JPH115573A - ゴムクロ−ラ用芯金及びそれを用いたゴムクロ−ラ - Google Patents

ゴムクロ−ラ用芯金及びそれを用いたゴムクロ−ラ

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JPH115573A
JPH115573A JP17529397A JP17529397A JPH115573A JP H115573 A JPH115573 A JP H115573A JP 17529397 A JP17529397 A JP 17529397A JP 17529397 A JP17529397 A JP 17529397A JP H115573 A JPH115573 A JP H115573A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低振動性のゴムクロ−ラを提供する。 【解決手段】スプロケット係合部2と、これを挟む一対
の突起3とこれより更に左右にのびる翼部とよりなるゴ
ムクロ−ラ用芯金1であって、転輪の転動走行部に対応
する翼部よりその前後に向けて張出部5を形成し、張出
部の突起側先端を翼部面よりも内側に位置させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として低振動性の
ゴムクロ−ラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建設車両や土木作業車両の走行部
に鉄クロ−ラに代わりゴムクロ−ラが広く用いられてい
る。図12はその従来のゴムクロ−ラの一例を示す内周
側平面図であり、図13は幅方向断面図である。図中、
ゴムクロ−ラ40には芯金50が一定ピッチで埋設さ
れ、その外側をスチ−ルコ−ド41にて囲んでいる。そ
して芯金50は中央がスプロケット係合部51であり、
このスプロケット係合部51を挟んでゴムクロ−ラ40
の内周面に突出する一対の突起52、52と、場合によ
ってはこの外側に転輪走行部53、53が形成され、更
にゴムクロ−ラ40内に埋設される翼部54、54が左
右にのびている。そして、転輪走行部53、53が形成
されたものにあっては通常はゴムクロ−ラ40の内周面
に露出している。
【0003】さて、この従来のゴムクロ−ラにあって
は、転輪60の転動部61はゴムクロ−ラ内周面を走行
するが、転輪60がこのゴム部分を走行する際には荷重
によってゴム部が大きく変形するため、転輪60の上下
動(振動)の発生はさけられない。このため、転輪60
が転動する走行面のばね性をできるだけ一様にする必要
があり、このため走行面のゴム部を少なくする試みがな
され、図示したように転輪走行部53、53を形成する
場合が多い。この場合には結果的にゴムクロ−ラの芯金
(転輪の走行部)間のばね性を硬くし、ばね性をできる
だけ均一化することによって芯金間での転輪の落ち込み
が少なくなるという効果がある。
【0004】しかしながら、転輪は通常はプレス加工又
は鋳造法により熱処理をしないで製造されているため、
芯金の転動の走行部(ゴムクロ−ラの内周面より露出し
た部位)との接触によって摩耗、亀裂等が発生し易く耐
久性が劣るという欠点があり、勿論、芯金の転動走行部
の摩耗、亀裂も生じることは当然である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はゴムクロ−ラ
の振動の発生を低減し、かつ高耐久性のゴムクロ−ラを
提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの本発明の第1はゴムクロ−ラ用芯金にかかり、スプ
ロケット係合部と、これを挟む一対の突起とこれより更
に左右にのびる翼部とよりなるゴムクロ−ラ用芯金であ
って、転輪の走行部に対応する翼部よりその前後に向け
て張出部を形成し、張出部の突起側先端を翼部面よりも
内側に位置させたものである。
【0007】そして本発明の第2はゴムクロ−ラ自体の
構造にかかり、無端状ゴム弾性体の長手方向に一定ピッ
チをもって上記第1の発明の芯金が埋設され、この芯金
の翼部を外囲いしてスチ−ルコ−ドをゴム弾性体の長手
方向に向かって埋設したゴムクロ−ラであって、前記芯
