JPH059476Y2

JPH059476Y2 -

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Publication number: JPH059476Y2
Application number: JP1988110358U
Authority: JP
Priority date: 1988-08-23
Filing date: 1988-08-23
Publication date: 1993-03-09
Anticipated expiration: 2003-03-09
Also published as: JPH0231364U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、内燃機関、特に多気筒内燃機関のシ
リンダーヘツドとシリンダーブロツクの接合面を
シールするために使用する金属ガスケツトに関
し、更に詳しくは、金属ガスケツトに内蔵される
シムの固着構造に関する。。

（従来の技術）最近の内燃機関には、ビード基板を中板の両側
に積層する型式の金属ガスケツトが使用されてい
る。

そして、シリンダーヘツド側のビードにのみ発
生しやすいヘタリ等を防止するために、シリンダ
ーヘツド側のビード基板の内側で、シリンダーボ
アー用開口部に沿うビードの外側に環状のシムが
装着されており、またこれと同時に、両側のビー
ド基板のシリンダーボアー用開口部間のビードの
間には、それぞれ細長のシムが装着されることが
ある。

このようにビードの面圧調整のために使用され
るシムは、通常、ビード基板に直接接着するか、
またはビード基板に孔をあけてカシメ止めするな
どして、ビード基板に固着されているのである。

（解決しようとする課題）しかるに、シムはシリンダーボアー開口部周縁
のビードの外側に近接して装着されるため、ビー
ド基板に孔を設けてこの孔にシムの一部分を折曲
しカシメ止めすれば、シール性が懸念されるばか
りでなく、その折曲部がガスケツトの面圧を損な
う可能性があり、また、シムをビード基板に接着
する場合には、特にそれがシリンダーボアー開口
部周縁のような高温部にあつては、運転時に接着
材が剥離されやすい欠点があるなど、シムを装着
する形式の金属ガスケツトがまだ一般的に使用さ
れるにいたつていないこともあつて、シムの適当
な固着方法がないのである。

そこで本考案では、かかる従来の金属ガスケツ
トにおける問題点を解消し、シムを所望する箇所
に確実に固着させることができて、面圧調整機能
が発揮できるとともに、シール性を損うことがな
いようにした金属ガスケツトを提供するものであ
る。

（課題を解決するための手段）本考案に係る金属ガスケツトの構成は下記のと
おりである。

両面に表面処理を施したビード基板を中板の両
側に配設して、シリンダーヘツド側のビード基板
のシリンダーボアー用開口部の周縁に沿い形成し
た内向きのビードの外側に環状のシムを、シリン
ダーボアー用開口部間の各ビード基板のビード間
にそれぞれ細長のシムを、固着する金属ガスケツ
トであつて、環状のシム６、細長のシム７，７の
板面に配設する筒状突出部８を、中板２に配設す
る取付け孔１０に嵌着して、環状のシム６、細長
のシム７，７を中板２に固着させる構成である。

また、前記環状のシム６、細長のシム７，７の
周端に配設する外向きの舌片９を折曲して、中板
２に穿設する取付け孔１０に掛け止めし、固着す
るようにしてもよい。

（実施例）本考案に係る金属ガスケツトの構成を、実施例
に基づき説明する。

第１図は本考案の金属ガスケツト１の平面図で
あつて、幅中央部にシリンダーボアー用開口部Ａ
は並設され、その周辺および外周縁に沿い、冷却
水、オイル、その他ボルト用の開口部が多数穿設
される。

ビード基板３の開口部Ａその他の開口部、およ
び外周縁には、第１図に一点鎖線で示す箇所に、
ビード４を二山、または一山輪郭状に形成し、他
のビード基板３にも、同様にして輪郭状にビード
４を二山、または一山形成する。

金属ガスケツト１の断面構造は、第２図、第３
図に示すとおり、ビード４を二山、または一山い
ずれも内向き対称的に膨出させて配置したビード
基板３，３を平板状の中板２の両側に配設し、そ
してビード基板３，３にはいずれもその両面に表
面処理５，５を施してシール性の被膜を形成させ
る。

シリンダーヘツド側に配置する中板２の表面
の、並設する開口部Ａに沿うそれぞれのビード４
の外側には更に、薄板からなる環状のシム（面圧
調整板）６を輪郭状に設け、かつこれら環状のシ
ム６を、第１図に示すとおり開口部Ａ間で眼鏡状
に連結する。

更に、中板２の両側表面の、隣接する開口部Ａ
間のビード４，４に挟まれた区域には、第１図な
いし第３図に示すように、同一形状の細長のシム
７，７をそれぞれ、前記環状のシム６を設ける中
板２の表面側では該シム６の表面に重ね、他方は
中板２の表面に直接固着させるのである。

次に、このような環状のシム６、細長のシム
７，７の固着手段につき説明する。

固着手段の第一の実施例は、第５図に示すよう
に、環状のシム６、細長のシム７の板面に筒状突
出部８を形成してバーニング加工し、中板２のこ
れに対応する箇所には、筒状突出部８を挿入でき
て、段部１１を有する取付け孔１０を穿設し、そ
して筒状突出部８を取付け孔１０に挿入したの
ち、その先端部を段部１１内で拡開して、環状の
シム６、細長のシム７を中板２に固着させる構成
である。

