JP2990578B2 - 硬質表面用洗浄剤組成物 - Google Patents

硬質表面用洗浄剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は均一分散系又は一相系の
液状硬質表面用洗浄剤組成物に関し、特に食器、調理器
具等の洗浄に好適な液状硬質表面用洗浄剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
家庭用や業務用の洗浄剤として、例えば食器用洗浄剤、
台所用洗浄剤、住居用洗浄剤など種々の洗浄剤組成物が
提案されている。
【0003】しかしながら、従来の洗浄剤組成物を用い
てプラスチックやガラス等の硬質表面を有する食器など
を洗浄し、すすいだ場合、水の硬度成分に由来するウォ
ータースポットや曇りが硬質表面上に残存するため、食
器などの美観を損ねていた。また、ガラスなどを洗浄し
た後は表面が水で濡れるため、洗浄後の拭き取り作業に
多大な労力を必要としていた。
【0004】従って、洗浄後の食器乾燥時間が短く、か
つウォータースポットや曇りが残存せずに良好な仕上り
となる硬質表面用洗浄剤組成物が望まれていた。これま
で、ウォータースポット防止を目的とする硬質表面用洗
浄剤組成物としては、カチオン変性蛋白質加水分解物を
用いたもの(特公昭59−5238号公報)、ポリビニ
ルピロリドン又はN−ビニルピロリドンと酢酸ビニルの
共重合体を用いたもの(特開昭61−113696号公
報)、N−ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメ
タクリレートの共重合体を用いたもの(特公昭61−1
1280号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、これらの洗浄剤によるウォータースポットの防止効
果は、まだ十分なものでなく、また、食器乾燥時間の短
縮という性能から見ても不十分であるため、更に性能の
高い洗浄剤が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような実情におい
て、本発明者は上記要求に応えるべく鋭意検討を行った
結果、界面活性剤に、側鎖に非環式アミド結合を有する
特定の水溶性ポリマーを配合することにより、洗浄後に
水の硬度成分に由来するウォータースポットや曇りが残
存せず、従来の洗浄剤組成物と比較して硬質表面の美的
仕上りが飛躍的に向上した洗浄剤組成物が得られ、ま
た、当該組成物が相分離系ではなく均一分散系又は一相
系の液状であるために使用のたびに振り混ぜることを必
要としないので作業性が良好であることを見出し、本発
明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、(a)界面活性剤、
及び(b)次の構造単位(1)の1種又は2種以上から
なる水溶性ポリマーを含有することを特徴とする液状硬
質表面用洗浄剤組成物を提供するものである。
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なっ
て、水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは1〜
5の数、Xは水素原子又は次の式(2)〜(5)に示す
いずれかである。〕
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、R3 、R4 及びR5 は同一又は異
なって、水素原子、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖
のアルキル基又はフェニル基を示し、Y-はハロゲンイ
オン又はOSO36-(R6 はメチル基又はエチル基)
を示す。〕
【0011】本発明において、(a)界面活性剤として
はアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸エステル塩及びα−オレフィンスルホン酸塩の陰
イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、アルキルグリコシド及び脂肪酸糖エステルの非イ
オン性界面活性剤、並びにモノアルキルアミンオキサイ
ド、モノアルキルアミドプロピルカルボベタイン、モノ
アルキルヒドロキシスルホベタインの両性界面活性剤の
1種以上を用いることが好ましく、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル及びアルキルグリコシドから選ばれる1種以上
を用いることが、硬質表面用洗浄剤としての基本的な洗
浄力が発現される点から特に好ましい。ここでポリオキ
シエチレンアルキル硫酸エステル塩におけるオキシエチ
レン基の数は2〜20、特に2〜10が好ましい。ま
た、アルキル基は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のも
の、特に炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のものが好ま
しい。ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩の具
体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫
酸アンモニウムが挙げられる。
【0012】ポリオキシエチレンアルキルエーテル中の
オキシエチレン基の数は2〜20、特に2〜10が好ま
しく、アルキル基は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖の
もの、特に炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のものが好
ましい。かかるポリオキシエチレンアルキルエーテルの
具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
が挙げられる。
【0013】アルキルグリコシドとしては、例えば、下
記一般式(6):
【0014】
【化5】R7(OR8)xGy (6)
【0015】〔式中、R7 は、直鎖又は分岐鎖の総炭素
数6〜22のアルキル基を示し、R8は炭素数2〜4の
アルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6を有する還元糖
に由来する残基を示す。x(平均値)は0〜5であり、
y(平均値)は1〜5である。〕で表わされるものが好
ましい。
【0016】上記式(6)で表わされるアルキルグリコ
シドについて更に説明すると、式中のxはその平均値が
0〜5であるが、好ましいxの値は0〜2であり、特に
好ましくは0である。一方、yはその平均値が1より大
