JPH038554Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動二輪車のラジエータ配設構造に関
する。

（従来の技術） 前後輪間に配設したエンジンを車体フレームで
支持し、前記車体フレームは前輪懸架用のフロン
トフオーク上部を操向自在に支持するヘツドパイ
プからエンジンの上方或いは上部を通つて後方に
延出する左右一対のフレームメンバを備え、前輪
の後方でエンジンの前方にラジエータを配設した
自動二輪車では一般に、ヘツドパイプから斜め下
方に延出させてダウンフレームメンバを設け、該
ダウンフレームメンバでエンジンを支持すると共
に、ダウンフレームメンバの前方或いは後方に該
ダウンフレームメンバに沿わせてラジエータを配
設している。

（考案が解決しようとする問題点） そのため従来のラジエータ配設構造では、ダウ
ンフレームメンバに臨むラジエータ部分では走行
風が円滑に通過できず、ラジエータの冷却効率を
更に改善し得る余地があつた。

本考案は前記事情に鑑み案出されたものであつ
て、本考案の目的とする処は、ラジエータの冷却
効率をより一層高めることができる自動二輪車の
ラジエータ配設構造を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、ヘツドパイ
プ１１からエンジン３１の上方或いは上部を通つ
て後方に延出する左右一対のフレームメンバ２
１，２１の各長手方向中間部から夫々エンジンハ
ンガー３３，３３を垂設し、 前記エンジンハンガー３３，３３によりエンジ
ン３１を支持し、 前記フレームメンバ２１，２１の前部と、前記
エンジンハンガー３３，３３の下部或いはエンジ
ン３１側に上下部を夫々取付けてラジエータ４９
を配設するようにした。

（作用） ラジエータ４９の前方或いは後方に該ラジエー
タ４９に沿つて延出する従来のダウンフレームメ
ンバ等のフレームメンバは何んら位置せず、従つ
て走行風をラジエータ４９全域にわたつて円滑に
通過せしめ、ラジエータ４９の冷却効果をより一
層高めることができる。

（実施例） 以下、本考案の好適一実施例を添付図面に従つ
て説明する。

第１図は自動二輪車の側面図、第２図は車両の
前方から視た車体フレームの概略図を示す。

１は自動二輪車、３は前輪、５は後輪、７は車
体フレームで、前輪３は左右のフロントフオーク
９，９で懸架支持し、左右のフロントフオーク
９，９上部は車体フレーム７前端のヘツドパイプ
１１で操向自在に支持し、図中１３はハンドル、
１５はフロントフエンダを示す。

前記車体フレーム７はヘツドパイプ１１上部か
ら車幅中心に沿つて後方に直線状に延出する１本
のアツパフレーム１９と、ヘツドパイプ１１下部
から後方に延出する左右一対のロアフレーム２
１，２１とを備え、アツパフレーム１９後端とロ
アフレーム２１，２１中間部間はセンターメンバ
２３で連結する。

ロアフレーム２１，２１の後端部間からはリヤ
フオーク２５を延出させ、リヤフオーク２５後端
で後輪５を支持する。

前記アツパフレーム１９とロアフレーム２１で
画成される空間には燃料タンク２７を配設し、ア
ツパフレーム１９上にはシート２９を設け、左右
に所定の間隔をおいた各ロアフレーム２１，２１
の中間部と後端部にわたつて夫々エンジンハンガ
ー３３，３３を設ける。

前記エンジンハンガー３３はロアフレーム２１
の中間部から斜め下方且つ前方に延出する上部３
３Ａと、上部３３Ａの下端から湾曲部３３Ｂを介
して後方に延出する下部３３Ｃとを備え、エンジ
ン３１は斯かるエンジンハンガー３３，３３によ
り車体フレーム７に搭載する。

前記エンジン３１は２サイクル単気筒エンジン
で、クランクケース３５と、クランクケース３５
前部から斜め前方に突出する気筒３７を備え、気
筒３７の後部には吸気管３９を突設し、気筒３７
の前部には排気管４１を突設する。

前記排気管４１は気筒３７から前方且つ左方に
突出し湾曲部を介して上方に延出する延出部４３
と、延出部４３に続いて湾曲しつつ後方に延出す
るチヤンバ４５とを備え、チヤンバ４５に続く排
気管４１後端にはマフラ４７を連結し、チヤンバ
４５はエンジン３１の気筒３７の左側方に配置す
る。

４９はラジエータで、ラジエータ４９はエンジ
ン３１の前方で前輪３の後方の空間に配設する。

前記ラジエータ４９は上下のタンク５１，５３
と、両タンク５１，５３間を接続する複数の冷却
パイプ５５、…と、冷却パイプ５５に付設したフ
イン５７等で構成する。

ラジエータ４９の車体への取付けは、上タンク
５１の両側に夫々形成したブラケツト５９，５９
をロアフレーム２１，２１の前部の取付部に取付
け、下タンク５３の両側に夫々形成したブラケツ
ト６１，６１をエンジンハンガー３３，３３の上
部３３Ａ下端に取付けることで行い、実施例では
前傾させて配設した。

更に実施例では第２図に示すように、左右のエ
ンジンハンガー３３，３３間の幅内を通る該エン
ジンハンガー３３，３３の前方の空間部にラジエ
ータ４９を配設した。

本実施例は前記のように構成したので、ラジエ
ータ４９の前方或いは後方には従来のダウンフレ
ームメンバの如く該ラジエータ４９に沿つて延出
するフレームメンバは何んら位置せず、走行風は
ラジエータ４９全域にわたつて円滑に通過し、ラ
ジエータ４９の冷却効率を一層高めることができ
る。

更に、実施例では車両の前方から視て左右のエ
ンジンハンガー３３，３３の幅内にラジエータ４
９を配設したので、走行風をより円滑に通過せし
めラジエータ４９の冷却効率をより一層高めるこ
とができる。

尚、実施例においてはラジエータ４９を冷却パ
イプ５５、…をほぼ上下に延出させて構成した場
合について説明したが、左右にタンクを配置し、
冷却パイプを左右に延出させて構成してもよい。

また、実施例においてはラジエータ４９の下部
をエンジンハンガー３３に取付けるようにした
が、ラジエータ４９の下部はエンジン３１側に取
付けるようにしてもよい。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案によれば、
自動二輪車のラジエータの冷却効率をより一層高
めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動二輪車の側面図、第２図は車両の
前方から視た車体フレームの概略図である。 尚図面中１は自動二輪車、３は前輪、２１はロ
アフレーム、３１はエンジン、３３はエンジンハ
ンガー、４９はラジエータである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前後輪間に配設したエンジンを車体フレームで
   支持し、 前記車体フレームは前輪懸架用のフロントフオ
   ーク上部を操向自在に支持するヘツドパイプから
   エンジンの上方或いは上部を通つて後方に延出す
   る左右一対のフレームメンバを備え、 前輪の後方でエンジンの前方にラジエータを配
   設した自動二輪車において、 前記左右一対のフレームメンバの各長手方向中
   間部から夫々エンジンハンガーを垂設し、 前記エンジンハンガーによりエンジンを支持
   し、 前記フレームメンバの前部と、前記エンジンハ
   ンガーの下部或いはエンジン側に上下部を夫々取
   付けてラジエータを配設するようにしたことを特
   徴とする自動二輪車のラジエータ配設構造。