びレベリング性を評価した。タ
イルの光沢は米国ＣＳＭＡ Ｄ１４ ５ ５ ー６４，
６０゜鏡面反射率で測定し、レベリング性は肉眼で優、
良、可、不可の順で評価した。結果は下表の通りであつ
た。実施例 ３ レンジフード用洗浄剤 下記の順に撹拌機を用いて混合した。

レンジフード羽根を上記組成物に浸漬し充分液切りを行
ない、羽根を約一昼夜乾燥させた。

次いで大豆油１００９にカーボン粉末１ｇを加えたネラ
リ一液に浸漬し、−ケ月間常温で放置した後、上記組成
物に再度浸漬し軽く拭きながら洗浄性を調べた。その結
果を下表に示す。以上の実施例によつて明らかな如く、
本発明の重合体を洗浄剤として使用すると、物体の表面
に付着した汚れや、表面内部に食い込んだ汚れに対し極
めて優れた効果を発揮し、更にすすぎや拭取りの必要も
なく艶のある表面仕上げに著効を奏することがわかつた
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記の構造式、 ▲数式、化学式、表等があります▼ （但し、Ｒ＿１は水素又は炭素数１〜３個のアルキル基
   であり、Ｒ＿２は水素又は炭素数１〜８個のアルキル基
   であり、ｎは生成重合体の重量平均分子量を４００〜８
   ，０００とするに必要な正数である）を有しかつ４００
   〜８，０００の重量平均分子量を有しかつ重合体１ｇ当
   り７０ｍｇＫＯＨ以上の酸価を有するラジカル重合法に
   より得られた重合体と、アンモニア、アミン類又はアミ
   ノアルコール類とを用いてｐＨ６．５〜９．５の水溶液
   となした洗浄剤組成物。