JPH0323913Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動二輪車のテールランプ取付け構造
に関する。

〔従来技術〕

自動二輪車においては、後輪が撥ねる泥水から
搭乗者および車体を保護するためリヤーフエンダ
ーが装着されている。このリヤーフエンダーは通
常後輪の略上半部を覆う位置に配置され車体フレ
ーム後部に取付けられている。

一方、自動二輪車においては保安部品としての
テールランプが車体後部に装備され、このテール
ランプは通常ストツプランプを兼ねる構造を有し
ており、リヤーフエンダー等を利用して取付けら
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

このテールランプの取付け構造の一つとして、
前記リヤーフエンダーを利用する場合、従来構造
ではリヤーフエンダーの後部表面上にブラケツト
を介してテールランプを取付けることが行われて
いた。

しかし、このテールランプ取付け構造によれ
ば、テールランプが突出して設けられるので、車
体後部の構造が複雑化し外観が損なわれたり、ま
た、車両全長が増大する傾向が生じるということ
があつた。

そこで、大型自動二輪車等の両側にサイドバツ
クを装備した車両にあつては、該サイドバツグの
後面にテールランプを組込む構造が提案されてい
る。

しかし、この構造によれば、サイドバツグの有
効容積が減少し、しかも配線や取付け構造が複雑
になりコストが嵩むという不都合があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、リヤーフエンダー自体にテー
ルランプを完全埋没状態で一体的に収納し、該リ
ヤーフエンダー自体をテールランプカバーとして
使用することにより、車体後部の外観向上、部品
点数の削減、組み立ておよび部品輸送上の自在性
の向上、車体後部のコンパクト化と車両全長の減
少を図り得る自動二輪車のテールランプ取付け構
造を提供することである。

〔目的達成のための構成〕

本考案による自動二輪車のテールランプ取付け
構造は、後輪をカバーするリヤーフエンダーの略
垂直の後面に、全周にわたつて該後面上で開口す
る凹部を一体成形で形成し、該凹部内に、バルブ
が取り付けられるハウジングおよびその前面に取
り付けられるレンズから成るテールランプを収納
し、前記ハウジングおよび前記レンズの周縁部に
設けた取り付け部を前記凹部の開口端周縁の一部
に形成した取り付け座にビス等の締結手段で共締
めして固定し、前記テールランプを、そのレンズ
の面が前記リヤーフエンダーの後面と略同一面を
成す完全埋没状態で装着する構成とすることによ
り、上記目的を達成するものである。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案を具体的に説明す
る。

第３図は本考案を実施した自動二輪車の側面を
示す。

第３図において、車体フレーム１の前部にはス
テアリングヘツドを介してフロントホーク２が取
付けられ、該フロントホーク２に前輪（操向輪）
３およびハンドル４が取付けられている。

車体フレーム１の後部にはスイングアーム５お
よびリヤークシヨン６により後輪（駆動輪）７が
取付けられている。

車体フレーム１の中央部には後輪駆動用のエン
ジンが搭載され、該車体フレーム１の上部には燃
料タンク９およびシート１０が取付けられてい
る。また、車体の両側面にはサイドカバー１１，
１２（右側のサイドカバー１２は図示せず）が取
付けられ、前記シート１０の下側にはその両側面
および後面を覆うシートカバー１３が取付けられ
ている。

前記車体フレーム１の後部には前記後輪７の略
上半部分を覆うリヤーフエンダー１４が取付けら
れ、後輪７が撥ねる泥や水等から搭乗者および車
体を保護するようになつている。図示の例では、
リヤーフエンダー１４はその後部を残してシート
カバー１３で覆われている。

前記リヤーフエンダー１４の後部には内側へ凹
んだ有底の凹部１５が形成され、該凹部１５内に
テールランプ１６が組付けられている。

第１図はテールランプ１６が組付けられたリヤ
ーフエンダー１４の後部の中央縦断面を示し、第
２図は第１図中の線−に沿つた横断面を示
す。

第１図および第２図において、リヤーフエンダ
ー１４の後部には内側へ凹んだ前記凹部１５が一
体的に形成されており、該凹部１５内にはテール
ランプ１６が装着されている。