金の突起をゴムクロ−ラの内周面より突出させ、かつ翼
部及び張出部をゴム弾性体中に埋設させたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】上記したように、本発明の第1は
ゴムクロ−ラ用芯金であって、転輪の走行部に対応して
芯金の翼部における前後方向の一方又は双方に張出部を
形成し、この突起側先端を翼部面よりも内側に位置さ
せ、かつ張出部の外側表面を芯金の側面から見て湾曲面
或いは直線状面としたものである。
【0009】そして、この張出部は転輪が走行する際に
ゴム部のみにてこれを支えるという部位を少なくして走
行部全体としてばね性を均一化するものである。そして
転輪がゴムクロ−ラ内周面を走行する際には、通常は芯
金が荷重のかかる方向に前後に揺動することとなるが、
この揺動の程度を考慮して張出部の突起側先端を翼部面
よりも内側に位置させておき、翼部が前後にゆれた際に
も転輪の走行方向をほぼ一定として上下動を無くそうと
するものである。尚、張出部は翼部の前後に向けて張り
出されるが、これが前又は後への一方側にのみ張り出し
たものでもよく、一方が前方に、他方が後方に千鳥状に
張り出すことも可能である。
【0010】そして更に、張出部の外側表面の、少なく
とも先端域を湾曲面とすることで、この外側に配置され
てゴム中に埋設されるスチ−ルコ−ドの曲げとなじみを
もたせたものである。
【0011】尚、本発明の第1の芯金にあって、張出部
の左右の外側に第2の突起を形成するのもよく、この第
2の突起によって転輪の外方向への移動が阻止されるた
め、いわゆる脱輪が極めて防止できることとなる。
【0012】本発明の第2は前記した芯金を用いたゴム
クロ−ラであって、ゴム弾性体中に芯金の翼部及び張出
部が埋設され、スチ−ルコ−ドが芯金の翼部及び張出部
の外側を囲ってゴム中に埋設されているものである。
【0013】そしてこのゴムクロ−ラに用いられる転輪
はいわゆる外転輪であって、ゴムクロ−ラの内周面に突
出する一対の突起を跨いで突起の外側のゴムクロ−ラの
内周面を走行するものである。そして転輪は芯金の張出
部が埋設されている部位の内周面を走行することとな
り、走行時にはこの張出部がゴム弾性体中に存在するた
めに転輪の上下動は著しく低減され、しかもゴム弾性体
中にある張出部の内周側先端が翼部面よりも内側に位置
していることから、転輪の走行の際の芯金の前後の揺動
にあっても走行方向がほぼ一定方向に保たれることにな
る。即ち、転輪の走行時に転輪(機体)の重量によって
芯金が前後に揺動するが、芯金の揺動の程度にほぼ合わ
せてその先端の位置がきめられ、この張出部先端の上下
動位置と芯金翼部の内周面の位置を略一致するように設
計すれば転輪の上下動がほとんどなくなり機体の振動の
低減をもたらすものである。
【0014】又、張出部の外表面側にはスチ−ルコ−ド
が張設されるが、このスチ−ルコ−ドがスプロケットや
アイドラ−に巻き掛けした際の曲げに対応できるように
その外表面側、少なくともその張出部の先端側は芯金の
側面からみて湾曲面としておくのがよい。
【0015】このように、本発明の第1の芯金を用いた
ゴムクロ−ラは転輪の走行部となる張出部がゴムクロ−
ラの内周面に露出していないため金属同士(転輪と芯
金)の接触はなく、双方に接触による摩耗や亀裂は生じ
ない。このため、ゴムクロ−ラの寿命が著しく向上する
こととなる。
【0016】尚、ゴム弾性体中に芯金の翼部が埋設さ
れ、翼部の表面とゴム弾性体との接着によって芯金がゴ
ム弾性体の所定の位置に配置されることとなるが、翼部
に張出部を備えたことにより芯金とゴム弾性体との接着
面が広くなり、このため接着性も向上し、芯金の脱落等
も少なくなるという効果もある。
【0017】更に、第2の突起を備えた芯金を用いるこ
とにより、転輪はこの第2の突起によって横ズレが防止
され、ゴムクロ−ラと転輪との係合が解かれてしまうと
いういわゆる脱輪の発生が著しく低減されることとな
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面をもって更に詳細に説明
する。図1は本発明の第1のゴムクロ−ラ用芯金の第1
例における内周側平面図、図2は図1の正面図、図3は
