JPS63199255A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPS63199255A
JPS63199255A JP62029729A JP2972987A JPS63199255A JP S63199255 A JPS63199255 A JP S63199255A JP 62029729 A JP62029729 A JP 62029729A JP 2972987 A JP2972987 A JP 2972987A JP S63199255 A JPS63199255 A JP S63199255A
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chloride resin
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    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物に関し、さらに詳し
くは耐衝撃性、透明性、耐応力白化性の各性能が高度に
バランスし、かつ優れた加工性を有する塩化ビニル系樹
脂組成物に関する。
従来の技術 塩化ビニル系樹脂は衝撃に対し脆い欠点を有している。
この欠点を改良する方法として、ブタジェン系ゴム重合
体の存在下にスチレン、メタクリル酸メチル、アクリロ
ニトリル等のビニル系単量体を単独でまたは二種以上の
混合物としてグラフト重合して得られる各種のグラフト
共重合体を塩化ビニル系樹脂に混合するという多くの提
案がなされている。これらの方法による塩化ビニル系樹
脂は、たしかに耐衝撃性は改良されるが塩化ビニル系樹
脂本来の有する優れた透明性が損なわれるとか、成形品
を折曲げたり、または成形品に衝撃を加えたりすると応
力を加えられた部分が白化(応力白化)し、商品価値が
損なわれるという欠点を有している。特に耐衝撃性に優
れるもの程、この欠点が顕著である。この様な性質は、
塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性が基本的にはグラフ
ト共重合体を構成するゴム重合体成分のゴム粒子径に依
存゛していることに由来している。一般に、グラフト共
重合体の耐衝撃性付与性能を高めるためには、ゴム重合
体の粒子径を適度に大きくすることが必要であるが、こ
の場合にたとえ塩化ビニル系樹脂とグラフト共重合体の
屈折率を可及的に一致させても、塩化ビニル樹脂とその
中に分散しているグラフト共重合体粒子との界面におけ
る光の散乱の程度が大きくなって、透明性が損なわれ易
くなり、また、応力白化も発生し易くなるためである。
このため、耐衝撃性、透明性、耐応力白化性に優れた塩
化ビニル系樹脂組成物を得るべく、配合するグラフト共
重合体の構成要素として、ゴム重合体成分の組成、その
粒子径、グラフト重合する成分の組成、グラフト重合方
法等について種々の試みがなされている。
例えば、塩化ビニル系樹脂に配合するグラフト共重合体
として、ゴムラッテクスを適度に凝集せしめ、スチレン
、メチルメタクリレート等をグラフ)重合せしめたグラ
フト共重合(特公昭46−31462号、特公昭54−
1584号)、ゴム重合体のW潤度が7以上の高度に架
橋剤されたブタジェン系ゴム重合体を含むラッテクスの
存在下に、メタクリル酸アルキルと芳香族ビニルからな
る混合単量体をグラフト重合せしめたグラフト重合体(
特開昭57−212246号)、ゴム重合体成分として
1.3ブタジェン−アクリル酸n−ブチル−スチレンの
特定含有量比からなるエラストマーを使用し、これにグ
ラフト共重合成分を多段階重合せしめたグラフト共重合
体(特公昭47−23648号、特公昭47−2364
9号、特開昭51−150562号)、ブタジェン−ア
クリロニトリル−スチレン−架橋性単量体からなる輪重
合体にスチレンやメタクリル酸メチルなどをグラフト重
合せしめたグラフト共重合体(特公昭48−5787号
)、ゴム質重合体に芳香族ビニル、メタクリル酸メチル
、アクリロニトリル、アクリル酸エステルをグラフト重
合せしめたグラフト重合体(特公昭46−42021号
)などを使用する例がある。
しかしながら、これらの試みは未だ十分とはいい難く、
さらにより一層耐衝撃性、透明性、耐応力白化性の各性
能が高度にバランスし、かつ加工特性にも憬れた塩化ビ
ニル系樹脂組成物の開発が望まれている。
また、これらのグラフト共重合体を含む塩化ビニル系樹
脂組成物は、成形温度を上げて成形すると衝撃強度が低
下するとか、あるいは混練度の低い条件で成形すると末
ゲル化物のフィッシュ・アイが発生し、外観特性が損な
われる等の加工上の欠点を有している。このため広い成
