JP5657258B2 - ゴムクローラ及びゴムクローラ組込体 - Google Patents

ゴムクローラ及びゴムクローラ組込体 Download PDF

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Description

本発明は、ゴムクローラ、及び、このゴムクローラを備えたゴムクローラ組込体に関する。
建設機械や農業機械等の車両の走行部に用いられるゴムクローラでは、ゴムクローラの内周側に、車両のスプロケットやアイドラー等が配置される。たとえば特許文献1では、転動輪(アイドラー)を転動させる芯金の左右に第1突出部を設け、さらに第1突出部の近傍に傾斜面をもつ第2突出部を設けたゴムクローラ用の芯金が記載されている。この構造では、転動輪の鍔から芯金の第1突出部が脱輪したときは、鍔が第2突出部の傾斜面に載ることで、芯金が横方向に移動し、元の状態に復帰できるようになっている。
特開平9―277966号公報
しかし、特許文献1の構造では、脱輪状態からの復帰を図ることは可能であっても、脱輪そのものを抑制することはできない。特に、車両が後進するときは、路面と接している部分のゴムクローラ上をアイドラー(転動輪)が回転しながら進むため、脱輪が生じやすい。
本発明は、上記事実を考慮し、転動輪の脱輪を抑制できると共に、脱輪から容易に復帰できるゴムクローラと、このゴムクローラを備えたゴムクローラ組込体を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明では、無端状のゴム体と、前記ゴム体の幅方向に間隔をあけてゴム体の内周面から一対突出され、前記幅方向に間隔をあけた幅広部と、前記幅広部より幅狭の幅狭部と、前記幅広部から前記幅狭部に向かって傾斜する漸近部と、を備え、転動輪が係合する突出部と、前記突出部のそれぞれにおいて突出部よりも幅方向外側で、前記ゴム体の周方向に沿うと共に突出部の頂面側からゴム体の外周側に向かって延出された傾斜面と、を有し、前記傾斜面の少なくとも一部が、前記ゴム体の幅方向外側に向かうにしたがってゴム体の外周側へ接近するように傾斜されている。
このゴムクローラでは、ゴム体の内周面に一対の突出部が突出され、突出部の幅方向外側に傾斜面が延出されている。突出部はゴム体の幅方向に間隔をあけて突出されており、突出部の間に、転動輪の突条を位置させて係合させることができる。突出部は、ゴム体の幅方向に間隔をあけた幅広部と、幅広部よりも幅狭の幅狭部と、幅広部から幅狭部に向かって傾斜する漸近部とを有する。換言すれば、一対の突出部は、幅狭部から幅広部に向かって、その間隔が漸近部により漸増している。したがって、転動輪の突条が幅広部に相対接近する場合には、突条が幅広部に誘い込まれるようにして、一対の突出部の間に位置される。さらに転動輪の突条は、漸近部により、幅狭部すなわち幅方向内側に向かって案内される。これにより、転動輪の脱輪を抑制できる。また、このゴムクローラでは、突出部のそれぞれにおいて突出部よりもゴム体の幅方向外側で、傾斜面が延出されている。傾斜面は、ゴム体の周方向に沿うと共に突出部の頂面からゴム体の外周側に向かって傾斜されている。したがって、仮に転動輪が脱輪しても、転動輪が傾斜面上を移動して一方(脱輪した側)の突出部を乗り越え、一対の突出部の間に戻る。つまり、脱輪が生じにくく、仮に脱輪したとしても、復帰が容易となり、従来のクローラと対比して、よりトラブルの少ない、安定したクローラを提供できる。なお、この傾斜面は、全体が突出部よりも幅方向外側にある必要はなく、その一部でも傾斜面より幅方向外側にあればよい。
さらに、傾斜面を、ゴム体の幅方向外側に向かうにしたがって外周側へ接近させることで、傾斜面上を移動する転動輪を、より効果的に突出部の間に戻すことが出来るようになる。
請求項2に記載の発明では、無端状のゴム体と、前記ゴム体の幅方向に間隔をあけてゴム体の内周面から一対突出され、前記幅方向に間隔をあけた幅広部と、前記幅広部より幅狭の幅狭部と、前記幅広部から前記幅狭部に向かって傾斜する漸近部と、を備え、転動輪が係合する突出部と、前記突出部のそれぞれにおいて突出部よりも幅方向外側で、前記ゴム体の周方向に沿うと共に突出部の頂面側からゴム体の外周側に向かって延出された傾斜面と、を有し、前記傾斜面の少なくとも一部が、前記ゴム体の幅方向外側からの側面視で視認されるように傾斜されている。
