JPH0415256B2 - - Google Patents

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JPH0415256B2
JPH0415256B2 JP6419087A JP6419087A JPH0415256B2 JP H0415256 B2 JPH0415256 B2 JP H0415256B2 JP 6419087 A JP6419087 A JP 6419087A JP 6419087 A JP6419087 A JP 6419087A JP H0415256 B2 JPH0415256 B2 JP H0415256B2
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methyl methacrylate
polymer
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JP6419087A
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Ikuji Ootani
Kenji Oochi
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は透明な耐衝撃性樹脂組成物、さらに詳
しくいえば、良好な透明性を有し、無色で耐アル
コール性や耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物
に関するものである。 従来の技術 近年、弱電部品や工業部品などの分野で優れた
耐衝撃性と耐油性を有し、かつ透明性が良好な、
しかも安価に供給できる樹脂に対する要望が次第
に高まつてきている。 このような透明性が良好でしかも耐衝撃性を有
する樹脂は既に知られており、これまで分散ゴム
相であるグラフト共重合体の屈折率とマトリツク
スポリマーの屈折率とを一致させることにより、
透明性を発現させた、透明ABS樹脂、透明MBS
樹脂、透明MABS樹脂などが工業化され、市販
されている。 これらの公知の樹脂組成物の中には、例えばゴ
ム成分を形成するグラフト共重合体とマトリツク
スポリマーを一段の乳化重合で生成させ透明な樹
脂組成物としたものがあるが、これは完全に無色
なものとすることができず、黄色のものになるの
を免れない。このような着色を改善する方法とし
て、ゴム濃度の高いグラフト共重合体を調製し、
これを別途調製塊状又は溶液重合により調製した
無色のマトリツクスポリマーと混合することによ
り乳化重合に起因する着色を希釈し無色に近づけ
る方法があり、例えばブタジエン系ゴムに、メタ
クリル酸メチル−スチレン共重合体(以下、MS
樹脂と略記する)をグラフトしたもの、すなわ
ち、MBS樹脂と、グラフトMS樹脂と同組成の別
途方法で得たマトリツクスMS樹脂をブレンドし
たものが提案されている(特開昭52−32772号公
報)。 しかし、このようにグラフト共重合体とマトリ
ツクスポリマーとを混合する場合には、これらの
成分のいずれかの組成に変動が生じると屈折率も
同時に変動するため、透明性が不安定になるし、
アクリロニトリル成分を欠くため耐薬品性特に耐
アルコール性が劣るという欠点がある。 このような欠点を改良する方法としては、ゴム
成分を形成するグラフト共重合体に対し、それぞ
れの屈折率は異なるが、ブレンドの結果、透明で
かつ平均的屈折率を生じる2種以上のマトリツク
スポリマーをブレンドして用いる方法があり、こ
の方法は組成の微調整が可能な上に、透明性を微
妙にコントロールすることもでき、しかも耐薬品
性の優れたものを得ることができるという利点が
ある。そして、このような2種のたがいに異なる
屈折率を有するポリマー同士が、ブレンドの結果
として、透明性を保ち、平均的屈折率を生じる最
も代表的な例として、メタクリル酸メチルの単独