形条件範囲においても安定した衝撃強度を示し、かつ外
観特性の優れた塩化ビニル系樹脂組成物が望まれている
発明が解決しようとする問題点 本発明者等はかかる現状に鑑み、各種性能がより一層高
度にバランスし、しかも加工特性にも優れた塩化ビニル
系樹脂組成物を得るべく鋭意研究した結果、特定の構成
を有するグラフト共重合体を塩化ビニル系樹脂の改質剤
として用いると耐衝撃性、透明性、耐応力白化性の各性
能が高度にバランスし、かつ加工特性にも優れた塩化ビ
ニル系樹脂組成物の得られることを見出し、その知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
問題点を解決するための手段 すなわち、本発明の要旨は、 ブタジェン65〜85重量%、メチシン15〜35重景
%、架橋性単量体O〜3重量%から成るブタジェン系ゴ
ム重合体70〜85重量部を含むラテックスに、まず第
1段目としてメタクリル酸メチル70〜971i量%と
アクリル酸アルキルエステル30〜3重量%から成る単
量体5〜24重量部をグラフト重合し、次に第2段目と
してスチレン97〜100重量%と架橋性単量体O〜3
重量%から成る単量体3〜21重量部をブタジェン系ゴ
ム重合体との合計量が100重量部になるようにグラフ
ト重合させたグラフト共重合体であって、第1段目の単
量体の割合が全グラフト単量体中30〜80重量%であ
るグラフト共重合体3〜30重量%と塩化ビニル系樹脂
97〜70%重量%とを混合してなることを特徴とする
耐衝撃性、透明性、耐応力白化性の各性能が高度にバラ
ンスし、かつ加工特性にも優れた塩化ビニル系樹脂組成
物、にある。
本発明に用いるグラフト共重合体は1次の3つの基本的
な要件から成っている。
すなわち。
第一の要件はゴム含量が70〜85重量%と多いこと、 第二の要件はゴム重合体成分に第1段目として直接メタ
クリル酸メチルを主成分とする単量体をグラフト重合さ
せた後、次いで第2段目としてスチレンまたは架橋性単
量体を含むスチレンをグラフト重合させ、かつこれら青
成分の割合が特定の範囲にあること。
第三の要件は、グラフト共重合の第1段目の成分として
メタクリル酸メチルと特定量のアクリル酸アルキルエス
テルを混合使用することであり。
これらの要件を全て満たすことによって本発明の目的が
達せられる。つまり、本発明におけるグラフト共重合体
は、その製造に使用する各々の成分については必ずしも
特別のものではないが、上記特定の構成を選択採用する
ことによって、塩化ビニル系樹脂の改質剤として使用し
た場合、驚くべきことに耐衝撃性、透明性、耐応力白化
性の各性能が高度にバランスし、かつ加工特性に優れた
塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができるのである。
以下、本発明の構成要素を詳細に説明する。
(ブタジェン系ゴム重合体) 本発明に用いるブタジェン系ゴム重合体はブタジェン6
5〜85重量%、スチレン15〜35重量%、架橋性単
量体0〜3重量%から成る単量体を乳化重合することに
よって得られる。
使用する架橋性単量体としては、ブタジェンおよびスチ
レンと共重合するものが選ばれ、例えば、ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、1.3−ブチレンゲリコールジメタクリレ
ート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、1.3−ブチレングリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレートまたはトリメチ
ロールプロパントリアクリレート等がある。
このブタジェン系ゴム重合体は、グラフト共重合体中7
0〜85重量%、好ましくは75重量%を越え85重量
%以下の範囲で用いられる0本発明において、ゴム重合
体成分の割合をこのように高めることは、塩化ビニル系
樹脂組成物の耐衝撃性、透明性、耐応力白化性の各性能
の高度なバランス特性を得るの゛に必須な要件である。
従来、耐衝撃性改良剤としてのグラフト共重合体は、そ
の中のゴム重合体成分の割合が70重量%以下のものが
ほとんどであった。その理由の一つは、単にゴム重合体
成分の割合を高めると、得られる樹脂組成物の耐衝撃性
は大となるものの透明性が低下する傾向があるからであ
る0本発明においては、耐衝撃性を向上させるためにゴ
ム重合体成分の割合を大にしても、第二、第三の要件で
あるグラフト成分の種類1割合およびグラフト重合順序
を工夫することにより透明性を劣化させることのないこ
とを見出したものである。
したがって1本発明では、ゴム重合体成分の割合を高め
ることができるため、透明性や耐応力白化性を低下させ