このゴムクローラでは、ゴム体の内周面に一対の突出部が突出され、突出部の幅方向外側に傾斜面が延出されている。突出部はゴム体の幅方向に間隔をあけて突出されており、突出部の間に、転動輪の突条を位置させて係合させることができる。突出部は、ゴム体の幅方向に間隔をあけた幅広部と、幅広部よりも幅狭の幅狭部と、幅広部から幅狭部に向かって傾斜する漸近部とを有する。換言すれば、一対の突出部は、幅狭部から幅広部に向かって、その間隔が漸近部により漸増している。したがって、転動輪の突条が幅広部に相対接近する場合には、突条が幅広部に誘い込まれるようにして、一対の突出部の間に位置される。さらに転動輪の突条は、漸近部により、幅狭部すなわち幅方向内側に向かって案内される。これにより、転動輪の脱輪を抑制できる。また、このゴムクローラでは、突出部のそれぞれにおいて突出部よりもゴム体の幅方向外側で、傾斜面が延出されている。傾斜面は、ゴム体の周方向に沿うと共に突出部の頂面からゴム体の外周側に向かって傾斜されている。したがって、仮に転動輪が脱輪しても、転動輪が傾斜面上を移動して一方(脱輪した側)の突出部を乗り越え、一対の突出部の間に戻る。つまり、脱輪が生じにくく、仮に脱輪したとしても、復帰が容易となり、従来のクローラと対比して、よりトラブルの少ない、安定したクローラを提供できる。なお、この傾斜面は、全体が突出部よりも幅方向外側にある必要はなく、その一部でも傾斜面より幅方向外側にあればよい。
さらに、傾斜面の少なくとも一部が、ゴム体の幅方向外側からの側面視で視認される形状とすれば、脱輪からの復帰時に転動輪が幅方向外側から進入しやすくなる。また、脱輪からの復帰時には、転動輪がゴムクローラに対し幅方向に相対的に移動すると、この移動を利用して傾斜面を登らせることができ、より効果的に脱輪状態を解消できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ゴム体の幅方向での前記傾斜面における外側端部が、前記突出部における外側端部よりもさらに外側に位置している。
傾斜面の外側端部を、突出部の外側端部よりもさらに幅方向外側に位置させることで、脱輪した転動輪が傾斜面上に載るときに、突出部と不用意に当たらなくなる。これにより、転動輪を一対の突出部の間に戻す(脱輪から復帰させる)動作をより確実に行わせることが可能になる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記ゴム体の周方向に沿ってゴム体内に配置されたゴムクローラ用芯金を有し、前記突出部及び前記傾斜面が前記ゴムクローラ用芯金に形成されている。
ゴムクローラ用芯金を有することで、ゴムクローラの形状及び性能をより安定的に維持できるようになる。特に、突出部及び傾斜面がゴムクローラ用芯金に形成されているので、突出部及び傾斜面をゴム体に形成した場合と比較して高剛性となり、形状安定性が増す。このため、転動輪の脱輪をより安定的に抑制できると共に、脱輪からの復帰動作もより確実に行わせることが可能になる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載のゴムクローラと、前記ゴムクローラの内周側に配置され、周方向に沿って形成された突条部を有する転動輪と、を備え、前記突条部が前記ゴムクローラの一対の前記突出部の間に位置している。
これにより、転動輪の脱輪を抑制できると共に、脱輪から容易に復帰できるゴムクローラ組込体とすることができる。
本発明は上記構成としたので、転動輪の脱輪を抑制できると共に、脱輪から容易に復帰できる。