重合体又はメタクリル酸メチルとアクリル酸アル
キルとの共重合体(以下、PMMAと略記する)
と、スチレン−アクリロニトリル共重合体(以
下、AS樹脂と略記する)とのブレンドが知られ
ている〔「ジヤーナル・オブ・アプライド・ポリ
マー・サイエンス(J.Appl.Poly.Sci.)」第18巻、
第419ページ(1974年)〕。 このブレンドにおいては、例えば該PMMAの
屈折率が1.49、AS樹脂の屈折率が1.57として、両
者の透明ブレンド体は、1.49〜1.57の範囲で任意
の屈折率が与えられ、さらにAS樹脂による耐薬
品性向上も可能となるので、これらを用いて一定
の屈折率を有したゴムを粒子として分散させたグ
ラフト共重合体と、PMMA/AS樹脂ブレンド体
のマトリツクス系との屈折率を実質的に一致させ
る方法は、最も実現可能な好ましい方法というこ
とができる。 事実、マトリツクス相としてのPMMAとAS樹
脂のブレンド系と、ゴム相としてのAS樹脂をグ
ラフトさせたABS樹脂とを、それらの屈折率の
差が0.005以下となるようにブレンドし、透明で
耐衝撃性のある成形材料を得ることは既に知られ
ている(特開昭55−7882号公報)。 しかしながら、このようなPMMA/AS樹脂/
ABS樹脂のブレンド系は、かなり良好な透明性
と耐衝撃性を有する組成物を与えるが、ABS樹
脂を形成するゴム粒子のグラフトAS樹脂に起因
する重大な欠点を有している。すなわち、ゴムに
対し、グラフトAS樹脂の量を増加させる(グラ
フト率を増加させる)と、ゴム粒子の屈折率が不
均一となつて、ABS樹脂とマトリツクス相の屈
折率が部分的に一致しなくなり、光線透過率が低
下する。一方、ゴムに対してグラフトAS樹脂量
を減少させる(グラフト率を低下させる)と、ゴ
ム粒子の屈折率が均一になつて、ABS樹脂とマ
トリツクス相との屈折率が全体にわたつて一致す
るようになり、透明性は向上するが、射出成形し
たときの製品の表面光沢が低下する。そしてこの
ように、本質的に透明性が良好であつても、表面
光沢が低下すると、表面での光の乱反射が生じ、
結果として透明感が著しく失われる。 このように、従来の樹脂組成物においては、マ
トリツクスポリマーとしてPMMAとAS樹脂との
ブレンドを使用するものであつても、ゴム分散相
としてABSを使用しているために、透明性や表
面光沢に問題がある上に、黄色度もむしろ大きく
なる傾向があり、透明でかつ無色の耐衝撃性樹脂
を得ることは困難であつた。 発明が解決しようとする問題点 本発明は、このような従来の樹脂組成物が有す
る欠点を克服し、透明性が良好で、しかも無色で
耐アルコール性や耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂
組成物を提供することを目的としてなされたもの
である。 問題点を解決するための手段 本発明者らは、透明で無色の耐衝撃性樹脂組成
物を開発するために鋭意研究を重ねた結果、特定
のグラフト重合体から成るゴム分散相を、特定の
3成分から成るマトリツクスポリマーに所定の割
合で分散させることにより、その目的を達成しう
ることを見い出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至つた。 すなわち、本発明は、(A)ポリブタジエン又はブ
タジエン単位60重量%以上を含むブタジエン共重
合体から成るゴムに、芳香族ビニル化合物単位10
〜90重量%とメタクリル酸メチル単位90〜10重量
%から成る共重合体をグラフト重合したグラフト
重合体5〜50重量%及び、(B)マトリツクスポリマ
ー95〜50重量%の組成物であつて、かつ(B)成分の
マトリツクスポリマーが、(a)芳香族ビニル化合物
単位10〜90重量%とメタクリル酸メチル単位90〜
10重量%とから成る共重合体0.5〜50重量%と、
(b)芳香族ビニル化合物単位74〜85重量%とアクリ