図1のA−A線での断面図、図4は図1のB−B線での
断面図である。図中、符号1はゴムクロ−ラ用芯金であ
り、2は芯金1の中央部のスプロケットとの係合部であ
る。そして、この係合部2を挟んで一対の突起3、3が
形成され、この突起3、3の外側に翼部4、4が形成さ
れ、更にこの翼部4、4に前記突起3、3に隣接して翼
部4、4の前後の双方に張り出した張出部5、5が形成
されている。この突起3、3はゴムクロ−ラのゴム弾性
体中に埋設された際にこの内周面より突出するものであ
り転輪の外れ防止に供され、場合によってはその頂面が
転輪の走行に供される。翼部4、4はゴムクロ−ラのゴ
ム弾性体中に埋設されて芯金を一定ピッチをもって配置
するものであり、張出部5、5は外転輪の転動部の走行
部位に対応して形成されたものである。
【0019】この例にあっては張出部5、5は翼部4、
4の前後に均等な長さをもって張り出しているものであ
り、その突起側先端(即ちゴムクロ−ラにおける内周側
先端)51 は翼部4の内周面よりも内側に位置させてあ
る。一方、張出部5、5の外側表面52 は芯金の側面か
らみて湾曲面とするもので、特にその外側先端近傍はス
チ−ルコ−ドとの関係から少なくとも湾曲面とすべきで
ある。
【0020】図5は図1の側面図であり、図6は図1の
C−C線での断面図である。これらの図からも分るよう
に二の例における芯金の1には翼部4、4の両端に第2
の突起6、6を突起3、3と同じ側に形成した例であ
り、転輪はこの突起3と6の間を走行するため脱輪は極
めて低減される。
【0021】図7は本発明の第1のゴムクロ−ラ用芯金
の第2例を示す内周側平面図であり、この例にあっては
張出部5、5は左右一方が前方及び後方に大きく張り出
したものでいわゆる千鳥状に張出部5、5が配置された
例である。その他の形状は前例と同じであるが、第2の
突起6、6はなくてもよいことは勿論である。
【0022】図8は図1〜図6にて示した芯金を用いた
本発明の第2のゴムクロ−ラの内周側平面図であり、図
9はその側面から見た芯金のみを取り出した転輪との関
係図、図10はD−D線での断面図である。図中、符号
11はゴムクロ−ラであって、多数の芯金1が一定ピッ
チをもって配置されている。即ち、芯金1の翼部4、4
と張出部5、5がゴム弾性体12中に埋設されており、
中央のスプロケット係合部2が中央に連続して露出し、
更に突起3、3、6、6がゴムクロ−ラ11の内周面よ
り突出している。そしてスプロケット係合部2、2によ
ってスプロケット係合孔13が形成され、翼部4、4、
張出部5、5の外側を囲んでスチ−ルコ−ド14がゴム
弾性体12中に埋設されている。尚、符号15はゴムラ
グであり、この例にあってはラグ15はその両端がゴム
クロ−ラ11の幅端よりも外側に向けて膨出した構造と
されており、より推進力を増すように設計されている。
【0023】さて、外転輪20の転動部21がゴムクロ
−ラ11の内周面を転動する際、ゴム弾性体12中に埋
設されている芯金1に形成した張出部5の存在により上
下動は低減され、特に張出部5の突起側先端51 が芯金
1の翼部4の面より内側に位置させてあるため、芯金1
が転輪20の転動によって揺動した場合でも(図3参
照)転輪20の転動時は上下動(h)がほとんどないと
いう特徴がある。又、第2の突起6、6が備えられた芯
金を用いた場合にあっては、転輪20が外方にズレよう
とする動きをこの第2の突起6、6にて規制するため脱
輪の発生は極めて低くなる。
【0024】そして、転輪20の転動部21と芯金1の
張出部5とは直接的に接触することがないので、金属同
士の接触による摩耗や亀裂の発生もなく、ゴムクロ−ラ
としての寿命も著しくのびることとなる。
【0025】図11は前記図例のゴムクロ−ラ11にお
ける特に芯金1とスチ−ルコ−ド14との関係を示す主
要部の断面図である。この図からも分るように、ゴム弾
性体12中に埋設される芯金1の翼部4及び張出部5に
あって、特に張出部5の外側表面52 を芯金の側面から
みて湾曲面、即ちゴムクロ−ラの長手方向に湾曲面とす
ることにより、ゴムクロ−ラ11がスプロケット30に
巻き掛けされた際のスチ−ルコ−ド14の曲げとの関係