きい場合、つまり2糖類以上の糖鎖を親水性基とする場
合、糖鎖の結合様式が1−2、1−3、1−4、1−6
結合のもの、更にα−、β−ピラノシド結合又はフラノ
シド結合及びこれらの混合された結合様式を有する任意
の混合物を含むことが可能である。また、上記式中のy
の平均値は1〜5、好ましくは1〜1.5、より好まし
くは1.1〜1.4である。尚、yの測定法はプロトン
NMR法によるものである。すなわち、アルキルグリコ
シド中のプロトンはアルキル部プロトン、アノマープロ
トン、酸素つけ根部プロトン及び水酸基プロトンに帰属
されるので、NMRチャート上におけるアルキル部プロ
トン数と残りのプロトン数との積分比よりyを求めるこ
とができる。
【0017】また、式中のR7 は、溶解性及び洗浄性の
点から炭素数8〜18のアルキル基が好ましい。また、
8 は、水溶性の点から炭素数2〜3のアルキレン基が
好ましい。更に、Gは単糖類若しくは二糖類以上の原料
によってその構造が決定されるが、このGの原料として
は、単糖類ではグルコース、フルクトース、ガラクトー
ス、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノー
ス、及びこれらの混合物等が挙げられ、二糖類以上では
マルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビ
オース、ゲンチビオース、ラクトース、スクロース、ニ
ゲロース、ツラノース、ラフィノース、ゲンチアノー
ス、メレジトース、及びこれらの混合物等が挙げられ
る。これらのうち、好ましい原料は、それらの入手容易
性及びコストの点から、単糖類ではグルコース及びフル
クトースであり、二糖類以上ではマルトース及びスクロ
ースである。この中でも特に入手容易性の点からグルコ
ースが好ましい。
【0018】界面活性剤(a)の含有量は、本発明洗浄
剤組成物中0.01〜60重量%(以下、単に%で示
す)、特に5〜35%とすることが好ましい。
【0019】本発明で用いる水溶性ポリマーは前記式
(1)の構造単位の1種又は2種以上からなるものであ
り、前記式(1)においてR1 及びR2 は同一又は異な
って、水素原子、メチル基又はエチル基であるが、メチ
ル基が好ましい。Xは水素原子又は前記式(2)〜
(5)で示されるいずれかであり、このうち水素原子が
好ましい。前記式(2)〜(5)においてR3 〜R5
同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜5の直鎖若し
くは分岐鎖のアルキル基又はフェニル基であるが、炭素
数1〜5の直鎖アルキル基が好ましく、メチル基及びエ
チル基が特に好ましい。前記式(3)においてY-はハ
ロゲンイオン又はOSO36-であり、R6 はメチル基
又はエチル基であるが、エチル基が好ましく、ハロゲン
イオンとしては塩素イオンが特に好ましい。
【0020】前記式(1)においてnは1〜5の数であ
るが、特に1〜2が好ましい。また、式(1)の水溶性
ポリマーの重量平均分子量は1000〜100万が好ま
しく、特に1万〜50万、更に5万〜20万が好まし
い。この水溶性ポリマーの好ましい具体例としては、下
記式(7)の構造単位からなるポリ(ジメチルアクリル
アミド)が挙げられる。
【0021】
【化6】
【0022】本発明で用いる水溶性ポリマー(b)の含
有量は、本発明洗浄剤組成物中0.001%以上で10
%未満であるが、特に0.01〜5%とすることが好ま
しい。このビニル系水溶性ポリマー(b)の含有量が
0.001%未満では硬質表面の仕上り性向上が認めら
れず、10%以上では洗浄剤組成物のコストが高くな
る。
【0023】本発明の洗浄剤組成物には、水溶性ポリマ
ー(b)の溶解性を向上させるために低級アルコールを
配合することが好ましい。低級アルコールとしては炭素
数1〜4のアルコールが挙げられるが、このうちエタノ
ールが特に好ましい。低級アルコールの配合量は0.2
〜5%、特に0.5〜4%とすることが好ましい。低級
アルコールの配合量が0.2%未満では上記の効果が現
れない場合があり、5%を超えるとアルコール臭が顕著
になり、食器用洗剤として用いた場合に不都合が生じる
場合がある。
【0024】本発明の洗浄剤組成物には、目的とする性
能を損なわない範囲で、通常の洗浄剤組成物に用いられ
る他の任意成分、例えば水、硫酸、塩酸、水酸化ナトリ
ウム等のpH調整剤、香料、色素、防腐・防かび剤等を
所望に応じて添加することができる。
【0025】本発明の液状硬質表面用洗浄剤組成物は、
常法に従い、必須成分に必要に応じ、上記任意成分を配
合することにより、例えば水溶液として調製することが
できる。
【0026】
【発明の効果】本発明の液状硬質表面用洗浄剤組成物
は、水の硬度成分に由来するウォータースポットや曇り
の防止性に優れたものであり、また均一分散系又は一相
系であるため実用的価値が高く、特に食器用洗浄剤とし
ての使用に適している。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0028】製造例1 ジメチルアクリルアミド150gとアセトン252gを
混合し、これに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)2.26gとアセトン30gとの混合
液を徐々に滴下したところ、ポリ(ジメチルアクリルア
ミド)が得られた。得られたポリ(ジメチルアクリルア
ミド)にアセトン72gを加えて冷却し、次にこのアセ
トン溶液の10倍量のヘキサンを加えて再沈殿させるこ
とによりポリマーを精製し、乾燥させた。
【0029】製造例2 下記式(8):
【0030】
【化7】
【0031】で表わされるモノマー(DMAPAA、興
人社製)200gに(CH32SO40.98〜10当
量を加え、生成モノマーが分解するため重合禁止剤(p
−メトキシフェノール)2000ppmを加え、水系で1
0℃以下で反応させ、4級塩型モノマーの水溶液を得
た。得られた4級塩型モノマー水溶液に2,2′−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.001〜
0.01当量を加えて重合し、4級塩型ポリマーを得
た。(CH32SO4の代わりに(C252SO4を用
いてもよい。また、先に重合してから変性させるとき
は、非水系で(メタノール中又はエタノール中)反応を
行う。
【0032】製造例3 製造例2で用いたものと同様のDMAPAA200gに
1.5当量のCl−CH2COONaを加え、重合禁止
剤(p−メトキシフェノール)2000ppmを加え、乾
燥メタノール中で還流させ、ベタイン型モノマーの水溶
液を得た。次に系を水系に置換し、2′,2−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.001〜0.
