JPH0619435Y2 - 鞍乗型車両における排気管構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動２輪車その他の鞍乗型車両に適用する排
気管構造に関する。

（従来の技術） 従来、ヘツドパイプから後方にのびるアツパフレーム
と、該アッパフレームの後端から後方にのびるリヤフレ
ームとを備え、該リヤフレームの下部空間にエンジンと
伝動ケースとを一体的に組付けたパワーユニツトを配置
する車両は知られ、この場合エンジンから導出する排気
管はそのまま後方に延出されるを一般とする。

（考案が解決しようとする問題点） 一般に車両に搭載するエンジンでは出力アツプを図る上
で排気管をある程度長く設定することが好ましい。

ところで、上記の如くアツパフレームの後端から後方に
のびるリヤフレームの下側にパワーユニツトを配置する
車両では、エンジンが車両の後部で存するため排気管を
長く設定したのでは排気管が後方に大きく張り出してし
まい好ましくない。

本考案は、かかる問題点を解決した排気管構造を提供す
ることをその目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、前記の目的を達成すべく、前輪と後輪の間で
ヘッドパイプから後方に延びるアッパフレームと、該ア
ッパフレームの後部から後方に延びるリヤフレームとか
らなる車体フレームを備え、前記アッパフレームの下方
に空間を形成し、前記リヤフレームの下方空間に、エン
ジンと伝動ケースとを一体的に組付けたパワーユニット
を配置し、該パワーユニットの前部を前記車体フレーム
の略中央下部に枢支すると共に、前記エンジンの排気手
段を前記アッパフレームの下部空間に配設したことを特
徴とする。

（作用） 以上により、排気手段の重量の大部分がパワーユニット
の前部に加わるため、車両の重心が車両の中心に近付
き、運転性が向上する。

（実施例） 図面は自動２輪車に本考案を適用した実施例を示し、
(1)はフロントフオーク(2)をフオーク軸(2a)において枢
支するヘツドパイプ、(3)は該ヘツドパイプ(1)から後方
にのびる左右１対のアツパフレーム、(4)は該両アツパ
フレーム(3)(3)の後端部間に設けたクロスバー(5)から
後方にのびる左右１対のリヤフレームであり、前記アッ
パフレーム(3)とリヤフレーム(4)によって車体フレーム
Ｆが構成される。そして、前記両アツパフレーム(3)(3)
の後端部から下方にのびる屈曲部の下端に、エンジン
(6)と伝動ケース(7)とを一体的に組付けたパワーユニツ
ト(8)をリンク(9)を介して上下動可能に枢着すると共
に、該ユニツト(8)のクランクケースから一体に突出し
たブラケツト(6a)と上記クロスバー(5)との間にダンパ
(10)を介設し、該ユニツト(8)の伝動ケース(7)の後端部
に軸設した駆動軸に後輪(11)と、前記フロントフオーク
(2)に前輪(12)とを夫々取付け、該両リヤフレーム(4)
(4)上に乗員用シート(13)を載置し、該両リヤフレーム
(4)(4)と前記クロスバー(5)との間の空間に燃料タンク
(14)と、両アツパフレーム(3)(3)間にヘルメツト等の大
物荷物を収納する物入用ボツクス(15)とを配置した。

そして、エンジン(6)の排気管(16)を両アツパフレーム
(3)(3)の下部空間(17)を迂回させて後方に延出するもの
で、図示のものでは、排気管(16)を、エンジン(6)の下
側の排気ポート(18)から該下部空間(17)の左側部前方に
導出してその右側部上方にＵターンさせ更に該エンジン
(6)のクランクケースの右下部を通して後方に延出する
ものとし、該排気管(16)のＵターン部分に大径なチヤン
バー(16a)を形成し、その後端部にマフラー(19)を設
け、該排気管(16)の上流端を該排気ポートの口縁部にね
じ止めすると共に、該排気管(16)のチヤンバー部(16a)
を、空冷シユラウド(20)をエンジン(6)に取付けるため
のブラケツト(21)にステー(22)を介して該シユラウド(2
0)と共締めした。

又、パワーユニツト(8)の上下動における排気管(16)の
慣性重量を軽減できるように、排気管(16)を、その長さ
方向中央部分がパワーユニツト(8)の車体に対する枢着
部に位置するように配置した。

図面で(23)はフエアリング、(24)は乗員用ステツプ、(2
5)はエンジン(6)の上側のキヤブレタ、(26)は伝動ケー
ス(7)の上側のエアクリーナ、(27)はエンジン(6)のクラ
ンクケースの上面に形成した吸気ポート、(28)は前記物
入用ボツクス(15)の底壁に開設した点火プラグ(29)のメ
ンテナンス用窓、(30)は該窓(28)の脱着自在な蓋を示
す。

以上の構成によれば上記作用の項で説明したように、両
アツパフレーム(3)(3)の下部には比較的大きな空間が存
するため、排気管(16)をこの下部空間(17)を迂回させて
後方に延出することにより排気管(16)を車両の後方に大
きく張り出させることなく長く設定でき、更に下部空間
(17)が広いため排気管(16)の迂回部分にチヤンバ容量の
大きなチヤンバ(16a)も無理なく配置できる。また、エ
ンジンが小排気量の４サイクルエンジンの場合は、極め
て短い排気管又はマフラの如き排気手段をアッパフレー
ムの下部空間(17)に配置すればよい。

（考案の効果） 以上のとおり、本考案は、排気手段をアッパフレームの
下部空間に配置したから、該排気手段の重量の大部分が
パワーユニットの前部に加わり、車両の重心が車両の中
心に近付き、運転性が向上する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案排気管を具備する自動２輪車の側面図、
第２図はその平面図、第３図はその要部を示す截断平面
図、第４図は要部の分解斜視図である。 (1)……ヘツドパイプ、(3)……アツパフレーム (4)……リヤフレーム、(6)……エンジン (7)……伝動ケース、(8)……パワーユニツト (16)……排気管、(17)……下部空間 Ｆ……車体フレーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前輪と後輪の間でヘッドパイプから後方に
   延びるアッパフレームと、該アッパフレームの後部から
   後方に延びるリヤフレームとからなる車体フレームを備
   え、前記アッパフレームの下方に空間を形成し、前記リ
   ヤフレームの下方空間に、エンジンと伝動ケースとを一
   体的に組付けたパワーユニットを配置し、該パワーユニ
   ットの前部を前記車体フレームの略中央下部に枢支する
   と共に、前記エンジンの排気手段を前記アッパフレーム
   の下部空間に配設したことを特徴とする鞍乗型車両にお
   ける排気管構造。