JPS626952Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小型の自動三輪車等のカバー装置に関
する。

本出願人は先に前一輪、後二輪の小型、小排気
量の自動三輪車を提供した。かかる車両におい
て、駆動装置はパワーユニツト式のものが採用さ
れ、エンジン、伝動ケースを一体化したパワーユ
ニツトの両側に駆動輪をなす左右二輪の後輪を配
し、外観上、部品保護上パワーユニツト、後輪を
カバーで覆つている。ところでパワーユニツト上
には吸気装置と排気装置が配設され、マフラやエ
アクリーナ等の機能部品がエンジン後方の伝動ケ
ース上に設けられ、これの左右に臨む車輪から
泥、水が跳ねたり、エアクリーナとマフラを並設
した場合マフラの熱い排気や雰囲気がエアクリー
ナに直接伝えられ好ましくない。

本考案は以上を改善すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、車輪の内側に隔壁を設けて機
能部品と車輪とを区画し、泥、水、塵埃等の機能
部品への跳ね、侵入を防止するとともに、隔壁間
に機能部品相互を区画する区画壁を設ける如く
し、夫々の雰囲気を相互に干渉しないようにし、
機能保護を図つた車両のカバー装置を提供するに
ある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図及び第２図は自動三輪車の側面図及び平
面図を示し、実施例では三輪車としたが、原動機
付四輪車に実施することができる。

三輪車１は前車体２及び後車体３からなり、前
車体２は最前部下部に一輪の操向輪をなす前輪４
を、又上部にハンドル５を備え、低床式フロア６
後部上には上部にシート８を有するシートポスト
７が起設されている。前車体２の後下部にはジヨ
イント９が上下に揺動（スイング動）自在に付設
され、ジヨイント９は前後方向の支軸１０を介し
てリヤフレーム１１に連結され、支軸１０を支点
として前車体２は左右に揺動（ローリング動）自
在である。

以上のリヤフレーム１１上にはエンジン１３、
伝動ケース１４からなるパワーユニツト１２の前
下部が搭載連結され、パワーユニツト１２は第３
図及び第４図に示される如くで、エンジン１３は
車体軸線の右側に、又伝動ケース１４は左側に偏
寄し、伝動ケース１４はエンジン１３の側部から
後方に延出され、クランクケースを含み、エンジ
ン後方にはマフラ１５が後方に延出され、又伝動
ケース上にはこれと平行する如く前部から後方に
気化器１６、エアクリーナ１７、更には電装品ユ
ニツト１８等が配設されている。そして伝動ケー
ス１４の後部左右には駆動輪をなす二輪の後輪１
９，１９が配設されている。

以上のパワーユニツト１２周及び後輪１９の上
部をカバー２０で覆う。

カバー２０はエンジン前方の前板２１、前板上
端からエンジン１３、伝動ケース１４上を覆い、
且つこれの後方に延出され、後端が後下方に折曲
した中央板２２、中央板２２の左右に延出垂下さ
れ、パワーユニツト１２の両側及び左右の後輪外
側上半部を覆う対称形状の左右の側板２３，２３
とからなり、これら各部材はパワーユニツトに取
付支持せしめられる。かかるカバー２０内に臨む
左右の後輪１９，１９の内側には前後方向に延出
し該後輪１９，１９とこの間の空間を隔離する隔
板２４，２４を設け、隔板２４，２４はパワーユ
ニツトの伝動ケース１４に下部複数個所を止着２
４ａし、上部を中央部材２２の両側部に止着２４
ｂし、これの支持部材を兼ねる。隔板２４，２４
はパワーユニツト１２の伝動ケース１４側部上部
から上を区画し、これにより後輪１９とパワーユ
ニツト１２の伝動ケース１４両側とは区画され、
後輪間にあるエアクリーナ１７、マフラ１５等は
後輪１９，１９から保護されて泥、泥水、塵埃等
がこれら機能部品側に侵入するのを防止する。尚
後輪１９，１９の前方には側板２３，２３の内側
と隔板２４前端を繋ぐ泥除け板２５が設けられて
いる。隔板２４，２４間の中間部でエアクリーナ
１７とマフラ１５との間には区画板２６を前後方
向に設け、これによりマフラ１５と気化器１６、
エアクリーナ１７、電装品ユニツト１８等とを区
画する。これにより隔板２４，２４と区画板２６
により前後方向に延出する二つの空気通路が画成
され、マフラ１５とエアクリーナ１７は斯かる二
つの空気通路に夫々配設されることになる。従つ
てカバー２０内の熱気を隔板２４，２４と区画板
２６により前後方向に導いてカバー２０外に排出
することが可能となり、マフラ１５の冷却性を確
保し、マフラ１５の熱い排気や雰囲気がエアクリ
ーナ１７側へ伝達されるのを防止しつつマフラ１
５等の排気装置とエアクリーナ１７等の吸気装置
を近接して並設可能となり、左右の後輪１９，１
９のトレツド内の利用性を向上し、カバー２０を
小型化することができる。

以上で明らかな如く本考案によれば、左右二輪
間のパワーユニツトに配設される機能部品は隔板
で車輪と区画されるので泥、泥水、塵埃等がこれ
らに跳ねたり、侵入するのを防止することができ
るとともに、区画板を設けたため、マフラの熱的
影響がエアクリーナ等に及ぶのを防止し、双方の
雰囲気を隔離し、機能保護上も有利である等多大
の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は三輪車の側面図、第２図は同平面図、第３図は
カバー部の説明的縦断側面図、第４図は要部破断
背面図、第５図は説明的横断平面図である。 尚図面中１は車両、１２はパワーユニツト、１
５〜１８は機能部品、２０はカバー、２４は隔
壁、２６は区画壁である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 左右の車輪間の空間内にパワーユニツトを介装
   し、 パワーユニツト上に気化器、エアクリーナ等の
   吸気装置と、マフラ等の排気装置を配設し、 前記左右の車輪と、パワーユニツトと、吸気装
   置と、排気装置とを覆うカバーを設け、 前記カバー内に左右の車輪の内側を覆い夫々前
   後方向に延出する隔壁を設け、 前記吸気装置と排気装置を前記左右の隔壁の間
   で車輪の車軸方向に並設すると共に、吸気装置と
   排気装置を区画し前後方向に延出する区画壁を設
   けた、 ことを特徴とする車両のカバー装置。