ロニトリル単位26〜15重量%とから成る共重合体
5〜95重量%と、(c)メタクリル酸メチル単独重合
体又はアクリル酸アルキル単位15重量%以下のメ
タクリル酸メチルとアクリル酸アルキルとの共重
合体5〜95重量%とから構成され、(a)成分、(b)成
分及び(c)成分の重合体は、いずれもクロロホルム
を溶媒としたときの温度25℃、濃度0.15g/0.5
dlにおける還元粘度が0.15〜1.5dl/gであるこ
とを特徴とする透明な耐衝撃性樹脂組成物を提供
するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明組成物における(A)成分のグラフト共重合
体のゴム成分としては通常、ポリブタジエンが用
いられるが、ゴム成分の屈折率を変える必要があ
るときは、ブタジエンを主体とし、これに他の単
量体をランダムに又はブロツク的に共重合させた
ものが用いられる。すなわち、ポリブタジエンよ
り屈折率を高める場合には、ブタジエンに芳香族
ビニル化合物を共重合させればよく、一方、ポリ
ブタジエンより屈折率を低くする場合は、ブタジ
エンにアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アル
キルを共重合させればよい。また、不飽和ニトリ
ル化合物をブタジエンに共重合させることもでき
る。 このようにして得られるポリブタジエン又はブ
タジエン共重合体は、本発明組成物の耐衝撃性を
高める役割を果たすが、そのためには、その中に
含まれるブタジエン単位が60重量%以上であるこ
とが必要である。このブタジエン単位が60重量%
未満では、該樹脂組成物の耐衝撃性、特に0〜−
30℃の低温における耐衝撃性が低下する。 本発明組成物においては、(A)成分として、前記
ゴム成分に、各単量体をグラフト共重合させて用
いるが、その目的は、該ゴム成分とマトリツクス
ポリマーとの親和性を向上させることで、耐衝撃
性を発現させると共に、該組成物を射出成形して
製品にした場合に、その製品に透明性と表面平滑
性を付与するためである。 該ゴム成分にグラフト共重合する単量体は芳香
族ビニル化合物とメタクリル酸メチルであり、こ
の共重合体の組成としては、芳香族ビニル化合物
単位の含有量が10〜90重量%、好ましくは10〜60
重量%の範囲であり、一方メタクリル酸メチル単
位の含有量が90〜10重量%、好ましくは90〜40重
量%の範囲である。該芳香族ビニル化合物として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレンなどが用いられるが、これらの中
でスチレンが特に好適である。 このようなグラフト共重合体を製造する方法と
しては、乳化重合法が最も一般である。この場
合、通常ポリブタジエンラテツクス又はブタジエ
ン単位60重量%以上を含むブタジエン共重合体ラ
テツクスを脱イオン水と共に反応器に仕込み、こ
れに、10〜90重量%の芳香族ビニル化合物と90〜
10重量%のメタクリル酸メチルとの混合物を、水
溶性ラジカル開始剤又はレドツクス開始剤と共に
添加して、ゴムにグラフト重合させる方法が用い
られる。 このようにして得られたグラフト共重合体のグ
ラフト率(グラフト部/ゴム部重量比×100%)
としては、30〜100%の範囲が適当である。 本発明組成物における(B)成分のマトリツクスポ
リマーとしては、前記(A)成分のグラフト共重合体
と実質的に屈折率が一致し、かつ(A)成分と良好な
相容性を有するものが用いられる。(A)成分と(B)成
分との量的な関係については、(A)成分が5〜50重
量%、(B)成分が95〜50重量%の範囲で選ばれる。
(A)成分が5重量%未満では耐衝撃性に劣り、一方
50重量%を超えると該組成物の剛性が低下し、良
好な成形品が得られない。 前記(B)成分のマトリツクスポリマーは、(a)芳香