るゴム粒子径の増大操作をしなくても耐衝撃性を高める
ことができるという利点を有する。
ブタジェン系ゴム重合体が70重量%より少ないと耐衝
撃性付与性能が低下し、また、85重量%より大となる
と耐衝撃性付与性能および耐応力白化性付与性能が低下
するのみならず、グラフト共重合体の製造に際し、ラテ
ックスの酸(塩)折時や乾燥時などにグラフト共重合体
が塊状化し易くなるので、好ましくない。
架橋性単量体は透明性、耐応力白化性を高めるのに効果
的で3重量%以下、好ましくは0.1〜2.5重量%の
範囲で適宜用いられる。しかし、31i量%より多く添
加するとグラフト共重合体の耐衝撃性付与性能の低下を
招くので好ましくない。
本発明におけるブタジェン系ゴム重合体ラテックスは、
公知の方法にしたがって乳化重合によって得られる。該
ゴム重合体の粒子径は特に限定するものではないが60
0〜3000Aのものが用いられる。該粒子径を有する
ゴム重合体ラテックスは、シード重合あるいは酸または
塩など公知の凝集剤を添加することによって凝集肥大化
して調整しても良い。
(グラフト重合成分) 次に、上記ブタジェン系ゴム重合体を70〜85重量部
を含むラテックスの存在下に、ブタジェン系ゴム共重合
体との合計量が100重量部になるようにグラフト成分
が2段階でグラフト共重合される。
まず第1段目としてメタクリル酸メチル70〜97重量
%、好ましくは80〜90重量%とアクリル酸アルキル
エステル30〜3重量%、好ましくは20〜10重量%
から成る混合単量体5〜24を置部、好ましくは7〜2
0重量部がグラフト重合される。
メタクリル酸メチルと共に共単量体として使用されるア
クリル酸アルキルエステルは、塩化ビニル系樹脂組成物
のゲル化を促進する作用を有するため、該樹脂組成物が
混練度の低い条件で成形されても均質な溶融体を速やか
にかつ容易に与え、巳かもまた未ゲル状のフィッシュ・
アイの発生を防止する効果、さらにに該樹脂組成物が高
温で成形されても、耐衝撃性の低下が少なく、衝撃強度
の発現性を高める効果を示す。
アクリル酸アルキルエステルが第1段目グラフト重合成
分中3重量%より少ないと上記の効果が小さく、また、
30重量%より多くなるとグラフト共重合体が塊状化し
易くなるので好ましくない。
用いられるアクリル酸ア、ルキルエステルとしては、炭
素数が1から8のアルキル基を有するものが選ばれ、例
えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸n −ブチル、アクリル酸1s
o−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸n−オクチル等が単独でまた
は二種以上混合して使用出来る。
上記第1段目のグラフト重合成分は、全グラフト重合成
分中30〜80重量%好ましくは40〜70重量%にす
ることが必要である。第1段目のグラフト重合成分が3
0重量%以下であると、得られるグラフト重合体は塩化
ビニル系樹脂との相溶性が劣るため耐衝撃性や特に耐応
力白化性付与効果が低下し、また、80重量%を越える
と塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性と透明性が低下す
る0次に、第2段目としてスチレン97〜100重量%
、好ましくは97.5〜99.9重量%と架橋性単量体
0〜3重量%、好ましくは0.1〜2.5%とからなる
単量体または単量体混合物3〜21重量部、好ましくは
5〜17重量部がグラフト重合される。
第2段目のグラフト重合成分としてスチレンを使用する
のは、主としてグラフト共重合体と塩化ビニル系樹脂と
の混合物の透明性を良好にするためである。
架橋性単量体の添加により、グラフト単量体のゴム粒子
へのグラフト率が向上し、グラフト重合体と塩化ビニル
系樹脂との親和性が増して、塩化ビニル系樹脂組成物の
耐応力白化性をさらに改善することができる。3を量%
以上になると耐衝撃性が低下するので好ましくない。
使用する架橋性単量体としては、スチレンと共重合する
ものから選ばれ、具体例として前記ブタジェン系ゴム重
合体を製造する際に使用する架橋性単量体を挙げること
ができる。
第2段目のグラフト重合成分は、全グラフト成分中20
〜70重量%、好ましくは30〜60重量%にすること
が必要である。第2段目のグラフト重合成分が20重量
%以下であると、塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性や
透明性が低下し、また、70重量%以上であると耐応力
白化性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。
(グラフト共重合方法) 本発明におけるグラフト共重合体は、第1段目としてメ