本発明の第1実施形態のゴムクローラ組込体を示す側面図である。 本発明の第1実施形態のゴムクローラ組込体を車体と共に示す概略平面図である。 本発明の第1実施形態のゴムクローラ組込体を通常状態で示す図1のIII−III線断面図である。 本発明の第1実施形態のゴムクローラのゴムクローラ用芯金をアイドラーとの関係で示す平面図である。 本発明の第1実施形態のゴムクローラのゴムクローラ用芯金を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態のゴムクローラ組込体を示す側面図であり、(A)は通常状態、(B)は脱輪から復帰する途中の状態である。 本発明の第1実施形態のゴムクローラ組込体を脱輪から復帰する途中の状態で示す図1のIII−III線断面図である。 本発明の第1実施形態のゴムクローラ組込体を脱輪から復帰する途中の状態で示す拡大断面図である。
図1には、本発明の第一実施形態のゴムクローラ組込体12が示されている。また、図2には、ゴムクローラ組込体12の概略構成が車体10と共に平面視にて示されている。さらに、図3には、このゴムクローラ組込体12が、図1におけるIII−III線断面図にて示されている。
図1及び図3に示すように、ゴムクローラ組込体12は、ゴムによって無端の帯状に形成されたゴム体16と、ゴム体16の周方向に沿って一体間隔で埋設されたゴムクローラ用芯金18とで構成されたゴムクローラ14を有している。以下、ゴムクローラ14の周方向とは、無端状のゴム体16の長手方向に沿った方向をいうものとする。また、単に「幅方向」というときは、ゴムクローラ14(ゴム体16)の幅方向をいうものとする。
なお、本発明のゴムクローラとしては、ゴム体16が無端状に成形されたものの他に、たとえば、帯状に形成されると共に少なくとも一対の連結部が設けられ、使用時に連結部を連結することで無端状とされるゴムクローラ(いわゆる「端部ジョイント式」)であってもよい。ゴムクローラ14は、図1に示すように、下側の略平面状の部分が接地部分14Tとなっている。以下において、接地部分14T側とは、図1に示す状態でのゴムクローラ14の下側をいう。
図1から分かるように、ゴムクローラ14の内周側には、スプロケット20及びアイドラー26が配置されている。スプロケット20には、その周方向に沿って一定間隔で係合部22が突設されている。これに対し、ゴムクローラ14の幅方向中央部分には、周方向に沿って一定間隔で係合孔24が形成されており、この係合孔24に係合部22が係合する。そして、係合状態でスプロケット20が回転することで、ゴムクローラ14に駆動力が付与される。
アイドラー26は、図3にも示すように、その周方向に沿って連続する突条28が幅方向(軸方向)中央に形成されており、この突条28が、後述するように、ゴムクローラ用芯金18の一対の突出部34の間に収容されることで、ゴムクローラ14を案内している。また、アイドラー26には、図示しない油圧等の加圧機構によって、スプロケット20から離間する方向へ所定の力が作用しており、ゴムクローラ14に所定の張力が付与されている。
ここで、本実施形態に係るゴムクローラ組込体12を備えた車体10では、スプロケット20が矢印R1方向に回転して、アイドラー26が前側(スプロケット20が後側)になるように移動する方向が前進方向(図1及び図2に矢印F1で示す)であり、その反対方向が後進方向となっている。
図3に示すように、ゴム体16内には、周方向にそって一定間隔をあけて、複数のゴムクローラ用芯金18が埋設されている。そして、前述の係合孔24は、ゴムクローラ用芯金18の間に形成されている。なお、この係合孔24は、ゴムクローラ用芯金18の間の幅方向中央部分において、ゴム体16を構成するゴムを用いてゴムクローラ用芯金18を部分的に被覆することで構成されている。係合孔24は、ゴムクローラ14を厚み方向に貫通する貫通孔とされていてもよいし、内周側から凹む形状とされた(ゴムクローラ14を貫通しない)凹部であってもよい。
図4及び図5に示すように、ゴムクローラ用芯金18は、ゴム体16の幅方向中央に位置する中央部30と、この中央部30から互いに離間する方向に延出された一対の翼部32を有している。図3からも分かるように、ゴムクローラ用芯金18がゴム体16に配置された状態では、ゴム体16の幅方向が、翼部32の延出方向と一致する。なお、本実施形態では、中央部30は、ゴムクローラ用芯金18の幅方向の中心部分に配置されている例を挙げているが、中央部30としては、この中心部分から幅方向に僅かにずれて配置されているもの(オフセットされているもの)であってもよい。