族ビニル化合物とメタクリル酸メチルとの共重合
体、(b)芳香族ビニル化合物とアクリロニトリルと
の共重合体及び(c)メタクリル酸メチル単独重合体
又はメタクリル酸メチルとアクリル酸アルキルと
の共重合体の3種の重合体の混合物である。 前記(a)成分の芳香族ビニル化合物とメタクリル
酸メチルとの共重合体は、前記(A)成分のグラフト
共重合体を製造する際に生成するもので、その組
成は(A)成分のゴムにグラフトしている芳香族ビニ
ル化合物とメタクリル酸メチルとの共重合体と同
一である。この(a)成分の(B)成分における役割は、
(A)成分と(B)成分との相容性を向上させることであ
る。該芳香族ビニル化合物としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン
などが挙げられるが、これらの中でスチレンが特
に好適である。この場合、スチレン−メタクリル
酸メチル共重合体は、いわゆるMS樹脂である。 (b)成分の芳香族ビニル化合物とアクリロニトリ
ルとの共重合体は、マトリツクスポリマー中にア
クリロニトリル成分を導入し、耐薬品性を向上さ
せる役割を有している。この(b)成分の組成につい
ては、芳香族ビニル化合物単位の含有量が74〜85
重量%、好ましくは75〜82重量%、アクリロニト
リル単位の含有量が26〜15重量%、好ましくは25
〜18重量%の範囲である。アクリロニトリル単位
の含有量が15重量%未満では、該樹脂組成物は耐
薬品性に劣り、一方26重量%を超えると(B)成分を
構成する3種のブレンド体の透明性が低下する。
この(b)成分の共重合体における芳香族ビニル化合
物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレンなどが挙げられるが、こ
れらの中で特にスチレンが好適である。この場
合、スチレン−アクリロニトリル共重合体は、い
わゆるAS樹脂である。 (c)成分のメタクリル酸メチル単位重合体又はメ
タクリル酸メチルとアクリル酸アルキルとの共重
合体はPMMAとして知られている。この(c)成分
はマトリツクスポリマー混合体中で最も小さい屈
折率を有しており、その混合体の屈折率を調節す
る役割を果たすとともに、該樹脂組成物の表面硬
度を高く保つ作用を有している。 この(c)成分のPMMAは、通常メタクリル酸メ
チルの単独重合体として用いることはまれで、こ
の重合体の熱分解性を向上させる目的から、一般
にメタクリル酸メチルとアクリル酸アルキルとの
共重合体が用いられるが、該樹脂組成物が220℃
程度の比較的低温で成形加工が可能なものである
場合には、メタクリル酸メチル単独重合体も使用
することができる。また、これがアクリル酸アル
キルとの共重合体の場合は、その組成はメタクリ
ル酸メチル単位の含有量が85重量%以上、アクリ
ル酸アルキル単位の含有量が15重量%以下である
ことが必要である。このアクリル酸アルキル単位
の含有量が15重量%を超えると、この共重合体の
ガラス転移温度が低下しすぎるために、該樹脂組
成物の熱変形温度が低下し、この組成物を実用加
工製品に適用する場合に問題を生じる。該(c)成分
を構成するアクリル酸アルキルとしては、例えば
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸n−ブチルなどが好まし
く挙げられる。 (B)成分のマトリツクスポリマー中の前記の(a)成
分、(b)成分及び(c)成分の含有量は、(a)成分が0.5
〜50重量%、(b)成分が5〜95重量%及び(c)成分が
5〜95重量%になるような割合で、好ましくは(a)
成分が1〜10重量%、(b)成分が20〜80重量%及び
(c)成分が20〜80重量%になるような割合で選ばれ
る。(a)成分の含有量が0.5重量%未満又は50重量
%を超える場合は、(A)成分と(B)成分との相容性が
低下する。(b)成分及び(c)成分の含有量について
