JPS6320628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車、自動三輪車等の小型車両
におけるフロントトランクの照明構造に関するも
のである。

本出願人は先に原動機を備え、前一輪、後二輪
の自動三輪車を提供した。斯る小型車両である自
動三輪車において、ある程度大きな物入れ空間を
設けることが好ましいが、車両が小型であるため
仲々難しく、又物入れ箱として車両に載置する等
して別設すれば、物入れ箱が車両上に突出するこ
ととなり、更に夜間において物入れ空間内を照明
するためには該空間内に豆電球等の照明具を配設
しなければならないため、予め電気配線を施す必
要がある等の不利がある。

本考案は以上小型車両に物入れ空間を設ける場
合の不利を改善すべく成されたもので、その目的
とする処は、自動二輪車、自動三輪車等の小型車
両において、車体前部を構成する操向支持部に備
えたレツグシールドの前面に凹状トランク室を設
け、該トランク室を平常時は覆う如くレツグシー
ルドの下部にはリツド部材を開閉自在に取り付け
るとともに、該リツド部材の開放時に車両に備え
たヘツドライトの照明光がリツド部材の内面に反
射して上記トランク室内を反射光が照明する如く
該リツド部材を縦長に形成することにより車両上
にトランクが突出することなく、外観上、スペー
ス利用上有利で、且つトランク室内には照明具を
備える必要なく、ヘツドライトの照明光を有効に
利用することができる小型車両のフロントトラン
ク照明構造を提供するにある。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は自動三輪車の側面図、第２図は同正面
図であり、実施例では小型車両として三輪車を示
すが、本考案は自動二輪車、原動機付四輪車にも
実施することができる。

自動三輪車１は、前車体２と後車体３とをジヨ
イント４により相対的に上下揺動（スイング動）
自在、且つ左右揺動（ローリング動）自在に連結
してなり、前車体２の最前部には後述するレツグ
シールド１１が記設され、該レツグシールド１１
は一輪の操向輪をなす前輪５とハンドル６からな
る操向部を支持する操向支持部を兼ねる。前車体
２の後部には上部にシート７を備えたシートポス
ト８を起設し、中間部は低床式のフロア９を形成
し、又後車体３には駆動輪をなす二輪の後輪１
０，１０が設けられている。

レツグシールド１１は乗員の身体の幅よりも若
干幅広に形成され、後方に向つて前面１１ａが傾
斜し、その下部から側面１１ｂ，１１ｂにかけて
フロントフエンダ１２を一体化形成するととも
に、後部１１ｃは前記フロア９に連続している。
斯るレツグシールド１１の前面１１ａ上部には前
方に開口する凹部１３が幅方向に形成され、凹部
１３の中央にはヘツドライト１４を、左右にはウ
インカーライト１５，１５を収納する。そして第
３図及び第４図に示すように凹部１３の下には前
面１１ａの下部に形成したフロントフエンダ１２
まで、且つ側面１１ｂ，１１ｂにかけて前方に開
口する凹状トランク室１６を大きく凹出形成し、
トランク室１６の奥壁１６ａの後面幅方向中央部
にはブラケツト１７を設け、前車体２のフレーム
２ａの前端に固着したヘツドチユーブ２ｂにブラ
ケツト１７を介してレツグシールド１１を結着支
持する。

以上の如く後方に向つて傾斜したレツグシール
ド１１の前面１１ａから側面１１ｂ，１１ｂにか
けて幅方向及び上下方向に大きく形成したトラン
ク室１６の開口縁１６ｂには、該開口縁１６ｂを
覆つて平常時はトランク室１６を閉塞するリツド
部材１８が設けられ、リツド部材１８は前面１８
ａの下端で蝶番１９，１９によりフロントフエン
ダ１２に枢着支持される。これにより開閉自在と
なつたリツド部材１８は、トランク室１６の開口
縁１６ｂと対応するように左右両端部に折曲形成
した側面１８ｂ，１８ｂを含んでその内面１８ｃ
周縁には突片２０を有し、突片２０の上及び左右
にはシールラバー２１を設けてトランク室１６の
開口縁１６ｂを閉塞状態でシールする。

尚図面中２２は蝶番１９の外表面を覆うラバー
であり、これによりフエンダ１２の前部左右には
バンパ２２，２２を備えることとなる。又実施例
ではトランク室１６をレツグシールド１１と一体
化成形してレツグシールド１１の強度アツプを図
る如く示したが、別体としてトランク室１６を結
着しても良い。

以上の如くトランク室１６をレツグシールド１
１の前部に、且つヘツドチユーブ２ｂの前方に設
けたため、車両上にトランクが突出することな
く、外観上、スペース利用上有利である。

ところでリツド部材１８は、後方に向つて傾斜
したレツグシールド１１の前面１１ａに設けら
れ、且つ幅方向及び上下方向に充分大きく、即ち
広面積であるため、第３図及び第４図に示す如く
開放時に略垂直に起立状態を保つべく蝶番１９の
開限度を予め設定しておけば、その広面積のリツ
ド部材１８の内面１８ｃにヘツドライト１４の照
明光が反射してトランク室１６内を照明すること
となる。

つまりヘツドライト１４はレツグシールド１１
の前面１１ａ上部に、リツド部材１８はトランク
室１６の閉塞時においてヘツドライト１４の直下
に位置しており、且つレツグシールド１１の前面
１１ａは後方に向つて傾斜しているため、リツド
部材１８の開放限度位置である略垂直起立状態に
おけるヘツドライト１４の点灯時には、照明光の
照光範囲Ａを上下及び幅方向に亘つてリツド部材
１８が略々遮断することとなり、該リツド部材１
８の内面１８ｃに直射光イが反射して反射光ロが
トランク室１６内を照明するのである。

又リツド部材１８の内面１８ｃを平滑面とすれ
ば、反射効果が増し、更に銀色等の反射効果の高
い着色を施せば一層トランク室１６内を明るくす
ることがでる。

以上で明らかなように本考案によれば、トラン
ク室をレツグシールドの前部に設けたため外観
上、スペース利用上極めて有利であるとともに、
トランク室のリツド部材を広面積、即ち縦長に形
成したためヘツドライトの照明光を反射せしめて
トランク室内を照明することができ、以つてトラ
ンク室内に照明具を配設する必要が一切なく、夜
間においてヘツドライトの照明光を有効に利用し
てトランク室内の照明を確実に行える等多大の利
点を有する小型車両のフロントトランク照明構造
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は小型車両の側面図、第２図は同平面図、第３図
はリツド部材を開放して示したレツグシールドの
拡大縦断側面図、第４図は同斜視図である。 尚図面中１は小型車両、５は操向輪、１１はレ
ツグシールド、１４はヘツドライト、１６はトラ
ンク室、１８はリツド部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前部の操向輪の操向部を支持する操向支持部の
   前方及び側方にレツグシールドを備える自動二輪
   車、自動三輪車等の小型車両において、上記レツ
   グシールドに前方に開口する凹状トランク室を設
   け、且つ該レツグシールド室の前面下部には上記
   トランク室のリツド部材を開閉自在に取り付ける
   とともに、該リツド部材の開放時に車両の前上部
   に備えたヘツドライトの照明光がリツド部材の内
   面に反射して上記トランク室内を反射光が照明す
   るように該リツド部材を縦長に形成したことを特
   徴とする小型車両のフロントトランク照明構造。