タクリル酸メチルとアクリル酸アルキルエステルをグラ
フト重合し、次に第2段目としてスチレンまたは架橋性
単量体を含むスチレンをグラフト重合させたものである
ことが必要である。
これらのグラフト共単量体の全てを1段階でゴム重合体
にグラフト重合させた場合には、グラフト共重合体を塩
化ビニル系樹脂に配合しても、耐衝撃性(アイゾツト衝
撃強度)は優れているものの、シート強度、透明性およ
び耐応力白化性のいずれもが劣った塩化ビニル系樹脂組
成物しか得られない。
また、グラフト共重合の順序を逆にして、第1段目にス
チレンまたは架橋性単量体を含むスチレンをグラフト重
合した場合には、得られたグラフト共重合体を塩化ビニ
ル系樹脂に配合しても、アイゾツト衝撃強度は本発明の
ものとほぼ同等ではあるものの、シート強度の劣った塩
化ビニル系樹脂組成物しか得ることができない。
さらに、第1段目のグラフト重合成分として、メタクリ
ル酸メチルとアクリル酸フルキルエステルの一部をスチ
レンにかえて混合使用し、第2段目のグラフト重合成分
としてメタクリル酸メチルとアクリル酸アルキルエステ
ルを使用した場合には、耐衝撃性、透明性および耐応力
白化性のいずれもが劣った塩化ビニル系樹脂組成物しか
得られない。
?ここで、シート強度とは、試験片(シート)を繰返し
鉄板等に打撃して、その破壊状態を評価するものであり
、#衝撃性試験としてのアイゾツト衝撃強度のみでは評
価し得ない樹脂組成物の実用上の強度を表わすものであ
る。
(塩化ビニル系樹脂) 本発明で用いる他の成分である塩化ビニル系樹脂は、塩
化ビニル樹脂もしくは塩化ビニルと30重量%以下の臭
化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸、
メタク、リル酸、エチレンなどの共重合可能な単量体と
の共重合体である。
(配合割合) 本発明においては、塩化ビニル系樹脂97〜70重量%
に対しグラフト共重合体を3〜30重量%配合する。
グラフト共重合体の配合割合が3重量%以下であると添
加した効果がほとんどなく、また、30重量%以上では
塩化ビニル系樹脂の他の優れた特性が失われ、しかも経
済的ではない。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明
するが1本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない、なお、部は重量部を示すものとする。
実施例−1及び比較例−1 窒素置換した重合反応容器に次の成分を仕込み、撹拌し
ながら50℃で13時間反応させてブタジェン−スチレ
ン共重合体ゴムラテックスを得た。
イオン交換水       267    部オレイン
酸カリウム      0.37 部硫酸第1鉄   
      0.003部エチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウム塩o、oos部 ピロリン酸ナトリウム     0.17 部ロンガリ
ット         0.036部ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド           
                         
    0.090  部ブタジェン        
 74    部スチレン          26 
   部ジビニルベンゼン       1    部
この時1重合収率は98%、ゴム粒子径は1100Aで
あった・ 次に、上記ゴムラテックスを用いて、第1段目として、
第1表に示す成分を重合反応容器に仕込、空間部分を窒
素置換した後、撹拌しながら、60℃で3時間、次いで
第2段目として第1表に示す成分を添加し60℃で2時
間重合した後、後添加成分を添加し、さらに4時間重合
を継続して、グラフト重合を完結させた。
収率は、仕込み七ツマ−に対してほぼ100%であった
。このラテックスにフェノール系抗酸化剤を加えてから
塩酸水で酸析し、脱水、乾燥工程を経てグラフト共重合
体を得た。
得られたグラフト共重合体15部と錫系安定剤2部、滑
剤1部、高分子加工助剤1部を平均重合度700の塩化
ビニル樹脂100部に添加し、実用成型温度に近い19
0℃の温度で3分間ロール混練し、次いで200℃でプ
レス成型して試験片を作成した。この試験片の物性を第
2表に示した。また、比較のため、グラフト共重合体を
含まない場合を比較例−1として第2表に示した。なを
、第2表の物性は次の方法によって測定した。
※アイゾツト衝撃強度:JISK−7110に基づく。
(厚さ6mm、V−ノツチ付、測定温度23℃)※シー
ト強度: 試験片(17、5mmX2 、5mmX0.