は、それぞれ5〜95重量%の範囲内にある場合に
は、(B)成分の平均屈折率が(A)成分のグラフト共重
合体の屈折率に一致する。 本発明の樹脂組成物においては、(A)成分のグラ
フト共重合体の屈折率と(B)成分のマトリツクスポ
リマーの屈折率とを合わせることが重要であつ
て、その屈折率の差が0.005以下であることが望
ましい。 前記(B)成分を構成する3種のマトリツクスポリ
マーは、通常ラジカル共重合方式で製造される。
その中で、(a)成分は主として乳化重合で得られた
(A)成分から同伴するものであるが、その他の(a)成
分及び(b)、(c)成分は、完全混合型重合器を用いた
連続塊状重合法又は連続溶液重合法によつて製造
するのが好ましい。すなわち、(a)、(b)及び(c)成分
の各重合体をブレンドし、均一な平均屈折率とし
てはじめて透明性の良好な樹脂組成物を得ること
が可能となるが、そのためには、(a)、(b)及び(c)の
各成分が均一な屈折率を有する必要がある。そし
て、これには(a)、(b)及び(c)の各成分における組成
をできるだけ均質にしなければならず、これを実
現することが可能な方法として前記の製法が最も
適している。 (c)成分のPMMAは、一般的には懸濁重合法で
製造されるが、例えばアクリル酸アルキル単位5
重量%以上を含有するものを懸濁重合法で製造す
ると、組成が不均質なものとなり、透明でありな
がら、屈折率は全体的に不均一になり、一定のも
のとはならない。このようなPMMAを、(c)成分
として用いると、樹脂組成物の透明性が低下し、
好ましくない。 また、本発明組成物においては、(B)成分のマト
リツクスポリマーを構成する(a)、(b)及び(c)成分の
各重合体は、それぞれ分子量が特定の範囲内にあ
ることが必要である。この分子量を、重量平均分
子量と相関関係にある溶液粘度として、還元粘度
ηsp/cで表わすと、各重合体はいずれも、クロ
ロホルムを溶媒としたときの温度25℃、濃度0.15
g/0.5dlにおける還元粘度ηsp/cの値が0.15〜
1.5dl/g、好ましくは0.2〜1.3dl/g、さらに好
ましくは0.3〜1.0dl/gの範囲にあることが必要
である。(a)、(b)及び(c)成分の各重合体において、
その還元粘度が0.15未満の場合には、樹脂組成物
の機械強度、特にアイゾツト強さが低く、一方
1.5を超えると他の成分との溶融ブレンド性が低
下し、不均一の「ツブ」が生じ、成形加工上好ま
しくない。 このようにして得られた(A)成分のグラフト共重
合体、及び(B)成分のマトリツクスポリマーを構成
する(a)、(b)、(c)の成分の3種の重合体は、それぞ
れ粉末状、フレーク状、粒状の形態を有している
が、それぞれを溶融混合し、最終的に目的とする
樹脂組成物とする。この際、通常単軸押出機又は
二軸押出機が用いられるが、二軸押出機の方が好
適である。 このようにして得られた樹脂組成物は、グラフ
ト共重合体とマトリツクスポリマーとのブレンド
体である。グラフト共重合体の主体となるゴム相
が架橋体を形成していることを利用して、該グラ
フト共重合体をアセトン不溶部として、アセトン
に可溶なマトリツクスポリマーと分離することが
できる。この場合、まず樹脂組成物を粉体とし、
アセトンを加えて十分に振とうしたのち、遠心分
離機を用いて不溶部と可溶部とを分離する。次い
で不溶部にアセトンを加え前記操作をくり返す。
最終的に得られた不溶部はアセトンを含有してい
るので、常温減圧乾燥機で十分に乾燥させて秤量
する。一方アセトン可溶部はアセトンを蒸発させ
て、残留物としてマトリツクスポリマー混合物を
得る。 次に、マトリツクスポリマー混合物に対し、シ
クロヘキサン/メチルエチルケトン50〜70重量
%/30〜50重量%の混合溶媒で不溶部の(c)成分の
PMMAを可溶部の(a)、(b)成分とから分別するこ
とができ、さらにアルカリ性DMSO溶液の処理