中央部30と翼部32との境界部分からは、一対の突出部34が形成されている。突出部34のそれぞれは、全体として周方向に延在する形状とされており、その頂面34Tは、クローラ車の図示しない転輪が接触する転輪接触面となっている。また、図3及び図4に示すように、一対の突出部34の間に、アイドラー26の突条28が収容される。
突出部34のそれぞれの幅方向外側には、ゴムクローラ14の周方向に沿って傾斜面36が形成されている。傾斜面36は、ゴムクローラ14の接地部分14T(図1参照)側においてゴムクローラ用芯金18をゴムクローラ14の内周面側から平面視した(矢印A1方向に見た)とき、図4から分かるように、アイドラー26から離れるに従って幅方向外側へ向くように、突出部34から斜めに延出されている。
また、図6(A)及び(B)に示すようにゴムクローラ14を側方から見たとき、傾斜面36は、頂面34Tからゴム体16の外周面16S側へ向かって斜めに接近するように傾斜されている。換言すれば、図6(A)及び(B)において、それぞれの傾斜面36は、右側から左側へ向かって斜めに下がる形状となっている。
さらに、傾斜面36は、図4、図7及び図8に示す断面で見たとき、ゴム体16の幅方向外側へ向かうに従って、外周面16S側へ接近するように傾斜されている。換言すれば、たとえば図8では、右側の傾斜面36は右下がりとなり、左側の傾斜面36は左下がりとなっている。したがって、傾斜面36は、図6(A)及び(B)から分かるように、ゴム体16(ゴムクローラ14)を幅方向外側から側面視したとき、視認されるように傾斜されている。
図4に示すように、突出部34には、ゴムクローラ14の接地部分14T側においてゴムクローラ用芯金18を平面視した(矢印A1方向に見た)とき、アイドラー26に近い側の平行な幅広部38(内寸の幅W1)と、アイドラー26から遠い側の平行な幅狭部40(内寸の幅W2)、及び幅広部38から幅狭部40に向かって傾斜することで、突出部34どうしを漸近させる漸近部42とを有している。すなわち、ゴムクローラ用芯金18を平面視すると、突出部34は漸近部42において、アイドラー26から離れるに従って次第に幅狭となっている。幅狭部40の内寸の幅W2は、アイドラー26の突条28を収容することが可能ではあるが、ゴムクローラ14を安定的に案内できるように、過度に広くならないようにされている。
これに対し、幅広部38は、後述するように、車両の後進時において、幅広部38において突出部34の間に突条28が接近することで、アイドラー26とゴムクローラ14との幅方向のズレがあっても突出部34の間に突条28が収容されるようにしている。そして、突条28が漸近部42に接触すると、アイドラー26は漸近部42に沿って幅方向内側へと案内されるようになっている。本実施形態では、特に、幅狭部40の内寸の幅W2に対し、幅広部38の内寸の幅W1を140%〜200%としている。
また、本実施形態では、隣接するゴムクローラ用芯金18どうしでは、幅広部38の間に幅狭部40が配置されるようになっており、これにより、ゴムクローラ用芯金18の幅方向への位置ズレが抑制されている。
さらに、傾斜面36における幅方向外側端部36Eは、幅広部38(突出部34における外側端部)よりもさらに外側に位置するように、傾斜面36の形状が決められている。さらに、隣接するゴムクローラ用芯金18において、幅広部38の間に幅狭部40が入り込むように、突出部34の形状が決められており、ゴムクローラ用芯金18の幅方向への相対的な位置ズレが抑制されている。
次に、本実施形態のゴムクローラ14及びゴムクローラ組込体12の作用を説明する。