において、翼部4や張出部5の部位でもバランスよく曲
げられることとなる。このため、スチ−ルコ−ド切れ等
の発生も低下することとなり、ゴムクロ−ラ11の耐久
性向上をもたらすこととなった。
【0026】
【発明の効果】本発明のゴムクロ−ラにあっては、転輪
と芯金との金属同士の接触が回避され、かつ転輪の上下
動が低減されれために、ゴムクロ−ラとしての寿命が著
しく向上し、かつ機体の低振動化が実現されたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のゴムクロ−ラ用芯金の第1例の
内周側平面図である。
【図2】図2は図1のA−A線での断面図である。
【図3】図3は図1のA−A線での断面図である。
【図4】図4は図1のB−B線での断面図である。
【図5】図5は図1の側面図である。
【図6】図6は図1のC−C線での断面図である。
【図7】図7は本発明のゴムクロ−ラ用芯金の第2例の
内周側平面図である。
【図8】図8は第1例にて示した芯金を用いたゴムクロ
−ラの内周側平面図である。
【図9】図9は側面から見た芯金のみを取り出した転輪
との関係図である。
【図10】図10は図8のD−D線での断面図である。
【図11】図11は図8のゴムクロ−ラにおける芯金と
スチ−ルコ−ドとの関係を示す主要部の断面図である。
【図12】図12は従来のゴムクロ−ラの一例を示す内
周側平面図である。
【図13】図13は図12の幅方向断面図である。
【符号の説明】
1‥‥ゴムクロ−ラ用芯金、 2‥‥スプロケット係合部、 3‥‥突起、 4‥‥翼部、 5‥‥張出部、 51 ‥‥張出部の内側先端、 52 ‥‥張出部の外側表面、 6‥‥第2突起、 11‥‥ゴムクロ−ラ、 12‥‥ゴム弾性体、 13‥‥スプロケット係合孔、 14‥‥スチ−ルコ−ド、 15‥‥ラグ、 20‥‥外転輪、 21‥‥外転輪の転動部、 30‥‥スプロケット。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプロケット係合部と、これを挟む一対
    の突起とこれより更に左右にのびる翼部とよりなるゴム
    クロ−ラ用芯金であって、転輪の転動走行部に対応する
    翼部よりその前後に向けて張出部を形成し、張出部の突
    起側先端を翼部面よりも内側に位置させたことを特徴と
    するゴムクロ−ラ用芯金。
  2. 【請求項2】 張出部の外側表面を芯金の側面から見て
    湾曲面或いは直線状面とした請求項第1項記載のゴムク
    ロ−ラ用芯金。
  3. 【請求項3】 張出部は翼部の前後の一方又は双方に向
    けて形成した請求項第1項記載のゴムクロ−ラ用芯金。
  4. 【請求項4】 翼部に張出部を挟んで第2の突起を備え
    た請求項第1項記載のゴムクロ−ラ用芯金。
  5. 【請求項5】 無端状ゴム弾性体の長手方向に一定ピッ
    チをもって請求項第1項記載の芯金が埋設され、この芯
    金の翼部を外囲いしてスチ−ルコ−ドをゴム弾性体の長
    手方向に向かって埋設したゴムクロ−ラであって、前記
    芯金の突起をゴムクロ−ラの内周面より突出させ、かつ
    翼部及び張出部をゴム弾性体中に埋設させたことを特徴
    とするゴムクロ−ラ。
  6. 【請求項6】 芯金の翼部及び張出部の外側にスチ−ル
    コ−ドを配設した請求項第4項記載のゴムクロ−ラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012224161A (ja) * 2011-04-18 2012-11-15 Bridgestone Corp クローラ用芯金及び弾性クローラ
KR20180014503A (ko) * 2016-08-01 2018-02-09 엘에스엠트론 주식회사 궤도 차량용 고무트랙
KR20180022082A (ko) * 2016-08-23 2018-03-06 엘에스엠트론 주식회사 궤도 차량용 고무트랙
CN114670943A (zh) * 2022-04-11 2022-06-28 浙江永鼎机械科技股份有限公司 一种铁齿

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