により(b)成分を分解し、(a)、(b)成分を分離でき
る。 このようにして得られた重合体はそのままで
も、射出成形や押し出し成形に提供されうるが、
必要に応じ、さらに別種の熱安定剤やベンゾトリ
アゾール系、ヒンダードアミン系などの光安定剤
を添加してもよく、また非イオン性界面活性剤、
陰イオン性界面活性剤を添加することもある。さ
らに、滑剤として、流動パラフイン、C8〜C22
高級脂肪酸、C4〜C22の高級脂肪酸の金属塩(カ
ルシウム、マグネシウム、亜鉛など)、エチレン
ビス脂肪酸(C16,C18)アミド、ステアリルアル
コールなどの高級脂肪族アルコール、アジピン酸
やセバシン酸のジブチル又はジオクチルエステ
ル、高級脂肪酸(C8〜C22)のモノ、ジ、トリグ
リセリド、水添ヒマシ油、水添牛脂、ジメチルポ
リシロキサンなどを添加してもよい。 発明の効果 本発明の樹脂組成物は非常に高い透明性を有
し、しかも無色で優れた耐アルコール性及び耐衝
撃性を有しているので、例えば工業部品、弱電部
品、日用雑貨など材料として好適に用いられる。 実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によつてなんら限定さ
れるものではない。 なお、各物性は次に示す方法に従つて測定し
た。 (1) 屈 折 率 ASTM−D542に従つて測定。 (2) 全光線透過率及びヘーズ 厚さ2.5mmの試料
をASTM−D1003に従つて測定。 (3) アイゾツト強さ ASTM−D256に従つて測
定。 (4) 引張り強さ、引張り伸び率 ASTM−D638
に従つて測定。 (5) メルトフローインデツクス JIS・K・7210
に従つて測定。220℃、10Kg荷重条件。 (6) 加熱変形温度 ASTM−D648に従つて測
定。 (7) 耐アルコール性 イソプロピルアルコールを
試料に滴下し24時間放置後クラツク発生の有無
を観察。良:クラツクなし、不良:クラツク発
生。 (8) 無色性 厚さ2.5mmの試料を目視にて判定。 製造例 1 グラフト重合体A−1及びMS樹脂a−1の製
造 スチレン単位35.5重量%、ブタジエン単位64.5
重量%から成るスチレン−ブタジエンゴムラテツ
クスを固形分に換算して60重量部及びイオン交換
水100重量部を反応器に仕込み、かきまぜ下にて、
70℃でスチレン22重量部とメタクリル酸メチル18
重量部の混合物及び過硝酸カリウム0.1重量部を
イオン交換水50重量部に溶解した水溶液を7時間
連続的に添加しながら重合を行い、重合反応終了
後、重合体ラテツクスを塩析脱水、乾燥して粉体
の重合体を得た。この重合体は、95重量%のメチ
ルエチルケトンに不溶分(グラフト重合体A−
1)と5重量%の可溶分(MS樹脂a−1)に分
離した。 このグラフト重合体A−1の屈折率は1.544で
あり、MS樹脂a−1はメタクリル酸メチル単位
46重量%、スチレン単位54重量%の組成であり、
その還元粘度ηsp/cは0.55であつた。 製造例 2 グラフト重合体A−2及びMS樹脂a−2の製
造 スチレン単位10重量%、ブタジエン単位90重量
%から成るスチレン−ブタジエンゴムラテツクス
を固形分に換算して60重量部及びイオン交換水
100重量部を反応器に仕込み、かきまぜ下にて、
70℃でスチレン12重量部とメタクリル酸メチル28
重量部の混合物及び過硫酸カリウム0.1重量部を
イオン交換水50重量部に溶解し水溶液を7時間連
続的に添加しながら重合を行い次いで後処理を行
つて、粉体の重合体を得た。この重合体は、91重
量%のメチルエチルケトンに不溶分(グラフト重
合体A−2)と9重量%の可溶分(MS樹脂a−
2)に分離した。 このグラフト重合体A−2の屈折率は1.520で
あり、MS樹脂a−2はメタクリル酸メチル単位
73重量%、スチレン単位27重量%の組成であり、