このゴムクローラ組込体12を備えた車両が後進する場合は、図1に矢印R2で示すように、ゴムクローラ14の接地部分14Tが次第にアイドラー26に巻き掛けられるようにして相対移動していく。このとき、接地部分14Tに乗り上げるようにしてアイドラー26が転がるため、前進時(矢印R1方向に回転)と比較して、アイドラー26の突条28が突出部34の間から外れて、いわゆる脱輪を生じやすい。しかし、本実施形態のゴムクローラ組込体12では、図4に示すように、突出部34に幅広部38が形成されており、後進時には、幅広部38から突条28に接近する。換言すれば、突出部34は、アイドラー26に向かって開いた部分から、アイドラー26に接近していくため、突出部34からの突条28の外れ、すなわちアイドラー26の脱輪が抑制される。たとえば、ゴムクローラ14に横ズレや捩れ等の変形が生じていても、突条28が一対の突出部34の間(幅広部38の間)に位置するため、脱輪しづらくなる。
そして、幅広部38の間に突条28が位置している状態で、突条28がゴムクローラ14の幅方向で中央から僅かにずれていても、さらに車両が後進すると、突出部34がアイドラー26に接近し、突条28が漸近部42によって、幅方向中央に導かれるようにして案内される。これにより、ゴムクローラ14とアイドラー26との幅方向のズレが抑制されると共に、ズレが生じていても解消されるので、さらにアイドラー26の脱輪を効果的に抑制可能となる。
なお、このようにアイドラー26の脱輪を抑制する効果は、幅狭部40に対し幅広部38を相対的により広くする方が高くなるが、あまりに広くすると、一対の突出部34が全体として大型になるため、ゴムクローラ14も大型になってしまう。本実施形態では、幅狭部40の内寸の幅W2に対し、幅広部38の内寸の幅W1を140%以上とすることで、アイドラー26の脱輪を抑制する効果がより確実に達成できるようにすると共に、200%以下とすることで、ゴムクローラ14の大型化を抑制している。
また、本実施形態では、それぞれの突出部34の幅方向外側に、傾斜面36が形成されている。傾斜面36は、図6(A)及び(B)に示すように、突出部34の頂面34Tからゴム体16の内周面に向かって斜めに接近するように傾斜されている。さらに、傾斜面36は、図8に示すように、ゴム体16の幅方向外側へ向かうに従って、外周面16S側へ接近するように傾斜されている。したがって、仮にアイドラー26が脱輪し、突条28が突出部34の幅方向外側へ出てしまった場合には、図2に矢印R3で示すように、車両を僅かに旋回させながら前進させると、突条28(アイドラー26)を、傾斜面36上を転がりながら登らせることができる(概ね登りきった状態を図6(B)に示す)。
そして、突条28が頂面34Tを超えると、突出部34の間に突条28が位置することになるので、脱輪状態から通常状態へ復帰できる。たとえば、本実施形態のような傾斜面36を有さない構造のゴムクローラでは、脱輪したアイドラー26を所定位置に戻すために、アイドラー26に作用している油圧を緩めてゴムクローラ14を弛ませる必要があるが、本実施形態ではその必要性を低減できるので、作業性に優れる。
特に本実施形態では、傾斜面36は、図8から分かるように、ゴム体16の幅方向外側へ向かうに従って、外周面16S側へ接近するように傾斜されている。したがって、脱輪からの復帰時に、アイドラー26が幅方向外側から進入しやすく、復帰しやすい。また、車体を旋回(図2の矢印R3参照)させたときに突条28と傾斜面36とが接近する方向に力F2が作用するが、この力F2の分力を効果的に用いて、突条28を傾斜面36に登らせることができ、より効率的に脱輪状態を解消できる。なお、図8に示す断面図において、傾斜面36が接地部分14Tと平行になっている形状であっても、突条28(アイドラー26)を、傾斜面36上を転がりながら登らせて、脱輪状態を解消することは可能である。本実施形態では、図6(A)及び(B)から分かるように、ゴム体16(ゴムクローラ14)を幅方向外側から側面視したとき、傾斜面36が視認されるように傾斜されているので、脱輪からの復帰がより容易な形状、すなわち、脱輪からの復帰という観点でより好ましい形状となっている。
しかも、本実施形態では、傾斜面36における幅方向外側端部36Eは、幅広部38よりもさらに外側に位置している。したがって、突条28が傾斜面36を登るときに、アイドラー26が突出部34と不用意に当たらなくなる。このため、アイドラー26を脱輪状態から通常状態に復帰させる動作を、より確実に行わせることが可能となる。