01当量を加えて重合し、ベタイン型ポリマーを得た。
また、先に重合してから変性させるときは、得られたポ
リマーを水系において80℃で反応させる。
【0033】製造例4 製造例2で用いたものと同様のDMAPAA200gに
重合開始剤としてV−50(和光純薬工業社製)0.1
〜1mol%を用い、水系において50℃で重合反応さ
せ、ポリマーを得た。得られたポリマーにクエン酸
(0.5mol)水溶液を加え80〜90℃において1.
0〜1.05当量のH22を徐々に滴下することにより
オキサイド型ポリマーを得た。
【0034】実施例1〜7及び比較例1〜14 表1に示す洗浄剤組成物ベースA〜Gを調製し、これに
水溶性ポリマーなどを添加して表2に示す洗浄剤組成物
を調製し、その性能を下記の評価方法で評価した。結果
を表2に示す。
【0035】〔評価方法〕ウレタンスポンジに各組成物
2gをとり、スポンジを数回揉んで泡立てた後、サラダ
油0.5gを塗布した市販のガラスコップを洗浄し、水
道の流水(硬度:3.5°DH)ですすいだ後、ガラス
コップを伏せて自然乾燥した。この一連の操作を20回
繰り返した後、外観を肉眼で観察し、ガラスコップの乾
燥時間及び透明感を下記評価基準に従って肉眼で判定し
た。また、残存ウォータースポット評価も下記評価基準
に従って行った。
【0036】(洗浄後のガラスコップの乾燥時間) ○:1分後に表面が90%以上乾燥している。 △:1分後に表面が50%以上90%未満乾燥してい
る。 ×:1分後に表面が50%未満乾燥している。
【0037】(洗浄後のガラスコップの透明感評価) ○:新品同様に透明感がある。 ×:ややくすんでいる。
【0038】(残存ウォータースポット評価) ○:ガラスコップ1個あたりウォータースポットが0〜
5個ある。 △:ガラスコップ1個あたりウォータースポットが6〜
10個ある。 ×:ガラスコップ1個あたりウォータースポットが11
個以上ある。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表2より、本発明の洗浄剤組成物を用いて
洗浄した食器、特にガラスコップは乾燥時間が短縮さ
れ、ウォータースポットが生じず、かつ透明感が向上し
た。また本発明の組成物は均一であり外観上も優れてい
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 3/37 C11D 3/20 C11D 3/43

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)界面活性剤、及び(b)次の構造
    単位(1)の1種又は2種以上からなる水溶性ポリマー
    を含有することを特徴とする液状硬質表面用洗浄剤組成
    物。 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって、水素原子、
    メチル基又はエチル基を示し、nは1〜5の数、Xは水
    素原子又は次の式(2)〜(5)に示すいずれかであ
    る。〕 【化2】 〔式中、R3 、R4 及びR5 は同一又は異なって、水素
    原子、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基
    又はフェニル基を示し、Y-はハロゲンイオン又はOS
    36-(R6 はメチル基又はエチル基)を示す。〕
  2. 【請求項2】 成分(a)が、アルキル硫酸エステル
    塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩及びα
    −オレフィンスルホン酸塩の陰イオン性界面活性剤、ポ
    リオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシ
    ド及び脂肪酸糖エステルの非イオン性界面活性剤、並び
    にモノアルキルアミンオキサイド、モノアルキルアミド
    プロピルカルボベタイン、モノアルキルヒドロキシスル
    ホベタインの両性界面活性剤から選ばれる1種以上であ
    る請求項1記載の液状硬質表面用洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 式(1)で表わされる水溶性ポリマーの
    含有量が0.001重量%以上で10重量%未満である
    請求項1又は2記載の液状硬質表面用洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 更に低級アルコールを0.2〜5重量%
    含有する請求項1〜3のいずれかの項記載の液状硬質表
    面用洗浄剤組成物。
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