その還元粘度ηsp/cは0.48であつた。 製造例 3 グラフト重合体A−3及びAS樹脂b−1の製
造 スチレン単位10重量%、ブタジエン単位90重量
%から成るスチレン−ブタジエンゴムラテツクス
を固形分に換算して60重量部及びイオン交換水
100重量部を反応器に仕込み、かきまぜ下にて、
70℃でスチレン30重量部とアクリロニトリル10重
量部の混合物及び過硫酸カリウム0.1重量部をイ
オン交換水50重量部に溶解し水溶液を7時間連続
的に添加しながら重合を行い次いで後処理を行つ
て、粉体の重合体を得た。この重合体は、85重量
%のメチルエチルケトンに不溶分(グラフト重合
体A−3)と15重量%の可溶分(AS樹脂b−1)
に分離した。このAS樹脂b−1はアクリロニト
リル単位25重量%、スチレン単位75重量%の組成
であり、その還元粘度ηsp/cは0.85であつた。 製造例 4 MS樹脂a−3の製造 スチレン23重量部、メタクリル酸メチル77重量
部、エチルベンゼン20重量部、重合開始剤1,1
ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
0.02重量部及び連鎖移動剤n−オクチルメルカプ
タン0.1重量部から成る混合液を調製する。この
混合液を120℃の6完全混合型重合器へ連続し
て、3/hrで仕込んだ。固形分50重量%の重合
反応液を連続して230℃,15Torrの脱揮器へ導入
し未反応物と溶剤の除去を行い、重合体を脱揮器
の下部より排出、固化、ペレタイズした。得られ
た重合体a−3の組成はスチレン単位27重量%、
メタクリル酸メチル単位73重量%であり、還元粘
度ηsp/cは0.61,屈折率は1.517であつた。 製造例 5 AS樹脂b−2の製造 スチレン76重量部、アクリロニトリル24重量部
及びエチルベンゼン18.5重量部から成る混合液を
調製する。この混合液を158℃の6の完全混合
型重合器へ連続して3.5/hrで仕込んだ。固形
分48重量%の重合反応液を連続して220℃,
20Torrの脱揮器へ導入し、未反応物と溶剤の除
去を行い、重合体を脱揮器の下部より排出、固
化、ペレタイズした。得られた重合体b−2の組
成はスチレン単位74.9重量%、アクリロニトリル
25.1重量%であり、還元粘度ηsp/cは0.89,屈
折率(25℃)は1.5693であつた。 製造例 6 AS樹脂b−3の製造 製造例5において、スチレン85重量部、アクリ
ロニトリル15重量部とした以外は同じ条件で重合
し、重合体b−3を得た。このb−3の組成はス
チレン単位81.4重量%、アクリロニトリル18.6重
量%であり、還元粘度ηsp/cは0.81,屈折率
(25℃)は1.5770であつた。 製造例 7 AS樹脂b−4の製造 製造例5において、スチレン65重量部、アクリ
ロニトリル35重量部とした以外は、同じ条件で重
合し、重合体b−4を得た。このb−4の組成は
スチレン単位69.2重量%、アクリロニトリル30.8
重量%であり、還元粘度ηsp/cは0.88,屈折率
(25℃)は1.5647であつた。 製造例 8 AS樹脂b−5の製造 製造例5において、スチレン93重量部、アクリ
ロニトリル7重量部とした以外は同じ条件で重合
し、重合体b−5を得た。このb−5の組成はス
チレン単位90.3重量%、アクリロニトリル9.7重
量%であり、還元粘度ηsp/cは0.91,屈折率
(25℃)は1.5850であつた。 製造例 9 PMMA C−1の製造 メタクリル酸メチル97.5重量部、アクリル酸メ
チル2.5重量部、イソ酪酸メチル25重量部、重合
開始剤1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン0.01重量部及び連鎖移動剤n−オクチ
ルメルカプタン0.13重量部から成る混合液を調製
する。この混合液を135℃の6の完全混合型重
合器へ連続して3/hrで仕込んだ。固形分51重