なお、上記では突出部34として、幅広部38、漸近部42及び幅狭部40を備えたものを例に挙げているが、たとえば、上記したような、平行な幅広部38や幅狭部40が形成されておらず、一端から他端までの全体が漸近部42のように斜めになっている形状の突出部であってもよい。さらには、幅広部38と幅狭部40との間の部分が、ゴムクローラ14の幅方向と略平行になっている形状の突出部34であってもよい。ゴムクローラ14の接地部分14Tにおいて突出部34がアイドラー26の接近する側に向かって開いている形状であれば、アイドラー26の脱輪を特に効果的に抑制することができる。
また、上記では、ゴムクローラ14として、ゴム体16とゴムクローラ用芯金18とで構成されたものを挙げ、本発明の突出部及び傾斜面としても、ゴムクローラ用芯金18に形成されている構造としているが、ゴムクローラ用芯金18がないタイプのゴムクローラ、いわゆる芯金レスのゴムクローラであってもよい。この芯金レスの構造では、ゴム体そのものに、突出部や傾斜面を形成すればよい。もちろん、この場合の突出部や傾斜面は、所定の形状安定性や剛性を満たすようにするために、図3〜図6等に示したものよりも、たとえば幅広あるいは厚肉に形成するなど、適切な形状とすればよい。
さらに、ゴムクローラ用芯金18としても、その具体的形状(たとえば、中央部30や翼部32の形状、さらにはこれら以外の部位の形状)は、上記実施形態のものに限定されるものではない。
10 車体
12 ゴムクローラ組込体
14 ゴムクローラ
14T 接地部分
16 ゴム体
16U ゴム体の内周面
16S ゴム体の外周面
18 ゴムクローラ用芯金
20 スプロケット
22 係合部
24 係合孔
26 アイドラー
28 突条
30 中央部
32 翼部
34T 頂面
34 突出部
36 傾斜面
36E 幅方向外側端部
38 幅広部
40 幅狭部
42 漸近部

Claims (5)

  1. 無端状のゴム体と、
    前記ゴム体の幅方向に間隔をあけてゴム体の内周面から一対突出され、前記幅方向に間隔をあけた幅広部と、前記幅広部より幅狭の幅狭部と、前記幅広部から前記幅狭部に向かって傾斜する漸近部と、を備え、転動輪が係合する突出部と、
    前記突出部のそれぞれにおいて突出部よりも幅方向外側で、前記ゴム体の周方向に沿うと共に突出部の頂面側からゴム体の外周側に向かって延出された傾斜面と、
    を有し、
    前記傾斜面の少なくとも一部が、前記ゴム体の幅方向外側に向かうにしたがってゴム体の外周側へ接近するように傾斜されている、
    ゴムクローラ。
  2. 無端状のゴム体と、
    前記ゴム体の幅方向に間隔をあけてゴム体の内周面から一対突出され、前記幅方向に間隔をあけた幅広部と、前記幅広部より幅狭の幅狭部と、前記幅広部から前記幅狭部に向かって傾斜する漸近部と、を備え、転動輪が係合する突出部と、
    前記突出部のそれぞれにおいて突出部よりも幅方向外側で、前記ゴム体の周方向に沿うと共に突出部の頂面側からゴム体の外周側に向かって延出された傾斜面と、
    を有し、
    前記傾斜面の少なくとも一部が、前記ゴム体の幅方向外側からの側面視で視認されるように傾斜されている、
    ゴムクローラ。
  3. 前記ゴム体の幅方向での前記傾斜面における外側端部が、前記突出部における外側端部よりもさらに外側に位置している請求項1又は請求項2に記載のゴムクローラ。
  4. 前記ゴム体の周方向に沿ってゴム体内に配置されたゴムクローラ用芯金を有し、
    前記突出部及び前記傾斜面が前記ゴムクローラ用芯金に形成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のゴムクローラ。
  5. 請求項4に記載のゴムクローラと、
    前記ゴムクローラの内周側に配置され、周方向に沿って形成された突条部を有する転動輪と、
    を備え、
    前記突条部が前記ゴムクローラの一対の前記突出部の間に位置しているゴムクローラ組込体。
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