JPS6318555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、無端帯状のゴム製クローラシユー
に、その長手方向に並べた状態で芯金基部を埋設
し、案内輪に対する左右一対のガイド部を、前記
クローラシユーの内周面から突出する状態で前記
芯金部夫々に一体連設したゴムクローラ、詳しく
は、作業車の使用状況に応じて鉄クローラに代え
て使用するゴムクローラに関する。

一般にクローラ走行装置を備える作業車は、高
負荷作業で用いられる鉄クローラを駆動するに便
利であるように、つまり、鉄クローラとしては、
第４図イに示すように、シユープレート７ｃに連
設したシユーリンク７ａどうしをピン７ｂにより
連結した構造の鉄クローラ７が一般に多用されて
おり、これを駆動する便利であるように作業車に
備えられたクローラ駆動用スプロケツト８は、そ
の谷部８ａに鉄クローラ７のピン７ｂが内嵌され
るように形成されている。

ところが、従来の一般的なゴムクローラは、第
６図に示すように、前記鉄クローラ用駆動スプロ
ケツト８とは谷部１０ａの形状が全く異なるゴム
クローラ用駆動スプロケツト１０に対して、その
歯部１０ｂが芯金基部２間に入り込むように設計
され、鉄クローラ用駆動スプロケツト８への適用
については全然配慮されていない。したがつて、
通常は、鉄クローラに代えてゴムクローラを作業
車に取り付ける場合、駆動スプロケツト８，１０
も同時に交換しなければならない。

さらに、従来のゴムクローラは、第６図に示す
ように、案内輪１１がクローラシユー１に対して
転動するように構成されており、他方、第４図イ
に示した鉄クローラ７においては、案内輪９がシ
ユーリンク７ａに対して転動するように構成され
ている。したがつて、従来、鉄クローラに代えて
ゴムクローラを取付けるに、多数の案内輪９，１
１も併せ交換することが一般的に行われており、
仮に鉄クローラ用案内輪９をゴムクローラに対し
て使用したとすると、ゴムクローラのガイド部の
巾広案内体３，４どうしの間隔Ｄが大きいため
に、走行に伴う機体上下振動が大きくなる欠点が
ある。

そこで従来では、例えば特開昭56−149262号公
報に示されているように、ゴムクローラの内周面
側に、案内輪の転動面を備える金属製のガイド部
を設ける技術も試みられた。しかしながら、この
従来構造のものは、案内輪の軸芯方向両端部にガ
イド部からの外れ止め用大径部を形成し、その両
端の大径部の間で左右一対の巾広案内体上の転動
面に接触し、転動するように構成されていたた
め、クローラシユーが案内輪の軸芯に対して傾く
と、一方の転動面と案内輪との接触点を中心にし
て、他方の転動面と案内輪との間隔が大きく開
き、従つて、外れ止め用大径部をよほど大径にし
ないと外れ易いという問題があつた。

本考案の目的は、ゴムクローラに簡単な改造を
加えるだけで、鉄クローラとゴムクローラの交換
に際しての駆動スプロケツトや案内輪の交換を不
要にすると共に、走行に伴う激しい機体上下振動
を無くし、かつ、案内輪から外れ難い構造のゴム
クローラを提供することにある。

上記目的を達成するための本考案によるゴムク
ローラの特徴構成は、無端帯状のゴム製クローラ
シユーに、その長手方向に並べた状態で芯金基部
を埋設し、この芯金基部に、前記案内輪に対する
転動面を備えた左右一対の巾広案内体と駆動スプ
ロケツトに対する係合部とからなるガイド部を、
前記クローラシユーの内周面から突出する状態で
一体に連設したゴムクローラであつて、前記ガイ
ド部の係合部を、左右一対の巾広案内体の間に位
置して、かつ、鉄クローラのシユーリンクどうし
を連結するピンに作用する駆動スプロケツトの谷
部に内嵌するように略半円柱形状に形成するとと
もに、前記巾広案内体の転動面よりクローラシユ
ー内周側への突出高さを低く設定して、この係合
部の突出端縁と前記左右一対の巾広案内体の相対
向する内側二縁とで、転動面に載る案内輪の軸芯
方向中央位置の大径部に対する係入用凹部を構成
し、さらに、前記左右一対の巾広案内体は、クロ
ーラ長手方向において隣り合うものどうしが前記
クローラシユーの巾方向視でラツプする形状及び
寸法に形成したことにあり、その作用効果は次の
通りである。

つまり、鉄クローラ用駆動スプロケツトの咬合
が円滑確実に行われるように略半円柱形状に形成
した係合部を備えさせるだけの極めて簡単な改造
でもつて、鉄クローラに代えてゴムクローラを作
業車に取付けるに、駆動スプロケツトを交換する
ことなくそのまま利用できるようになつた。

また、ガイド部の巾広案内体部分を、クローラ
長さ方向に相隣るものどうしがクローラシユー巾
方向視でラツプするように形成するだけの、これ
もまた簡単な改造でもつて、案内輪の転動対象と
なる巾広案内体の転動面を、クローラシユー長手
方向において実質的に連結したものにでき、案内
輪を上下動の少ない極めてスムーズな状態で転動
させられるようになつた。

