JPH0331667Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動二輪車のリヤーグリツプおよびキ
ヤリアステーの構造に関する。

〔従来技術〕

自動二輪車においては、運転車が股がるシート
の下側の側面および後面の隙間を覆うシートカバ
ーをシートに取付けることにより外観を向上させ
ることが行われている。このシートカバーは車体
の両側面に取付けられるサイドカバーとともに車
体の外観処理上の重要なポイントになつている。

一方、自動二輪車にあつては、携帯品あるいは
車載工具等を積載格納（収納）するためのキヤリ
アを設けることが要請され、このキヤリアは一般
にシートの後方に設けられる。

さらに、前記シートの後部近傍には同乗者が掴
まるためのリヤーグリツプを取付けることが行わ
れている。このリヤーグリツプはスタンドを立て
る時や二輪車を一時的に保持するために使用する
こともできる。

また、前記キヤリアは一般にシートの後方から
突出する露出型のステー部材で構成するのが一般
的であり、前記リヤーグリツプとしては別体のグ
リツプ部材を車体フレームに固定するのが一般的
であつた。

しかし、このような従来のリヤーグリツプおよ
びキヤリアステーの構造では、これらを個別部品
としそれぞれを車体フレームに取付けていたの
で、部品点数が多くかつ構造が比較的複雑なもの
であつた。

〔目的〕

本考案の目的は、部品点数の削減並びに構造の
簡単化およびコンパクト化、シートカバーの後部
取付け構造の簡単化および剛性の向上、リヤーグ
リツプおよびキヤリアステーの成形金型の単純小
型化を図り得る自動二輪車を提供することであ
る。

〔構成〕

本考案は、車体フレームの上部に取付けられる
シートの下側の両側面および後面を覆うシートカ
バーを有する自動二輪車において、リヤーグリツ
プとキヤリアステーを一体成形した左部材および
右部材を、それらの前端部および後端部で、車体
フレームの両側に固定し、前記左部材および前記
右部材の中間部をねじ付きの連結部材で結合する
とともに、左右のキヤリアステーにシートカバー
の後部とキヤリアベースを共締めでねじ締結する
構成とすることにより、上記目的を達成するもの
である。

〔実施例〕

以下図面を参照して本考案を具体的に説明す
る。

第４図は一実施例に係る自動二輪車の左側面を
示す。

第４図において、車体フレーム１の前部にはス
テアリングヘツドを介してテレスコピツク緩衝器
であるフロントホーク２が取付けられ、該フロン
トホーク２によつて前輪（操向輪）３が懸架さ
れ、一方、車体フレーム１の後部にはスイングア
ーム４および緩衝器５を介して後輪（駆動輪）６
が懸架されている。

車体フレーム１の中央部には後輪６を駆動する
エンジン７が搭載され、該車体フレーム１の上部
には燃料タンク８および乗車用シート９が取付け
られている。

車体の両側面にはサイドカバー１０，１１（右
側のサイドカバー１１は図示せず）が取付けら
れ、また、シート９の下側（図示の例ではシート
後半部の下側）には両側面および後面を覆うシー
トカバー１２が取付けられている。

なお、フロントホーク２にはヘツドランプ１３
が取付けられている。

然して、シート９の後部近傍の両側には同乗者
（パツセンジヤー）が掴まるためのリヤーグリツ
プ１４，１５（右側のリヤーグリツプ１５は図示
せず）が設けられ、該シート９の後方にはシート
カバー１２内蔵型のキヤリア３０が形成されてい
る。

前記キヤリア３０が車体フレーム１に固定され
る図示しないキヤリアステー（強度メンバー）を
備えており、一方、前記リヤーグリツプ１４，１
５も車体フレーム１に固定される。

第１図は車体フレーム１並びに上記キヤリアス
テーおよびリヤーグリツプの構造を示す斜視図で
ある。

第１図において、左側のリヤーグリツプ１４お
よび左側のキヤリアステー１６が一体に形成され
それぞれ左部材１７の一部として形成され、右側
のリヤーグリツプ１５および右側のキヤリアステ
ー１８も一体に形成されそれぞれ右部材１９の一
部として形成されている。

これら左部材１７及び右部材１９は例えばアル
ミダイカスト成形品で作られるが、場合によつて
は鉄鋳物あるいは溶接組立品などで作ることもで
きる。

然して、左右の部材１７，１９はそれぞれ前ボ
ス部２０を貫通する孔２１と後部の孔（図示の例
では長孔）２２とにおいて車体フレーム１にボル
ト締結で固定されている。図示の例では、車体フ
レーム１の後部を構成する左右のシートレール
（パイプ）２３，２３に溶接されたブラケツト２
４，２４，２５，２５に固定されている。

さらに、左右の部材１７，１９は、その中間ボ
ス部２６，２６を貫通する孔２７，２７を利用
し、該孔２７，２７に挿通されるねじ付きの連結
部材２８をねじ締結することにより、互いに結合
されている。