テールランプ１６は、ハウジング１７と該ハウ
ジング１７の奥の面に装着された２個のバルブ
（電球）１８，１９と該ハウジング１７の開口面
に取付けられたレンズ２０とから成り、前記凹部
１５の開放面を閉じる状態で組付けられている。

テールランプは、第２図に示すごとく、リヤー
フエンダー１４の凹部１５の両側に形成された取
付け座２１，２１に対しビス２２，２２によりハ
ウジング１７およびレンズ２０を共締めして組付
けられている。

また、図示のテールランプ１６はストツプラン
プを兼ねる構造を有し、テールランプとして使用
するときは片方のバルブ１８のみ点灯され、スト
ツプランプとして作動するときは両方のバルブ１
８，１９が共に点灯され照度が増大するよう構成
されている。

以上説明した実施例によれば、テールランプ１
６をリヤーフエンダー１４に一体成形された凹部
１５内に完全埋没状態で収納して取り付けるの
で、該凹部１５をテールランプカバーとして使用
することができ、予めリヤーフエンダー１４に組
み込んでしまうことも自由に行なうことができ、
組み立て工程および部品輸送の上からもきわめて
自在性に富んだ構成が得られ、車体後部の外観向
上、部品点数の削減、組み立ておよび部品輸送上
の自在性の向上、車体後部のコンパクト化と車両
全長の減少を図ることができる自動二輪車のテー
ルランプ取付け構造が得られた。

また、前記リヤーフエンダー１４はプラスチツ
ク成形品あるいは金属の板金成形品のいずれでも
よい。

さらに、図示の実施例では２個のバルブ１８，
１９をそなえたストツプランプ兼用のテールラン
プ１６を説明したが、これは１個のバルブを有す
るテールランプ専用のランプを使用する場合にも
同様に実施することができる。

図示しないが、サイドバツクを装着する自動二
輪車の場合は、サイドバツクにテールランプを設
置するスペースが不要となり、バツクの容量が減
少せず、しかもバツクへの配線も不要となり、サ
イドバツク自体の構造がシンプルとなる効果があ
る。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本考案の自動
二輪車のテールランプ取付け構造によれば、後輪
をカバーするリヤーフエンダーの略垂直の後面
に、全周にわたつて該後面上で開口する凹部を一
体成形で形成し、該凹部内に、バルブが取り付け
られるハウジングおよびその前面に取り付けられ
るレンズから成るテールランプを収納し、前記ハ
ウジングおよび前記レンズの周縁部に設けた取り
付け部を前記凹部の開口端周縁の一部に形成した
取り付け座にビス等の締結手段で共締めして固定
し、前記テールランプを、そのレンズの面が前記
リヤーフエンダーの後面と略同一面を成す完全埋
没状態で装着する構成としたので、前記リヤーフ
エンダーの凹部をテールランプカバーとして使用
することができ、予めリヤーフエンダーに組み込
んでしまうことも自由に行なうことができ、組み
立て工程および部品輸送の上の自在性を向上させ
ることができるとともに、車体後部の外観向上、
部品点数の削減、車体後部のコンパクト化と車両
全長の減少を図ることができる自動二輪車のテー
ルランプ取付け構造が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係わる自動二輪車
のテールランプ取付け構造を示す中央縦断面図、
第２図は第１図の線−に沿つた断面図、第３
図は本考案によるテールランプ取付け構造を備え
た自動二輪車の左側面図である。 １４……リヤーフエンダー、１５……凹部、１
６……テールランプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後輪７をカバーするリヤーフエンダー１４の略
   垂直の後面に、全周にわたつて該後面上で開口す
   る凹部１５を一体成形で形成し、該凹部１５内
   に、バルブ１８，１９が取り付けられるハウジン
   グ１７およびその前面に取り付けられるレンズ２
   ０から成るテールランプ１６を収納し、前記ハウ
   ジング１７および前記レンズ２０の周縁部に設け
   た取り付け部を前記凹部１５の開口端周縁の一部
   に形成した取り付け座２１にビス２２，２２等の
   締結手段で共締めして固定し、前記テールランプ
   １６を、そのレンズ２０の面が前記リヤーフエン
   ダー１４の後面と略同一面を成す完全埋没状態で
   装着することを特徴とする自動二輪車のテールラ
   ンプ取付け構造。