そして、左右の巾広案内体の転動面よりも係合
部の突出高さを低くして、その係合部の突出縁と
左右の巾広案内体の内側縁とで、案内輪の大径部
を案内できるようにしてあるので、軸芯方向の中
央部位置に大径部がある案内輪を用いることがで
きて、この大径部を中心としてクローラシユーが
傾いても外れ難い構造のゴムクローラを得ること
ができた。

以下に、実施例を示す。

第１図ないし第３図に示すように、無端帯状に
形成すると共に外周にラグ１ａを備えさせたゴム
製のクローラシユー１に、その長手方向に並べた
状態で芯金の基部２を埋設し、左右一対の巾広案
内体３，４からなるガイド部Ａを、クローラシユ
ー１の内周面１ｂから突出する状態で芯金基部２
夫々に一体連設してある。前記ガイド部Ａは、そ
の巾広案内体３，４を、クローラシユー１の巾広
方向視でラツプし、かつ、前記左右の巾広案内体
３，４の間隔ｄがほぼ一定に形成されているとと
もに、クローラ長手方向で隣り合う前記突出端部
３ａ，４ａ夫々の間には、クローラ彎曲のための
隙間Ｄができるような形状及び寸法に形成してあ
る。

また、前記左右一対の巾広案内体３，４の間に
は、駆動スプロケツト８に対する略半円柱形状の
係合部５を、芯金基部２と一体に連設し、駆動ス
プロケツト８の山部を入り込ませるための凹部６
を、クローラ長さ方向で係合部５間に位置させて
クローラシユー１に形成し、もつて、建機等の各
種作業車に使用可能なゴムクローラを構成してあ
る。

この係合部５は、その突出端縁５ａが前記巾広
案内体３，４の転動面３ｂ，４ｂも、クローラ内
周側への突出高さの低い状態で設けてあり、前記
突出端縁５ａと左右巾広案内体３，４の内側縁３
ｃ，４ｃとで、案内輪９の大径部９ａを係入して
案内する係入用凹部Ｓを構成している。

第４図イに示すように、鉄クローラ７のシユー
リンク７ａどうしを連結するピン７ｂを谷部８ａ
に嵌合すべく構成して作業車に備えられた駆動ス
プロケツト８を対象に、第４図ロに示すように、
係合部５が谷部８ａに内嵌するように、係合部５
の曲率半径Ｒ及びピツチＰを設定して、鉄クロー
ラ用駆動スプロケツト８に巻回使用できるように
してある。

第５図イに示すように、鉄クローラ７の左右シ
ユーリンク７ａに各別に接当させる左右一対の小
径部９ｂを備えさせて作業車に備えられた案内輪
９を対象に、その案内輪９の大径部９ａを係入す
るための係入用凹部Ｓは、第５図ロに示すよう
に、左右の巾広案内体３，４の転動面３ｂ，４ｂ
に扱内輪９の小径部９ｂが接当した状態で、前記
係合部５の突出端縁５ａが大径部９ａに接当しな
いように、巾広案内体３，４と係合部５との段差
ｌを設定して、鉄クローラ用案内輪９に使用でき
るように構成してある。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の実施例を示し、
第１図はゴムクローラの部分平面図、第２図は第
１図の−線断面図、第３図は第１図の−
線断面図、第４図イ，ロ及び第５図イ，ロは夫々
ゴムクローラの使用状態説明図である。第６図は
従来のゴムクローラとその使用状態を示す要部の
一部切欠正面図である。 １……クローラシユー、２……芯金基部、３，
４……巾広案内体、３ａ，４ａ……突出端部、３
ｂ，４ｂ……転動面、３ｃ，４ｃ……内側縁、５
……係合部、５ａ……突出端縁、７……鉄クロー
ラ、７ａ……シユーリンク、７ｂ……ピン、８…
…駆動スプロケツト、８ａ……谷部、９……案内
輪、９ａ……大径部、９ｂ……小径部、Ａ……ガ
イド部、Ｓ……係入用凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無端帯状のゴム製クローラシユー１に、その長
   手方向に並べた状態で芯金基部２を埋設し、この
   芯金基部２に、前記案内輪９に対する転動面３
   ｂ，４ｂを備えた左右一対の巾広案内体３，４と
   駆動スプロケツト８に対する係合部５とからなる
   ガイド部Ａを、前記クローラシユー１の内周面か
   ら突出する状態で一体に連設したゴムクローラで
   あつて、前記ガイド部Ａの係合部５を、左右一対
   の巾広案内体３，４の間に位置して、かつ、鉄ク
   ローラ７のシユーリンク７ａどうしを連結するピ
   ン７ｂに作用する駆動スプロケツト８の谷部８ａ
   に内嵌するように略半円柱形状に形成するととも
   に、前記巾広案内体３，４の転動面３ｂ，４ｂよ
   りもクローラシユー内周側への突出高さを低く設
   定して、この係合部５の突出端縁５ａと前記左右
   一対の巾広案内体３，４の相対向する内側縁３
   ｃ，４ｃとで、転動面３ｂ，４ｂに載る案内輪９
   の軸芯方向中央位置の大径部９ａに対する係入用
   凹部Ｓを構成し、さらに、前記左右一対の巾広案
   内体４は、クローラ長手方向において隣り合うも
   のどうしが前記クローラシユー１の巾方向視でラ
   ツプする形状及び寸法に形成してあるゴムクロー
   ラ。