なお、前記左右シートレール２３，２３には連
結部材２９，３１が溶接され、車体フレーム１の
後部の剛性向上が図られている。

各部材１７，１９のリヤーグリツプ１４，１５
は第１図および第２図に示すごとくシートカバー
１２の外側へ突出しているが、キヤリアステー１
６，１８はシートカバー１２で覆われている。

これらキヤリアステー１６，１８の上面にはそ
れぞれ２箇づつ合計４箇所に孔３２が形成されて
おり、これらの孔３２はシートカバー１２の後部
取付けおよび後述するキヤリアベースの取付けに
利用される。

第２図は前記シートカバー１２内蔵型のキヤリ
ア３０の分解斜視図であり、第３図は第２図中の
線−に沿つたキヤリア取付け部の断面図であ
る。

第２図および第３図において、シートカバー１
２のシート９後方部分には平坦部３３が形成さ
れ、該平坦部３３上に板上のベース（キヤリア本
体）３４が固定されている。

前記ベース３４上にキヤリアカバー３５を取付
けることによりその内部に物品収納空間が形成さ
れる。

第３図に示すごとく、前記ベース（キヤリア本
体）３４はシートカバー１２の平坦部３３ととも
に前記キヤリアステー１６，１８（第１図）に対
し前記孔３２（第１図）（合計４箇所）を利用し
てねじ３６で共締めして固定されている。

前記キヤリアカバー３５は、第２図に示すごと
く、シートカバー１２の平坦部３３の周縁形状に
対応した形状を有し、内面に形成した板状突起３
７を係合させかつ前面耳部３８をシートカバー１
２の孔３９にねじ止めすることにより装着され
る。

なお、シートカバー１２の後面にはテールラン
プ４０が装着されている。

以上説明した実施例によれば、シート９後方に
設けられるキヤリア３０のキヤリアステー１６，
１８をシート９後部近傍に設けられるリヤーグリ
ツプ１４，１５と一体化し、単一の部材１７，１
９の一部として形成するので、部品点数が少なく
コンパクトな構造にすることができ、コスト削減
および加工工数削減をも達成することができる。
また、キヤリアステー１６，１８にキヤリアベ
ース３４およびシートカバー１２を共締めするの
で、シートカバー１２の後部を、特別の締結手段
や余分のスペースを必要とせずに、剛性にすぐれ
た広い面で固定することができ、該シートカバー
１２を簡単にしかも剛性にすぐれた構造で組み付
けることが可能となつた。

さらに、リヤーグリツプ１４，１５とキヤリア
ステー１６，１８を一体成形した左部材１７およ
び右部材１９を、それらの前端部および後端部
で、車体フレーム１の両側に固定し、前記左部材
１７および前記右部材１９の中間部をねじ付きの
連結部材２８で結合する構成としたので、リヤー
グリツプおよびキヤリアステーの両方を含む構成
部品の成形金型の単純小型化を達成することが可
能となつた。

なお、リヤーグリツプ１４，１５のうちいずれ
か片側にのみリヤーグリツプを設ける場合にも本
考案を適用することができる。

また、上記実施例では、シートカバー１２内蔵
型のキヤリア３０を示したが、本考案は、キヤリ
アベース３４を露出状態で装着する場合にも同様
に適用することができる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本考案によれ
ば、車体フレームの上部に取付けられるシートの
下側の両側面および後面を覆うシートカバーを有
する自動二輪車において、リヤーグリツプとキヤ
リアステーを一体成形した左部材および右部材
を、それらの前端部および後端部で、車体フレー
ムの両側に固定し、前記左部材および前記右部材
の中間部をねじ付きの連結部材で結合するととも
に、左右のキヤリアステーにシートカバーの後部
とキヤリアベースを共締めでねじ締結する構成と
したので、リヤーグリツプとキヤリアステーを一
体化することにより部品点数の削減並びに構造の
簡単化およびコンパクト化を達成できるととも
に、シートカバーの後部取付け構造の剛性の向上
並びに簡単化および省スペース化を達成すること
ができ、しかも、リヤーグリツプおよびキヤリア
ステーの成形金型の単純小型化を図り得る自動二
輪車が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は第４図のリヤーグリツプおよびキヤリ
アステーの車体フレームへの取付け構造を示す斜
視図、第２図は第４図のリヤーグリツプ及びキヤ
リアの一部分解外観斜視図、第３図は第２図中の
線−に沿つた断面図、第４図は本考案の一実
施例に係る自動二輪車の左側面図である。 １……車体フレーム、９……シート、１２……
シートカバー、１４，１５……リヤーグリツプ、
１６，１８……キヤリアステー、１７，１９……
左右の部材、３０……キヤリア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体フレーム１の上部に取付けられるシート９
   の下側の両側面および後面を覆うシートカバー１
   ２を有する自動二輪車において、リヤーグリツプ
   １４，１５とキヤリアステー１６，１８を一体成
   形した左部材１７および右部材１９を、それらの
   前端部および後端部で、車体フレーム１の両側に
   固定し、前記左部材１７および前記右部材１９の
   中間部をねじ付きの連結部材２８で結合するとと
   もに、左右のキヤリアステー１６，１８にシート
   カバー１２の後部とキヤリアベース３４を共締め
   でねじ締結することを特徴とする自動二輪車。