5mm)を回転軸に 長さ方向にセットし、730 rpmの回転速度で試験片の先 端を鉄板に5秒間打撃し、その 破壊状態を5点法で評価する。
5は試験片が破壊しない状態、 4は試験片にクラックが入った 状態、 3は試験片にクランクが入りか つ先端の埼以下が破壊し飛散し た状態、 2は試験片先端の郊以上が破壊 し飛散した状態。
1は試験片先端が完全に破壊し た状態を表わす。
数値は各試験片の5点評価の 算術平均値を示す(資料数 10)。
※透明性   :JISK−6745に基づき、平行光
線透過率(Tp%)及び 曇価(Hz%)を測定した(厚 さ3mm)。
※対応力白化性:厚み1mmのプレスシートに落球体(
先端半径6.4mm、重 さs o o g)を50cmc7)高さから落下させ
て、その白化の程 度を色差計を用いて白色度 (W%)として測定した。
実施例2〜4および比較例2〜3 実施例−1で得られたゴムラテックスを用いて、第1表
に示した成分を仕込み、実施例−1と同様にしてグラフ
ト重合し、ゴム成分量の異なるグラフト共重合体を得た
次に、これらのグラフト共重合体を用いて実施例−1と
同様にして試験片を作成し、その性質を評価した。結果
を第2表に示した。
比較例−4 実施例−1で得られたブタジェン−スチレン共重合体ゴ
ム65部を含むラテックスにジオクチルスルホコハク酸
ナトリウム0.062部、オレイン酸カリウム0.54
部を添加し、十分撹拌した後撹拌しながら0.18%塩
酸水10部を加え、ゴム粒子の凝集肥大化を行いその後
、2%水酸化ナトリウム水溶液を加えて安定化した(p
H1O)、この凝集肥大化により析出もほとんど発生す
ることなしに平均粒子径が130OAのゴムラテックス
が得られた。
このゴムラテックスに第1表に示した成分を仕込み、実
施例−1と同様にしてグラフト共重合体を得た0次にこ
のグラフト共重合体を用いて実施例−1と同様にして試
験片を作成し、その性質を評価した。結果を第2表に示
す。
第2表から明らかなように、本発明の組成物は塩化ビニ
ル樹脂の透明性が損なわれることなしに耐衝撃性が改良
され、かつ応力白化が少ないことが分かる。また、ゴム
成分含量の少ないグラフト共重合体からなる組成物に比
較して本発明の組成物は耐衝撃性、透明性、耐応力白化
性の各性能のバランス特性に優れていることも分かる。
実施例5〜7および比較例5〜6 重合反応容器に、実施例−1で得られたゴムラテックス
をゴム成分として78部、オレイン酸カリウム0.61
部、混合割合が異なるメタクリル酸メチルとアクリル酸
エチルの混合単量体11部、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド0.055部、ロンガリット0.
055部を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら60
℃で3時間重合させ、次いでスチレン11部、ジビニル
ベンゼン0.11部、ジイソプロピルベンゼンハイドロ
パーオキサイド0.055部、ロンガリッ)0.055
部添加し、60℃で2時間重合させた後、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド0.055部、ロン
ガリット0゜055部を添加して、さらに4時間重合を
継続させてグラフト重合を完結させた。各段の重合収率
は、各段の仕込みモノマーに対してほぼ100%であっ
た。実施例−1と同様にしてラテックスから粉体のグラ
フト共重合体を得た。このグラフト共重合体を用いて実
施例−1と同様にして試験片を作成しその性質を評価し
た。ただし、アイゾツト衝撃強度は160℃で3分間ロ
ール混練し1次いで200℃でプレス成形した試験片に
ついても評価した。
また、上記組成物をT−ダd付40 m mφ押出機を
用いて成形温度200℃で厚さ0.1mmのシートに成
形し、そのフィッシュ・アイの発生状況を観察した。さ
らに上記組成物のゲル化速度をブラベンダープラスチコ
ーダーを用いて、ジャケット温度120℃、ローター回
転数5Orpm、充填量52gの条件で混練し、最大ト
ルクに達する時間で判定した。結果を第3表に示した。
第3表からアクリル酸エステルを導入することによりア
イゾツト衝撃強度が著しく向上し、かつ高温で成形した
時のフイゾット衝璧強度の低下が少なく、広い成形温度
範囲において安定したアイゾツト衝撃強度が得られるこ
と、さらにゲル化が促進されるためフィッシュ・アイの
発生が防止されるなど加工特性に優れた塩化ビニル系樹