量%の重合反応液を連続して240℃,30Torrの脱
揮器へ導入し、未反応物と溶剤の除去を行い、重
合体を脱揮器の下部より排出、固化、ペレタイズ
した。得られた重合体C−1の組成はメタクリル
酸メチル単位97.8重量%、アクリル酸メチル単位
2.2重量%であり、還元粘度ηsp/cは0.53であつ
た。 製造例 10 PMMA c−2の製造 製造例9において、メタクリル酸メチル89.8重
量部、アクリル酸エチル10.2重量部、n−オクチ
ルメルカプタン0.210重量部とした以外は、同じ
条件で重合し、重合体c−2を得た。このc−2
の組成はメタクリル酸メチル単位91.1重量%、ア
クリル酸エチル単位8.9重量%であり、還元粘度
ηsp/cは0.42であつた。 製造例 11 PMMA c−3の製造 製造例9において、メタクリル酸メチル99.5重
量部、アクリル酸メチル0.5重量部とした以外は
同じ条件で重合し、重合体c−3を得た。このc
−3の組成はメタクリル酸メチル単位99.55重量
%、アクリル酸メチル単位0.45重量%であり、還
元粘度ηsp/cは0.54であつた。 製造例 12 PMMA c−4の製造 製造例9において、メタクリル酸メチル100重
量部とし、アクリル酸アルキルを使用しなかつた
こと以外は、同じ条件で重合し、重合体c−4を
得た。このc−4の組成はメタクリル酸メチル単
位100重量%であり、還元粘度ηsp/cは0.52であ
つた。 製造例 13 PMMA c−5の製造 製造例9において、メタクリル酸メチル80重量
部、アクリル酸エチル20重量部、n−オクチルメ
ルカプタン0.210重量部とした以外は、同じ条件
で重合し、重合体c−5を得た。このc−5の組
成はメタクリル酸メチル単位82.8重量%、アクリ
ル酸エチル単位17.2重量%であり、還元粘度
ηsp/cは0.40であつた。 実施例1〜4、比較例1〜7 グラフト共重合体A−1〜A−3 3種類、
MS樹脂a−1〜a−3 3種類、AS樹脂b−
1〜b−5 5種類、PMMA c−1〜c−5
5種類のうち、それぞれを別表に示す比率で、ま
ずドライブレンドし、次いでベント口付30mm二軸
押出機で溶融混練し、ペレツト状の樹脂組成物を
得た。押出機の温度は220〜240℃であつた。各樹
脂組成物の特性を次表に示す。 【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (A)ポリブタジエン又はブタジエン単位60重量
    %以上を含むブタジエン共重合体から成るゴム
    に、芳香族ビニル化合物単位10〜90重量%とメタ
    クリル酸メチル単位90〜10重量%から成る共重合
    体をグラフト重合したグラフト重合体5〜50重量
    %及び(B)マトリツクスポリマー95〜50重量%の組
    成物であつて、かつ(B)成分のマトリツクスポリマ
    ーが、(a)芳香族ビニル化合物単位10〜90重量%と
    メタクリル酸メチル単位90〜10重量%とから成る
    共重合体0.5〜50重量%と、(b)芳香族ビニル化合
    物単位74〜85重量%とアクリロニトリル単位26〜
    15重量%とから成る共重合体5〜95重量%と、(c)
    メタクリル酸メチル単独重合体又はアクリル酸ア
    ルキル単位15重量%以下のメタクリル酸メチルと
    アクリル酸アルキルとの共重合体5〜95重量%と
    から構成され、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の重合
    体は、いずれもクロロホルムを溶媒としたときの
    温度25℃、濃度0.15g/0.5dlにおける還元粘度
    が0.15〜1.5dl/gであることを特徴とする透明
    な耐衝撃性樹脂組成物。
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