JPH0712231Y2 - 自動２輪車の後部車体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、後部シートや消音器を有利に配設した自動
２輪車の後部車体構造に関する。

［従来の技術］ リヤカウルの後部を後輪の上方を覆うように延出させ、
その内部に筒状の消音器を配設したものは公知であり、
例えば特開昭58-89423号公報に示されている。このもの
では、シングルシートを支持するシートレールの後端部
よりも後方に消音器を配設してある。このようにする
と、消音器をコンパクトに収納でき、車体のスリム化並
びに空力性能の向上を期待できる。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、後部シートを消音器の上方に設ける場合に
は、その支持部材をシートレールから立設する必要があ
るため、消音器が車体側方へ張り出して配設されるよう
になる傾向にある。このためかかる場合における消音器
のコンパクトな配設が望まれ、さらに消音器がリヤカウ
ルよりも剛性の高い部材によって保護されることも望ま
れる。

そこで本考案の目的は、これらの点を解決できる後部車
体構造を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案に係る自動２輪車の後
部車体構造は、左右のシートレールを後輪の上方を通っ
て後方へ延出させ、該左右のシートレール後部間に上方
へ湾曲したブリッジを横架し、該ブリッジの上部に後部
シートを支持させるとともに、前記左右のシートレール
とブリッジによって囲まれた空間内に消音器を配設した
ことを特徴とする。

［考案の作用］ ブリッジはその上部にシートを支持すると同時に、左右
のシートレールとによって囲まれた空間を形成するの
で、この空間内に消音器がコンパクトに収納される。ゆ
えに、ブリッジはシートの支持部材並びにシートレール
とともに消音器の保護部材として機能する。

［実施例］ 第１図乃至第４図に本考案を適用した自動２輪車の一例
を示し、第１図はこの車体後半部の主要部側面形状を、
第２図はその平面形状を、第３図は第１図のＡ−Ａ線に
沿う断面を、第４図は他の後部断面をそれぞれ示してい
る。図中の符号１は主フレーム、２はシートレール、３
はリヤステイ、４はスイングアーム、５は後輪、６はス
タビライザー、７は緩衝器、８は燃料タンク、９は前部
シート、10は後部シートである。

シートレール２は後輪５の上方を通って後方斜め上がり
に前後方向にへ左右一対設けられ、その後部の後輪５直
上位置にブリッジ11及び12が前後に横架されている。ブ
リッジ11及び12はそれぞれ上方へ湾曲した略門形の部材
であり、ビス13及び14によって予め取付けられたリヤカ
ウル15を介して、後部シート10の前後部を支持している
（第３図参照）。なお、リヤカウル15の前部はビス16で
シートレール２へ取付けられ、この上に前部シート９が
支持されている。

また、シートレール２とブリッジ12並びにその下端部が
接続するリヤフェンダ17によって囲まれた空間Ｓ（第３
図参照）内には、消音器18が収納されている。リヤフェ
ンダ17は後輪５の最上昇位置よりも上方に配設されてい
る。

消音器18の前端部は、図示しない多気筒エンジンの排気
ポートから延出し、後部が内側へ向って屈曲している排
気チャンバ19に接続し、消音器18の後端部は互いに内側
を向いている。このように消音器18の後端部を内側に向
けると、排気チャンバ19との接続部における曲げを少な
くでき、排気抵抗を小さくできる。排気チャンバ19は中
間部に設けられたステー20によってシートレール２にボ
ルト止めされている。

リヤカウルリヤカウル15は前部シート９及び後部シート
10の下方を覆う部材であり、第２図に示すように、この
内側に左右のシートレール２及びリヤステイ３の各後
部、消音器18及び排気チャンバ19の後部が収納されてい
る。また、その側部には排風ダクト21が設けられ、かつ
後部にもスリット22がそれぞれ設けられ、これらを通し
て、消音器18及び排気チャンバ19の高熱を排出可能とな
っている。

なお、符号23はシートレール２へ固着されたステー、24
はその下端部に取付けられたリヤステップ（第４図参
照）、25はテールランプである。

上述のように、本実施例では、ブリッジ11及び12が後部
シート10を支持するとともに、消音器18はシートレール
２及びブリッジ12によって保護される。ゆえに、ブリッ
ジ11及び12は後部シート10の支持部材並びに消音器18の
保護部材として多機能化する。そのうえ、消音器18は後
部シート10下方のリヤカウル15内にコンパクトに収納さ
れる。

なお、ブリッジ11及び12が支持するシートは、本実施例
のような独立した後部シート10ばかりでなく、前後が連
続一体化しているダブルシートの後部であってもよい。
また、ブリッジは単独の比較的幅広のものを用いること
もできる。

［考案の効果］ 本考案に係る自動２輪車の後部車体構造は、左右のシー
トレールを後輪の上方を通って後方へ延出させ、該左右
のシートレール後部間に、上方へ湾曲したブリッジを横
架し、該ブリッジの上部に後部シートを支持させ、前記
左右のシートレールとブリッジによって囲まれた空間内
に消音器を配設したので、ブリッジをシートの支持部材
並びにシートレールとともに消音器の保護部材として多
機能化できる。そのうえ、上方にシートを設けても、消
音器をコンパクトに収納して、車体のスリム化並びに空
力性能の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案を適用した自動２輪車の一例
を示し、第１図はこの車体後半部の主要部側面図、第２
図はその平面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線に沿う主要
部の断面図、第４図は要部の断面図である。 （符号の説明） ２……シートレール、５……後輪、10……後部シート、
11・12……ブリッジ、18……消音器、19……排気チャン
バ、Ｓ……空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右のシートレールを後輪の上方を通って
   後方へ延出させ、該左右のシートレール後部間に上方へ
   湾曲したブリッジを横架し、該ブリッジの上部に後部シ
   ートを支持させるとともに、前記左右のシートレールと
   ブリッジによって囲まれた空間内に消音器を配設したこ
   とを特徴とする自動２輪車の後部車体構造。