脂組成物が得られることが分かる。しかし、比較例のよ
うにアクリル酸アルキルエステルを多量に導入すると透
明性やシート強度が低下する傾向が見られ、また、グラ
フト共重合体が塊状化し易くなるので・、塩化ビニル樹
脂と混合する際、注意が必要となる不利益がある。
(以下余白) 実施例8〜10および比較例7〜8 実施例−1で得られたゴムラテックスを用いて第4表に
示した成分を重合反応容器に仕込み、実施例−1と同様
にして、グラフト重合第1段目とグラフト重合第2段目
における各単量体の使用割合が異なるグラフト共重合体
を得た。実施例−1と全く同様にして試験片を作成し、
その性質を評価した。結果を第5表に示した。
第5表から、グラフト重合第1段目の成分が少ないか、
全グラフト成分中における割合が低いと、透明性は良好
であるが耐応力白化性が著しく低下していることが分か
る。しかも、該組成物は著しい青味の蛍光を呈している
ものであった。
一方、逆にその量が多いか、全グラフト成分中の割合が
高いと、透明性とフイゾット衝撃強度が低下することが
分かる。実施例の組成物は耐衝撃性、透明性および耐応
力白化性の各性能のバランスに優れている。
(以下余白) 第4表 単位二 部 実施例−11および比較例−9〜11 グラフト重合方法の影響を調べるため、実施例−1で得
られたゴムラテックスを用いて、第6表に示した成分を
重合反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら6
0℃で第6表に示した時間反応させて、グラフト共重合
体を得た。これらのグラフト共重合体を用いて実施例−
1と同様にして試験片を作成し、その性質を評価した。
結果を第7表に示した。第7表から、グラフト重合方法
として本発明の特定の二段階方法により得たグラフト重
合体が、耐衝撃性、透明性および耐応力白化性の各性能
のバランス特性に優れた樹脂組成物を与えることが分か
る。
すなわち、本発明のグラフト重合方法と比較して、逆の
グラフト重合順序の場合(比較例−9)、そのグラフト
共重合体を配合した塩化ビニル系樹脂組成物は、シート
強度が劣り、1段重合の場合(比較例−10)には、ア
イゾツト衝撃強度は優れるが、シート強度、透明性およ
び耐応力白化性が劣り、メタクリル酸メチルとアクリル
酸エチルの一部をスチレンと混合した場合(比較例−1
1)には、耐衝撃性、透明性および耐応力白化性に劣り
、いずれの場合にも衝撃強度、透明性および耐応力白化
性の各性能のバランス特性に劣っていることが分かる。
(以下余白) 第6表 単位二 部 本重合開始2時間後に後添加した。
〔以下空白〕
発明の効果 本発明によれば、耐衝撃性、透明性、耐応力白化性のい
ずれの性能においても従来のものに比べて高度にバラン
スした塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができる。し
かも、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、未ゲル化物
によるフィッシュ・アイがなく、高温成型によっても耐
衝撃性が低下しないため、加工特性が優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. ブタジエン65〜85重量%、スチレン15〜35重量
    %、架橋性単量体0〜3重量%から成るブタジエン系ゴ
    ム重合体70〜85重量部を含むラテックスの存在下に
    、まず第1段目としてメタクリル酸メチル70〜97重
    量%とアルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキ
    ルエステル30〜3重量%から成る単量体5〜24重量
    部をグラフト重合し、次に第2段目としてスチレン97
    〜100重量%と架橋性単量体0〜3重量%から成る単
    量体3〜21重量部をブタジエン系ゴム重合体との合計
    量が100重量部になるようにグラフト重合させたグラ
    フト共重合体であって、全グラフト単量体中における第
    1段目の単量体の割合が30〜80重量%であるグラフ
    ト共重合体3〜30重量%と塩化ビニル系樹脂97〜7
    0重量%から成る耐衝撃性、透明性、耐応力白化性の各
    性能が高度にバランスし、かつ加工特性に優れた塩化ビ
    ニル系樹脂組成物。
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