ここで、環状のシム６の筒状突出部８は、第１
図に示すように、複数箇所その全周にわたり配置
させ、細長のシム７，７ではいずれも、第４図に
示すように、両端側に筒状突出部８，８を形成す
る。

前記第５図に示す実施例では、筒状突出部８は
その先端部を拡開してハトメ状にしたが、これを
第６図のように、筒状突出部８をハトメ状に変形
させず、中板２の取付け孔１０内に嵌着させる構
成であつてもよい。

固着手段の第二の実施例は、第７図、第８図に
示すように、環状のシム６ではその外周端から適
宜間隔で、また細長のシム７ではその両端から、
それぞれ外向きに舌片９を突設し、中板２のこれ
に対応する箇所には、該舌片９を挿入できる取付
け孔１０を穿設し、そして第９図に示すように、
該舌片９の先端部をＬ字状に折曲して取付け孔１
０に掛け止めし、環状のシム６、細長のシム７，
７をそれぞれ中板２に固着させる構成である。

前記実施例ではいずれも、細長のシム７は環状
のシム６の表面に重ねて固着するようにしたが、
これを逆にシム７の表面に環状のシム６を重ねて
固着するようにしてもよい。

前記実施例ではいずれも、環状のシム６ととも
に細長のシム７，７を装着したが、使用条件によ
り、細長のシム７，７を省略し、環状のシム６を
シリンダーヘツド側の中板２の表面、またはビー
ド基板３に固着する場合であつても、環状のシム
６の固着手段が同一の構成でよいことは勿論であ
る。

前記固着手段の第一ないし第二の実施例ではい
ずれも、環状のシム６と細長のシム７，７とを同
一の固着手段で固着するようにしたが、環状のシ
ム６と細長のシム７，７とを、これら二種類の異
なつた固着手段を適宜組み合わせて固着すること
ができることは勿論である。

（考案の作用効果）本考案に係る金属ガスケツトの構成は以上のと
おりであり、下記のような作用効果を奏する。

本考案の金属ガスケツトによれば、中板の両側
に配設するビード基板の、シリンダーボアー用開
口部周縁のビードの外側に設ける環状のシム、細
長のシムを、これに筒状突出部または舌片を適宜
配置して突設して、中板に穿設する取付け孔に固
着するようにしたので、稼動中の繰り返しの振動
においても、これらシムが中板、またはビード基
板から剥離したり位置ずれすることが皆無とな
り、シムを所定位置に確実に装着させ、その面圧
調整作用を有効に発揮させることができて、シリ
ンダーヘツド側のビードのへたりなどを回避でき
るようになり、しかも、ビード基板には孔をあけ
るなど、シール性能に影響するような加工を施さ
ないので、ガスケツトのシール性を何ら損なうこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る金属ガスケツトの平面
図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線における拡大端面
図、第３図は第１図のＹ−Ｙ線における拡大端面
図、第４図は第１図のＺ−Ｚ線における拡大端面
図、第５図のイ，ロ，ハはシムの固着手段の第一
実施例の説明図、第６図はシムの固着手段の第一
実施例の他の場合の説明図、第７図はシムの固着
手段の第二実施例の環状のシムの一部省略平面
図、第８図はシムの固着手段の第二実施例の細長
のシムの平面図、第９図はシムの固着手段の第二
実施例の固着手段の説明図である。１……金属ガスケツト、２……中板、３……ビ
ード基板、４……ビード、５……表面処理、６…
…環状のシム、７……細長のシム、８……筒状突
出部、９……舌片、１０……取付け孔、１１……
段部、Ａ……シリンダーボアー用開口部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１両面に表面処理を施したビード基板を中板の
両側に配設して、シリンダーヘツド側のビード
基板のシリンダーボアー用開口部の周縁に沿い
形成した内向きのビードの外側に環状のシム
を、シリンダーボアー用開口部間の各ビード基
板のビード間にそれぞれ細長のシムを、固着す
る金属ガスケツトであつて、環状のシム６、細
長のシム７，７の板面に筒状突出部８を配設
し、中板２には該筒状突出部８に対応する取付
け孔１０を穿設して筒状突出部８に嵌着して、
環状のシム６、細長のシム７，７をそれぞれ中
板２に固着したことを特徴とする金属ガスケツ
ト。２両面に表面処理を施したビード基板を中板の
両側に配設して、シリンダーヘツド側のビード
基板のシリンダーボアー用開口部の周縁に沿い
形成した内向きのビードの外側に環状のシム
を、シリンダーボアー用開口部間の各ビード基
板のビード間にそれぞれ細長のシムを、固着す
る金属ガスケツトであつて、環状のシム６、細
長のシム７，７の周端に配設する外向きの舌片
９を折曲して、中板２に穿設する取付け孔１０
に掛け止めし、環状のシム６、細長のシム７，
７をそれぞれ中板２に固着したことを特徴とす
る金属ガスケツト。